“國(くに)” の例文
新字:国
日本(にほん)が化物(ばけもの)の貧弱(ひんじやく)なのに對(たい)して、支那(しな)に入(い)ると全(まつた)く異(ことな)る、支那(しな)はあの通(とほ)り尨大(ぼうだい)な國(くに)であつて、西(にし)には崑崙雪山(こんろんせつざん)の諸峰(しよぼう)が際涯(はてし)なく連(つらな)り
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
宜(よ)きことにして金(かね)やらん妾(せう)になれ行々(ゆく/\)は妻(つま)にもせんと口惜(くちを)しき事(こと)の限(かぎ)り聞(き)くにつけても君(きみ)さまのことが懷(なつ)かしく或(あ)る夜(よ)にまぎれて國(くに)を
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
雨(あめ)の日(ひ)のつれ/″\に、佛(ほとけ)、教(をし)へてのたまはく、昔(むかし)某(それ)の國(くに)に一婦(いつぷ)ありて女(ぢよ)を生(う)めり。此(こ)の婦(をんな)恰(あたか)も弱竹(なよたけ)の如(ごと)くにして、生(うま)れし女(むすめ)玉(たま)の如(ごと)し。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わが國(くに)に於(お)ける三階建(さんがいだて)は勿論(もちろん)、二階建(にかいだて)も大抵(たいてい)各階(かくかい)の柱(はしら)が床(とこ)の部分(ぶぶん)に於(おい)て繼(つ)がれてある。即(すなは)ち通(とほ)し柱(はしら)を用(もち)ひないで大神樂造(だいかぐらづく)りにしてある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
然(しか)るも我國(わがくに)の財源(ざいげん)には限(かぎり)あり、兵船(へいせん)の増加(ぞうか)にも限度(げんど)あり、國(くに)を思(おも)ふの士(し)は日夜(にちや)此事(このこと)に憂慮(ゆうりよ)し、絶(た)えず此點(このてん)に向(むか)つて策(さく)を講(こう)じて居(を)る。
ここに出雲(いづも)の國(くに)の造(みやつこ)の祖、名は岐比佐都美(きひさつみ)、青葉の山を餝(かざ)りて、その河下に立てて、大御食(おほみあへ)獻らむとする時に、その御子詔りたまはく
大和(やまと)の國(くに)のある山寺(やまでら)の賓頭廬樣(びんずるさま)の前(まへ)に置(お)いてある石(いし)の鉢(はち)の眞黒(まつくろ)に煤(すゝ)けたのを、もったいらしく錦(にしき)の袋(ふくろ)に入(い)れて姫(ひめ)のもとにさし出(だ)しました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
父(とう)さんの生(うま)れた田舍(ゐなか)は美濃(みの)の方(はう)へ降(お)りようとする峠(たうげ)の上(うへ)にありましたから、お家(うち)のお座敷(ざしき)からでもお隣(となり)の國(くに)が山(やま)の向(むか)ふの方(はう)に見(み)えました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『——でも私(わたし)は其(その)國(くに)が何(なん)といふ國(くに)だか其(その)人達(ひとたち)に訊(き)いてやりたいわ。ねえ阿母(おかア)さん、ニューズィーランドでせう、それともオーストレリア?』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
現在(げんざい)わが國(くに)にある博物館(はくぶつかん)はその數(すう)が少(すくな)いばかりでなく、殘念(ざんねん)ながら世界(せかい)に押(お)し出(だ)して優(すぐ)れた博物館(はくぶつかん)とは申(まを)すことが出來(でき)ません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「是(これ)は甲斐(かひ)の國(くに)から反物(たんもの)を脊負(しよ)つてわざ/\東京(とうきやう)迄(まで)出(で)て來(く)る男(をとこ)なんです」と坂井(さかゐ)の主人(しゆじん)が紹介(せうかい)すると、男(をとこ)は宗助(そうすけ)の方(はう)を向(む)いて
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
士卒(しそつ)未(いま)だ附(つ)かず、百姓(せい)信(しん)ぜず。人(ひと)微(び)にして權(けん)輕(かろ)し。願(ねが)はくは君(きみ)の寵臣(ちようしん)・國(くに)の尊(たつと)ぶ所(ところ)を得(え)て以(もつ)て軍(ぐん)を監(かん)せしめば、乃(すなは)ち可(か)ならん
日本(にほん)の金解禁(きんかいきん)は如何(いか)なる用意(ようい)を以(もつ)てするかは可(か)なり注目(ちうもく)されて居(ゐ)る爲(ため)に、金解禁(きんかいきん)は國(くに)の内外(ないぐわい)に於(おい)て大問題(だいもんだい)であつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
「蛙君(かへるくん)、きみはまあ何(なに)をゆつてるんだ。星(ほし)の國(くに)は、こうした樹(き)の上(うへ)の、そのもつと高(たか)いたかあいところにある天空(そら)なんだよ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
この人(ひと)は、この山(やま)を甲斐(かひ)の國(くに)乘鞍山(のりくらやま)と書(か)いてゐるが、これはやはり只今(たゞいま)の飛騨山脈(ひださんみやく)(日本(につぽん)アルプス)の中(なか)のあの山(やま)でせう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
B うゝ、それはマア双方(さうはう)の間(あひだ)にキナ臭(くさ)い匂(にほ)ひぐらゐしてゐたのだらう。其中(そのうち)、女(をんな)が國(くに)に歸(かへ)つて、暫(しばら)くしてから其(そ)の手紙(てがみ)をよこしたんだ、さうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
「お國(くに)のお母(つか)さんが贈つて下すつたものをあなたは今召し上つたんですよ。」と、些(ちよ)つと揶揄氣味(からかひぎみ)で云つた。
母と子 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
煤(すゝ)け切(き)つた佛壇(ぶつだん)の菜種油(なたねあぶら)の明(あか)りは遠(とほ)い國(くに)からでも光(ひか)つて來(く)るやうにぽつちりと微(かす)かに見(み)えた。お袋(ふくろ)のよりも先(ま)づ白木(しらき)の儘(まゝ)のお品(しな)の位牌(ゐはい)に心(こゝろ)からの線香(せんかう)の煙(けぶり)が靡(なび)いた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かっこうはほとゝぎすの類(るい)で𤍠帶(ねつたい)に棲(す)むものですが、夏(なつ)になると北方(ほつぽう)の涼(すゞ)しい地方(ちほう)へやつてくるのです。中(なか)には日本(につぽん)を通(とほ)り過(す)ぎて、もっと北(きた)の國(くに)へまで行(ゆ)くのもあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
爾來(じらい)數年(すねん)、志村(しむら)は故(ゆゑ)ありて中學校(ちゆうがくかう)を退(しりぞ)いて村落(そんらく)に歸(かへ)り、自分(じぶん)は國(くに)を去(さ)つて東京(とうきやう)に遊學(いうがく)することゝなり、いつしか二人(ふたり)の間(あひだ)には音信(おんしん)もなくなつて、忽(たちま)ち又四五年經(た)つてしまつた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
お國(くに)と申す女中がございまして、器量人並に勝(すぐ)れ、殊(こと)に起居周旋(たちいとりまわし)に如才(じょさい)なければ、殿様にも独寝(ひとりね)の閨(ねや)淋しいところから早晩(いつか)此のお國にお手がつき、お國は到頭(とうとう)お妾(めかけ)となり済しましたが
それにさすがは文學(ぶんがく)の國(くに)支那(しな)の遊(あそ)びで、役(やく)の名(な)に清一色(チンイイソオ)とか、國士無雙(コオシフウサン)とか、海底撈月(ハイチイラオイエ)とか、嶺上開花(リンシヤンカイホウ)とか、四喜臨門(スウシイリンメン)とかいふやうな如何(いか)にも詩味(しみ)のある字句(じく)を使(つか)つてあるのも面白(おもしろ)い。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
此度(このたび)大陰暦(たいゝんれき)を止(やめ)て大陽暦(たいやうれき)となし、明治五年十二月三日を明治六年一月一日と定(さだ)めたるは一年俄(にはか)に二十七日の相違(さうゐ)にて世間(せけん)にこれを怪(あやし)む者(もの)も多(おほ)からんと思(おも)ひ、西洋(せいやう)の書(しよ)を調(しらべ)て彼(か)の國(くに)に行(おこな)はるゝ大陽暦(たいやうれき)と
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
も折々誘引せしかど市之丞夫婦は素(もと)より僅の貯(たくは)へにて國(くに)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
國(くに)の兄姫(えびめ)の長(たけ)すがた、富士(ふじ)こそ問(と)へれ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
言(こと)依(よ)さす中(なか)つ國(くに)、大八洲(おほやしま)この國土(くにつち)
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「國(くに)ではどうしてるべ。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
土の香(か)ぞ、國(くに)の御魂(みたま)ぞ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
日(ひ)は麗(うら)らかに志摩(しま)の國(くに)
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
ここに國(くに)するよろこび
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
近來(きんらい)世界(せかい)の文運(ぶんうん)が急激(きふげき)に進展(しんてん)したのと、國際的交渉(こくさいてきかうせふ)が忙(いそが)しくなつたのとで、わが國(くに)においても舊來(きうらい)の言語(げんご)だけでは間(ま)に合(あ)はなくなつた。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
同(おな)じ時(とき)、賈雍將軍(かようしやうぐん)は蒼梧(さうご)の人(ひと)、豫章(よしやう)の太守(たいしゆ)として國(くに)の境(さかひ)を出(い)で、夷賊(いぞく)の寇(あだ)するを討(たう)じて戰(たゝかひ)に勝(か)たず。遂(つひ)に蠻軍(ばんぐん)のために殺(ころ)され頭(かうべ)を奪(うば)はる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
それやこれやの關係(かんけい)で、日本(につぽん)は地震學(ぢしんがく)開發(かいはつ)の國(くに)といはれてゐるのであるが、然(しか)し其開發者(そのかいはつしや)の重(おも)な人々(じんこう)は外國人(がいこくじん)、特(とく)にイギリス人(じん)であつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
丁度(ちやうど)、お隣(とな)りで美濃(みの)の國(くに)の方(はう)から木曽路(きそぢ)へ入(はひ)らうとする旅人(たびびと)のためには、一番(いちばん)最初(さいしよ)の入口(いりぐち)のステエシヨンにあたつて居(ゐ)たのが馬籠驛(まごめえき)です。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
問ひて曰はく、「今天つ日高の御子虚空つ日高、上(うは)つ國(くに)一九に幸(い)でまさむとす。誰は幾日に送りまつりて、覆(かへりごと)奏(まを)さむ」と問ひき。
冬(ふゆ)は何事(なにごと)もなく北風(きたかぜ)を寒(さむ)い國(くに)へ吹(ふ)き遣(や)つた。山(やま)の上(うへ)を明(あき)らかにした斑(まだら)な雪(ゆき)が次第(しだい)に落(お)ちて、後(あと)から青(あを)い色(いろ)が一度(いちど)に芽(め)を吹(ふ)いた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
又(また)此國債(このこくさい)が一般(ぱん)會計(くわいけい)に年々(ねん/\)巨額(きよがく)な國債(こくさい)を計上(けいじやう)することから殖(ふ)えるのであるとすると、國(くに)の財政(ざいせい)の不健全(ふけんぜん)な結果(けつくわ)が國債(こくさい)の不整理(ふせいり)となつて現(あらは)れる。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
出雲(いづも)の國(くに)あたりから出(で)る碧玉(へきぎよく)といふ青黒(あをぐろ)い石(いし)が用(もち)ひられ、さらに後(のち)になると、赤(あか)い瑪瑙(めのう)が普通(ふつう)に使(つか)はれるようになりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「私(わたし)がこの國(くに)で生(うま)れたものでありますならば、お宮仕(みやづか)へも致(いた)しませうけれど、さうではございませんから、お連(つ)れになることはかなひますまい」
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
私(わたくし)は今(いま)やまた軍艦(ぐんかん)日(ひ)の出(で)のみならず一度(いちど)喪(うしな)つたと思(おも)つた日出雄(ひでを)をも國(くに)に獻(さゝ)ぐる事(こと)の出來(でき)るやうになつた事(こと)を感謝(かんしや)します。
吉備(きび)の國(くに)の中山(なかやま)——美作(みまさか)にある——よ。それが腰(こし)のひきまはしにしてゐる、細谷川(ほそたにがは)の音(おと)の澄(す)んで聞(きこ)えることよ。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「ほんとに情無(なさけね)えよ。わしあ。國(くに)には親兄弟(おやけうだい)もあるんだが、父親(おやぢ)はもう年老(としより)だつたから、死(し)んだかも知(し)れねえ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
國(くに)を出(いづ)るまでは左(さ)まで不運(ふうん)の縁(ゑん)とも思(おも)はざりしが、今日(けふ)この頃(ごろ)は送(おく)りこしたる寫眞(しやしん)をさへ見(み)るに物(もの)うく
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
(一三)區區(くく)の齊(せい)を以(もつ)て、(一四)海濱(かいひん)に在(あ)り、(一五)貨(くわ)を通(つう)じ財(ざい)を積(つ)み、國(くに)を富(と)まし兵(へい)を彊(つよ)うし、(一六)俗(ぞく)と好惡(かうを)を同(おな)じうす故(ゆゑ)に(一七)其稱(そのしよう)に曰(いは)く、(一八)
以上(いじよう)のわけで一國(いつこく)の山(やま)全部(ぜんぶ)が青々(あを/\)としてゐる間(あひだ)はその國(くに)は盛(さか)んになるのですが、反對(はんたい)に、いくら、必要(ひつよう)だからと言(い)つて、やたらに樹木(じゆもく)を伐(き)るばかりで、荒(あら)しつくしてしまへば
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
亞弗利加洲(アフリカしう)にアルゼリヤといふ國(くに)がある、凡そ世界中(せかいぢゆう)此國(このくに)の人(ひと)ほど怠惰者(なまけもの)はないので、それといふのも畢竟(ひつきやう)は熱帶地方(ねつたいちはう)のことゆえ檸檬(れもん)や、橙(だい/\)の花(はな)咲(さ)き亂れて其(その)得(え)ならぬ香(かほり)四方(よも)に立(た)ちこめ
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
B まだ斯(か)ういふのがあるよ。矢張(やは)り僕(ぼく)の友人(いうじん)だが、國(くに)の母親(はゝおや)がひとりで寂(さび)しがつてゐると云(い)つて、毎日(まいにち)一枚(まい)づつ繪葉書(ゑはがき)を出(だ)してゐるが、モウそれを三四年間(ねんかん)一日(にち)も缺(か)かさずやつてるから感心(かんしん)だらう。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
下(した)なる國(くに)の暗谷(くらだに)につくばひ居(ゐ)るや。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
國(くに)ありき、綿津見の潮(しほ)と稚(わか)く
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
津(つ)の國(くに)屋(や)お菊(きく)一件(いつけん)
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)