たつ)” の例文
人間じんかんニ政府ヲたつル所以ハ、此通義ヲ固クスルタメノ趣旨ニテ、政府タランモノハ其臣民ニ満足ヲ得セシメはじめテ真ニ権威アルト云フベシ。
ちゝなるものは蚊柱かばしらたつてるうまやそばでぶる/\とたてがみゆるがしながら、ぱさり/\としりあたりたゝいてうままぐさあたへてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
撰び結納持參なす可き所ろ思ひたつ吉日きちにちと主人も申し候へば差附さしつけがましく候へど今日品々しな/″\持參したれば何卒お受取うけとり下されと水引掛し目録書もくろくがき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
事實じゝつ此世このよひとかもれないが、ぼくにはあり/\とえる、菅笠すげがさかぶつた老爺らうやのボズさんが細雨さいううちたつる。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
我国人民の淳良なるを見れば、外国人のごとく兵を起し朝廷に迫り、戦い勝て条約をたつるというほどにも至り難からん。ゆえに時節到来せざれば起らず。
それ欧、米諸国のごとき、人民を教育する諸般の学校を設け、諸般の方法をたつる、もとより周密そなわらざるなし。
教育談 (新字新仮名) / 箕作秋坪(著)
みちはおじいさんがきにたつ案内あんないしてくださるので、すこしも心配しんぱいなことはありませぬが、それでもところどころあぶなつかしい難所なんしょだとおもったこともございました。
そもそも仏国の土国をたいするを見るに、友誼ゆうぎ懇親によるのほか、さらに他意あらず。ゆえに土国のために害ある約はたつべからず。この理、領解しがたきにあらず。
しかれども王家あにこれをもって教をたつるものならんや。百露の王すでに西班牙スペインのために滅さる今にいたりて、天孫の国、万国と角立かくりつするもの、ひとり皇国あるのみ。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
握飯にぎりめしほどな珊瑚珠さんごじゅ鉄火箸かなひばしほどな黄金脚きんあしすげてさゝしてやりたいものを神通じんつうなき身の是非もなし、家財うっ退けて懐中にはまだ三百両あれどこれ我身わがみたつもと
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
夫から約十日許たつてから、漸く講義が始まつた。三四郎が始めて教室へ這入はいつて、ほかの学生と一所に先生のるのをつてゐた時の心持は実に殊勝なものであつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
道徳の一品をもって身をたつるの資本となし、無芸にても無能にても、これに頓着とんちゃくせざる者あるが如し。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
なにはゞかりての御遠慮ごゑんりよぞやくわんずれば御恨おうらみも未練みれんなにもあらずお二かたさま首尾しびとゝのひしあかつきにはいさぎよく斯々かう/\して流石さすが貞操みさをたつるとだけきみさまにられなばそれ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一は清信がいまだ豪健放恣ほうしなる一家の画風をたつるにいたらず、もっぱら師宣の門人古山師重ふるやまもろしげ中間ちゅうかんにして菱川派の筆法を学びたる時代の制作をうかがふ一例とするに足ればなり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
つゞいてダリユシカもなんともへぬかなしそうなかほをして、一時間じかん旦那だんな寐臺ねだいそばじつたつまゝで、れからハヾトフもブローミウム加里カリびんつて、猶且やはり見舞みまひたのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
軒下のきした縄張なはばりがいたしてございますうち拝観人はいくわんにんみなたつはいしますので、京都きやうと東京とうきやうちがつて人気にんきは誠におだやかでございまして、巡査じゆんさのいふ事をく守り、中々なか/\なはの外へは出ません。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
孟軻マウカ氏曰く、伯夷ハクイの風を聞く者は、頑夫もれんに、懦夫だふも志をたつる有り、又曰く柳下恵リウカケイの風を聞く者は、鄙夫ひふも寛に、薄夫もあつしと、吾人は其生涯の行為、磊々落々らい/\らく/\、天の如く、神の如く
とほく来りたるものは宿をもとむるもあれば、家毎いへごとに人つどひ、香具師かうぐし看物みせもの薬売くすりうり弁舌べんぜつ、人の足をとゞめてきりたつべき所もあらぬやう也。此初市の日は繁花はんくわの地の喿饒にぎはひにもをさ/\おとらず。
洗出あらひだしの木目のたつた高からぬ塀にかゝりて、さかりはさぞと思はるゝ櫻の大木、枝ふりといゝ物好な一構ひとかまへ、門の折戸片々いつも内より開かれて、づうと玄關迄御影の敷石、椽無ゑんなしの二枚障子いつも白う
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
目鼻だちは十人並すぐれて整ふて居るが寂しい顔であるから、水晶の中から出て来たやうな顔をして明るい色の着物を着たつれの女に比べると、花の傍に丸太の柱がたつて居る程に見られるのであつた。
御門主 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
太郎「だてふはいつもつてばかりゐますが、よるねるときでもたつてますか」
渠はふら/\と癇癪を起こしたので、突つたつたまま
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
モデル台の上にたつてはにかんだ彼女は。
裸婦 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
たつあか障子しょうじの朝みどり 左次
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
火※くわえんはきすつくたつ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
とほかゝりしに深編笠ふかあみがさかぶりて黒絽くろろ羽織はおりのぼろ/\したるを如何にも見寥みすぼらしき容體なりをしてうたひをうたひながら御憐愍々々ごれんみん/\と云つゝ往來にたつて袖乞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うしろ田圃たんぼでは、みづこけのわるにはつてるうちからゆきけつゝあつたので、畦畔くろ殊更ことさらしろせんゑがいてたつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
元來ぐわんらい自分じぶんだい無性者ぶしやうものにておもたつ旅行りよかうもなか/\實行じつかうしないのが今度こんどといふ今度こんど友人いうじん家族かぞくせつなる勸告くわんこくでヤツと出掛でかけることになつたのである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
なんとせんみち間違まちがへたり引返ひきかへしてとまた跡戻あともどり、大路おほぢいづれば小路こうぢらせ小路こうぢぬひては大路おほぢそう幾走いくそうてん幾轉いくてんたつゆきわだちのあとながひきてめぐりいづればまた以前いぜんみちなり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この時、衣服の制限をたつるに、何の身分は綿服めんぷく、何はつむぎまで、何は羽二重はぶたえを許すなどとめいいだすゆえ、その命令は一藩経済のため衣冠制度いかんせいどのため歟、両様混雑して分明ならず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
去歳こぞの春すがもりしたるか怪しき汚染しみは滝の糸を乱して画襖えぶすま李白りはくかしらそそげど、たてつけよければ身の毛たつ程の寒さを透間すきまかこちもせず、かくも安楽にして居るにさえ、うら寂しくおのずからかなしみを知るに
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
人の幼穉ようちなるとき、意を加えてこれを保護せざれば、必ずみ、必ず死す。また心を用いてこれを教育せざれば、長ずるにおよびて必ずがん、必ずにして、蛮夷の間といえども共にたつべからざるに至る。
教育談 (新字新仮名) / 箕作秋坪(著)
「あなたは団扇をかざして、たかい所にたつてゐた」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
モデル台の上にたつてはにかんだ彼女は。
小熊秀雄全集-15:小説 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
證據にと目にかどたつれば惣内ひざ立直たてなほし名主役の惣内を盜人などとは言語同斷ごんごどうだんなり九助品に依りすぢに因ては了簡れうけん成難なりがたしと聞皆々みな/\四方より九助を取まきたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おつぎはさらしのけておりようとすると、其處そこがけまへにひよつこりと高瀬船たかせぶね帆柱ほばしらやみいてたつる。みづちかくこそ/\とひと噺聲はなしごゑきこえる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
海岸かいがんから三四丁はなれたやまふもとたつ此小學校このせうがくかうところけつして立派りつぱなものではありません。ことぼくはひつたころ粗末そまつ平屋ひらやで、教室けうしつかずよついつゝしかかつたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
打水うちみづのあとかろ庭下駄にはげたにふんで、もすそとる片手かたてはすかしぼね塗柄ぬりえ團扇うちわはらひつ、ながれにのぞんでたつたる姿すがたに、そらつきはぢらひてか不圖ふとかゝるくもすゑあたりにわかくらくなるをりしも
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つきものをあてにせずして、もとよつこよみたつるは、事柄ことがらおいたゞしきみちといふべし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
老人らうじんさきたつくので若者わかもの其儘そのまゝあとき、つひ老人らうじんうちつたのです、砂山すなやまえ、竹藪たけやぶあひだ薄暗うすぐらみちとほると士族屋敷しぞくやしきる、老人らうじん其屋敷そのやしきひとつはひりました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
流石さすが氣根きこん竭果つきはてけん茫然ばうぜんとしてたちつくすをりしも最少もすこまゐると御座ございませうとはなごゑしてくろかげうつりぬ、てんあたひとこそつれはづすまじといさたつすゝればはてなんとせん
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
本省より分離して一旦帝室の御有ぎょゆうとなし、さらにこれを民間の有志有識者に附与して、共同私有私立学校のていをなさしめ、帝室より一時巨額の金円を下附せられて永世保存の基本をたつるか、また
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
自分じぶん義母おつかさんに『これから何處どこくのです』とひたいくらゐであつた。最早もう我慢がまんきれなくなつたので、義母おつかさん一寸ちよつたつようたしにつた正宗まさむねめいじて、コツプであほつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
なにとせんとかうてゝ、垣根かきねひまよりさしのぞけば、いましも雲足くもあしきれてあらたにらしいだつきひかりに、見合みあはしてたつたるひと何時いつ此所こゝへはて、いままでかくれてゞもしものか
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いはうへたつてジツとしてるとさびしいこと、しづかなこと、深谷しんこくせまつてる。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
はい昨夜ゆうべはよくおやすみになりましたが今朝けさほどまたすこしその、一寸ちよつと御樣子ごやうすかはつたやうで、ま、いらしつて御覽下ごらんくださりませとさきたつ案内あんないをすれば、心配しんぱいらしくひげをひねりて、おく座敷ざしきとほりぬ。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
雲飛うんぴは石をうばはれて落膽らくたんし、其後はうち閉籠とぢこもつて外出しなかつたが、いしかはおち行衞ゆくへ不明ふめいになつたことをつたき、或朝あるあさはやく家を出で石のちたあととむらふべく橋上けうじやうたつて下を見ると、河水かすゐ清徹せいてつ
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
其時そのときわたしは七つであつたれどうちうち樣子やうす父母ちゝはゝこゝろをもれてあるにおこめ途中とちうおとしましたとから味噌みそこしさげてうちにはかへられず、たつてしばらくいてたれどうしたとふてれるひともなく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その時私は七つであつたれどうちうちの様子、父母ちちははの心をも知れてあるにお米は途中で落しましたとからの味噌こしさげて家には帰られず、たつてしばらく泣いていたれどどうしたと問ふてくれる人もなく
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)