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畜生
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ちくしやう
ふりがな文庫
“
畜生
(
ちくしやう
)” の例文
その
畜生
(
ちくしやう
)
に
落
(
おと
)
されるとは、
何
(
なに
)
かの
因縁
(
いんえん
)
に
違
(
ちが
)
ひございません。それは
石橋
(
いしばし
)
の
少
(
すこ
)
し
先
(
さき
)
に、
長
(
なが
)
い
端綱
(
はづな
)
を
引
(
ひ
)
いた
儘
(
まま
)
、
路
(
みち
)
ばたの
青芒
(
あをすすき
)
を
食
(
く
)
つて
居
(
を
)
りました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
(
嬢様
(
ぢやうさま
)
勘違
(
かんちが
)
ひさつしやるな、これはお
前様
(
まへさま
)
ではないぞ、
何
(
なん
)
でもはじめから
其処
(
そこ
)
な
御坊様
(
おばうさま
)
に
目
(
め
)
をつけたつけよ、
畜生
(
ちくしやう
)
俗縁
(
ぞくえん
)
があるだツぺいわさ。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
誠に
静
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つて
兵士
(
へいし
)
ばかりでは無い馬までも
静
(
しづか
)
にしなければいかないと
申
(
まう
)
す
処
(
ところ
)
が、馬は
畜生
(
ちくしやう
)
の事で誠に心ない物でございますから、
焦
(
じれ
)
つたがり
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
法
(
はふ
)
も
道理
(
だうり
)
も
無茶苦茶
(
むちやくちや
)
の
犬畜生
(
いぬちくしやう
)
のやうな
心
(
こゝろ
)
であらう、
此樣
(
このやう
)
ないたづらの
畜生
(
ちくしやう
)
をば、
御存
(
ごぞん
)
じの
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
とて
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にも
無
(
な
)
いかのやうに
可愛
(
かあい
)
がつて
下
(
くだ
)
すつて
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
忘れ
盜人
(
ぬすびと
)
に同意爲す爰な
畜生
(
ちくしやう
)
めと云聲聞て勝手に働き居りし若い者又は九助が
家附
(
いへつき
)
の親類小前の
輩
(
ともが
)
ら十二三人
襷懸
(
たすきがけ
)
にて面々飛出し
彌々
(
いよ/\
)
大騷ぎとなりし故藤八は兩手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
『
畜生
(
ちくしやう
)
!
行
(
ゆ
)
け! さツさと
行
(
ゆ
)
け!』と
彼
(
かれ
)
は
玄關迄
(
げんくわんまで
)
駈出
(
かけだ
)
して、
泣聲
(
なきごゑ
)
を
上
(
あ
)
げて
怒鳴
(
どな
)
る。『
畜生
(
ちくしやう
)
!』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いよ/\
忌々
(
いま/\
)
しくて
仕樣
(
しやう
)
がないので、
又
(
また
)
十
日
(
か
)
ばかり
續
(
つゞ
)
けた。
矢張
(
やは
)
り
何
(
なん
)
の
手
(
て
)
ごたへもない。もう
斯
(
か
)
うなつて
來
(
く
)
ると
此方
(
こつち
)
も
意地
(
いぢ
)
だ。
畜生
(
ちくしやう
)
、いつまでゝも
止
(
や
)
めるものかと
根氣
(
こんき
)
よく
書
(
か
)
きつゞけた。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
あゝ
分
(
わか
)
つた/\、
畜生
(
ちくしやう
)
巧
(
うま
)
くやつてるな、
此前
(
このまへ
)
あの
邊
(
へん
)
で
沈沒
(
ちんぼつ
)
したトルコ
丸
(
まる
)
の
船幽靈
(
ふないうれい
)
めが、まだ
浮
(
うか
)
び
切
(
き
)
れないで
難破船
(
なんぱせん
)
の
眞似
(
まね
)
なんかして
此
(
この
)
船
(
ふね
)
を
暗礁
(
あんせう
)
へでも
僞引寄
(
おびきよ
)
せやうとかゝつて
居
(
い
)
るんだな、どつこい
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
あだかたきうらみそねみの
畜生
(
ちくしやう
)
が
桜花
(
さくら
)
見てありとわれに驚く
桜
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
私達
(
わたしたち
)
のことを、ほんとに、
畜生
(
ちくしやう
)
もないもんだ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
やはらかにかなしき
畜生
(
ちくしやう
)
の
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
(
畜生
(
ちくしやう
)
、)といつたが
馬
(
うま
)
は
出
(
で
)
ないわ。びく/\と
蠢
(
うごめ
)
いて
見
(
み
)
える
大
(
おほき
)
な
鼻面
(
はなツつら
)
を
此方
(
こちら
)
へ
捻
(
ね
)
ぢ
向
(
む
)
けて
頻
(
しきり
)
に
私等
(
わしら
)
が
居
(
ゐ
)
る
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
る
様子
(
やうす
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わし
)
が見て
居
(
ゐ
)
ねえでは
歯骨
(
はつこつ
)
や
何
(
なに
)
か
分
(
わか
)
るまい。金「ナニ知つてるよ、ちやんと
心得
(
こゝろえ
)
てるんだ、
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
ゆ
)
け、
行
(
ゆ
)
かねえと
撲
(
なぐ
)
り
附
(
つ
)
けるぞ、
行
(
い
)
かねえか
畜生
(
ちくしやう
)
。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
畜生
(
ちくしやう
)
に
等
(
ひと
)
しと云己等如き恩も
情
(
なさけ
)
も知らぬ
犬
(
いぬ
)
に
劣
(
おと
)
りし者は
忘
(
わす
)
れしやも知れず某しは
元
(
もと
)
相摸
(
さがみ
)
の國
御殿場
(
ごてんば
)
村の百姓條七がなれの
果
(
はて
)
なり抑其方は
勘當
(
かんだう
)
請
(
うけ
)
し身にて一
宿
(
しゆく
)
の
泊
(
とま
)
る家さへなきを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
來
(
き
)
た々々!
諸君
(
しよくん
)
お
目出
(
めで
)
たう、
院長閣下
(
ゐんちやうかくか
)
が
我々
(
われ/\
)
を
訪問
(
はうもん
)
せられた!
此
(
こ
)
ン
畜生
(
ちくしやう
)
め!』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
しまつたりと
飛
(
と
)
び
退
(
の
)
きて
畜生
(
ちくしやう
)
めとはまこと
踏
(
ふ
)
みつけの
詞
(
ことば
)
なり、
我
(
わ
)
が
物
(
もの
)
なれば
重
(
おも
)
からぬ
傘
(
かさ
)
の
白
(
しら
)
ゆき
往來
(
ゆきかひ
)
も
多
(
おほ
)
くはあらぬ
片側町
(
かたかはまち
)
の
薄
(
うす
)
ぐらきに
悄然
(
しよんぼり
)
とせし
提燈
(
ちやうちん
)
の
影
(
かげ
)
かぜに
瞬
(
またゝ
)
くも
心細
(
こゝろぼそ
)
げなる
一輛
(
いちりやう
)
の
車
(
くるま
)
あり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
畜生
(
ちくしやう
)
。あいつは遊んでゐやがる。」
LOS CAPRICHOS
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若
(
わか
)
いものが
歸
(
かへ
)
ると、
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
をして、
畜生
(
ちくしやう
)
の
智慧
(
ちゑ
)
を
笑
(
わら
)
ふ
筈
(
はず
)
が、
豈
(
あに
)
計
(
はか
)
らんや、ベソを
掻
(
か
)
いた。
餅
(
もち
)
は
一切
(
ひときれ
)
もなかつたのである。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
ど
)
うしたんだねえ、まア
何
(
なん
)
だね。梅「
何
(
ど
)
うしたつて、フン/\あの
松
(
まつ
)
ン
畜生
(
ちくしやう
)
め……。女房「
松
(
まつ
)
さんが
何
(
ど
)
うしたんだえ。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
此
(
こ
)
ン
畜生
(
ちくしやう
)
! やい
毆殺
(
ぶちころ
)
して
了
(
しま
)
へ!
殺
(
ころ
)
しても
足
(
た
)
るものか、
便所
(
べんじよ
)
にでも
敲込
(
たゝきこ
)
め!』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
實
(
げ
)
に
誠
(
まこと
)
名
(
な
)
は
畜生
(
ちくしやう
)
の
熊
(
くま
)
なれや
不義
(
ふぎ
)
に
曇
(
くも
)
りし
胸
(
むね
)
の
月
(
つき
)
の
輪
(
わ
)
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
直
(
す
)
ぐに
答
(
こた
)
へて、
坂上
(
さかがみ
)
は
其
(
そ
)
のまゝ
立留
(
たちど
)
まつて、
振向
(
ふりむ
)
いた……ひやりと
肩
(
かた
)
から
窘
(
すく
)
みながら、
矢庭
(
やには
)
に
吠
(
ほ
)
える
犬
(
いぬ
)
に、(
畜生
(
ちくしやう
)
、)とて
擬勢
(
ぎせい
)
を
示
(
しめ
)
す
意氣組
(
いきぐみ
)
である。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
穏坊
(
をんばう
)
の
畜生
(
ちくしやう
)
、
此方
(
こつち
)
へ
這入
(
はいつ
)
て
来
(
き
)
やアがると
肯
(
きか
)
ねえぞ、
無闇
(
むやみ
)
に
這入
(
へいり
)
やアがるとオンボウ
焼
(
や
)
いて
押付
(
おつつ
)
けるぞ。と
悪体
(
あくたい
)
をつきながら
穏坊
(
をんばう
)
の
袖
(
そで
)
の
下
(
した
)
を
掻潜
(
かいくゞ
)
つてスーツと
駈出
(
かけだ
)
して
行
(
ゆ
)
きました。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……
馴染
(
なじみ
)
なる
雀
(
すゞめ
)
ばかりで
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けた。
金魚
(
きんぎよ
)
を
買
(
か
)
つた
小兒
(
こども
)
のやうに、
乘
(
の
)
しかゝつて、
踞
(
しやが
)
んで
見
(
み
)
ると、
逃
(
に
)
げたぞ!
畜生
(
ちくしやう
)
、
唯
(
たゞ
)
の
一匹
(
いつぴき
)
も、
影
(
かげ
)
も
形
(
かたち
)
もなかつた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兄
(
あにき
)
もねえもんだ、
兄
(
あにき
)
(
狸
(
たぬき
)
)の
腹鼓
(
はらつゞみ
)
が聞いて
呆
(
あき
)
れると
吐
(
ぬか
)
しやアがるから、やい
此
(
こ
)
ン
畜生
(
ちくしやう
)
、
手前
(
てめえ
)
は
懶惰者
(
なまけもん
)
でべん/\と遊んでゐるから、
何処
(
どこ
)
へ
奉公
(
ほうこう
)
に
遣
(
や
)
つたつて置いてくれる者もないから
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
畜生
(
ちくしやう
)
、
人
(
ひと
)
の
女房
(
にようばう
)
を
奪
(
うば
)
つた
畜生
(
ちくしやう
)
、
魔物
(
まもの
)
に
義理
(
ぎり
)
はあるまいが、
約束
(
やくそく
)
を
違
(
たが
)
へて
済
(
す
)
むか、……
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
つて
約束
(
やくそく
)
した——
婦
(
をんな
)
の
彫像
(
てうざう
)
を
拵
(
こしら
)
へろ、
其
(
そ
)
の
形代
(
かたしろ
)
を
持
(
も
)
つて
来
(
こ
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ヘエ……そんなに
賞
(
ほ
)
めてお
呉
(
く
)
んなさるな、
畜生
(
ちくしやう
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
で
位
(
くらゐ
)
など
貰
(
もら
)
ひましたから、
果報焼
(
くわはうや
)
けで、
此様
(
こん
)
な
塩梅
(
あんばい
)
に
身体
(
からだ
)
が悪くなつて、牛のくらゐ
倒
(
だふ
)
れとは
此事
(
このこと
)
で、毎日々々
黒胡麻
(
くろごま
)
ばかり
食
(
く
)
はせられて
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けれども、
次第
(
しだい
)
に
畜生
(
ちくしやう
)
、
横領
(
わうりやう
)
の
威
(
ゐ
)
を
奮
(
ふる
)
つて、
宵
(
よひ
)
の
内
(
うち
)
からちよろりと
攫
(
さら
)
ふ、
漁
(
すなど
)
る
後
(
あと
)
から
嘗
(
な
)
めて
行
(
ゆ
)
く……
見
(
み
)
る/\
四
(
よ
)
つ
手網
(
であみ
)
の
網代
(
あじろ
)
の
上
(
うへ
)
で、
腰
(
こし
)
の
周囲
(
まはり
)
から
引奪
(
ひつたく
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
不斷
(
ふだん
)
だと、
魑魅
(
ちみ
)
を
消
(
け
)
す
光明
(
くわうみやう
)
で、
電燈
(
でんとう
)
を
燦
(
ぱつ
)
と
點
(
つ
)
けて、
畜生
(
ちくしやう
)
を
礫
(
つぶて
)
にして
追拂
(
おひはら
)
ふのだけれど、
此
(
こ
)
の
燈
(
あかり
)
の
覺束
(
おぼつか
)
なさは、
天井
(
てんじやう
)
から
息
(
いき
)
を
掛
(
か
)
けると
吹消
(
ふつけ
)
されさうである。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
言
(
い
)
ふうちに、
飛
(
とび
)
かゝつて、
三疋四疋
(
さんびきしひき
)
、
就中
(
なかんづく
)
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
つたのには、
停車場
(
ていしやば
)
近
(
ぢか
)
く
成
(
な
)
ると、
五疋
(
ごひき
)
ばかり、
前後
(
ぜんご
)
から
飛
(
と
)
びかゝつた。
叱
(
しつ
)
、
叱
(
しつ
)
、
叱
(
しつ
)
!
畜生
(
ちくしやう
)
、
畜生
(
ちくしやう
)
、
畜生
(
ちくしやう
)
。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
口惜
(
くや
)
しい、
畜生
(
ちくしやう
)
め、
獣
(
けだもの
)
め、ト
始終
(
しじう
)
さう
思
(
おも
)
つて、五
年
(
ねん
)
も八
年
(
ねん
)
も
経
(
た
)
たなければ、
真個
(
ほんとう
)
に
分
(
わか
)
ることではない、
覚
(
おぼ
)
えられることではないんださうで、お
亡
(
なく
)
んなすつた
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
や、
早
(
は
)
や
其時
(
そのとき
)
は
畚
(
びく
)
が
足代
(
あじろ
)
を
落
(
おつ
)
こちて、
泥
(
どろ
)
の
上
(
うへ
)
に
俯向
(
うつむ
)
けだね。
其奴
(
そいつ
)
が、へい、
足
(
あし
)
を
生
(
は
)
やして
沼
(
ぬま
)
へ
駆込
(
かけこ
)
まぬが
見
(
み
)
つけものだで、
畜生
(
ちくしやう
)
め、
此
(
こ
)
の
術
(
て
)
で
今夜
(
こんや
)
は
占
(
し
)
めをつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
人
(
ひと
)
に
見
(
み
)
せつけがましく
此方
(
こつち
)
を
見
(
み
)
い/\、
右
(
みぎ
)
のちよつかいを
遣
(
や
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
畜生
(
ちくしやう
)
不意
(
ふい
)
を
打
(
う
)
たれたらしい。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
⦅あゝ、
奥様
(
おくさま
)
、
私
(
わたくし
)
は
獣
(
けだもの
)
になりたうございます。あいら、
皆
(
みんな
)
畜生
(
ちくしやう
)
で、この
猿
(
さる
)
めが
夥間
(
なかま
)
でござりましやう。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
親仁
(
おやぢ
)
が
其時
(
そのとき
)
物語
(
ものがた
)
つて、
御坊
(
ごばう
)
は、
孤家
(
ひとつや
)
の
周囲
(
ぐるり
)
で、
猿
(
さる
)
を
見
(
み
)
たらう、
蟇
(
ひき
)
を
見
(
み
)
たらう、
蝙蝠
(
かうもり
)
を
見
(
み
)
たであらう、
兎
(
うさぎ
)
も
蛇
(
へび
)
も
皆
(
みんな
)
嬢様
(
ぢやうさま
)
に
谷川
(
たにがは
)
の
水
(
みづ
)
を
浴
(
あ
)
びせられて、
畜生
(
ちくしやう
)
にされたる
輩
(
やから
)
!
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
杖
(
ステツキ
)
を
取
(
と
)
るや
否
(
いな
)
や、
畜生
(
ちくしやう
)
と
言
(
い
)
つて、
窓
(
まど
)
を
飛下
(
とびおり
)
ると、
何
(
ど
)
うだらう、たゝきもひしぎもしないうちに、
其
(
そ
)
の
蛇
(
へび
)
が、ぱツと
寸々
(
ずた/\
)
に
斷
(
き
)
れて
十
(
とを
)
あまりに
裂
(
さ
)
けて、
蜿々
(
うね/\
)
と
散
(
ち
)
つて
蠢
(
うごめ
)
いた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
畜生
(
ちくしやう
)
め、そして
變
(
へん
)
なものを
洗
(
あら
)
ふと
思
(
おも
)
つた。
汝
(
てめえ
)
、そりや
間男
(
まをとこ
)
の
鬼
(
おに
)
の
腹卷
(
はらまき
)
ぢやねえかい。」
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いけ
可煩
(
うるせ
)
え
畜生
(
ちくしやう
)
ぢやねえか、
畜生
(
ちくしやう
)
!」と、
怒鳴
(
どな
)
つて、
笠
(
かさ
)
を
拂
(
はら
)
つてむつくりと
半身
(
はんしん
)
起上
(
おきあが
)
つて、
透
(
す
)
かして
見
(
み
)
ると
何
(
なに
)
も
居
(
を
)
らぬ。
其
(
そ
)
の
癖
(
くせ
)
四邊
(
あたり
)
にかくれるほどな、
葉
(
は
)
の
伸
(
の
)
びた
草
(
くさ
)
の
影
(
かげ
)
もなかつた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
目
(
め
)
の
下
(
した
)
に、
火箸
(
ひばし
)
の
尖
(
さき
)
で
突
(
つゝ
)
いた、
疵
(
きず
)
がポツツリ
見
(
み
)
える、ト
確
(
たしか
)
に
覺
(
おぼ
)
えて
忘
(
わす
)
れぬ、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
宿
(
しゆく
)
はづれで、
飯屋
(
めしや
)
の
縁側
(
えんがは
)
の
下
(
した
)
から
出
(
で
)
た
畜生
(
ちくしやう
)
を、
煙管
(
きせる
)
の
雁首
(
がんくび
)
でくらはしたのが、
丁
(
ちやう
)
ど
同
(
おな
)
じ
左
(
ひだり
)
の
目
(
め
)
の
下
(
した
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
よつて
怪
(
け
)
しからぬ
二人連
(
ふたりづ
)
れを、
畜生
(
ちくしやう
)
、
蝦蟆賣
(
がまうり
)
め、と
言
(
い
)
ふ。たゞし
蝦蟆
(
がま
)
は
赤蛙
(
あかがへる
)
なり。
蝦蟆
(
がま
)
や、
蝦蟆
(
がんま
)
い。——そのあとから
山男
(
やまをとこ
)
のやうな
小父
(
をぢ
)
さんが、
柳
(
やなぎ
)
の
蟲
(
むし
)
は
要
(
い
)
らんかあ、
柳
(
やなぎ
)
の
蟲
(
むし
)
は
要
(
い
)
らんかあ。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
畜生
(
ちくしやう
)
、
畜生
(
ちくしやう
)
——と
口惜
(
くや
)
しさうに
喚
(
わめ
)
く
調子
(
てうし
)
が、
立派
(
りつぱ
)
に
同一
(
おなじ
)
先祖
(
せんぞ
)
らしい、お
互
(
たがひ
)
の。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こゝへ
駈
(
か
)
けつけるのに
人數
(
ひとかず
)
は
恐
(
おそ
)
らくなからう、「あなた
氣
(
き
)
をつけてね、
脊
(
せ
)
のすらりとした
容子
(
ようす
)
のいゝ、
人柄
(
ひとがら
)
な
方
(
かた
)
が
見
(
み
)
えたら
大急
(
おほいそ
)
ぎで
渡
(
わた
)
して
下
(
くだ
)
さい。」
畜生
(
ちくしやう
)
、
驕
(
おご
)
らせてやれ——
女
(
をんな
)
の
口
(
くち
)
で
赤帽君
(
あかばうくん
)
に
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁
(
ちやう
)
ど
可
(
い
)
い
鹽梅
(
あんばい
)
に、
貴下
(
あなた
)
がお
逢
(
あ
)
ひなさいましたやうな、
大勢
(
おほぜい
)
の
御婦人
(
ごふじん
)
づれでも
來合
(
きあ
)
はせて
下
(
くだ
)
されば
可
(
よ
)
うございますけれどもねえ……でないと……
畜生
(
ちくしやう
)
……だの——
阿魔
(
あま
)
——だのツて……
何
(
なん
)
ですか
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引手
(
ひきて
)
も
馬方
(
うまかた
)
もない
畜生
(
ちくしやう
)
が、あの
大地震
(
おほぢしん
)
にも
縮
(
ちゞ
)
まない、
長
(
なが
)
い
面
(
つら
)
して、のそり/\と、
大八車
(
だいはちぐるま
)
のしたゝかな
奴
(
やつ
)
を、たそがれの
塀
(
へい
)
の
片暗夜
(
かたやみ
)
に、
人
(
ひと
)
もなげに
曳
(
ひ
)
いて
伸
(
の
)
して
來
(
く
)
る。
重荷
(
おもに
)
に
小
(
こ
)
づけとはこの
事
(
こと
)
だ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
所帶
(
しよたい
)
の
苦勞
(
くらう
)
まで
饒舌
(
しやべ
)
りやがる、
畜生
(
ちくしやう
)
め。」
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いけ
可煩
(
うるせ
)
え
畜生
(
ちくしやう
)
ぢやねえか、
畜生
(
ちくしやう
)
!」
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いたはしいナ、
畜生
(
ちくしやう
)
。」
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
畜生
(
ちくしやう
)
、
婦
(
あま
)
、
畜生
(
ちくしやう
)
——
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
畜生
(
ちくしやう
)
め。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“畜生”の解説
とは、仏教において、鳥・獣・虫・魚などの全ての人間以外の動物のこと。sa: tiryañcは底栗車と音写する。、とも訳される。衆生の生存の状態を五道や六道とするうちで、畜生の世界を指す畜生道は三悪道(三悪趣)のひとつ。
(出典:Wikipedia)
畜
常用漢字
中学
部首:⽥
10画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“畜生”で始まる語句
畜生奴
畜生道
畜生女
畜生等
畜生腹
畜生同然
畜生保護令