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ちくしやう
法も
道理も
無茶苦茶の
犬畜生のやうな
心であらう、
此樣ないたづらの
畜生をば、
御存じの
無い
事とて
天にも
地にも
無いかのやうに
可愛がつて
下すつて
忘れ
盜人に同意爲す爰な
畜生めと云聲聞て勝手に働き居りし若い者又は九助が
家附の親類小前の
輩ら十二三人
襷懸にて面々飛出し
彌々大騷ぎとなりし故藤八は兩手を
『
畜生!
行け! さツさと
行け!』と
彼は
玄關迄駈出して、
泣聲を
上げて
怒鳴る。『
畜生!』