トップ
>
沿
>
そ
ふりがな文庫
“
沿
(
そ
)” の例文
美
(
うつく
)
しい
瀬
(
せ
)
を
立
(
た
)
てて、
玉
(
たま
)
のやうな
礫
(
こいし
)
をおもしに、
獸
(
けもの
)
の
皮
(
かは
)
の
白
(
しろ
)
く
晒
(
さら
)
されたのが
浸
(
ひた
)
してある
山川
(
やまがは
)
に
沿
(
そ
)
うて
行
(
ゆ
)
くと、
山
(
やま
)
の
奧
(
おく
)
にまた
山
(
やま
)
があつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
川上の方を見ると、すすきのいっぱいにはえている
崖
(
がけ
)
の下に、白い
岩
(
いわ
)
が、まるで
運動場
(
うんどうじょう
)
のように
平
(
たい
)
らに川に
沿
(
そ
)
って出ているのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
電信柱
(
でんしんばしら
)
が
往来
(
おうらい
)
に
沿
(
そ
)
って、あちらまで
遠
(
とお
)
くつづいていました。そして、その
先
(
さき
)
は、
青
(
あお
)
い、
青
(
あお
)
い、
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に
見
(
み
)
えなくなっていました。
長ぐつの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
暫
(
しばら
)
く
立
(
た
)
ち
止
(
と
)
まつて
見
(
み
)
てゐるうちに、
石
(
いし
)
の
壁
(
かべ
)
に
沿
(
そ
)
うて
造
(
つく
)
り
附
(
つ
)
けてある
卓
(
つくゑ
)
の
上
(
うへ
)
で
大勢
(
おほぜい
)
の
僧
(
そう
)
が
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
鍋釜
(
なべかま
)
から
移
(
うつ
)
してゐるのが
見
(
み
)
えて
來
(
き
)
た。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
漸
(
ようや
)
く小さな流れに出た。流れに
沿
(
そ
)
うて、腰硝子の障子など立てた
瀟洒
(
しょうしゃ
)
とした
草葺
(
くさぶき
)
の小家がある。ドウダンが美しく紅葉して居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
そして西国街道に
沿
(
そ
)
う民家には火が放たれ、いちめんな薄煙のため、直義の軍も、菊水の旗のありかも全く見とどけにくい。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海岸
(
かいがん
)
に
沿
(
そ
)
ふて
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
七八
町
(
ちやう
)
、
岩層
(
がんそう
)
の
小高
(
こだか
)
い
丘
(
をか
)
がある、
其
(
その
)
丘
(
をか
)
を
越
(
こ
)
ゆると、
今迄
(
いまゝで
)
見
(
み
)
えた
海
(
うみ
)
の
景色
(
けしき
)
も
全
(
まつた
)
く
見
(
み
)
えずなつて、
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
も
次第
(
しだい
)
/\に
遠
(
とう
)
く/\。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それ
以来
(
いらい
)
、
二人
(
ふたり
)
は
夕方
(
ゆうがた
)
、しばしば一しょに
散歩
(
さんぽ
)
に
出
(
で
)
かけた。
黙
(
だま
)
って歩いて、河に
沿
(
そ
)
っていったり、野を
横切
(
よこぎ
)
ったりした。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
往来
(
おうらい
)
に
沿
(
そ
)
って前へ前へと進みながら、ときどきもうつまずいてたおれそうになるほど
痛
(
いた
)
い足の先を、見つめ見つめしてゆかなければならなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「機首を左へ曲げ、
隅田川
(
すみだがわ
)
に
沿
(
そ
)
って、
本所
(
ほんじょ
)
浅草
(
あさくさ
)
の上空へやれ。高度は、もっと下げられぬか」そう云ったのは、警備司令部付の、
塩原参謀
(
しおばらさんぼう
)
だった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そして、
變化
(
へんくわ
)
のない
街道
(
かいだう
)
は
相變
(
あいかは
)
らず
小川
(
をがは
)
に
沿
(
そ
)
うて、
平
(
たひら
)
な
田畑
(
たはた
)
の
間
(
あひだ
)
をまつ
直
(
す
)
ぐに
走
(
はし
)
つてゐた。
霧
(
きり
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
霽
(
は
)
れ
上
(
あが
)
つて、
空
(
そら
)
には
星影
(
ほしかげ
)
がキラキラと
見
(
み
)
え
出
(
だ
)
した。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
さうして
地震
(
ぢしん
)
が
大
(
おほ
)
きければ
大
(
おほ
)
きい
程
(
ほど
)
地震波
(
ぢくんぱ
)
も
大
(
おほ
)
きいので、これが
地球
(
ちきゆう
)
の
表面
(
ひようめん
)
を
沿
(
そ
)
うて
四方八方
(
しほうはつぽう
)
に
擴
(
ひろ
)
がり、
或
(
あるひ
)
は
地球
(
ちきゆう
)
を
一廻
(
ひとまは
)
りも
二廻
(
ふたまは
)
りもすることもあるが
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
盗人
(
ぬすびと
)
たちは、
北
(
きた
)
から
川
(
かわ
)
に
沿
(
そ
)
ってやって
来
(
き
)
ました。
花
(
はな
)
のき
村
(
むら
)
の
入
(
い
)
り
口
(
ぐち
)
のあたりは、すかんぽやうまごやしの
生
(
は
)
えた
緑
(
みどり
)
の
野原
(
のはら
)
で、
子供
(
こども
)
や
牛
(
うし
)
が
遊
(
あそ
)
んでおりました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
巌はこう思いながら父と二十歩ばかりの間隔を取ってさとられぬように
軒下
(
のきした
)
に
沿
(
そ
)
うていった。父はそれとも知らずにまっすぐに本通りへ出て左へ曲がった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
すると
軌道
(
レール
)
に
沿
(
そ
)
ふて三
人
(
にん
)
、
田舍者
(
ゐなかもの
)
が
小田原
(
をだはら
)
の
城下
(
じやうか
)
へ
出
(
で
)
るといふ
旅裝
(
いでたち
)
、
赤
(
あか
)
く
見
(
み
)
えるのは
娘
(
むすめ
)
の、
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えるのは
老母
(
らうぼ
)
の、からげた
腰
(
こし
)
も
頑丈
(
ぐわんぢやう
)
らしいのは
老父
(
おやぢ
)
さんで
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
我は目をかの生くる光に馳せつゝ、諸〻の
段
(
きだ
)
に
沿
(
そ
)
ひ、或ひは上或ひは下或ひは
周圍
(
まはり
)
にこれを移し 四六—四八
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
木苺
(
きいちご
)
の熟す時分になると、七歳ぐらゐになる私を連れて、山の谿流に
沿
(
そ
)
うて上下し、木苺を
籠
(
かご
)
に丹念に採つて、それを私にも食べさせてくれたのをおぼえて居る。
孫
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
名も
懷
(
なつか
)
しき
梅津
(
うめづ
)
の里を過ぎ、
大堰川
(
おほゐがは
)
の
邊
(
ほとり
)
を
沿
(
そ
)
ひ行けば、
河風
(
かはかぜ
)
寒
(
さむ
)
く身に
染
(
し
)
みて、月影さへもわびしげなり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
霜
(
しも
)
白
(
しろ
)
い
自分
(
じぶん
)
の
庭
(
には
)
を
往來
(
わうらい
)
へ
出
(
で
)
ると
無器用
(
ぶきよう
)
な
櫟
(
くぬぎ
)
の
林
(
はやし
)
が
彼
(
かれ
)
の
行
(
ゆ
)
くべき
方
(
かた
)
に
從
(
したが
)
つて
道
(
みち
)
に
沿
(
そ
)
うて
連
(
つらな
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
国道
(
こくどう
)
は日に
照
(
て
)
らされて、きいろい
綺麗
(
きれい
)
なリボンのように
牧場
(
まきば
)
や
畑
(
はたけ
)
に
沿
(
そ
)
って先へと
伸
(
の
)
び、町や村を通りぬけ、人の話では、
船
(
ふね
)
の見える海まで
続
(
つづ
)
いているということです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
横筋にすると、なるほど縞馬のやうで見た目は綺麗だが、どうももちが
悪
(
わる
)
い。凹んだ線に
沿
(
そ
)
つて割目ができるんだ。そんな
素人
(
しろうと
)
意見は、いちいち取上げる必要はない。
医術の進歩
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
わかりやすく
言
(
い
)
へば、
地球上
(
ちきゆうじよう
)
の
部分
(
ぶぶん
)
部分
(
ぶぶん
)
が、
赤道
(
せきどう
)
に
沿
(
そ
)
うて
帶
(
おび
)
のように
細長
(
ほそなが
)
くわかれてをり、その
一
(
ひと
)
つ/\に、それ/″\ちがつた
植物
(
しよくぶつ
)
がそだつてゐることをいふのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
道子
(
みちこ
)
は
廊下
(
らうか
)
の
突当
(
つきあた
)
りに
襖
(
ふすま
)
のあけたまゝになつた
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ、
客
(
きやく
)
と
共
(
とも
)
に
入
(
はい
)
ると、
枕
(
まくら
)
二
(
ふた
)
ツ
並
(
なら
)
べた
夜具
(
やぐ
)
が
敷
(
し
)
いてあつて、
窓
(
まど
)
に
沿
(
そ
)
ふ
壁際
(
かべぎは
)
に
小形
(
こがた
)
の
化粧鏡
(
けしやうかゞみ
)
とランプ
形
(
がた
)
のスタンドや
灰皿
(
はひざら
)
。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
馬を泥中に救う その翌日川に
沿
(
そ
)
うて上りました。浅き砂底の川を
対
(
むこ
)
うに渡らんとて乗馬のまま川に入りますと、馬は二足三足進んで深き泥の中に腹を着くまで
陥
(
おちい
)
りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
愈
(
いよ/\
)
利根の
水源
(
すゐげん
)
に
沿
(
そ
)
ふて
遡
(
さかのぼ
)
る、
顧
(
かへりみ
)
れば両岸は
懸崖絶壁
(
けんがいぜつぺき
)
、加ふるに
樹木
(
じゆもく
)
鬱蒼
(
うつさう
)
たり、たとひ
辛
(
から
)
ふじて之を
過
(
す
)
ぐるを得るも
漫
(
みだ
)
りに時日を
費
(
ついや
)
すの
恐
(
おそれ
)
あり、故にたとひ
寒冷
(
かんれい
)
足
(
あし
)
を
凍
(
こふ
)
らすとも
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
駕籠
(
かご
)
はいま、
秋元但馬守
(
あきもとたじまのかみ
)
の
練塀
(
ねりべい
)
に
沿
(
そ
)
って、
蓮
(
はす
)
の
花
(
はな
)
が
妍
(
けん
)
を
競
(
きそ
)
った
不忍池畔
(
しのばずちはん
)
へと
差掛
(
さしかか
)
っていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
けれども
座敷
(
ざしき
)
へ
上
(
あ
)
がつて、
同
(
おな
)
じ
所
(
ところ
)
へ
坐
(
すわ
)
らせられて、
垣根
(
かきね
)
に
沿
(
そ
)
ふた
小
(
ちひ
)
さな
梅
(
うめ
)
の
木
(
き
)
を
見
(
み
)
ると、
此前
(
このまへ
)
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
が
明
(
あき
)
らかに
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
された。
其日
(
そのひ
)
も
座敷
(
ざしき
)
の
外
(
ほか
)
は、しんとして
靜
(
しづか
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
眺望
(
ちょうぼう
)
のこれと指して云うべきも無けれど、かの市より此地まであるいは
海浜
(
かいひん
)
に
沿
(
そ
)
いあるいは
田圃
(
たんぼ
)
を過ぐる
路
(
みち
)
の興も無きにはあらず、空気
殊
(
こと
)
に良好なる心地して自然と
愉快
(
ゆかい
)
を感ず。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
乃
(
すなは
)
ち
山
(
やま
)
の
背面
(
はいめん
)
には、
岸
(
きし
)
に
沿
(
そ
)
ふ三
角
(
すみ
)
さんの
小船
(
こぶね
)
がある。たゞその
人
(
ひと
)
が
頼
(
たよ
)
りであつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
然
(
さ
)
うさね』と
云
(
い
)
つてグリフォンは、『
最初
(
さいしよ
)
海岸
(
かいがん
)
に
沿
(
そ
)
うて一
列
(
れつ
)
をつくる——』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
道
(
みち
)
は
三浦
(
みうら
)
の
東海岸
(
ひがしかいがん
)
に
沿
(
そ
)
った
街道
(
かいどう
)
で、たしか
武山
(
たけやま
)
とか
申
(
もう
)
す、
可成
(
かな
)
り
高
(
たか
)
い
一
(
ひと
)
つの
山
(
やま
)
の
裾
(
すそ
)
をめぐって
行
(
ゆ
)
くのですが、その
日
(
ひ
)
は
折
(
おり
)
よく
空
(
そら
)
が
晴
(
は
)
れ
上
(
あが
)
っていましたので、
馬上
(
ばじょう
)
から
眺
(
なが
)
むる
海
(
うみ
)
と
山
(
やま
)
との
景色
(
けしき
)
は
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
曰く、
暮春
(
ぼしゅん
)
春服既に成り、
冠者
(
かんじゃ
)
五、六人、
童子
(
どうじ
)
六、七人を得て、
沂
(
き
)
(水の上)に
沿
(
そ
)
(浴)い
舞雩
(
ぶう
)
(の下)に
風
(
いた
)
り詠じて帰らん。夫子
喟然
(
きぜん
)
として嘆じて曰く、吾は点に
与
(
くみ
)
せん。三子者出でて
曾皙
(
そうせき
)
後
(
おく
)
る。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
なるほど、なにごとにしても、理を
究
(
きわ
)
めんとすれば心理学の原理に入らざるを得ないから、
容易
(
ようい
)
ならざる専門的研究となるが、
吾人
(
ごじん
)
の平常
踏
(
ふ
)
むべき道は
藪
(
やぶ
)
の中にあるでなし、
絶壁
(
ぜっぺき
)
断巌
(
だんがん
)
を
沿
(
そ
)
うでもない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
第
(
だい
)
一
場
(
じゃう
)
ヹローナ。カピューレット
邸
(
てい
)
の
庭園
(
ていゑん
)
の
石垣
(
いしがき
)
に
沿
(
そ
)
へる
小逕
(
こみち
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
役場はその街道に
沿
(
そ
)
った一かたまりの人家のうちにはなかった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
なぎさに
沿
(
そ
)
って、二人はだいぶ歩いた。いつか夜の海だった。この日頃こびりついていた焦土の
屍臭
(
ししゅう
)
も、やっと心から洗われたここちがする。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
沿海線
(
えんかいせん
)
に
沿
(
そ
)
うて、レールが
走
(
はし
)
っていました。
小高
(
こだか
)
い
丘
(
おか
)
の
上
(
うえ
)
に、
停車場
(
ていしゃじょう
)
があって、
待合室
(
まちあいしつ
)
は
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
きさらしになっています。
死と話した人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すもものかきねのはずれから一人の
洋傘
(
ようがさ
)
直しが
荷物
(
にもつ
)
をしょって、この月光をちりばめた
緑
(
みどり
)
の
障壁
(
しょうへき
)
に
沿
(
そ
)
ってやって来ます。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
さてわたしたちは日の出ごろ
宿
(
やど
)
をたって、
別荘
(
べっそう
)
のへいに
沿
(
そ
)
って、そのブアシー・セン・レージェの村を通りぬけて、とある坂の上にさしかかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
元來
(
がんらい
)
地震
(
ぢしん
)
は
地層
(
ちそう
)
の
破
(
やぶ
)
れ
目
(
め
)
、
即
(
すなは
)
ち
斷層線
(
だんそうせん
)
に
沿
(
そ
)
うて
起
(
おこ
)
るものが
多數
(
たすう
)
であり、さうして
地下
(
ちか
)
の
岩漿
(
がんしよう
)
は
右
(
みぎ
)
の
裂
(
さ
)
け
目
(
め
)
に
沿
(
そ
)
うて
進出
(
しんしゆつ
)
することは、
最
(
もつと
)
もあり
得
(
う
)
べきことであるから
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
僕
(
ぼく
)
は
溪流
(
けいりう
)
に
沿
(
そ
)
ふて
此
(
この
)
淋
(
さび
)
しい
往來
(
わうらい
)
を
當
(
あて
)
もなく
歩
(
あ
)
るいた。
流
(
ながれ
)
を
下
(
くだ
)
つて
行
(
ゆ
)
くも二三
丁
(
ちやう
)
、
上
(
のぼ
)
れば一
丁
(
ちやう
)
、
其中
(
そのなか
)
にペンキで塗つた
橋
(
はし
)
がある、
其間
(
そのあひだ
)
を、
如何
(
どん
)
な
心地
(
こゝち
)
で
僕
(
ぼく
)
はぶらついたらう。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
関翁が声をかける。路作りかた/″\
㓐別
(
りくんべつ
)
まで買物に行くと云う。三年前入込んだ
炭焼
(
すみやき
)
をする人そうな。やがて小さな流れに
沿
(
そ
)
う
熊笹葺
(
くまざさぶ
)
きの家に来た。炭焼君の家である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と、
左手
(
ひだりて
)
の
方
(
はう
)
に
人家
(
じんか
)
の
燈灯
(
ともしび
)
がぼんやり
光
(
ひか
)
つてゐた——F
町
(
まち
)
かな‥‥と
思
(
おも
)
ひながら
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
を
見透
(
みすか
)
すと、
街道
(
かいだう
)
に
沿
(
そ
)
うて
流
(
なが
)
れてゐる
狹
(
せま
)
い
小川
(
をがは
)
の
水面
(
みづも
)
がいぶし
銀
(
ぎん
)
のやうに
光
(
ひか
)
つてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
水流を
渉
(
わた
)
るの
勝
(
まさ
)
れるに如かず、され共渉水亦
困難
(
こんなん
)
にして水中
石礫
(
せきれき
)
累々
(
るゐ/\
)
之を
踏
(
ふ
)
めば滑落せざること
殆
(
ほとんど
)
稀
(
まれ
)
なり、衆皆
石間
(
せきかん
)
に
足
(
あし
)
を
突
(
つ
)
き入れて
歩
(
あゆ
)
む、河は山角を
沿
(
そ
)
ふて
甚
(
はなはだ
)
しく
蜿蜒
(
えん/\
)
屈曲
(
くつきよく
)
し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
斯
(
か
)
ういふ
櫟
(
くぬぎ
)
の
木
(
き
)
を
植
(
う
)
ゑて
林
(
はやし
)
を
造
(
つく
)
るべき
土地
(
とち
)
の
開墾
(
かいこん
)
をする
爲
(
ため
)
にもう
幾年
(
いくねん
)
といふ
間
(
あひだ
)
雇
(
やと
)
はれて
其
(
そ
)
の
力
(
ちから
)
を
竭
(
つく
)
した。
彼
(
かれ
)
は
漸
(
やうや
)
く
林相
(
りんさう
)
を
形
(
かたち
)
づくつて
來
(
き
)
た
櫟林
(
くぬぎばやし
)
に
沿
(
そ
)
うて
田圃
(
たんぼ
)
を
越
(
こ
)
えて
走
(
はし
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
谷中
(
やなか
)
から
上野
(
うえの
)
へ
抜
(
ぬ
)
ける、
寛永寺
(
かんえいじ
)
の
土塀
(
どべい
)
に
沿
(
そ
)
った一
筋道
(
すじみち
)
、
光琳
(
こうりん
)
の
絵
(
え
)
のような
桜
(
さくら
)
の
若葉
(
わかば
)
が、
道
(
みち
)
に
敷
(
し
)
かれたまん
中
(
なか
)
に
佇
(
たたず
)
んだ、
若旦那
(
わかだんな
)
徳太郎
(
とくたろう
)
とおせんの
兄
(
あに
)
の千
吉
(
きち
)
とは、
折
(
おり
)
からの
夕陽
(
ゆうひ
)
を
浴
(
あ
)
びて
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
講釋師
(
かうしやくし
)
の
言
(
い
)
ふ、
槍
(
やり
)
のつかひてに
呪
(
のろ
)
はれたやうだがと、ふと
見
(
み
)
ると、
赤煉蛇
(
やまかゞし
)
であらう、たそがれに
薄赤
(
うすあか
)
い、
凡
(
およ
)
そ
一間
(
いつけん
)
、
六尺
(
ろくしやく
)
に
餘
(
あま
)
る
長蟲
(
ながむし
)
が、
崖
(
がけ
)
に
沿
(
そ
)
つた
納屋
(
なや
)
に
尾
(
を
)
をかくして、
鎌首
(
かまくび
)
が
鷄
(
とり
)
に
迫
(
せま
)
る
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
石
(
いし
)
の
上
(
うへ
)
へ
芝
(
しば
)
を
盛
(
も
)
つて
扇骨木
(
かなめ
)
を
奇麗
(
きれい
)
に
植付
(
うゑつ
)
けた
垣
(
かき
)
に
沿
(
そ
)
ふて
門内
(
もんない
)
に
入
(
はひ
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから
東北
(
ひがしきた
)
へと走っている嶺を伝わって下って行けば、ついには一つの
流
(
ながれ
)
に会う、その流に
沿
(
そ
)
うて行けば
大滝村
(
おおたきむら
)
、それまでは六里余り無人の地だが、それからは
盲目
(
めくら
)
でも行かれる楽な道だそうだ
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
馬關海峽
(
ばくわんかいけう
)
を
※
(
す
)
き、
瀬戸内海
(
せとないかい
)
に
入
(
い
)
り、
夫
(
それ
)
より
紀伊海峽
(
きいかいけう
)
を
出
(
い
)
でゝ
潮崎
(
うしほざき
)
を
廻
(
めぐ
)
り、
遠江灘
(
とほとほみなだ
)
、
駿河灣
(
するがわん
)
、
相模灘
(
さがみなだ
)
の
沿岸
(
えんがん
)
に
沿
(
そ
)
ふて、
凡
(
およ
)
そ
波濤
(
はたう
)
の
打
(
う
)
つところ、
凡
(
およ
)
そ
船舶
(
せんぱく
)
の
横
(
よこた
)
はる
處
(
ところ
)
、
海岸
(
かいがん
)
に
近
(
ちか
)
く
家
(
いへ
)
を
有
(
いう
)
せらるゝ
諸君
(
しよくん
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
沿
常用漢字
小6
部首:⽔
8画
“沿”を含む語句
川沿
海沿
沿岸
沿革
沿海州
河沿
沿革考
沿革地図
沿線
鵜沿
沿衣
沿討
沿道
沿革史
海岸沿
湖沿
玉川沿岸
米国加州沿岸
西沿岸
谿沿
...