ぱう)” の例文
ぱう貿易外ぼうえきぐわい受取超過額うけとりてうくわがく毎年まいとしおく六七千萬圓まんゑんあるから大體だいたいおい昨年さくねん海外支拂勘定かいぐわいしはらひかんぢやう受取勘定うけとりかんぢやうつぐなることとなつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ぱうは、大巌おほいはおびたゞしくかさなつて、陰惨冥々いんさんめい/\たる樹立こだちしげみは、露呈あらはに、いし天井てんじやううねよそほふ——こゝの椅子いすは、横倒よこたふれの朽木くちきであつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あいちやんは一ぱうした、一ぱううへと一まいごとしらべてから、その眞中まんなかつてました、どうしたらふたゝられるだらうかとあやしみながら。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それでかれいまさうがついてても身體からだ養生やうじやうをしなくてはならぬといふことが一ぱうるのでそれがおもほどにはいかなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そばにはしろきれせた讀經臺どきやうだいかれ、一ぱうには大主教だいしゆけうがくけてある、またスウャトコルスキイ修道院しうだうゐんがくと、れた花環はなわとがけてある。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ヌエは三ぱうの壁に書棚を掛けて、其れをクラシツクと現代大家たいかの作と自分と同じ程の青年作家の物とに区別して居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
さうして下男げなんには、菱形ひしがたの四かくへ『』の合印あひじるしのいた法被はつぴせてくれた。兩掛りやうがけの一ぱうには藥箱くすりばこをさめ、の一ぱうには土産物みやげものはひつてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
それからのこりの斷面貝層だんめんかひそう(一丈餘じやうよ)三ぱうくまなく見廻みまはつたが、何處どこに一ぺん土器破片どきはへん其他そのた見出みいださなかつた。
支那シナごと朝鮮テウセンごときはえずその侵害しんがいかふむりつゝある、此時このときあたつて、東洋とうやう覇國はこくともいふわが大日本帝國だいにつぽんていこくそのところじつおもく一ぱう東洋とうやう平和へいわたもたんが
カピューレット長者ちゃうじゃさきに、ヂュリエットおよ同族どうぞくもの多勢おほぜいぱうよりで、他方たはうよりきた賓客ひんきゃく男女なんにょおよびロミオ、マーキューシオー假裝者かさうしゃの一ぐんむかふる。
もて變更さするは如何なることぞ父母も父母なり和郎も和郎あまりといへば餘りなる壓制業おしつけわざとや云けれ又一ぱうより云時はお光にかゝる病ありとも开は大道にて轉覆ひつくりかへあわふきたる所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
成程なるほど太郎たらうわかれてかほられぬやうにならば此世このよたとて甲斐かひもないものを、たゞまへをのがれたとてうなるもの御座ござんせう、ほんにわたしさへんだにならば三ぱうはう波風なみかぜたゝず
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
といつたきり、ぱうを向いたさうです。
山雀 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ぱうくさばかりで、さへぎるものはないから、自動車じどうしやなみてゝすなしり、小砂利こじやりおもてすさまじさで、帽子ぼうしなどはかぶつてられぬ。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またぱうからかんがへると國民こくみんの一協力けふりよく經濟上けいざいじやう如何いかなる結果けつくわもたらすものであるかとふ一つの經驗けいけん確信かくしんられたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
しか彼等かれらは一ぱういうして矛盾むじゆんした羞耻しうちねんせいせられてえるやうな心情しんじやうからひそか果敢はかないひかりしゆとしてむかつてそゝぐのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やがあいちやんは其兩手そのりやうてきのこ缺片かけつてゐたのにがついて、おそる/\ふたゝびそれをはじめました、めは一ぱうを、それからほかはうかはる/″\めて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
一人ひとりづ目覚めて船甲板ボウトデツキを徘徊して居ると、水平線上の曙紅しよこうは乾いた朱色しゆしよくを染め、の三ぱうには薄墨うすずみ色を重ねた幾層の横雲よこぐもの上に早くも橙色オランジユいろ白金色プラチナいろの雲の峰が肩を張り
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
貴方あなた如何どうしたらからうと有仰おつしやるが。貴方あなた位置ゐちくするのには、こゝから逃出にげだす一ぱうです。しかれは殘念ざんねんながら無益むえきするので、貴方あなた到底たうていとらへられずにはらんです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
其所そこは、一ぱうおいては、新聞記者しんぶんきしや職務しよくむもつて、一ぱうおいては、太古遺跡研究會幹事たいこゐせきけんきうくわいかんじ本分ほんぶんもつて、坪井博士監督つぼゐはかせかんとくもとおこなはれる所謂いはゆる穴樣大發掘あなさまだいはつくつ參觀さんくわん出張しゆつちやうすることとはなつた。
まだゑんづかぬいもとどもが不憫ふびんあね良人おつとかほにもかゝる、此山村このやまむら代〻だい/\堅氣かたぎぱう正直しようじき律義りちぎ眞向まつかうにして、風説うわさてられたことはづを、天魔てんまうまれがはりか貴樣きさまといふ惡者わる出來でき
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
但馬守たじまのかみ與力よりきどもをおどかしけていて、それから町家ちやうかうへくばつた。すると其處そこには、あらゆる腐敗ふはいが、鼻持はなもちもならぬまでにどろ/\と、膿汁うみしるのやうな臭氣しうきを八ぱうながしてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
此時このときモンタギュー下人げにん、エブラハムとバルターザーとが一ぱうる。
するものも長庵のたくの前はしのんで通る樣になりければひつかけ上手じやうずの長庵も百ぱうじゆつなす事なくこまり果てぞ居たりける爰に又長庵が故郷こきやう岩井村にてはおやの作十も病死びやうしおとゝ十兵衞の代と成けるが或時近邊きんぺんより出火して家屋かをく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぱう小高こだか土手どてると、いまゝでいてかぜむだ。もやかすみもないのに、田畑たはたは一めんにぼうとして、日中ひなかはるおぼろである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さうして一ぱうには全國ぜんこく此方針このはうしん實行じつかうせしむるために、らゆる手段しゆだんつたのであるが、さいはひにこのことは國民こくみん歡迎くわんげいされて徹底てつていしたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
勘次かんじ異常いじやう勞働らうどうによつて報酬はうしうようとする一ぱうに一せんいへど容易よういふところげんじまいとのみ心懸こゝろがけてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それから一ぱうせうなる横穴よこあなのシキからは、ひと大腿骨だいたいこつ指骨しこつの一小部分せうぶぶんとがで、直刀ちよくたう折片せつべんつば鐵製てつせい寶珠形ほうじゆがたすかし)脛巾金はゞきおよ朱塗しゆぬり土器どき彌生式土器やよひしきどき類似るゐじす)とうでた。
『一ぱうへばかり、もッとたかく、それから一ぱうは、ずッとみじかくしてやらう』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
突當つきあたりの芥溜ごみためわきに九しやくけんあががまちちて、雨戸あまどはいつも不用心ぶようじんのたてつけ、流石さすがに一ぱうぐちにはあらでやま仕合しやわせは三じやくばかりゑんさきくさぼう/\の空地面あきぢめん、それがはじすこかこつて青紫蘇あをぢそ、ゑぞぎく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
座敷の三ぱう硝子障子がらすしやうじで、廊下がグルリと𢌞はりえんのやうになつてゐた。障子の外へ出て見ると、中二階風ちうにかいふうに高く作られて、直ぐ下が稻田であると分つた。星明りにも見晴らしのいことが知られた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
此時このとき、一ぱうへロレンス法師ほふし提燈ちゃうちん鶴嘴つるはし鋤等すきとうたづさへてきたる。
突然出た広場は歩廊ほらうのある大きな層楼で三ぱうを囲まれ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ぱうは、ひしや/\とした、何処どこまでも蘆原あしはらで、きよつ/\、きよつ/\、とあし一むらづゝ、じゆんに、ばら/\と、また飛々とび/\に、行々子ぎやう/\しきしきつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これを調しらべるには、和田氏わだし卷尺まきしやくつ、が一ぱう其端そのはしち、一ぱう燈器とうきつ。大野氏おほのし一々いち/\るといふ役目やくめで、うしてうちに、あたましり衝突しやうとつする。あしむ。く。
停車場ステーシヨンの一ぱうはしつて、構内こうないはづれのところに、番小屋ばんごやをからくりでせるやうな硝子窓がらすまど小店こみせがあつて、ふう/\しろ湯気ゆげまど吹出ふきだしては、ともしびうす
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
銘々めい/\勝手かつてわかつた々々と自分じぶん議論ぎろん都合つがふはうにのみくばつて、がう學術的研究がくじゆつてきけんきうおこなはれず、一ぱうあとから彌生式やよひしき混入こんにふしたとひ、一ぱうは、いなしからずとひ。水掛論みづかけろんをはつてしまつた。
さあ、神様かみさまさはれば鉄砲玉てツぱうだまでもとほるまいと、蜘蛛くものやうに評判ひやうばんが八ぱうへ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また暗碧あんぺき白布しろぬのつてるやうにさとるのぢやが、そのいはにせかれたはうは六しやくばかり、これかはの一はゞいていとみだれず、一ぱうはゞせまい、三じやくぐらゐ、このしたには雑多ざツたいはならぶとえて
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さはつたところだけはしましてもいたみませぬ、竹箒たけばうき引払ひツぱたいては八ぱうちらばつて体中からだぢうたかられてはそれしのげませぬ即死そくしでございますがと、微笑ほゝゑんでひかへる無理むりにぎつてもらひ、つか/\とくと
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)