“鼻持”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はなも50.0%
はなもち50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「戸部氏のご立腹、ごもっともでござる。下世話げせわにも、とかく女子おなごにもてる男には嫌なやつが多いと申す、ぷッ! 高慢面こうまんづら鼻持はなもちならぬわ」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
但馬守たじまのかみ與力よりきどもをおどかしけていて、それから町家ちやうかうへくばつた。すると其處そこには、あらゆる腐敗ふはいが、鼻持はなもちもならぬまでにどろ/\と、膿汁うみしるのやうな臭氣しうきを八ぱうながしてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
馬爪ばづ、あんな骨類こつるいを徳利に入れて蒸焼むしやきにするのであるから実に鼻持はなもちもならぬ。それを緒方の塾の庭の狭い処でるのであるから奥でもったまらぬ。奥で堪らぬばかりではない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
世間から款待もてはやされて非常な大文豪であるかのように持上げられて自分を高く買うようになってからの緑雨の皮肉はさえを失って、或時は田舎のお大尽のように横柄おうへい鼻持はなもちがならなかったり
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)