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居
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ゐ
ふりがな文庫
“
居
(
ゐ
)” の例文
居室
(
へや
)
に
歸
(
かへ
)
つて
見
(
み
)
ると、ちやんと
整頓
(
かたづい
)
て
居
(
ゐ
)
る。
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
は
書物
(
しよもつ
)
やら
反古
(
ほご
)
やら
亂雜
(
らんざつ
)
極
(
きは
)
まつて
居
(
ゐ
)
たのが、
物
(
もの
)
各々
(
おの/\
)
所
(
ところ
)
を
得
(
え
)
て
靜
(
しづ
)
かに
僕
(
ぼく
)
を
待
(
まつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
佐賀錦
(
さがにしき
)
の
紙入
(
かみいれ
)
から、
其
(
そ
)
の、ざく/\と
銅貨
(
どうくわ
)
まじりを
扱
(
あつか
)
つた、
岡田夫人
(
をかだふじん
)
八千代
(
やちよ
)
さんの
紙包
(
かみづつ
)
みの、こなしのきれいさを
今
(
いま
)
でも
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
檜木
(
ひのき
)
、
椹
(
さはら
)
、
明檜
(
あすひ
)
、
槇
(
まき
)
、
𣜌
(
ねず
)
——それを
木曾
(
きそ
)
の
方
(
はう
)
では
五木
(
ごぼく
)
といひまして、さういふ
木
(
き
)
の
生
(
は
)
えた
森
(
もり
)
や
林
(
はやし
)
があの
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにあひ
)
に
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
だツて
紳士程
(
しんしほど
)
金満家
(
きんまんか
)
にもせよ、
実
(
じつ
)
は
弁天
(
べんてん
)
も
男子
(
だんし
)
に
見立
(
みたて
)
たいのさ。と
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
背後
(
うしろ
)
の
襖
(
ふすま
)
を
開
(
あ
)
けて。浅「
僕
(
ぼく
)
が
弁天
(
べんてん
)
です、
僕
(
ぼく
)
が
弁天
(
べんてん
)
さ。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
文化
(
ぶんくわ
)
が
發達
(
はつたつ
)
して
來
(
く
)
れば、
自然
(
しぜん
)
何處
(
どこ
)
か
漠然
(
ばくぜん
)
として
稚氣
(
ちき
)
を
帶
(
お
)
びて
居
(
ゐ
)
るやうな
面白
(
おもしろ
)
い
化物思想
(
ばけものしさう
)
などを
容
(
い
)
れる
餘地
(
よち
)
が
無
(
な
)
くなつて
來
(
く
)
るのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
▼ もっと見る
八
日
(
か
)
(
曇後晴
(
くもりのちはれ
)
)
余
(
よ
)
は
午前
(
ごぜん
)
十
時頃
(
じごろ
)
に
瓢箪山
(
ひようたんやま
)
へ
到着
(
たうちやく
)
して
見
(
み
)
ると、
發掘
(
はつくつ
)
は
既
(
すで
)
に
進行
(
しんかう
)
して
赤鉢卷隊
(
あかはちまきたい
)
は
活動
(
くわつどう
)
して
居
(
ゐ
)
るが、一
向
(
かう
)
に
變
(
かは
)
つた
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
老人
(
としより
)
に
子供
(
こども
)
だから
馬鹿
(
ばか
)
にして
思
(
おも
)
ふやうには
動
(
うご
)
いて
呉
(
く
)
れぬと
祖母
(
おばあ
)
さんが
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たつけ、
己
(
お
)
れが
最
(
も
)
う
少
(
すこ
)
し
大人
(
おとな
)
に
成
(
な
)
ると
質屋
(
しちや
)
を
出
(
だ
)
さして
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
直
(
たゞ
)
ちに
此
(
こ
)
れが
扇子
(
せんす
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た
所爲
(
せい
)
だと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つて
急
(
いそ
)
いで
其扇子
(
そのせんす
)
を
捨
(
す
)
てました、
恰
(
あだか
)
も
縮
(
ちゞ
)
むのを
全
(
まつた
)
く
恐
(
おそ
)
れるものゝ
如
(
ごと
)
く。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
這麼老朽
(
こんならうきう
)
な
體
(
からだ
)
は
死
(
し
)
んでも
可
(
い
)
い
時分
(
じぶん
)
だ、とさう
思
(
おも
)
ふと、
忽
(
たちま
)
ち
又
(
また
)
何
(
なん
)
やら
心
(
こゝろ
)
の
底
(
そこ
)
で
聲
(
こゑ
)
がする、
氣遣
(
きづか
)
ふな、
死
(
し
)
ぬ
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いと
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうな。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「おや、
此所
(
こゝ
)
に
入
(
い
)
らつしやるの」と云つたが、「
一寸
(
ちよいと
)
其所
(
そこい
)
らに
私
(
わたくし
)
の
櫛
(
くし
)
が落ちて
居
(
ゐ
)
なくつて」と聞いた。
櫛
(
くし
)
は
長椅子
(
ソーフア
)
の
足
(
あし
)
の
所
(
ところ
)
にあつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
ます。
父樣
(
おとつさん
)
が
私
(
わたくし
)
の
頭
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
でゝ、お
前
(
まへ
)
は
日本人
(
につぽんじん
)
の
子
(
こ
)
といふ
事
(
こと
)
をばどんな
時
(
とき
)
にも
忘
(
わす
)
れてはなりませんよ、と
仰
(
おつ
)
しやつた
事
(
こと
)
でせう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
逆手
(
さかて
)
に
持
(
もち
)
し
儘
(
まゝ
)
氣
(
き
)
を
失
(
うしな
)
ひて
倒
(
たふ
)
れ
居
(
ゐ
)
たりしかば是は
何事
(
なにごと
)
ならんと
氣付
(
きつけ
)
を
與
(
あた
)
へて
樣子
(
やうす
)
を
聞
(
きく
)
に
敵討
(
かたきうち
)
なりと申
故
(
ゆゑ
)
半左衞門
(
はんざゑもん
)
大
(
おほ
)
いに驚き
早々
(
さう/\
)
町役人
(
ちやうやくにん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
すると又或日お神さんは外から帰つて来て、
妾
(
わたし
)
の
身装
(
みな
)
りは貴婦人よりずつと立派にして
居
(
ゐ
)
るのにお前さんが仕立屋では困るぢやないの。
金剛石
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
お
品
(
しな
)
は
復
(
ま
)
た
天秤
(
てんびん
)
を
卸
(
おろ
)
した。お
品
(
しな
)
は
竹
(
たけ
)
の
短
(
みじか
)
い
天秤
(
てんびん
)
の
先
(
さき
)
へ
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
で
拵
(
こしら
)
へた
小
(
ちひ
)
さな
鍵
(
かぎ
)
の
手
(
て
)
をぶらさげてそれで
手桶
(
てをけ
)
の
柄
(
え
)
を
引
(
ひ
)
つ
懸
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
桟橋
(
さんばし
)
に
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ると、がらんとした
大桟橋
(
だいさんばし
)
の
上屋
(
うはや
)
の
下
(
した
)
に、三つ四つ
卓子
(
テーブル
)
を
列
(
なら
)
べて、
税関
(
ぜいくわん
)
の
役人
(
やくにん
)
が
蝋燭
(
らふそく
)
の
光
(
ひかり
)
で
手荷物
(
てにもつ
)
の
検査
(
けんさ
)
をして
居
(
ゐ
)
る。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
阿母さんはもう座敷の
拭掃除
(
ふきそうぢ
)
も台所の
整理事
(
しまひごと
)
も
済
(
す
)
ませて、
三歳
(
みつヽ
)
になる娘の子を
脊
(
せな
)
に
負
(
お
)
ひ乍ら、広い土間へ盥を入れて
洗濯物
(
せんたくもの
)
をして
居
(
ゐ
)
る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
何
(
なん
)
が
故
(
ゆえ
)
に
私宅教授
(
したくけふじゆ
)
の口がありても
錢取道
(
ぜにとるみち
)
を
考
(
かんが
)
へず、
下宿屋
(
げしゆくや
)
の
婢
(
ひ
)
に、
何
(
なに
)
を
爲
(
し
)
て
居
(
ゐ
)
ると
問
(
と
)
はれて
考
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
を
爲
(
し
)
て
居
(
ゐ
)
ると
驚
(
おどろ
)
かしたるや。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
其
(
そ
)
の時
長命寺辺
(
ちやうめいじへん
)
の
堤
(
つゝみ
)
の上の
木立
(
こだち
)
から、
他分
(
たぶん
)
旧暦
(
きうれき
)
七月の満月であらう、
赤味
(
あかみ
)
を帯びた大きな月の昇りかけて
居
(
ゐ
)
るのを認めた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
B あゝ、あれは
駄目
(
だめ
)
だよ。
葉書
(
はがき
)
一
枚
(
まい
)
ぐらゐの
短文
(
たんぶん
)
で、ちよつと
氣
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
を
書
(
か
)
き
得
(
え
)
る
樣
(
やう
)
な
名士
(
めいし
)
は
幾
(
いく
)
らも
居
(
ゐ
)
ないからな。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
地震直後
(
ぢしんちよくご
)
から
大正
(
たいしやう
)
十三四
年
(
ねん
)
頃
(
ごろ
)
までの
樣
(
やう
)
に十
弗
(
ドル
)
以上
(
いじやう
)
も
下
(
さが
)
つたこともあるけれども、
平均
(
へいきん
)
して
先
(
ま
)
づ四
分
(
ぶ
)
乃至
(
ないし
)
六
分
(
ぶ
)
下
(
さが
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
云
(
い
)
ふ
状況
(
じやうきやう
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
平日
余
(
よ
)
に
示
(
しめ
)
していはれしは、我
雪頽
(
なだれ
)
に
撞
(
うた
)
れしとき筆を
採
(
と
)
りて
居
(
ゐ
)
たりしは、
尊
(
たふと
)
き
仏経
(
ぶつきやう
)
なりしゆゑたゞにやはとて一
字
(
じ
)
毎
(
ごと
)
に
念仏
(
ねんぶつ
)
申て
書居
(
かきを
)
れり
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
路
(
みち
)
の角に車夫が五六人、
木蔭
(
こかげ
)
を選んで
客待
(
きやくまち
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
其傍
(
そのかたはら
)
に小さな宮があつて、
其
(
その
)
広場で、子供が
集
(
あつま
)
つて
独楽
(
こま
)
を廻して
居
(
ゐ
)
た。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
僕はまだ両氏の議論を読んで
居
(
ゐ
)
ない。両氏はどの位感覚と意志とを別のものにして、論ずる事が出来たかそれを見る時を楽しみにして居る。
東西問答
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新渡戸博士が自分の
近眼
(
ちかめ
)
と性慾の自己満足を結びつけて、深く後悔して
居
(
ゐ
)
るのは
善
(
よ
)
い事だが、世の中には
近眼者
(
ちかめ
)
といつても
沢山
(
たくさん
)
居
(
ゐ
)
る事だし
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其故
(
それゆゑ
)
私
(
わたくし
)
の
塾
(
じゆく
)
ではこの
規則
(
きそく
)
の
精神
(
せいしん
)
、
規則
(
きそく
)
の
根本
(
こんぽん
)
へ
立
(
た
)
ち
歸
(
かへ
)
つて、
各個人
(
かくこじん
)
の
都合
(
つがふ
)
といふ
所
(
ところ
)
を十
分
(
ぶん
)
に
了解
(
れうかい
)
せしむるといふ
方針
(
はうしん
)
を
取
(
とつ
)
て
居
(
ゐ
)
るのであります。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
暫
(
し
)
ばしの夢に
息
(
やす
)
んで
居
(
ゐ
)
られるかと思へば、君、其の細きランプの光が僕の胸中の悪念を一字々々に読み揚げる様に
畏
(
おそ
)
れるのだ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
次
(
つぎ
)
に
硯友社
(
けんいうしや
)
の
興
(
な
)
るに
就
(
つ
)
いて、第二の
動機
(
だうき
)
となつたのは、
思案外史
(
しあんがいし
)
と
予備門
(
よびもん
)
の
同時
(
どうじ
)
の
入学生
(
にふがくせい
)
で
相識
(
あいし
)
つたのです、
其頃
(
そのころ
)
は
石橋雨香
(
いしばしうかう
)
と
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
ました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
或
(
あるひ
)
はラブがなかつた
故
(
せい
)
かも
知
(
し
)
れぬ。
妻
(
つま
)
が
未
(
ま
)
だ
心
(
しん
)
から
私
(
わたし
)
に
触
(
ふ
)
れて
来
(
く
)
るほど、
夫婦
(
ふうふ
)
の
愛情
(
あいじやう
)
に
脂
(
あぶら
)
が
乗
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
ない
故
(
せい
)
かも
知
(
し
)
れぬ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
なんといふ
病
(
やまひ
)
やらも
知
(
し
)
らない、
度々
(
たび/″\
)
病院
(
びやうゐん
)
に
通
(
かよ
)
つたけれども、いつも、おなじやうな
漠然
(
ばくぜん
)
としたことばかり
云
(
い
)
はれて
居
(
ゐ
)
る。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
「さちよの
居
(
ゐ
)
どころは、僕は、知つてゐる。」三木は、落ちつきを見せるためか、煙草をとりだし、マツチをすつた。
火の鳥
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
こまごまと濡れかかるのみ、漂渺と煙曳くのみ。しづかなり、唯安らなり。顔出してつくづく
居
(
ゐ
)
れば、笹子啼き、目白寄り来る、笹葉揺り揺りて又去る。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
墓
(
はか
)
か? いや/\、こりゃ
墓
(
はか
)
ではない、
明
(
あか
)
り
窓
(
まど
)
ぢゃ、なア、
足下
(
きみ
)
。はて、ヂュリエットが
居
(
ゐ
)
るゆゑに、
其
(
その
)
艶麗
(
あてやか
)
さで、
此
(
この
)
窖
(
あなむろ
)
が
光
(
ひか
)
り
輝
(
かゞや
)
く
宴席
(
えんせき
)
とも
見
(
み
)
ゆるわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「しかし、獨り
居
(
ゐ
)
は堪らないと思ふでせう? あなたの
背後
(
うしろ
)
にあるその小さな家は陰氣でがらんとしてゐる。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
各々
(
おの/\
)
も
知
(
し
)
つてゐるだらう、
御城與力
(
おしろよりき
)
や
同心
(
どうしん
)
は、
御城代
(
ごじやうだい
)
へ
勤役中
(
きんやくちう
)
預
(
あづ
)
けおく、といふ
上意
(
じやうい
)
だが、
町奉行
(
まちぶぎやう
)
へは
與力
(
よりき
)
同心
(
どうしん
)
を
勤役中
(
きんやくちう
)
下
(
くだ
)
されおくといふ
上意
(
じやうい
)
になつて
居
(
ゐ
)
る。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
斯くて
風月
(
ふうげつ
)
ならで訪ふ人もなき嵯峨野の奧に、世を隔てて安らけき
朝夕
(
あさゆふ
)
を樂しみ
居
(
ゐ
)
しに、世に在りし時は弓矢の
譽
(
ほまれ
)
も
打捨
(
うちすて
)
て、狂ひ
死
(
じに
)
に死なんまで
焦
(
こが
)
れし横笛。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
あなた
方
(
がた
)
はほんとうに、
愛
(
あい
)
すまいとしても愛せずには
居
(
ゐ
)
られないやうなものを
持
(
も
)
つていらつしやいます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
又
(
また
)
諸所
(
しよしよ
)
の
修道院
(
しうだうゐん
)
を
訪
(
ともら
)
つて、もはや
此世
(
このよ
)
に
居
(
ゐ
)
ない
会友
(
くわいいう
)
の
為
(
ため
)
に
祈
(
いのり
)
を
上
(
あ
)
げ、
其名
(
そのな
)
を
巻物
(
まきもの
)
に
書
(
か
)
きとめて、
寺
(
てら
)
から
寺
(
てら
)
へと
其過去帳
(
そのくわこちやう
)
を
持回
(
もちまは
)
つたなら、
皆
(
みんな
)
も
嘸
(
さぞ
)
悦
(
よろこ
)
ぶ
事
(
こと
)
であらうが、
第
(
だい
)
一
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
さういふ時にかういふ
格構
(
かくかう
)
でヒゲをかうして
床
(
ゆか
)
にさはつて歩いて鼠の
居
(
ゐ
)
さうな所をさがすのです
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
はつと思つて見ると弟である、今朝の手紙で下女と弟とがわれを迎ひに
来
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
たのであつた
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
黒縮
(
くろちり
)
つくりで
裏
(
うら
)
から出て来たのは、
豈斗
(
あにはか
)
らんや
車夫
(
くるまや
)
の女房、一
町
(
てう
)
許
(
ばかり
)
行
(
ゆ
)
くと
亭主
(
ていし
)
が待つて
居
(
ゐ
)
て、そらよと
梶棒
(
かぢぼう
)
を
引寄
(
ひきよ
)
すれば、
衣紋
(
えもん
)
もつんと
他人行儀
(
たにんぎようぎ
)
に
澄
(
す
)
まし返りて急いでおくれ。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
山
(
やま
)
の
際
(
ま
)
に
渡
(
わた
)
る
秋沙
(
あきさ
)
の
行
(
ゆ
)
きて
居
(
ゐ
)
むその
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
に
浪
(
なみ
)
立
(
た
)
つなゆめ 〔巻七・一一二二〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
堪
(
たま
)
らないのは馬ぢや。痛いのとがなられるのとで、一所懸命の力で歩かうとするのぢやが、どうしたつて動けない。もう自分の力で自分を動かすことが出来なくなつてしまつて
居
(
ゐ
)
たのぢや。
夜烏
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
また
何處
(
いづこ
)
にか
他
(
ほか
)
に
居
(
ゐ
)
る事能はずして苦む
目付
(
めつき
)
あり、げに
憐
(
あはれ
)
むに堪へたるかな。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
貴き
言葉
(
ことば
)
も疑はるるなれ——(伊留満喜三郎俄に油売の服装を脱ぎて緑の地に金糸の縁飾をとりたる邪宗門僧侶の職服にかはる。右手に高く金色の十字架像を
翳
(
かざ
)
す。)今までは包みこそ
居
(
ゐ
)
れ
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
仮成
(
かなり
)
に渡世相送り候に付、
見懸人
(
みかけにん
)
に被
二
仰付
一
、年々に両度見懸銀少々宛上納奉
レ
仕居申所、此度戸籍
偏
(
マヽ
)
製御取調に付、何卒
百姓
(
ひやくしよう
)
居
(
ゐ
)
に被
二
仰付
一
被
レ
為
レ
下候得者、重畳難
レ
有仕合に奉
レ
存候。
来り人の地位と職業:平民申付候事
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
畝傍山
(
うねびやま
)
晝
(
ひる
)
は
雲
(
くも
)
と
居
(
ゐ
)
、ゆふされば、
風
(
かぜ
)
吹
(
ふ
)
かむとぞ
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
さやげる
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
さやさやと竹さやぐからに
出
(
い
)
でて見ればしんと桜が咲き
居
(
ゐ
)
たるかも
桜
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
一人
居
(
ゐ
)
て
眺
(
なが
)
めしよりは
海人
(
あま
)
の住むかたを書きてぞ見るべかりける
源氏物語:17 絵合
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
私
(
わたし
)
は
其時分
(
そのじぶん
)
は
何
(
なん
)
にも
知
(
し
)
らないで
居
(
ゐ
)
たけれども、
母様
(
おつかさん
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらしは、この
橋銭
(
はしせん
)
で
立
(
た
)
つて
行
(
い
)
つたので、
一人前
(
ひとりまへ
)
幾于宛
(
いくらかづゝ
)
取
(
と
)
つて
渡
(
わた
)
しました。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
廣
(
ひろ
)
い
家
(
うち
)
でないから、つい
隣
(
となり
)
の
部屋
(
へや
)
位
(
ぐらゐ
)
にゐたのだらうけれども、
居
(
ゐ
)
ないのと
丸
(
まる
)
で
違
(
ちが
)
はなかつた。この
影
(
かげ
)
の
樣
(
やう
)
に
靜
(
しづ
)
かな
女
(
をんな
)
が
御米
(
およね
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
居
常用漢字
小5
部首:⼫
8画
“居”を含む語句
住居
芝居
居眠
居住
居候
起居
被居
常居
居室
居合
居堪
居据
居酒屋
蹲居
居所
居間
居処
籠居
安居
芝居気
...