早速さつそく)” の例文
夏目なつめ先生はペン皿の代りに煎茶せんちや茶箕ちやみを使つてゐられた。僕は早速さつそくその智慧ちゑを学んで、僕の家に伝はつた紫檀したんの茶箕をペン皿にした。
身のまはり (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
牝牛めうし小鳥ことりは、どうしてこんなにうつかりしてゐたのでせう。早速さつそく子守歌こもりうたならはなければなりません。ところでだれならつたものでせう。
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
得て早速さつそく阿漕あこぎうらへ到り見ればあんたがはずあみおろす者あり與力こゑをかけ何者なれば禁斷きんだんの場所に於て殺生せつしやういたすや召捕めしとるべしと聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
権七ごんしちや、ぬしづ、婆様ばあさまみせはしれ、旦那様だんなさま早速さつそくひとしますで、おあんじなさりませんやうに。ぬしはたらいてくれ、さあ、
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこで早速さつそく理髪店とこやつてそのみゝ根元ねもとからぷつりとつてもらひました。おもてへるとゆびさして、ふものごとわらふのです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
此の説き樣は、只あたり前の看板のみにて、今日の用に益なく、怠惰たいだに落ち易し。早速さつそく手を下すには、よくを離るゝ處第一なり。
遺教 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
そこ種々いろ/\押問答おしもんだふしましたが、あいちやんのはうでも別段べつだんうま理屈りくつず、こと芋蟲いもむし非常ひじよう不興ふきようげにえたので、あいちやんは早速さつそくもどりかけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
いよ/\大問題だいもんだい早速さツそく水谷氏みづたにしところ報告ほうこくすると、おほいによろこんで、早速さつそく十二ぐわつつて、望蜀生ばうしよくせいとも加瀬かせつた。
早速さつそく停車場ステエシヨンから遠くない「伊太利亜イタリアホテル」へはひつて行つた。ベデカアで読んで置いた中位ちゆうぐらゐのホテルだ。二日ふつか以上なら下宿なみにすると主婦が言ふ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
と、ぼく早速さつそく呶鳴どなりはしたものの、口へんには微苦笑びくせうおさへきれぬ始末しまつじつは二人の對局振たいきよくふりを如何にもへうし得てゐるのだ。
さくらかはむかされては大變たいへんと、兒童こども早速さつそく親父おやぢとほりになつてその翌日よくじつから平常いつもごと學校がくかうふううちた。けれどもけつして學校がくかうにはかない。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
主人しゆじん早速さつそくけて、ぱち/\とらして、召使めしつかひんだが、くらなか仕舞しまつてあるのをしてやうめいじた。さうして宗助そうすけはういて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それとも一方いつぱうには小説雑誌の気運きうん日増ひましじゆくして来たので、此際このさいなにか発行しやうと金港堂きんこうどう計画けいくわくが有つたのですから、早速さつそく山田やまだ密使みつしむかつたものと見える
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
よく早速さつそくおわかりになりましたな、昨日きのふまで大塚おほつかにおまをしたので御座ござりますが何分なにぶんもう、そのなんだかしきいやにおなりなされて何處どこへかかうかうとおつしやる
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
小さな朝食堂ブレーク・フアスト・ルームが、客間の隣にあつた。私は、こつそり、そちらへいつた。その室には、本箱があつた。私は、早速さつそく揷繪さしゑの澤山ついてるのを選んで、一册取り出した。
おそ野蠻人やばんじん巣窟さうくつでゞもあればそれこそ一大事いちだいじ早速さつそく遁出にげだ工夫くふうめぐらさねばならぬ、それをるにはかくこのしま一周いつしうしてなければならぬとかんがへたので
私は早速さつそく、其の人たちの中へ入れて貰つて練習した。其の人たちは皆、さう金持らしくない月給取りばかりだつたので、私も大変親しい気持で、仲間に入れて貰つた。
私の社交ダンス (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
其時そのときには頑固ぐわんこ教頭自身けうとうじしんもモウ加減不安かげんふあんかんじてゐたのだから、おまへまでがソウふならとやうわけで、それをキツカケにして早速さつそく校長かうちやう手元てもと辭表じへうした。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
燗鍋かんなべ囲炉裡ゐろりにかけて玉子を二ツ三ツポン/\と中に入れましたが早速さつそく玉子酒たまござけ出来できました。女
早速さつそくくすり調合てうがふし、土地とち醫者いしや方劑はうざいさづけたが、玄竹げんちくは、塔頭たつちううめばうといふのへ案内あんないされて、精進料理しやうじんれうり饗應きやうおうけ、下男げだんとともに一ぱくして、翌朝よくてうかへることになつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
としも十七なればかねてむこをと思ひをりたるをりからなれば、かのしのび男が実心まごゝろめで早速さつそくなかだちはしをわたし、姻礼こんれいもめでたくとゝのひてほどなく男子をまうけけり。其家そのいへなほさかゆ。
りよ前日ぜんじつ下役したやくのものにつていて、今朝けさはやきて、天台縣てんだいけん國清寺こくせいじをさして出掛でかけることにした。これは長安ちやうあんにゐたときから、台州たいしういたら早速さつそくかうとめてゐたのである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そこでこちらも早速さつそくに「君が色香いろかもかんばせも」と鸚鵡返あうむがへしをしておいた。したが、あらしに打たれる花は、さぞ色褪せることだらう。……ぴかりと稻妻いなづまはたたがみ、はつとばかりに氣がついた。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
早速さつそく飯にして、床へ入つたが、さて寢付かれねえ、しよんぼり歸つていつたお品さんのことが氣になつて——お節介なやうだが、飛び起きて、龜澤町へいつてみましたよ、もう亥刻半よつはん(十一時)過ぎ子刻こゝのつ近かつたでせう」
早速さつそくにはにとまる。
鸚鵡:(フランス) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
所がその内にどう云ふ拍子ひやうしか、彼のついた金羽根きんばねが、長押なげしのみぞに落ちこんでしまつた。彼は早速さつそく勝手から、大きな踏み台を運んで来た。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
きゝ成程なるほど何時いつ迄當院の厄介やくかいなつても居られず何分にも宜しくと頼みければ感應院も承知なして早速さつそくかの片町の醫師方へゆきみぎはなし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
殿との御覽ごらうじ、早速さつそく伺候しこう過分々々くわぶん/\御召おめしの御用ごよう御用ごようだけ、一寸ちよつと世辭せじくだかれ、てしか/″\の仔細しさいなり。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
老爺おやぢは日本服を着けた晶子の来たのを喜んで、早速さつそくギタルの調子を合せてヹルレエヌの短詩を三つ続けざまに歌つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
支那語しなご達者たつしや友人いうじん早速さつそくわらごゑまじへながらをんななにやらはなしはじめたが、ぼく至極しごく手持ても無沙汰ぶさたである。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ふまでもなくうまむちぼく頭上づじやうあられの如くちて來た。早速さつそくかねやとはれた其邊そこら舟子ふなこども幾人いくにんうをの如く水底すゐていくゞつて手にれる石といふ石はこと/″\きしひろあげられた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
梅廼屋うめのやは前にもまうしましたとほり、落語家らくごかとう寄合茶屋よりあひぢややで、こと当時たうじわたくし落語家らくごか頭取とうどりをしてりましたから、ためになるお客と思ひもしまいが、早速さつそく其車そのくるまてくれました。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
かれこの手紙てがみ切手きつてつて、ポストにれなければならない口實こうじつもとめて、早速さつそくやまくだつた。さうして父母ふぼ未生みしやう以前いぜんと、御米およねと、安井やすゐに、おびやかされながら、むらなかをうろついてかへつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところ不圖ふとわきると自分じぶん身長せいくらゐもあるおほきなきのこるのにがつくや、早速さつそく其兩面そのりやうめんうしろとを見終みをはつたので、つぎには其頂そのいたゞきになにがあるかを檢査けんさする必要ひつえうおこつてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
語れば彌次六は先年の事を思出し早速さつそくむかへ能こそ御たづね下されしと夫より種々しゆ/″\饗應きやうおうに手をつくしける天一坊は大膳を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
慾張抜よくばりぬいて大急おほいそぎであるいたからのどかはいて為様しやうがあるまい早速さつそくちやのまうとおもふたが、まだいてらぬといふ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
早速さつそく一緒に行つた諸君も画架にむかひ始めた。四方の壁には天井に沿うて競技に一等賞を得た生徒の絵が掛つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
僕は早速さつそく三箇の白銅の代りに、薄つぺらな本を受け取つた。それが今僕の机の上に、古ぼけた表紙をさらしてゐる。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
たく物置ものおきかつ自分じぶんもちあるいた畫板ゑばんつたのつけ、同時どうじ志村しむらのことをおもひだしたので、早速さつそくひといてると、おどろくまいことか、かれは十七のとし病死びやうししたとのことである。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
シロクシナスを牢舎らうやれたのは、あやまり、第一国内こくないで一とう学者がくしやといふ立派りつぱの人物を押込おしこめて置くといふは悪かつた、とお心附こゝろづきになりましたから、早速さつそくシロクシナスをゆるして
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
多勢おほぜいのものはのこらず言下ごんかに、ねずみ中心まんなかにしておほきなつくつてすわりました。あいちやんは怪訝けゞんかほしながらはなさずました、でも早速さつそく乾燥かわかさなければ屹度きつとわる風邪かぜくとおもひましたから。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「まだ片付きませんよ」と与次郎が早速さつそく云ふ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
... 手前等てまへらより役儀やくぎ申付まをしつさふらふこと、おやす御用ごようさふらふなにはしかれそのもくとやらむ御呼寄およびよせあひなるべし」「早速さつそく御承引ごしよういん難有候ありがたくさふらふ」と其日そのひやかたかへらせたまふ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
T先生は基督キリスト教的色彩を帯びた、やはり名高い小説家だつた。武さんは早速さつそくその日のうちにT先生を訪問した。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
雲飛うんぴ先生せんせいなみだの出るほどうれしがり、早速さつそくいへかへつて、紫檀したんだいこしらえ之を安置あんちした。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さアおほいにおどろいて、早速さつそく多助たすけうちつて、番頭ばんとう掛合かけあふと、番頭ばんとうずるやつだから、そんなものはおあづかまうしたおぼえはござりませぬ、大旦那様おほだんなさまかくれの時お遺言ゆゐごんもございませぬからあげる事は出来できない
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まくらならべた上人しやうにん姿すがたおぼろげにあかりくらくなつてた、早速さつそく燈心とうしんあかるくすると、上人しやうにん微笑ほゝゑみながらつゞけたのである。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すると菊池は苦笑くせうしながら、となりにゐた奥さんにパラソルを返した。僕は早速さつそく文芸論の代りに菊池きくちの放心を攻撃した。菊池の降参したのはこの時だけである。
続澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
雲飛のつま早速さつそく相談さうだんし石をなにがし權官けんくわんけんじたところ、雲飛はもなくごくを出された。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
早速さつそくわう御自分ごじぶんの作つた詩を見せたいと思召おぼしめしたから、王
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)