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預
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あづ
ふりがな文庫
“
預
(
あづ
)” の例文
三十七
年
(
ねん
)
九
月
(
ぐわつ
)
十四
日
(
か
)
、
幻翁
(
げんおう
)
望生
(
ぼうせい
)
の
二人
(
ふたり
)
と
共
(
とも
)
に
余
(
よ
)
は
馬籠
(
まごめ
)
に
行
(
ゆ
)
き、
茶店
(
ちやみせ
)
に
荷物
(
にもつ
)
や
着物
(
きもの
)
を
預
(
あづ
)
けて
置
(
お
)
き、
息子
(
むすこ
)
を
人夫
(
にんぷ
)
に
頼
(
たの
)
んで、
遺跡
(
ゐせき
)
に
向
(
むか
)
つた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
安井
(
やすゐ
)
は
門口
(
かどぐち
)
へ
錠
(
ぢやう
)
を
卸
(
おろ
)
して、
鍵
(
かぎ
)
を
裏
(
うら
)
の
家
(
うち
)
へ
預
(
あづ
)
けるとか
云
(
い
)
つて、
走
(
か
)
けて
行
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
と
御米
(
およね
)
は
待
(
ま
)
つてゐる
間
(
あひだ
)
、
二言
(
ふたこと
)
、
三言
(
みこと
)
、
尋常
(
じんじやう
)
な
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
して
暫
(
しば
)
らく拷問は御用捨に
預
(
あづ
)
かりたし實は私し昌次郎に
恨
(
うら
)
みあるにより彼等が歸り道に
待伏
(
まちぶせ
)
し猿島河原にて二人の者を切殺し首を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
預
(
あづ
)
かつた
覚
(
おぼ
)
えはないと
云
(
い
)
ふのは
酷
(
ひど
)
い
奴
(
やつ
)
だ、
塩原
(
しほばら
)
の
家
(
いへ
)
へ草を
生
(
は
)
やさずに置くべきか、と
云
(
い
)
つて
吾妻橋
(
あづまばし
)
からドンブリと身を投げた。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
有
(
あ
)
るには
有
(
あ
)
るが
預
(
あづ
)
けてある。
勢
(
いきほ
)
ひ
兵
(
へい
)
を
分
(
わか
)
たねば
成
(
な
)
らない。
暮
(
くれ
)
から
人質
(
ひとじち
)
に
入
(
はひ
)
つてゐる
外套
(
ぐわいたう
)
と
羽織
(
はおり
)
を
救
(
すく
)
ひだすのに、
手
(
て
)
もなく
八九枚
(
はつくまい
)
討取
(
うちと
)
られた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
『えらい
權式
(
けんしき
)
ぢやなア。』と
思
(
おも
)
ひながら、
玄竹
(
げんちく
)
は
腰差
(
こしざ
)
しを
預
(
あづ
)
けようとすると、
多田院
(
ただのゐん
)
から
來
(
き
)
た
迎
(
むか
)
への
男
(
をとこ
)
が
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
つて、『よろしい/\。』と
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
何
(
なん
)
の
商買
(
しようばい
)
などがおありなさらう、そんなのでは
無
(
な
)
いと
言
(
い
)
ひながら
蒲團
(
ふとん
)
の
上
(
うへ
)
に
乘
(
の
)
せて
置
(
お
)
きし
紙入
(
かみい
)
れを
取
(
とり
)
あげて、お
相方
(
あいかた
)
の
高尾
(
たかを
)
にこれをばお
預
(
あづ
)
けなされまし
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
末子
(
すゑこ
)
は
母
(
かあ
)
さんが
亡
(
な
)
くなると
間
(
ま
)
もなく
常陸
(
ひたち
)
の
方
(
はう
)
の
乳母
(
うば
)
の
家
(
うち
)
に
預
(
あづ
)
けられて、七
年
(
ねん
)
もその
乳母
(
うば
)
のところに
居
(
ゐ
)
ましたが、
今
(
いま
)
では
父
(
とう
)
さんの
家
(
うち
)
の
方
(
はう
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
留置
(
とめおき
)
、
預
(
あづ
)
けなどゝ云ふことにせられては、病体で
凌
(
しの
)
ぎ
兼
(
か
)
ねるから、それは
罷
(
やめ
)
にして貰ひたい。倅英太郎は首領の立てゝゐる塾で、
人質
(
ひとじち
)
のやうになつてゐて帰つて来ない。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
はすぐに
自分自身
(
じぶんじしん
)
のために、また
子供達
(
こどもたち
)
の
爲
(
ため
)
めに
働
(
はたら
)
かなければならなかつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
間
(
ま
)
もなく
親戚
(
しんせき
)
に
子供
(
こども
)
を
預
(
あづ
)
けて
土地
(
とち
)
の
病院
(
びやうゐん
)
に
勤
(
つと
)
める
身
(
み
)
となつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
脇目
(
わきめ
)
も
觸
(
ふ
)
らなかつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ニキビだらけでノツポで、あまり頼母し氣な青年ではありませんが、親の大藩の留守居が、自分のダラシの無い生活を見せ度くない爲に、インチキを承知で、春名塾に
預
(
あづ
)
けて置くのでせう。
銭形平次捕物控:259 軍学者の妾
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さう
疑
(
うた
)
ぐるならわしは
預
(
あづ
)
かりますめえ」といつて
拒絶
(
きよぜつ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
預
(
あづ
)
け置て
立出
(
たちいで
)
しが其後一向に歸り來らず然に昨年
祖母
(
ばば
)
も
病死
(
びやうし
)
し殘るは私し一人と成り
切
(
せめ
)
ては今一度
對面
(
たいめん
)
し度と存ず夫故に伊勢參宮より
故郷
(
こきやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
すると
相応
(
さうおう
)
に
商
(
あきな
)
ひもあるから、
商
(
あきな
)
ひ
高
(
だか
)
の
内
(
うち
)
より
貯
(
た
)
めて置いて、これを
多助
(
なすけ
)
に
預
(
あづ
)
けたのが
段々
(
だん/\
)
積
(
つも
)
つて、二百
両
(
りやう
)
ばかりになつた。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また
彼方此方
(
あつちこち
)
五六
軒
(
けん
)
立場茶屋
(
たてばぢやや
)
もござりますが、
美
(
うつく
)
しい
貴女
(
あなた
)
さま、
唯
(
たつた
)
お
一人
(
ひとり
)
、
預
(
あづ
)
けまして、
安心
(
あんしん
)
なは、
此
(
こ
)
の
外
(
ほか
)
にござりませぬ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこで
今迄
(
いままで
)
の
問題
(
もんだい
)
は
其所
(
そこ
)
に
据
(
す
)
ゑつきりにして
置
(
お
)
いて、
自分
(
じぶん
)
が
當時
(
たうじ
)
小六
(
ころく
)
の
學資
(
がくし
)
として
叔父
(
をぢ
)
に
預
(
あづ
)
けて
行
(
い
)
つた千
圓
(
ゑん
)
の
所置
(
しよち
)
を
聞
(
き
)
き
糺
(
たゞ
)
して
見
(
み
)
ると、
叔母
(
をば
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
各々
(
おの/\
)
も
知
(
し
)
つてゐるだらう、
御城與力
(
おしろよりき
)
や
同心
(
どうしん
)
は、
御城代
(
ごじやうだい
)
へ
勤役中
(
きんやくちう
)
預
(
あづ
)
けおく、といふ
上意
(
じやうい
)
だが、
町奉行
(
まちぶぎやう
)
へは
與力
(
よりき
)
同心
(
どうしん
)
を
勤役中
(
きんやくちう
)
下
(
くだ
)
されおくといふ
上意
(
じやうい
)
になつて
居
(
ゐ
)
る。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
陰
(
かげ
)
に
廻
(
まわ
)
りて
機械
(
からくり
)
の
糸
(
いと
)
を
引
(
ひき
)
きしは
藤本
(
ふぢもと
)
の
仕業
(
しわざ
)
に
極
(
きは
)
まりぬ、よし
級
(
きう
)
は
上
(
うへ
)
にせよ、
學
(
もの
)
は
出來
(
でき
)
るにせよ、
龍華寺
(
りうげじ
)
さまの
若旦那
(
わかだんな
)
にせよ、
大黒屋
(
だいこくや
)
の
美登利
(
みどり
)
紙
(
かみ
)
一
枚
(
まい
)
のお
世話
(
せわ
)
にも
預
(
あづ
)
からぬ
物
(
もの
)
を
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お前は
板塀
(
いたべい
)
の戸口へ往つて、平八郎にかう云ふのだ。内の五郎兵衛はお
預
(
あづ
)
けになつてゐるので、今
家財改
(
かざいあらため
)
のお役人が来られた。どうぞちよいとの間
裏
(
うら
)
の
路次口
(
ろじぐち
)
から外へ出てゐて下さいと云ふのだ。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
と
優
(
やさ
)
しい
聲
(
こゑ
)
も
時々
(
とき/″\
)
聞
(
き
)
く。
手
(
て
)
から
手
(
て
)
へ
直接
(
ちよくせつ
)
に、つかひの
用
(
よう
)
のうけ
渡
(
わたし
)
もするほどなので、
御馳走
(
ごちそう
)
は
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に、
唯
(
たゞ
)
お
預
(
あづ
)
けだ、と
肝膽
(
かんたん
)
を
絞
(
しぼ
)
りつつ
悶
(
もだ
)
えた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今度
(
こんど
)
辞職した以上は、容易に
口
(
くち
)
が
見付
(
みつ
)
かりさうもない事、
已
(
やむ
)
を得ず、それ迄妻を国
元
(
もと
)
へ
預
(
あづ
)
けた事——
中々
(
なか/\
)
尽きさうもない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
言上に及ぶに光貞卿
深
(
ふか
)
く
悦
(
よろこ
)
び然らば
暫
(
しば
)
らくの内其方へ
預
(
あづ
)
け
置
(
おく
)
べしとて城内二の丸の
堀端
(
ほりばた
)
に
大木
(
たいぼく
)
の松の木あり其下へ
葵紋
(
あふひもん
)
ぢらしの
蒔繪
(
まきゑ
)
の
廣葢
(
ひろぶた
)
に若君を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ハイ
御免
(
ごめん
)
なさい。主人「へい
是
(
これ
)
はいらつしやい。客「
此
(
こ
)
の
両掛
(
りやうがけ
)
を
其方
(
そつち
)
へお
預
(
あづ
)
かり下さい。主人「へい/\
畏
(
かしこま
)
りました。客「お
湯
(
ゆ
)
が
沸
(
わ
)
いて
居
(
を
)
りますかな。 ...
(和)茗荷
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昨日
(
きのふ
)
の朝東京を立つて、晩は京都へ着き、
祇園
(
ぎをん
)
の宿に一泊して、今日の
正午過
(
ひるす
)
ぎには、大阪の
停車場
(
ステーシヨン
)
の薄暗い待合室で、手荷物を一
時
(
じ
)
預
(
あづ
)
けにしやうとしてゐるところを、
突然
(
いきなり
)
背後
(
うしろ
)
から
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「
預
(
あづ
)
かつて置いて頂戴」と云つた。三四郎は
聊
(
いささ
)
か迷惑の様な気がした。然しこんな時に争ふ事を好まぬ男である。其上往来だから
猶更
(
なおさら
)
遠慮をした。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
優
(
やさ
)
しい
聲
(
こゑ
)
も
時々
(
とき/″\
)
聞
(
き
)
くのであるし、
手
(
て
)
から
手
(
て
)
へ
直接
(
ぢか
)
に、つかひの
用
(
よう
)
の、うけ
渡
(
わたし
)
もするほどなので、
御馳走
(
ごちそう
)
は
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
唯
(
たゞ
)
お
預
(
あづ
)
けだと、
肝膽
(
かんたん
)
を
絞
(
しぼ
)
つて
悶
(
もだ
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
右
(
みぎ
)
は
軸
(
ぢく
)
になつて
居
(
を
)
りますが、三
遊亭
(
いうてい
)
一
派
(
ぱ
)
の
共有物
(
きよういうぶつ
)
として、
円朝
(
わたくし
)
は
門弟共
(
もんていども
)
の
方
(
はう
)
へ
預
(
あづ
)
けて
置
(
おき
)
ましたけれども、
是
(
これ
)
は
河竹黙阿弥翁
(
かはたけもくあみをう
)
が
所有
(
しよいう
)
されて
居
(
ゐ
)
たのを、
円朝
(
わたくし
)
が
貰
(
もら
)
ひ
受
(
う
)
けました。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
花
(
はな
)
の、
然
(
そ
)
うして、
二本
(
ふたもと
)
ばかり
抽
(
ぬ
)
かれたあとを、
男
(
をとこ
)
は
籠
(
かご
)
のまゝ、
撫子
(
なでしこ
)
も、
百合
(
ゆり
)
も
胸
(
むね
)
に
滿
(
み
)
つるばかり
預
(
あづ
)
けられた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
何
(
なに
)
、
大
(
たい
)
して面倒でもありませんがね」とすぐに机の
抽出
(
ひきだし
)
から、
預
(
あづ
)
かつたものを
出
(
だ
)
して、三四郎に
渡
(
わた
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨夜
(
ゆふべ
)
お
前
(
まへ
)
さんに
預
(
あづ
)
けた、アノ
胴巻
(
どうまき
)
を
出
(
だ
)
して
呉
(
く
)
んな。主「はい/\
此品
(
このしな
)
で
御座
(
ござ
)
いますか。客「イヤこれを忘れちや
大事
(
おほごと
)
だ、アヽ
有難
(
ありがた
)
い、はい
左様
(
さやう
)
なら。主「ア、
行
(
い
)
つちまつた。 ...
(和)茗荷
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
といつて、
私
(
わたし
)
はきよとりとした。——これは
帰京
(
ききやう
)
早々
(
そう/\
)
お
訪
(
たづ
)
ねに
預
(
あづ
)
かつた
緑蝶夫人
(
ろくてふふじん
)
の
問
(
とひ
)
に
答
(
こた
)
へたのであるが——
実
(
じつ
)
は
子
(
ね
)
の
口
(
くち
)
の
宿
(
やど
)
が
洋燈
(
ランプ
)
だつたので、
近頃
(
ちかごろ
)
余程
(
よほど
)
珍
(
めづら
)
しかつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小六
(
ころく
)
は
兄
(
あに
)
から
自分
(
じぶん
)
の
學資
(
がくし
)
が
何
(
ど
)
れ
程
(
ほど
)
あつて、
何年分
(
なんねんぶん
)
の
勘定
(
かんぢやう
)
で、
叔父
(
をぢ
)
に
預
(
あづ
)
けられたかを、
聞
(
き
)
いて
置
(
お
)
かなかつたから、
叔母
(
をば
)
から
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
はれて
見
(
み
)
ると、
一言
(
ひとこと
)
も
返
(
かへ
)
し
樣
(
やう
)
がなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
体
(
たい
)
お
前
(
まへ
)
さんは
何
(
なに
)
を
証拠
(
しようこ
)
に
預
(
あづ
)
けたと
云
(
い
)
ひなさるか、
預
(
あづ
)
けたものなら
証拠
(
しようこ
)
が
無
(
な
)
ければならない。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
隣
(
となり
)
の
間
(
ま
)
の
八疊
(
はちでふ
)
に、
家内
(
かない
)
とその
遠縁
(
とほえん
)
にあたる
娘
(
むすめ
)
を、
遊
(
あそ
)
びに
一人
(
ひとり
)
預
(
あづ
)
かつたのと、ふすまを
並
(
なら
)
べてゐる。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
実
(
じつ
)
はね
情死
(
しんぢゆう
)
を
為
(
し
)
そこなひました、
相手
(
あひて
)
は
本町
(
ほんちやう
)
の
薬屋
(
くすりや
)
の息子さんで、二人とも助かりまして
品川溜
(
しながはだめ
)
へ
預
(
あづ
)
けられて、すんでに
女太夫
(
をんなたいふ
)
に出る
処
(
ところ
)
をいゝあんばいに
切
(
き
)
り
抜
(
ぬ
)
けてこゝに
来
(
き
)
てゐますが。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
掻蹲
(
かつゝくば
)
ひ、
両腕
(
りやううで
)
を
膝
(
ひざ
)
に
預
(
あづ
)
けたまゝ
啣煙管
(
くはへぎせる
)
で
摺出
(
すりだ
)
す
躰
(
てい
)
は、
嘴
(
くちばし
)
長
(
なが
)
い
鷺
(
さぎ
)
の
船頭
(
せんどう
)
化
(
ば
)
けたやうな
態
(
さま
)
である。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたくし
)
も少し
驚
(
おどろ
)
きまして、
此分
(
このぶん
)
では
迚
(
とて
)
も
往
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
まいと困りましたから、
私
(
わたし
)
が
日頃
(
ひごろ
)
御贔屓
(
ごひいき
)
に
預
(
あづ
)
かりまする
貴顕
(
きけん
)
のお
方
(
かた
)
の
処
(
ところ
)
へ
参
(
まゐ
)
りまして、
右
(
みぎ
)
のお話をいたしますると、そんならば
幸
(
さいはひ
)
私
(
わたくし
)
も
往
(
ゆ
)
くから
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
半纏着
(
はんてんぎ
)
は、
水
(
みづ
)
の
淺
(
あさ
)
い
石
(
いし
)
を
起
(
おこ
)
して、
山笹
(
やまざさ
)
をひつたり
挾
(
はさ
)
んで、
細流
(
さいりう
)
に
岩魚
(
いはな
)
を
預
(
あづ
)
けた。
溌剌
(
はつらつ
)
と
言
(
い
)
ふのは
此
(
これ
)
であらう。
水
(
みづ
)
は
尾鰭
(
をひれ
)
を
泳
(
およ
)
がせて
岩
(
いは
)
に
走
(
はし
)
る。そのまゝ、すぼりと
裸體
(
はだか
)
に
成
(
な
)
つた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手の
先
(
さき
)
と
天窓
(
あたま
)
の
先
(
さき
)
を
揃
(
そろ
)
へ、
胴
(
どう
)
を
詰
(
つ
)
めて
閑雅
(
しとやか
)
に
辞儀
(
じぎ
)
をして、かね/″\お
招
(
まね
)
きに
預
(
あづ
)
かりました
半田屋
(
はんだや
)
の
長兵衛
(
ちやうべゑ
)
と
申
(
まう
)
す者で、
至
(
いた
)
つて
未熟
(
みじゆく
)
もの、
此後
(
こののち
)
ともお
見知
(
みし
)
り
置
(
お
)
かれて
御懇意
(
ごこんい
)
に願ひますと
云
(
い
)
ふと
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……こゝの
御新姐
(
ごしんぞ
)
の、
人形町
(
にんぎやうちやう
)
の
娘時代
(
むすめじだい
)
を
預
(
あづ
)
かつた、
女學校
(
ぢよがくかう
)
の
先生
(
せんせい
)
を
通
(
とほ
)
して、ほのかに
樣子
(
やうす
)
を
知
(
し
)
つてゐるので……
以前
(
いぜん
)
、
私
(
わたし
)
が
小
(
ちひ
)
さな
作
(
さく
)
の
中
(
なか
)
に、
少
(
すこ
)
し
家造
(
やづく
)
りだけ
借用
(
しやくよう
)
した
事
(
こと
)
がある。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どうも
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
までお
厚情
(
なさけ
)
に
預
(
あづ
)
かりまして、
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わたし
)
たちは、
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
を、
階段
(
かいだん
)
に
預
(
あづ
)
けて、——
如何
(
いか
)
に
梅雨時
(
つゆどぎ
)
とはいへ……
本來
(
ほんらい
)
は
小舟
(
こぶね
)
でぬれても、
雨
(
あめ
)
のなゝめな
繪
(
ゑ
)
に
成
(
な
)
るべき
土地柄
(
とちがら
)
に
對
(
たい
)
して、かう
番
(
ばん
)
ごと、
繻子張
(
しゆすばり
)
を
持出
(
もちだ
)
したのでは
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かういふ
時
(
とき
)
だ。
在郷軍人
(
ざいがうぐんじん
)
が、シヤツ
一枚
(
いちまい
)
で、
見事
(
みごと
)
に
轡
(
くつわ
)
を
引留
(
ひきと
)
めた。が、この
大
(
おほ
)
きなものを、せまい
町内
(
ちやうない
)
、
何處
(
どこ
)
へつなぐ
所
(
ところ
)
もない。
御免
(
ごめん
)
だよ、
誰
(
たれ
)
もこれを
預
(
あづ
)
からない。そのはずで。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
内
(
うち
)
から
棹
(
さを
)
なんぞ……
鈎
(
はり
)
も
絲
(
いと
)
も
忍
(
しの
)
ばしては
出
(
で
)
なかつたが——それは
女房
(
にようばう
)
が
頻
(
しきり
)
に
殺生
(
せつしやう
)
を
留
(
と
)
める
處
(
ところ
)
から、つい
面倒
(
めんだう
)
さに、
近所
(
きんじよ
)
の
車屋
(
くるまや
)
、
床屋
(
とこや
)
などに
預
(
あづ
)
けて
置
(
お
)
いて、そこから
内證
(
ないしよう
)
で
支度
(
したく
)
して
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
出
(
だ
)
しながら、ふと
猶予
(
ためら
)
つたのは、
手
(
て
)
が
一
(
ひと
)
つ、
自分
(
じぶん
)
の
他
(
ほか
)
に、
柔
(
やはら
)
かく
持添
(
もちそ
)
へて
居
(
ゐ
)
るやうだつたからである。——
否
(
いや
)
、
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
の
袖
(
そで
)
のしのばるゝ
友染
(
いうぜん
)
の
袋
(
ふくろ
)
さへ、
汽車
(
きしや
)
の
中
(
なか
)
に
預
(
あづ
)
けて
来
(
き
)
たのに——
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
名物
(
めいぶつ
)
と
聞
(
き
)
く
切干大根
(
きりぼしだいこん
)
の
甘
(
あま
)
いにほひをなつかしんで、
手製
(
てせい
)
ののり
卷
(
まき
)
、
然
(
しか
)
も
稚氣
(
ちき
)
愛
(
あい
)
すべきことは、あの
渦卷
(
うづまき
)
を
頬張
(
ほゝば
)
つたところは、
飮友達
(
のみともだち
)
は
笑
(
わら
)
はば
笑
(
わら
)
へ、なくなつた
親
(
おや
)
どもには
褒美
(
はうび
)
に
預
(
あづ
)
からうといふ
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
預
常用漢字
小6
部首:⾴
13画
“預”を含む語句
御預
預所
預金
預言者
預物
杜預
預置
預想
預言
永預
預防
預託品
預諸
預金通帳
預算
預替
頭預
預姫
預弟子
預察
...