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おそ
ふりがな文庫
“
遲
(
おそ
)” の例文
新字:
遅
早
(
はや
)
く
眼
(
め
)
がさめても
何時
(
いつ
)
までも
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
るのがいゝか、
遲
(
おそ
)
く
眼
(
め
)
がさめてもむつくり
起
(
お
)
きるのがいゝか、そのことで
兄弟
(
きやうだい
)
が
爭
(
あらそ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ロレ (傍を向きて)それは
遲
(
おそ
)
うせねばならぬ
仔細
(
わけ
)
が、
此方
(
こち
)
に
解
(
わか
)
ってをらなんだらなア!……あれ、
御覽
(
ごらう
)
ぜ、
姫
(
ひめ
)
が
此庵
(
こゝ
)
にわせられた。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
皈
(
かへ
)
りの
遲
(
おそ
)
きを
母
(
はゝ
)
の
親
(
おや
)
案
(
あん
)
して
尋
(
たづ
)
ねに
來
(
き
)
てくれたをば
時機
(
しほ
)
に
家
(
うち
)
へは
戻
(
もど
)
つたれど、
母
(
はゝ
)
も
物
(
もの
)
いはず
父親
(
てゝおや
)
も
無言
(
むごん
)
に、
誰
(
た
)
れ
一人
(
ひとり
)
私
(
わたし
)
をば
叱
(
しか
)
る
物
(
もの
)
もなく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『や、や、あの
旗
(
はた
)
は、あの
艦
(
ふね
)
は。』とばかり、
焦眉
(
せうび
)
の
急
(
きふ
)
も
忘
(
わす
)
れて
跳
(
をど
)
り
立
(
た
)
つ、
私
(
わたくし
)
も
急
(
いそ
)
ぎ
其
(
その
)
方
(
ほう
)
に
眼
(
まなこ
)
を
轉
(
てん
)
ぜんとしたが、
時
(
とき
)
既
(
すで
)
に
遲
(
おそ
)
かつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
手
(
て
)
がないものだから、つい
遲
(
おそ
)
くなりまして
御氣
(
おき
)
の
毒
(
どく
)
です。すぐ
御膳
(
ごぜん
)
に
致
(
いた
)
しませう。
然
(
しか
)
しこんな
所
(
ところ
)
だから
上
(
あ
)
げるものがなくつて
困
(
こま
)
ります。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
何の顏さげて人に
言
(
いは
)
れん然れば其時
死
(
し
)
ぬるより外に
方便
(
てだて
)
も無き身なれば
遲
(
おそ
)
かれ早かれ死ぬ此身とても死ぬなら今日只今長庵方へ押掛
行
(
ゆき
)
命
(
いのち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さいはひに、
火
(
ひ
)
の
粉
(
こ
)
でない。
私
(
わたし
)
は
柳川
(
やながは
)
を
恩人
(
おんじん
)
だと
思
(
おも
)
ふ——
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
る。もう
一歩
(
ひとあし
)
來
(
き
)
やうが
遲
(
おそ
)
いと、
最早
(
もはや
)
言
(
ことば
)
を
費
(
つひや
)
すにおよぶまい。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
隨分
(
ずいぶん
)
急
(
えそ
)
えだ
積
(
つもり
)
だつけがこんなに
遲
(
おそ
)
くなつちやつて、
何
(
なん
)
ちつても
日
(
ひ
)
は
短
(
みじか
)
くなつたかんな、さう
云
(
ゆ
)
つても
怪我人
(
けがにん
)
ちや
有
(
あ
)
るもんだな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
幸
(
さいはひ
)
を愛する愛、その
義務
(
つとめ
)
に缺くるところあればこゝにて
補
(
おぎな
)
はる、怠りて
遲
(
おそ
)
くせる
櫂
(
かい
)
こゝにて再び早めらる 八五—八七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
逡巡
(
ぐづ/″\
)
してゐずに
愛
(
あい
)
ちやんは
風
(
かぜ
)
のやうに
走
(
はし
)
りました、
兎
(
うさぎ
)
が
角
(
かど
)
を
曲
(
まが
)
らうとした
時
(
とき
)
に、『あれッ、
私
(
わはし
)
の
耳
(
みゝ
)
と
髯
(
ひげ
)
は
何
(
ど
)
うしたんだらう、
遲
(
おそ
)
いこと』と
云
(
い
)
ふのを
聞
(
き
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ヨーロッパでは
南
(
みなみ
)
の
方
(
ほう
)
には
早
(
はや
)
く
鐵
(
てつ
)
がはひつて
來
(
き
)
ましたが、
北方
(
ほつぽう
)
のデンマルクやスエーデンやノールウエなどでは、
鐵
(
てつ
)
のはひつて
來
(
く
)
るのが
大分
(
だいぶ
)
遲
(
おそ
)
かつたがために
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その晩も
漸
(
やうや
)
く新太郎を寢かし付けて、さて雨戸を
締
(
し
)
めようとすると
夜更
(
よふ
)
けまで開けて置いた窓の障子へ、
遲
(
おそ
)
い月に照らされて、ハツキリ映つてゐるものがあります。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤も今日は、
刻限
(
こくげん
)
が
遲
(
おそ
)
いせいか、一羽も見えない。唯、
所々
(
ところどころ
)
、崩れかゝつた、さうしてその
崩
(
くづ
)
れ目に長い草のはへた
石段
(
いしだん
)
の上に、
鴉
(
からす
)
の
糞
(
くそ
)
が、點々と白くこびりついてゐるのが見える。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『さうとも
限
(
かぎ
)
りませんが
熱海
(
あたみ
)
が
遲
(
おそ
)
くなると五
分
(
ふん
)
や十
分
(
ぷん
)
此處
(
こゝ
)
で
待
(
ま
)
たされるのです。』
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『これでは
遲
(
おそ
)
く
來
(
き
)
て、それで
少
(
すこ
)
しも
掘
(
ほ
)
らない
者
(
もの
)
が、一
番
(
ばん
)
勝利
(
しやうり
)
を
得
(
え
)
た
譯
(
わけ
)
ですね』
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
歩
(
あゆみ
)
遲
(
おそ
)
むることもなく、急ぎもせずに、悠然と
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
歸
(
かへ
)
りも
遲
(
おそ
)
いが、
歸
(
かへ
)
つてから
出掛
(
でかけ
)
る
抔
(
など
)
といふ
億劫
(
おくくふ
)
な
事
(
こと
)
は
滅多
(
めつた
)
になかつた。
客
(
きやく
)
は
殆
(
ほと
)
んど
來
(
こ
)
ない。
用
(
よう
)
のない
時
(
とき
)
は
清
(
きよ
)
を十
時前
(
じまへ
)
に
寐
(
ね
)
かす
事
(
こと
)
さへあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
借
(
かり
)
て
働
(
はたら
)
かせしが其の夜は
遲
(
おそ
)
く
成
(
なり
)
しかば翌朝
歸
(
かへ
)
しけるに
早
(
はや
)
辰刻頃
(
いつゝごろ
)
なるに隱居所の
裏口
(
うらぐち
)
締
(
しま
)
り居て未だ起ざる樣子なれば大いに
怪
(
あやし
)
み
何時
(
いつ
)
も早く目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此
(
この
)
深山
(
しんざん
)
を
少
(
すこ
)
しばかり
迂回
(
うくわい
)
して
皈
(
かへ
)
つたとて、
左程
(
さほど
)
遲
(
おそ
)
くもなるまい、また
極
(
きわ
)
めて
趣味
(
しゆみ
)
ある
事
(
こと
)
だらうと
考
(
かんが
)
へたので、
私
(
わたくし
)
は
發議
(
はつぎ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
春
(
はる
)
ならで
芳之助
(
よしのすけ
)
の
歸宅
(
かへり
)
の
遲
(
おそ
)
さよ
好
(
よ
)
き
客
(
きやく
)
ありて
遠
(
とほ
)
くまで
行
(
ゆ
)
きたるにやそれにしても
最
(
も
)
う
歸
(
かへ
)
りさうなもの
日沒
(
ひぐれ
)
まへに
一度
(
いちど
)
づゝ
樣子見
(
やうすみ
)
に
戻
(
もど
)
るが
常
(
つね
)
なるを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あはれ、
兄
(
あに
)
の
元太郎
(
もとたらう
)
は、
何事
(
なにごと
)
も
見
(
み
)
ぬ
振
(
ふり
)
で
濟
(
す
)
ます
氣
(
き
)
で、
何時
(
いつも
)
より
却
(
かへ
)
つて
遲
(
おそ
)
くまで
野良
(
のら
)
へ
出
(
で
)
て
歸
(
かへ
)
らないで
居
(
ゐ
)
たと
言
(
い
)
ふのに。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
黄昏
(
たそがれ
)
に
漸
(
やうや
)
く
其處
(
そこ
)
へ
繋
(
かゝ
)
つた
高瀬船
(
たかせぶね
)
が、
其處
(
そこ
)
らで
食料
(
しよくれう
)
を
求
(
もと
)
め
歩
(
ある
)
いて
遲
(
おそ
)
く
晩餐
(
ばんさん
)
を
濟
(
すま
)
してまだ
眠
(
ねむ
)
らずに
居
(
ゐ
)
たのであつたらう。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、これぞと
云
(
い
)
ふ
程
(
ほど
)
の
事
(
こと
)
もありませんでした。
又
(
また
)
愛
(
あい
)
ちやんは、
兎
(
うさぎ
)
が
途
(
みち
)
から
駈
(
か
)
け
出
(
だ
)
して
來
(
き
)
て、『あァ/\
遲
(
おそ
)
くなつた』なんて
云
(
い
)
ふだらうとは
些
(
ちつ
)
とも
思
(
おも
)
ひませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
上
(
うへ
)
なう
甘
(
あま
)
い
蜂蜜
(
はちみつ
)
は
旨過
(
うます
)
ぎて
厭
(
いや
)
らしく、
食
(
く
)
うて
見
(
み
)
ようといふ
氣
(
き
)
が
鈍
(
にぶ
)
る。ぢゃによって、
戀
(
こひ
)
も
程
(
ほど
)
よう。
程
(
ほど
)
よい
戀
(
こひ
)
は
長
(
なが
)
う
續
(
つゞ
)
く、
速
(
はや
)
きに
過
(
す
)
ぐるは
猶
(
なほ
)
遲
(
おそ
)
きに
過
(
す
)
ぐるが
如
(
ごと
)
しぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『
私
(
わたし
)
は
遲
(
おそ
)
く
眼
(
め
)
がさめても、
兄
(
にい
)
さんのやうに
長
(
なが
)
く
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
ないで、むつくり
起
(
お
)
きた
方
(
はう
)
がいゝと
思
(
おも
)
ひます。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「權八が
昨夜
(
ゆうべ
)
遲
(
おそ
)
く歸つて來て、店の
臆病窓
(
おくびやうまど
)
を締めようとしたおいらに、この金包を渡したんだ」
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何事ぞ
遲
(
おそ
)
き魂等よ 一一八—一二〇
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
殺したる事は存ぜねども去年
霜月
(
しもつき
)
十七日博奕より
遲
(
おそ
)
く歸りし時如何なる故か
面色
(
かほいろ
)
宜
(
よ
)
からず衣類に血が
付居
(
つきをり
)
し故樣子を尋ね候に
途中
(
とちう
)
にて喧嘩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
車夫
(
くるまや
)
の
足
(
あし
)
が
何時
(
いつ
)
より
遲
(
おそ
)
いやうに
思
(
おも
)
はれて、
御好物
(
ごかうぶつ
)
の
飴屋
(
あめや
)
が
軒
(
のき
)
も
見
(
み
)
はぐりました、
此金
(
これ
)
は
少〻
(
せう/\
)
なれど
私
(
わたし
)
が
小遣
(
こづかひ
)
の
殘
(
のこ
)
り、
麹町
(
かうじまち
)
の
御親類
(
ごしんるい
)
よりお
客
(
きやく
)
の
有
(
あり
)
し
時
(
とき
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
本艦
(
ほんかん
)
を
去
(
さ
)
る
事
(
こと
)
約
(
やく
)
一千米突
(
いつせんメートル
)
——
忽然
(
こつぜん
)
波間
(
はかん
)
に
沈
(
しづ
)
んだと
思
(
おも
)
ふ
間
(
ま
)
も
疾
(
と
)
しや
遲
(
おそ
)
しや、
唯
(
たゞ
)
見
(
み
)
る
本艦
(
ほんかん
)
前方
(
ぜんぽう
)
の
海上
(
かいじやう
)
、
忽
(
たちま
)
ち
起
(
おこ
)
る
大叫喚
(
だいけうくわん
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
懇意
(
こんい
)
なそここゝでお
品
(
しな
)
は
落葉
(
おちば
)
を
一燻
(
ひとく
)
べ
焚
(
た
)
いて
貰
(
もら
)
つては
手
(
て
)
を
翳
(
かざ
)
して
漸
(
やつ
)
と
暖
(
あたゝ
)
まつた。
蒟蒻
(
こんにやく
)
を
仕入
(
しい
)
れて
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
はそんなこんなで
暇
(
ひま
)
をとつて
何時
(
いつ
)
になく
遲
(
おそ
)
かつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
小六
(
ころく
)
は
幸
(
さいはひ
)
にして
間
(
ま
)
もなく
歸
(
かへ
)
つた。
日本橋
(
にほんばし
)
から
銀座
(
ぎんざ
)
へ
出
(
で
)
て
夫
(
それ
)
から、
水天宮
(
すゐてんぐう
)
の
方
(
はう
)
へ
廻
(
まは
)
つた
所
(
ところ
)
が、
電車
(
でんしや
)
が
込
(
こ
)
んで
何臺
(
なんだい
)
も
待
(
ま
)
ち
合
(
あ
)
はしたために
遲
(
おそ
)
くなつたといふ
言譯
(
いひわけ
)
をした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
パリス
舅
(
しうと
)
カピューレットどのが
其樣
(
そのやう
)
にしたいと
被言
(
おしゃ
)
る。
予
(
わし
)
とてもそれを
遲
(
おそ
)
うしたいとは
思
(
おも
)
ひませぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
すぐ
翌日
(
よくじつ
)
であつた。が
此
(
これ
)
は
最
(
も
)
う
些
(
ちつ
)
と
時間
(
じかん
)
が
遲
(
おそ
)
い。
女中
(
ぢよちう
)
が
晩
(
ばん
)
の
買出
(
かひだ
)
しに
出掛
(
でか
)
けたのだから
四時頃
(
よじごろ
)
で——しかし
眞夏
(
まなつ
)
の
事
(
こと
)
ゆゑ、
片蔭
(
かたかげ
)
が
出來
(
でき
)
たばかり、
日盛
(
ひざか
)
りと
言
(
い
)
つても
可
(
い
)
い。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こんな物を縁の下へ入れて置けば、
遲
(
おそ
)
くとも明日の朝になれば、わけもなく見付かるぢやないか
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
祖父
(
おぢい
)
さん、
私
(
わたし
)
は
早
(
はや
)
く
眼
(
め
)
がさめました。そのかはり
何時
(
いつ
)
までも
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
ました。
弟
(
おとうと
)
は
遲
(
おそ
)
く
眼
(
め
)
がさめました。そのかはり
私
(
わたし
)
より
先
(
さき
)
に
起
(
お
)
きました。
私達
(
わたしたち
)
は
今
(
いま
)
そのことで
言
(
い
)
ひ
合
(
あ
)
つて
居
(
ゐ
)
るところです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
まァ、
眞個
(
ほんとう
)
に
奇態
(
きたい
)
な
夢
(
ゆめ
)
だこと、さァ、お
茶
(
ちや
)
を
飮
(
の
)
みに
行
(
ゆ
)
きませうね、もう
遲
(
おそ
)
いから、
乃
(
そこ
)
で
愛
(
あい
)
ちやんは、
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
るや
否
(
いな
)
や
駈
(
か
)
け
出
(
だ
)
しました、
駈
(
か
)
ける
間
(
ま
)
も、
熟々
(
つく/″\
)
奇妙
(
きめう
)
な
夢
(
ゆめ
)
であつたことを
考
(
かんが
)
へながら。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
傘屋
(
かさや
)
の
吉
(
きち
)
だよ、
己
(
お
)
れだよと
少
(
すこ
)
し
高
(
たか
)
く
言
(
い
)
へば、いやな
子
(
こ
)
だね
此樣
(
こん
)
な
遲
(
おそ
)
くに
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ひに
來
(
き
)
たか、
又
(
また
)
お
餅
(
かちん
)
のおねだりか、と
笑
(
わら
)
つて、
今
(
いま
)
あけるよ
少時
(
しばらく
)
辛防
(
しんばう
)
おしと
言
(
い
)
ひながら
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あゝ、
最
(
も
)
う
大分
(
だいぶ
)
遲
(
おそ
)
うござります。さあ、お
召
(
め
)
しなさりまし。
御存
(
ごぞん
)
じの、あの
目
(
め
)
の
赤
(
あか
)
い
大蜈蚣
(
おほむかで
)
の
紆
(
うね
)
つた、
下
(
さが
)
り
藤
(
ふぢ
)
の
揃
(
そろ
)
ひの
軒提灯
(
のきぢやうちん
)
を
御覽
(
ごらう
)
じながら、
徐々
(
そろ/\
)
お
歸
(
かへ
)
りなさいませんか。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
思ひの外使は
遲
(
おそ
)
くなつたやうですが、
生憎
(
あいにく
)
あつしは
釣船
(
つりぶね
)
に乘つて沖へ出て居て、片瀬の宿へ戻つたのは夜中近くなつてからでせう、——ところが、片瀬の宿は、引つくり返る騷ぎです
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
太吉
(
たきち
)
と
小僧
(
こぞう
)
の
脊
(
せ
)
を
人
(
ひと
)
さし
指
(
ゆび
)
の
先
(
さき
)
に
突
(
つ
)
いて、お
舟
(
ふね
)
こぐ
眞似
(
まね
)
に
精
(
せい
)
の
出
(
で
)
て
店
(
みせ
)
の
品
(
しな
)
をばちよろまかされぬやうにしてお
呉
(
く
)
れ、
私
(
わたし
)
の
歸
(
かへ
)
りが
遲
(
おそ
)
いやうなら
構
(
かま
)
はずと
戸
(
と
)
をば
下
(
おろ
)
して
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
友
(
とも
)
さん、
最
(
も
)
う
可
(
い
)
い、
歸
(
かへ
)
つておくれ。
何
(
な
)
んだか、
此
(
こ
)
の
上
(
うへ
)
の
山
(
やま
)
見
(
み
)
たやうに
話
(
はなし
)
があるが、
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
ては、
落着
(
おちつ
)
かない。
何處
(
どこ
)
かへ
一所
(
いつしよ
)
にと
思
(
おも
)
ふが、
其
(
そ
)
れも
遲
(
おそ
)
し、
明日
(
あす
)
でも
又
(
また
)
逢
(
あ
)
はうよ、ね。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
恥
(
はづ
)
かしい
身
(
み
)
に
落
(
おち
)
まして
今
(
いま
)
は
家
(
うち
)
と
言
(
い
)
ふ
物
(
もの
)
も
御座
(
ござ
)
りませぬ、
寐處
(
ねどころ
)
は
淺草町
(
あさくさまち
)
の
安宿
(
やすやど
)
、
村田
(
むらた
)
といふが二
階
(
かい
)
に
轉
(
ころ
)
がつて、
氣
(
き
)
に
向
(
む
)
ひた
時
(
とき
)
は
今夜
(
こんや
)
のやうに
遲
(
おそ
)
くまで
挽
(
ひ
)
く
事
(
こと
)
もありまするし
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
たべものに
掛
(
か
)
けては、
中華亭
(
ちうくわてい
)
の
娘
(
むすめ
)
が
運
(
はこ
)
ぶ
新栗
(
しんぐり
)
のきんとんから、
町内
(
ちやうない
)
の
車夫
(
しやふ
)
が
内職
(
ないしよく
)
の
駄菓子店
(
だぐわしみせ
)
の
鐵砲玉
(
てつぱうだま
)
まで、
趣
(
おもむき
)
を
解
(
かい
)
しないでは
置
(
お
)
かない
方
(
かた
)
だから、
遲
(
おそ
)
い
朝御飯
(
あさごはん
)
に
茶漬
(
ちやづ
)
けで、さら/\。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時
(
とき
)
は
今
(
いま
)
何時
(
なんどき
)
にか、あれ、
空
(
そら
)
に
聞
(
きこ
)
ゆるは
上野
(
うへの
)
の
鐘
(
かね
)
ならん、
二
(
ふた
)
つ
三
(
み
)
つ
四
(
よ
)
つ、
八時
(
はちじ
)
か、
否
(
いな
)
、
九時
(
くじ
)
になりけり、さても
遲
(
おそ
)
くおはします
事
(
こと
)
かな、いつも
九時
(
くじ
)
のかねは
膳
(
ぜん
)
の
上
(
うへ
)
にて
聞
(
き
)
き
給
(
たま
)
ふを
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
片山家
(
かたやまが
)
は
灯
(
ひ
)
の
遲
(
おそ
)
い
縁柱
(
えんばしら
)
の
暗中
(
くらがり
)
に、
刺
(
さ
)
しに
刺
(
さ
)
して、
悶
(
もだ
)
えて
揮
(
ふる
)
ふ
腕
(
うで
)
からは、
血
(
ち
)
が
垂
(
た
)
れた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
庭口
(
にはぐち
)
も
明
(
あ
)
け
放
(
ぱな
)
して、
嘸
(
さぞ
)
かし
貴郎
(
あなた
)
のお
怒
(
おこ
)
り
遊
(
あそば
)
した
事
(
こと
)
と
氣
(
き
)
が
氣
(
き
)
では
無
(
な
)
かつたなれど、
病人
(
びやうにん
)
見捨
(
みす
)
てゝ
歸
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
もならず、
今日
(
けふ
)
も
此
(
この
)
やうに
遲
(
おそ
)
くまで
居
(
お
)
りまして、
何處
(
どこ
)
までも
私
(
わたし
)
が
惡
(
わろ
)
う
御座
(
ござ
)
んするほどに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
恁
(
か
)
くて
旦
(
あした
)
に
暮
(
くれ
)
に
其
(
そ
)
の
根
(
ね
)
を
治
(
をさ
)
む。
凡
(
すべ
)
て
一七日
(
いちしちにち
)
、
術
(
じゆつ
)
成
(
な
)
ると
稱
(
しよう
)
し、
出
(
い
)
でて
昌黎
(
しやうれい
)
に
對
(
たい
)
して、はじめて
羞
(
は
)
ぢたる
色
(
いろ
)
あり。
曰
(
いは
)
く、
恨
(
うら
)
むらくは
節
(
せつ
)
遲
(
おそ
)
きこと
一月
(
ひとつき
)
なり、
時
(
とき
)
既
(
すで
)
に
冬
(
ふゆ
)
にして
我
(
わ
)
が
思
(
おも
)
ふがまゝならずと。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
實
(
じつ
)
はなくなりました
父
(
ちゝ
)
が、
其
(
そ
)
の
危篤
(
きとく
)
の
時
(
とき
)
、
東京
(
とうきやう
)
から
歸
(
かへ
)
りますのに、(タダイマココマデキマシタ)と
此
(
こ
)
の
町
(
まち
)
から
發信
(
はつしん
)
した……
偶
(
ふ
)
とそれを
口實
(
こうじつ
)
に——
時間
(
じかん
)
は
遲
(
おそ
)
くはありませんが、
目口
(
めくち
)
もあかない
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
やれ/\
何
(
ど
)
うして
此
(
この
)
遲
(
おそ
)
くに
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たお
宅
(
うち
)
では
皆
(
みな
)
お
變
(
かは
)
りもなしかと
例
(
いつ
)
に
替
(
かは
)
らずもてはやさるれば、
針
(
はり
)
の
席
(
むしろ
)
にのる
樣
(
やう
)
にて
奧
(
おく
)
さま
扱
(
あつ
)
かひ
情
(
なさけ
)
なくじつと
涕
(
なみだ
)
を
呑込
(
のみこん
)
で、はい
誰
(
だ
)
れも
時候
(
じかう
)
の
障
(
さわ
)
りも
御座
(
ござ
)
りませぬ
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
遲
部首:⾡
16画
“遲”を含む語句
品遲部
遲速
遲々
遲鈍
遲緩
品遲
多遲麻
遲過
遲遲
遲重
迦多遲
遲馳
遲蒔
遲花
阿遲志貴高日子根
遲發
遲疑
遲歸
遲櫻
遲咲
...