第一だいいち)” の例文
まったくインデアンは半分はんぶんおどっているようでした。第一だいいちかけるにしても足のふみようがもっと経済けいざいもとれ本気にもなれそうでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そこで、外國人ぐわいこくじん吾等われら立去たちさつたあとで、このしま上陸じやうりくして、此處こゝ自分じぶんが、第一だいいち發見はつけんしたしまだなんかと、くだひたつて無益だめもうすのだ。
て、うなると、この教育けういくのあるむすめが、なにしろ恰好かつかうわるい、第一だいいちまたちやうがわるい、まへ𢌞まはしてひざつてなほせといふ。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
日本につぽんもつともおほきく生長せいちようするはくすの第一だいいちで、ぎはすぎ、たいわんさわら、いてふ、しひ、まつといふじゆんになります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
『どれ、第一だいいち歩調ほてうをやつてよう!』と海龜うみがめがグリフォンにひました。『えびがなくても出來できるだらう、何方どつちうたはう?』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
しか村民そんみんあひだにはかういふ非常時ひじようじたいする訓練くんれんがよく行屆ゆきとゞいてゐたとえ、老幼男女ろうようだんじよ第一だいいち火災防止かさいぼうしつとめ、ときうつさず人命救助じんめいきゆうじよ從事じゆうじしたのであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
なににしろ日本にほん歴史れきしかざ第一だいいち花形はながたといえば、女性じょせいでは弟橘姫様おとたちばなひめさままた男性だんせいでは大和武尊様やまとたけるのみことさまでございます。
チェーホフの場合は、一口に言って、その深い信条であった生物進化論に、説明の第一だいいち根拠こんきょが見いだせるように私は思うのですが、ツルゲーネフの場合はどうでしょう。
「はつ恋」解説 (新字新仮名) / 神西清(著)
その芽をはぐゝむものは、私のひろい深い愛でなければならないのです。私はまづ第一だいいちをつとを愛しなければなりません。けれども情けないほど私の愛はまだあさいものです。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
学生時代がくせいじだい石橋いしばしふ者は実に顔が広かつたし、かつぜん学習院がくしうゐんた事があるので、く売りました、第一だいいちかたちふものが余程よほど可笑をかしい、石橋いしばし鼻目鏡はなめがねけて今こそ流行はやるけれど
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
とてしたいて歎息たんそくこゑらすに、どうもなんとも、わし悉皆しつかい世上せじやうことうとしな、はゝもあのとほりのなんであるので、三方さんばう四方しはうらちことつてな、第一だいいち此娘これせまいからではあるが
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けだし漢土かんどくま酉陽雑俎いうやうざつそせつのごとくにや。およそ猟師れふし山に入りて第一だいいちほつすところの物は熊なり。一熊いちゆうればその皮とそのきもと大小にもしたがへども、おほかたは金五両以上にいたるゆゑに猟師れふしほつするなり。
まれるから。それになにより第一だいいちねこ用心ようじんするんだよ。
第一だいいちに、青々あを/\した、といふものは、植物しよくぶつにとつては一番いちばん大切たいせつで、ちょうどわれ/\の心臟しんぞうちようのような、生活上せいかつじよう必要ひつよう器官きかんです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ところがだあ、へゝゝ、ばんからおまへあかりくらくすると、ふつとをんな身體からだ月明つきあかりがさしたやうにつて、第一だいいちな、いろ眞白まつしろるのに、さめるだ。
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一層いつそうあぢかろとり丸燒まるやきなどはなか/\の御馳走ごちさうで、いまわたくしには、世界せかい第一だいいちのホテルで、世界せかい第一だいいち珍味ちんみきようせられたよりも百倍ひやくばいうれしくかんじた。
『それは舞踏ぶたう第一だいいち姿勢しせいだわ』とつたものゝあいちやんは、まつた當惑たうわくしたので、しきりに話頭はなしへやうとしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
わたくしおもまくらいて、起居たちい不自由ふじゆうになったといたときに、第一だいいちせつけて、なにくれと介抱かいほうをつくしてくれましたのは矢張やは鎌倉かまくら両親りょうしんでございました。
あくる朝、ホモイは七時ごろ目をさまして、まず第一だいいちに玉を見ました。玉のうつくしいことは、昨夜ゆうべよりもっとです。ホモイは玉をのぞいて、ひとりごとをいました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
これを年代ねんだいじゆんしるしてみると、第一だいいち西暦せいれき千六百九十二年せんろつぴやくくじゆうにねん六月七日ろくがつなぬか西にしインド諸島しよとううち、ジャマイカとうおこつた地震ぢしんであつて、このとき首府しゆふロアイヤルこうおいては大地だいち數百條すうひやくじよう龜裂きれつ出來でき
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
またういふ旦那だんなさまをわざたてゝわたし一生いつしやうくるしませてくださるかとおもふと實家じつかおや、まあおやです、それはおんのある伯父樣をぢさまですけれども其人そのひとことうらめしいとおもひまするし、第一だいいちをかしたつみわたし
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けだし漢土かんどくま酉陽雑俎いうやうざつそせつのごとくにや。およそ猟師れふし山に入りて第一だいいちほつすところの物は熊なり。一熊いちゆうればその皮とそのきもと大小にもしたがへども、おほかたは金五両以上にいたるゆゑに猟師れふしほつするなり。
かれはわたしの第一だいいちのきにいりであるぞ。
侘住居わびずまひまをします——以前いぜんは、北國ほつこくおいても、旅館りよくわん設備せつびおいては、第一だいいちられた武生たけふうちでも、隨一ずゐいち旅館りよくわんむすめで、二十六のとし
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いまかれ當世たうせいかくれもき、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさから、くも懇篤こんとくなる薫陶くんとうけて生長せいちやうしたことは、世界せかい第一だいいち學校がくかう卒業そつげふしたよりも、わたくしためにはうれしいです。
第一だいいち證人しようにんせ』と王樣わうさままをされました。白兎しろうさぎは三たび喇叭らつぱいて『第一だいいち證人しようにん!』とこゑをかけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それから樹齡じゆれいではさっきつた阿里山ありさん紅檜べにひ第一だいいちで、千二三百年せんにさんびやくねんから二千年近にせんねんちかくのものが澤山たくさんあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
「ええ、毎日注文ちゅうもんがあります。しかしがんの方が、もっと売れます。がんの方がずっとがらがいいし、第一だいいち手数てすうがありませんからな。そら」鳥捕とりとりは、またべつの方のつつみをきました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
第一だいいち二階にかい其窓そのまどにも、階下した縁先えんさきにも、とり/″\に風情ふぜいへる、岐阜提灯ぎふぢやうちんと、鐵燈籠かなどうろうすだれ葭簀よしずすゞしいいろ
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
第一だいいち、その粘土のところはせまくて、みんながはいれなかったし、それに大へんつるつるすべる傾斜けいしゃになっていたものだから、下の方の四、五人などは上の人につかまるようにして
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
幼君えうくん、「飼鳥かひどりはよきものか」とはせたまへば、「いかにも御慰おんなぐさみになりまをすべし。第一だいいち眼覺めざめためよろしからむ。 ...
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それとも宿やどがなくなって今夜一晩ひとばんとめてもらいたいとうのか。バキチが頭をきやした。いやどっちもだ、けれども馬を盗むよりとまるよりまず第一だいいちに、おれは何かが食いたいんだ。
バキチの仕事 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ざつわし住居すまひおもへばいの。ぢやが、もんしまつてつては、一向いつかう出入ではひりもるまいが。第一だいいちわしゆるさいではおぬし此處こゝへはとほれぬとつた理合りあひぢや。
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その日キッコが学校から帰ってからのはしゃぎようと云ったら第一だいいちにおっかさんの前で十けたばかりの掛算かけざん割算わりざんをすらすらやって見せてよろこばせそれから弟をひっぱり出してねこの顔を
みじかい木ぺん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
宴會客えんくわいきやくから第一だいいち故障こしやうた、藝者げいしやこゑかないさきに線香せんかうれたのである。女中ぢよちうなかまが異議いぎをだして、番頭ばんとううでをこまぬき、かみさんが分別ふんべつした。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じつ見事みごとにはなりましたがまたおかしかったのです。第一だいいち萱がたおれていましたしきのこのちぎれた脚も見えていました。私どもは笑って見ていますと黒服の役人がむずかしい顔をして云いました。
二人の役人 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
が、いづれものにちかいのであるから、またばける、といはれるのをおもんぱかつて、内々ない/\遠慮ゑんりよがちにはなしたけれども、じつは、みゝづくはきである。第一だいいちかたち意氣いきだ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは空気の中に何かしらそらぞらしい硝子ガラスの分子のようなものがうかんできたのでもわかりましたが第一だいいち東の九つの小さな青い星でかこまれたそらの泉水せんすいのようなものが大へん光が弱くなりそこの空は早くも鋼青こうせいから天河石てんがせきいたかわっていたことからじつにあきらかだったのです。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
のツほツほ——五聲いつこゑばかりまどいて、しばらくすると、やまさがりに、ずつとはなれて、第一だいいちてら銀杏いてふおもふあたりで、こゑがする。第二だいに銀杏いてふ——第三だいさんへ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第一だいいち場所ばしよわるいや、鬼門關きもんくわんでおいでなさる、串戲じようだんぢやねえ。しからずきりかゝつて方角はうがくわからねえ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
空腹すきばらへ、秋刀魚さんまやきいものごときは、第一だいいちにきくのである。折角せつかく結構けつこうなる體臭たいしうをお持合もちあはせの御婦人方ごふじんがたには、あひすまぬ。が……したがつて、はらひもしないで、かせまをした。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第一だいいちをんなどもが寄着よりつかない。おてうしが一二本いちにほん遠見とほみ傍示ばうじぐひのごと押立おつたつて、廣間ひろまはガランとしてごとし。まつになつた柳川やながはが、なるお羽織はおり……これが可笑をかしい。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此時このとき選手せんしゆ第一だいいちしやうたのは、いけをめぐること三十幾囘さんじふいくくわい翌日よくじつ發表はつぺうされて、としは六十にあまる、らう神行太保戴宗しんぎやうたいほたいそうは、加州かしう小松こまつ住人ぢうにん、もとの加賀藩かがはん飛脚ひきやくであつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
本雨ほんあめだ。第一だいいちれたいへなかくやうな、かささした女中ぢよちうなゝめそでも、振事ふりごとのやうで姿すがたがいゝ。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
内證ないしようでそのみち達者たつしやにたゞすと、いはく、なべ一杯いつぱいやるくらゐの餘裕よゆうがあれば、土手どて大門おほもんとやらへ引返ひきかへす。第一だいいちかへりはしない、とつた。格言かくげんださうである。みなわかかつた。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひとえぐられては半身はんしんをけづりられたもおなことこれがために、第一だいいちさく不用ふようした。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第一だいいちそのものとはどんなものか、と突懸つゝかゝつてきますと、盲人めくらニヤリともせず、眞實まじめかほをしまして、れば、ればづ、守宮やもりかんむりかぶつたやうな、白犬しろいぬ胴伸どうのびして
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
第一だいいち色氣いろけがあつてはゞからず、親不孝おやふかうかへりみざるともがらは、男女ふたり相乘あひのりをしたものである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第一だいいち、もうみせとざして、町中まちぢう寂然しんとして、ひし/\とうちをしめるおとがひしめいてきこえて、とざしたにはかげれせまるくもとともにをそゝぐやうにうつつたとふのであつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第一だいいち、おうらばかりぢやない、其処そこばあさんもえなければ、それらしいみせもない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)