)” の例文
新字:
山家やまがあたりにむものが、邸中やしきぢう座敷ざしきまでおほききのこいくつともなくたゝるのにこうじて、大峰おほみね葛城かつらぎわたつた知音ちいん山伏やまぶしたのんでると
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
文化ぶんくわ發達はつたつしてれば、自然しぜん何處どこ漠然ばくぜんとして稚氣ちきびてるやうな面白おもしろ化物思想ばけものしさうなどをれる餘地よちくなつてるのである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
さて、屋根やねうへ千人せんにんいへのまはりの土手どてうへ千人せんにんといふふう手分てわけして、てんからりて人々ひと/″\退しりぞけるはずであります。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
さうしたあかいろどられたあきやまはやしも、ふゆると、すっかりがおちつくして、まるでばかりのようなさびしい姿すがたになり
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
れかとつてるほどのおひと無愛想ぶあいさうもなりがたく、可愛かわいいの、いとしいの、見初みそめましたのと出鱈目でたらめのお世辭せぢをもはねばならず
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私は彼等の見交みかは眼差まなざしを思ひ起す。そしてその光景によつて起された或る感情さへも、この瞬間、私の記憶によみがへつてるのであつた。
また鎔岩ようがん次第しだい冷却れいきやくしてるとどんな成分せいぶんのものも流動りゆうどうがたくなり、其後そのご固形こけい岩塊がんかい先頭せんとう岩塊がんかいえて前進ぜんしんするのみである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それをあめのために、にほひがやはらげられて、ほとんど、あるかないかのように、しんみりとしたふうにかをつてる、とべてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
しうることになつてました、かれわたしどもに懶聲なまけごゑすことゝ、びをすることゝ、それから蜷局とぐろくことゝををしへました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
さういふ伴侶なかまことをんな人目ひとめすくな黄昏たそがれ小徑こみちにつやゝかな青物あをものるとつひした料簡れうけんからそれを拗切ちぎつて前垂まへだれかくしてることがある。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此邊このへんまではるのだ。迂路うろつきまわるのですでに三以上いじやうあるいたにかゝはらず、一かう疲勞ひらうせぬ。此時このときすで打石斧だせきふ十四五ほん二人ふたりひろつてた。
樵夫そまやとふてぼくさがす、このくら溪底たにそこぼく死體したいよこたはつてる、東京とうきやう電報でんぱうつ、きみ淡路君あはぢくんんでる、そしてぼくかれてしまう。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
此時このときにふと心付こゝろつくと、何者なにものわたくしうしろにこそ/\と尾行びかうして樣子やうす、オヤへんだと振返ふりかへる、途端とたんそのかげまろぶがごとわたくし足許あしもとはしつた。
なにしろ小六ころくうちるとめるよりほかみちはあるまいよ。あと其上そのうへことだ。いまぢや學校がくかうへはてゐるんだね」と宗助そうすけつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
けれども……皷動こどうまつたしづまつて、ながれがもとのゆるやかさにかへつたころきはめてしづかにあゆつてるものびしさを
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
もしもし、つばめさん、おまへさんは一ねんに一づゝ、このむらるではありませんか。とほくにはうつてて、日本にほん言葉ことばわすれたのですか。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ここを以ちてつぶさにわたの神の教へし言の如、その鉤を與へたまひき。かれそれより後、いよよ貧しくなりて、更に荒き心を起して迫め
ハヾトフは折々をり/\病氣びやうき同僚どうれう訪問はうもんするのは、自分じぶん義務ぎむるかのやうに、かれところ蒼蠅うるさる。かれはハヾトフがいやでならぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
支那しなでは、たゞいままをしたように新石器時代しんせつきじだいのものがるばかりではなく、その北方ほつぽう黄河こうがながれがきたまがつて、またみなみへをれてるあたりでは
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
そのうちたけまばらになると、何本なんぼんすぎならんでゐる、——わたしは其處そこるがはやいか、いきなり相手あひてせました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
偶〻「しゆ」が廊下傳ひに歩いてこられて、この囚人を熟視し給ひ、さて、「此の男を二度と監禁してはならぬ。此の男は余の許にべきものだ。」
けふもけふとて、ぐでんぐでんに御亭主ごていしゆ醉拂よつぱらへてかへつてると、おかみさんが山狼やまいぬのやうなつらをしててました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
「人を呪へば穴二つだ——早くあの千代子がくたばつてれりやア」と云ふ願ひが、義雄の胸を絶えず往來してゐた。
件の僧は暫したゝずみて訝しげに見送れば、焚きこめし異香いきやう、吹きる風に時ならぬ春を匂はするに、俄にいまはしげにかほそむけて小走こばしりに立ち去りぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
斯樣かやうにしてみづか遠慮ゑんりよをし、また自分じぶんから抑制よくせいをして共同生活きやうどうせいくわつ妨害ばうがいにならぬやうにと注意ちゆういをしてるのである。すなは放任主義はうにんしゆぎ神髓しんずゐとするところであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
りよせはしげに明家あきやた。そしてあとからいて道翹だうげうつた。「拾得じつとくそうは、まだ當寺たうじにをられますか。」
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
したがつ不景氣ふけいきるのである。いま日本にほんにはやく十一億圓おくゑん金貨きんくわ日本銀行にほんぎんかうにあつて、日本銀行にほんぎんかうこれたいして平均へいきん十三おく五千萬圓位まんゑんぐらゐ兌換劵だくわんけん發行はつかうしてる。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
B だつて、さういてよこしたのだもの。あすのあさ葉書はがきにはキツトまたもんめぐらゐふえてゐるだらう。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
たい日本にほんをんなの足とたら、周三所謂いはゆる大根だいこんで、不恰好ぶかつかうみぢかいけれども、お房の足はすツと長い、したがツてせいたかかツたが、と謂ツて不態ぶざま大柄おほがらではなかツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
いつもりの玄竹げんちくると、但馬守たじまのかみ大抵たいていむかひではなしをして障子しやうじには、おほきな、『××の金槌かなづち』と下世話げせわ惡評あくひやうされる武士髷ぶしまげと、かたあたまとがうつるだけで
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
まちは、なみだうかんでると、そつとひとみぢた。そして、いつまでもじつとしてゐた。はじめは、兄妹きやうだいたちのこゑとなりしつからきこえてた。そして彼女かれかなしかつた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
舟人は俄に潮滿ちと叫びて、忙はしくうごかし始めつ。そは滿潮の巖穴を塞ぐを恐れてなりき。
持て私が取にしかし事によるこられぬ時は御まへの内へ直樣すぐさま取にやるから一寸請取をかいくださいと云ふにぞ道具屋は書付かきつけしたゝ判迄はんまでおして出しければ直八手に取揚とりあげよみけるに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
乙樂人 はッつけ野郎やらうめ!……さ、おくて、會葬者くわいさうじゃるまでってゐて食事もてなしにありつかう。
なんことアねへ態々わざ/\心配しんぱいしてたさにようなもんで一盃いつぱい一盃いつぱいかさなれば心配しんぱいかさなつて
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
べき翌年よくねんの春の爲めと歌つたのはれであつたか忘れてしまつたが、春はわが身に取つて異る秋に等しいと云つたのは、南國の人の常として殊更に秋を好むジヤン・モレアスである。
花より雨に (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
わが父は八十やそちかきをぢ、國いでてすでに二十はたとせ、この頃は夢に立ちと、き友の夜ごと寄りと、樂しよとひと夜もおちず、よく寢むとふすまかつぎて、今宵はもの誰か來む、早や待つと
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
折からや風吹きたちてはらはらと紅葉は散りいで湯のなかに
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
亂軍中を走り過ぎ、まともに彼に向ひる。 585
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
見惱みやまひのときこそれ。』とぎすべす
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
手に手をその後くますゆふべとも
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
と、威張つてる亭主がある。
夏の夜 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
げてはまたる、チイパツパ
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
わが幻のなかに
佐藤春夫詩集 (旧字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
同音どうおんにのぼり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
澄んでる。
歌時計:童謡集 (旧字旧仮名) / 水谷まさる(著)
くてぞありける。あゝ、何時いつぞ、てんよりほしひとつ、はたとちて、たまごごといしとなり、水上みなかみかたよりしてカラカラとながる。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこへると最早もはや寒帶林かんたいりんをはりにちかづいたことがわかります。すなはち落葉松林からまつばやしはゞはごくせまくなつてをり、ちひさくなつてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
たゞ大地震直後だいぢしんちよくごはそれがすこぶ頻々ひんぴんおこり、しかも間々まゝきもひやほどのものもるから、氣味惡きみわるくないとはいひにくいことであるけれども。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
この八月はちがつ十五日じゆうごにちにはてんからむかへのものるとまをしてをりますが、そのときには人數にんずをおつかはしになつて、つきみやこ人々ひと/″\つかまへてくださいませ
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)