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このとき
ふりがな文庫
“
此時
(
このとき
)” の例文
そら
雲
(
くも
)
が
日
(
ひ
)
を
隱
(
か
)
くした!
薄
(
うす
)
い
影
(
かげ
)
が
野
(
の
)
の
上
(
うへ
)
を、
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
を
這
(
は
)
う、
忽
(
たちま
)
ち
又
(
また
)
明
(
あか
)
るくなる、
此時
(
このとき
)
僕
(
ぼく
)
は
決
(
けつ
)
して
自分
(
じぶん
)
を
不幸
(
ふしあはせ
)
な
男
(
をとこ
)
とは
思
(
おも
)
はなかつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
此時
(
このとき
)
座敷の隅を曲って右隣の方に、
座蒲団
(
ざぶとん
)
が二つ程あいていた、その先の分の座蒲団の上へ、さっきの踊記者が来て
胡坐
(
あぐら
)
をかいた。
花吹雪
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
此時
(
このとき
)
家
(
いへ
)
の
戸
(
と
)
が
開
(
あ
)
いて、
大
(
おほ
)
きな
皿
(
さら
)
が
歩兵
(
ほへい
)
の
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
を
眞直
(
まつすぐ
)
に、それから
鼻
(
はな
)
の
尖
(
さき
)
を
掠
(
かす
)
つて、
背後
(
うしろ
)
にあつた一
本
(
ぽん
)
の
木
(
き
)
に
當
(
あた
)
つて
粉々
(
こな/″\
)
に
破
(
こわ
)
れました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此時
(
このとき
)
堂上
(
だうじやう
)
の
僧
(
そう
)
は
一齊
(
いつせい
)
に
合掌
(
がつしやう
)
して、
夢窓國師
(
むさうこくし
)
の
遺誡
(
ゐかい
)
を
誦
(
じゆ
)
し
始
(
はじ
)
めた。
思
(
おも
)
ひ/\に
席
(
せき
)
を
取
(
と
)
つた
宗助
(
そうすけ
)
の
前後
(
ぜんご
)
にゐる
居士
(
こじ
)
も
皆
(
みな
)
同音
(
どうおん
)
に
調子
(
てうし
)
を
合
(
あは
)
せた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此邊
(
このへん
)
までは
能
(
よ
)
く
來
(
く
)
るのだ。
迂路
(
うろ
)
つき
廻
(
まわ
)
るので
既
(
すで
)
に三
里
(
り
)
以上
(
いじやう
)
歩
(
ある
)
いたに
關
(
かゝは
)
らず、一
向
(
かう
)
疲勞
(
ひらう
)
せぬ。
此時
(
このとき
)
既
(
すで
)
に
打石斧
(
だせきふ
)
十四五
本
(
ほん
)
を
二人
(
ふたり
)
で
拾
(
ひろ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
一大事と云ふ
詞
(
ことば
)
が堀の耳を打つたのは
此時
(
このとき
)
が
始
(
はじめ
)
であつた。それからはどんな事が起つて来るかと、
前晩
(
ぜんばん
)
も
殆
(
ほとんど
)
寝ずに心配してゐる。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
然
(
しか
)
るに
予
(
かね
)
てより
斥候
(
せきこう
)
の用に
充
(
あ
)
てむため
馴
(
なら
)
し
置
(
お
)
きたる犬の
此時
(
このとき
)
折
(
をり
)
よく
来
(
きた
)
りければ、
彼
(
かれ
)
を真先に立たしめて予は
大胆
(
だいたん
)
にも藪に
入
(
い
)
れり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此時
(
このとき
)
にふと
心付
(
こゝろつ
)
くと、
何者
(
なにもの
)
か
私
(
わたくし
)
の
後
(
うしろ
)
にこそ/\と
尾行
(
びかう
)
して
來
(
く
)
る
樣子
(
やうす
)
、オヤ
變
(
へん
)
だと
振返
(
ふりかへ
)
る、
途端
(
とたん
)
に
其
(
その
)
影
(
かげ
)
は
轉
(
まろ
)
ぶが
如
(
ごと
)
く
私
(
わたくし
)
の
足許
(
あしもと
)
へ
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此時
(
このとき
)
最早六十歳を越し、中風で廃人も同様、国の政治や江戸藩邸の命令は、その惣領で、若くて美男で物好きで、インテリで
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
然し
此時
(
このとき
)
の位、何も彼もなくたゞ無暗にもう死にたくなつて、呼吸もつかずに目を
瞑
(
つむ
)
る程心細いと思つた事はありません。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
何
(
なん
)
だと
畜生
(
ちくしやう
)
!』と、
此時
(
このとき
)
イワン、デミトリチは
急
(
きふ
)
にむツくりと
起上
(
おきあが
)
る。『
何
(
なん
)
で
彼奴
(
きやつ
)
が
出
(
だ
)
さんと
云
(
い
)
ふ
法
(
はふ
)
がある、
我々
(
われ/\
)
を
此
(
こゝ
)
に
閉込
(
とぢこ
)
めて
置
(
お
)
く
譯
(
わけ
)
は
無
(
な
)
い。 ...
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
又
(
また
)
此時
(
このとき
)
の
死人
(
しにん
)
は
首府
(
しゆふ
)
總人口
(
そうじんこう
)
の
三分
(
さんぶん
)
の
二
(
に
)
を
占
(
し
)
めたことも
記
(
しる
)
されてあるから、
地震
(
ぢしん
)
が
餘程
(
よほど
)
激烈
(
げきれつ
)
であつたことも
想像
(
そう/″\
)
される。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
此時
(
このとき
)
、
領主
(
りゃうしゅ
)
公爵
(
こうしゃく
)
、
多勢
(
おほぜい
)
の
從者
(
じゅうしゃ
)
を
引連
(
ひきつ
)
れて出る。モンタギュー
長者夫婦
(
ちゃうじゃふうふ
)
、カピューレット
長者夫婦
(
ちゃうじゃふうふ
)
、
其他
(
そのた
)
多勢
(
おほぜい
)
出る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
拔
(
ぬい
)
て
詠
(
なが
)
むるに是も亦違もなき天下
三品
(
さんぴん
)
の短刀なりと拜見し
畢
(
をは
)
りて大膳に
戻
(
もど
)
し成程御證據の二品は慥なれ共天一坊殿に於ては
僞物
(
にせもの
)
に相違なしといふ
此時
(
このとき
)
天忠席を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此時
(
このとき
)
善ちゃんは
最早
(
もう
)
罷
(
や
)
めろ、
仮髪
(
かつら
)
を返して来いと言った。で、乃公も講壇から下りようとすると
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
利生
(
りしょう
)
相見
(
あいみ
)
え豊年なれば、
愈〻
(
いよいよ
)
その
瑞気
(
ずいき
)
を慕ひて
懈怠
(
けたい
)
無く祭り
来
(
きた
)
り候。いま村にて
世持役
(
よもちやく
)
と申す役名も、是に
準
(
なぞ
)
らへて祈り申す由に候。但し
此時
(
このとき
)
由来伝へ
噺
(
はなし
)
有之
(
これあり
)
候也(以上)
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
さすがはわれも女の生みたる子なるか、そは
此時
(
このとき
)
、理性も
師説
(
しせつ
)
も、すべての
妄誕
(
ばうたん
)
も
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
彼は思わずこう云って天井裏を
這
(
は
)
って居る
真鍮
(
しんちゅう
)
の棒を堅く握り締めた。車が京橋に停った時の大動揺であった。
此時
(
このとき
)
彼の
躯
(
からだ
)
は、右脇へ来て立って居た前の貴婦人と衝突したのであった。
乗合自動車
(新字新仮名)
/
川田功
(著)
此時
(
このとき
)
こんな
塲合
(
ばあい
)
にはかなき
女心
(
をんなごゝろ
)
の
引入
(
ひきいれ
)
られて、一
生
(
せう
)
消
(
き
)
えぬかなしき
影
(
かげ
)
を
胸
(
むね
)
にきざむ
人
(
ひと
)
もあり、
岩木
(
いわき
)
のやうなるお
縫
(
ぬひ
)
なれば
何
(
なに
)
と
思
(
おも
)
ひしかは
知
(
し
)
らねども、
涙
(
なみだ
)
ほろ/\こぼれて一ト
言
(
こと
)
もなし。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
愈々
(
いよいよ
)
影法師の仕業に定まったるか、エヽ
腹立
(
はらだた
)
し、我
最早
(
もはや
)
すっきりと思い断ちて
煩悩
(
ぼんのう
)
愛執
(
あいしゅう
)
一切
棄
(
すつ
)
べしと、胸には
決定
(
けつじょう
)
しながら、
尚
(
なお
)
一分
(
いちぶん
)
の未練残りて
可愛
(
かわゆ
)
ければこそ
睨
(
にら
)
みつむる彫像、
此時
(
このとき
)
雲収り
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
まことに
此時
(
このとき
)
、
日
(
ひ
)
も
麗
(
うら
)
らかに
風
(
かぜ
)
和
(
やは
)
らかく
梅
(
うめ
)
の花、
軒
(
のき
)
に
匂
(
かんば
)
しく
鶯
(
うぐひす
)
の声いと楽しげなるに、
室
(
しつ
)
を
隔
(
へだ
)
てゝ
掻
(
か
)
きならす
爪音
(
つまおと
)
、いにしへの物語ぶみ、そのまゝの
趣
(
おもむき
)
ありて身も心も
清
(
きよ
)
く
覚
(
おぼ
)
えたり、
此
(
こ
)
の帰るさ
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
併
(
しか
)
し
何
(
ど
)
ういふものか
此時
(
このとき
)
ばかり、
私
(
わたし
)
の
心
(
こころ
)
は
妙
(
めう
)
に
其方
(
そつち
)
に
引付
(
ひきつ
)
けられた。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
らむ
心地
(
こゝち
)
して、
此時
(
このとき
)
なりと
心
(
こゝろ
)
ばかりは
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
此時
(
このとき
)
声なきは 声あるに
勝
(
まさ
)
る
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
此時
(
このとき
)
から
十七
(
じふしち
)
分前に
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
此時
(
このとき
)
相望めども相聞えず
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
之
(
これ
)
が
俗
(
ぞく
)
に
謂
(
い
)
ふ
虫
(
むし
)
の
知
(
し
)
らせとでもいふものであらうかと、
後
(
のち
)
に
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
つたが、
此時
(
このとき
)
はたゞ
離別
(
りべつ
)
の
情
(
じやう
)
さこそと
思
(
おも
)
ひ
遣
(
や
)
るばかりで、
私
(
わたくし
)
は
打點頭
(
うちうなづ
)
き
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此時
(
このとき
)
、
今
(
いま
)
まで
何
(
なに
)
か
其
(
そ
)
の
備忘録
(
ノートブツク
)
に
忙
(
いそが
)
しさうに
書
(
か
)
いて
居
(
を
)
られた
王樣
(
わうさま
)
が、『
默
(
だま
)
れ!』と
叫
(
さけ
)
んで、やがて
御所持
(
ごしよぢ
)
の
書物
(
しよもつ
)
をお
開
(
ひら
)
きになり
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
血
(
ち
)
の
氣
(
け
)
の
少
(
すく
)
ないのか、とやかくと、
心遣
(
こゝろづか
)
ひに
胸
(
むね
)
を
騷
(
さわ
)
がせ、
寒
(
さむ
)
さに
骨
(
ほね
)
を
冷
(
ひや
)
したれば、
忘
(
わす
)
れて
居
(
ゐ
)
た
持病
(
ぢびやう
)
がこゝで、
生憎
(
あいにく
)
此時
(
このとき
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
房
(
ふさ
)
は
燗瓶
(
かんびん
)
を
揚
(
あげ
)
て
直
(
す
)
ぐ
酌
(
しやく
)
をした。銀之助は会社から帰りに
何処
(
どこ
)
かで飲んで来たと見え、
此時
(
このとき
)
既
(
すで
)
にやゝ
酔
(
よつ
)
て居たのである。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
此時
(
このとき
)
の
宗助
(
そうすけ
)
に
取
(
と
)
つて、
醫者
(
いしや
)
の
來
(
く
)
るのを
今
(
いま
)
か
今
(
いま
)
かと
待
(
ま
)
ち
受
(
う
)
ける
心
(
こゝろ
)
ほど
苛
(
つら
)
いものはなかつた。
彼
(
かれ
)
は
御米
(
およね
)
の
肩
(
かた
)
を
揉
(
も
)
みながらも、
絶
(
た
)
えず
表
(
おもて
)
の
物音
(
ものおと
)
に
氣
(
き
)
を
配
(
くば
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此時
(
このとき
)
越前守殿
高聲
(
かうしやう
)
にコレ段右衞門
左右
(
とかく
)
に
汝
(
おの
)
れが
罪
(
つみ
)
を
隱
(
かく
)
し
鷺
(
さぎ
)
を
烏
(
からす
)
と
言黒
(
いひくろ
)
めんとするは扨々不屆き者なりと
白眼付
(
にらみつけ
)
られ夫より
同心
(
どうしん
)
に豫て申
付
(
つけ
)
置
(
おき
)
たる品川宿の
馬士
(
まご
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此時
(
このとき
)
リスボンには
津浪
(
つなみ
)
も
襲來
(
しゆうらい
)
し、こゝだけの
死人
(
しにん
)
でも
六萬人
(
ろくまんにん
)
に
上
(
のぼ
)
つた。
震原
(
しんげん
)
は
大西洋底
(
たいせいようてい
)
にあつたものであらう。
津浪
(
つなみ
)
は
北
(
きた
)
アメリカの
東海岸
(
ひがしかいがん
)
に
於
(
おい
)
ても
氣附
(
きづ
)
かれた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
ハヾトフは
此時
(
このとき
)
少計
(
すこしばか
)
り
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
室内
(
しつない
)
を
覗
(
のぞ
)
いた。イワン、デミトリチは
頭巾
(
づきん
)
を
被
(
かぶ
)
つて、
妙
(
めう
)
な
眼付
(
めつき
)
をしたり、
顫
(
ふるへ
)
上
(
あが
)
つたり、
神經的
(
しんけいてき
)
に
病院服
(
びやうゐんふく
)
の
前
(
まへ
)
を
合
(
あ
)
はしたりしてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
貝塚發掘
(
かひづかはつくつ
)
の
爲
(
ため
)
に、
余
(
よ
)
は
種々
(
しゆ/″\
)
の
遭難
(
そうなん
)
を
重
(
かさ
)
ねるけれど、
此時
(
このとき
)
の
如
(
ごと
)
き
惡難
(
あくなん
)
は
恐
(
おそ
)
らく
前後
(
ぜんご
)
に
無
(
な
)
からうである。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
かけ
硯
(
すゞり
)
を
此處
(
こゝ
)
へと
奧
(
おく
)
の
間
(
ま
)
より
呼
(
よ
)
ばれて、
最早
(
もはや
)
此時
(
このとき
)
わが
命
(
いのち
)
は
無
(
な
)
き
物
(
もの
)
、
大旦那
(
おほだんな
)
が
御目通
(
おめどほ
)
りにて
始
(
はじ
)
めよりの
事
(
こと
)
を申、
御新造
(
ごしんぞ
)
が
無情
(
むじやう
)
そのまゝに
言
(
い
)
ふてのけ、
術
(
じゆつ
)
もなし
法
(
はう
)
もなし
正直
(
しやうぢき
)
は
我身
(
わがみ
)
の
守
(
まも
)
り
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此時
(
このとき
)
モンタギュー
家
(
け
)
の
下人
(
げにん
)
、エブラハムとバルターザーとが一
方
(
ぱう
)
へ
出
(
で
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
室香に約束は
違
(
たが
)
えど大丈夫青雲の志
此時
(
このとき
)
伸
(
のぶ
)
べしと殊に血気の
雀躍
(
こおどり
)
して喜び、米国より欧州に前後七年の
長逗留
(
ながとうりゅう
)
、アヽ
今頃
(
いまごろ
)
は
如何
(
どう
)
して居おるか、生れた子は女か、男か、知らぬ顔に、知られぬ顔
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
わたしは
此時
(
このとき
)
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
私
(
わたくし
)
は
此時
(
このとき
)
まで
殆
(
ほと
)
んど
喪心
(
そうしん
)
の
有樣
(
ありさま
)
で、
甲板
(
かんぱん
)
の
一端
(
いつたん
)
に
屹立
(
つゝた
)
つた
儘
(
まゝ
)
、
此
(
この
)
慘憺
(
さんたん
)
たる
光景
(
ありさま
)
に
眼
(
まなこ
)
を
注
(
そゝ
)
いで
居
(
を
)
つたが、ハツと
心付
(
こゝろつ
)
いたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
唯
(
たゞ
)
此時
(
このとき
)
、
大路
(
おほぢ
)
を
時
(
とき
)
に
響
(
ひゞ
)
いたのは、
肅然
(
しゆくぜん
)
たる
騎馬
(
きば
)
のひづめの
音
(
おと
)
である。
火
(
ひ
)
のあかりに
映
(
うつ
)
るのは
騎士
(
きし
)
の
直劍
(
ちよくけん
)
の
影
(
かげ
)
である。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
此時
(
このとき
)
迄
(
まで
)
に、
全
(
まつた
)
く
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
を
忘
(
わす
)
れて
了
(
しま
)
つてゐたので、
耳元
(
みゝもと
)
で
夫人
(
ふじん
)
の
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
には
些
(
すこ
)
しく
驚
(
おどろ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此時
(
このとき
)
二人
(
ふたり
)
の
巡査
(
じゆんさ
)
は
新聞
(
しんぶん
)
を
讀
(
よ
)
んで
居
(
ゐ
)
た。
關羽巡査
(
くわんうじゆんさ
)
は
眼鏡
(
めがね
)
をかけて、
人車
(
じんしや
)
は
上
(
のぼり
)
だからゴロゴロと
徐行
(
じよかう
)
して
居
(
ゐ
)
た。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
此時
(
このとき
)
市街地
(
しがいち
)
の
大部
(
だいぶ
)
は
沈下
(
ちんか
)
して
海
(
うみ
)
となつたといふことも
記
(
しる
)
してあるから、
前記現象
(
ぜんきげんしよう
)
の
起
(
おこ
)
つた
場所
(
ばしよ
)
は
新
(
あたら
)
しい
地盤
(
ぢばん
)
たりしに
相違
(
そうい
)
なかるべく、
埋立地
(
うめたてち
)
であつたかも
知
(
し
)
れない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
見るより今日
出役
(
しゆつやく
)
の
與力
(
よりき
)
駈來
(
かけきた
)
る是ぞ島秀之助といふ者なり
大音
(
だいおん
)
上
(
あげ
)
て
下乘々々
(
げじよう/\
)
と制せしが更に
聞
(
きか
)
ぬ風して
尚
(
なほ
)
も門内へ
舁込
(
かきこま
)
んとす
此時
(
このとき
)
島秀之助
駈寄
(
かけより
)
天一坊の乘物の
棒鼻
(
ぼうはな
)
へ手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此時
(
このとき
)
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
に
置
(
お
)
いた
洋燈
(
らんぷ
)
の
油
(
あぶら
)
が
減
(
へ
)
つて、
短
(
みじ
)
かい
心
(
しん
)
に
屆
(
とゞ
)
かなくなつたので、
御米
(
およね
)
の
寐
(
ね
)
てゐる
所
(
ところ
)
は
眞暗
(
まつくら
)
になつてゐた。
其所
(
そこ
)
へ
清
(
きよ
)
の
手
(
て
)
にした
灯火
(
あかり
)
の
影
(
かげ
)
が、
襖
(
ふすま
)
の
間
(
あひだ
)
から
射
(
さ
)
し
込
(
こ
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此時
(
このとき
)
余
(
よ
)
は一
種
(
しゆ
)
言
(
い
)
ふ
可
(
べか
)
らざるの
凄氣
(
せいき
)
に
打
(
う
)
たれたのである。
此所
(
こゝ
)
は
是
(
これ
)
、千
數
(
すう
)
百
年前
(
ねんぜん
)
の
人
(
ひと
)
を
葬
(
ほうむ
)
つた
墳墓
(
ふんぼ
)
である。
其
(
その
)
内部
(
ないぶ
)
に
余
(
よ
)
は
生
(
い
)
きながら
入
(
い
)
つて
立
(
た
)
つのである。
白骨
(
はくこつ
)
生
(
い
)
けるにあらぬか。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
彼
(
かれ
)
は
泳
(
およ
)
がんと
爲
(
す
)
るものゝやうに
兩手
(
りやうて
)
を
動
(
うご
)
かして、
誰
(
たれ
)
やらの
寐臺
(
ねだい
)
にやう/\
取縋
(
とりすが
)
つた。と
又
(
また
)
も
此時
(
このとき
)
振下
(
ふりおろ
)
したニキタの
第
(
だい
)
二の
鐵拳
(
てつけん
)
、
背骨
(
せぼね
)
も
歪
(
ゆが
)
むかと
悶
(
もだ
)
ゆる
暇
(
ひま
)
もなく
打續
(
うちつゞい
)
て、
又々
(
また/\
)
三
度目
(
どめ
)
の
鐵拳
(
てつけん
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
お
高
(
たか
)
が
胸先
(
むなさき
)
くつろげんとする
此時
(
このとき
)
はやし
間一髮
(
かんいつぱつ
)
、まち
給
(
たま
)
へとばかり
後
(
うしろ
)
の
藪垣
(
やぶがき
)
まろび
出
(
い
)
でゝ
利腕
(
きゝうで
)
しつかと
取
(
と
)
る
男
(
をとこ
)
誰
(
た
)
れぞ
放
(
はな
)
して
死
(
し
)
なしてと
脆弱
(
かよわ
)
き
身
(
み
)
にも
一心
(
いつしん
)
に
振切
(
ふりき
)
らんとするをいつかな
放
(
はな
)
さず
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
詰
(
つま
)
る。
此時
(
このとき
)
上手
(
かみて
)
よりモンタギューの
親族
(
しんぞく
)
ベンヺーリオー
出
(
で
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“此時”で始まる語句
此時節
此時代
此時分
此時勢
此時程