)” の例文
はなわったとき、子供こどもらは、そのしてから、これをふくろなかれて、そのうえに「アネモネ」といて、しまっておきました。
花と人の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの『をさなきものに』とおなじやうに、今度こんどほん太郎たらう次郎じらうなどにはなかせるつもりできました。それがこの『ふるさと』です。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
御主おんあるじ耶蘇様イエスさま百合ゆりのやうにおしろかつたが、御血おんちいろ真紅しんくである。はて、何故なぜだらう。わからない。きつとなにかの巻物まきものいてあるはずだ。
子供こどもには、はなしたあとでいろ/\のことはれて、わたくしまたむことをずに、いろ/\なことこたへたが、それをこと/″\くことは出來できない。
寒山拾得縁起 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
御米およね近來きんらいきんはどういたつけね」とたづねた。細君さいくんべつあきれた樣子やうすもなく、わかをんな特有とくいうなけたゝましい笑聲わらひごゑてず
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
B また俳句はいくだらう。先年せんねん電車でんしやのストライキのあつたとき、あれはなんとかつたつけな、めう俳句はいくやうなものをいてよこしたぢやないか。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
それは丁度ちやうど日本にほん國號こくがう外人ぐわいじんなんなんかうとも、吾人ごじんかならつね日本にほん日本にほんかねばならぬのとおな理窟りくつである。(完)
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ものがあまりなかつたり、またまったくないふる時代じだいになりますと、どうしても遺物いぶつばかりで研究けんきゆうをするほか方法ほう/\はありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「そんだが、旦那だんなはたいしたもんでがすね、旦那だんないたんだつてつたらなあ」とかれさらいてつた近所きんじよものかへりみていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いへ小路せうぢ引込ひつこんで、とほりのかどに「蒲燒かばやき」といた行燈あんどうばかりあり。はややつがむやみと飛込とびこむと仕立屋したてやなりしぞ不思議ふしぎなる。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼女かのぢよよろこびも心配しんぱいも、たゞそのためにのみしてれた努力どりよくページをあらためてつてみてひそかにほこりなきをないのであつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
そしてしばしば、ゴットフリートがどうおもうだろうかと考えると、はずかしくなって、いたものをやぶいてしまうこともあった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
いま其最中そのさいちゆうなの!屹度きつとわたしこといたほん出來できるわ、屹度きつとわたしおほきくなつたらひといてやらう——けど、いま最早もうおほきくなつたんだわね
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
もし今後こんご中央公論ちゅうおうこうろん編輯へんしゅうたれかにゆずってひまときるとしたら、それらの追憶録ついおくろくかれると非常ひじょう面白おもしろいとおもっていました。
夏目先生と滝田さん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
原稿げんかうく、もちよくふではこぶので夢中むちうになつた、その夢中むちうましたこゑねこである、あら座蒲團ざぶとんすはつて、すましてゐる。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
東京とうきやうてから、自分じぶんおもひつゝもみづかかなくなり、たゞ都會とくわい大家たいか名作めいさくて、わづか自分じぶん畫心ゑごころ滿足まんぞくさしてたのである。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わたしがIとの事件じけんでM、H攻撃こうげきされたことを、わたし悲観ひかんしてゐるやうなことを、わたしわたし最近さいきん作品さくひんいたりしたので
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「それでもにいさんは、ただの二でも三でも、あたしのいたふみさえってけば、おかねみぎからひだりとのことでござんした」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
おぢさんは、みんながたいへん可愛かあいい。このほんきみたちにんでもらひ、うたつてもらうためにいたのだ。金持かねもち子供こどもなんかまなくたつていい。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
しかし、ここでは、一休いっきゅうさんの頓智とんちを、こどもたちにもおもしろくて、ためになる、ということにおきかえてきました。
先生と父兄の皆さまへ (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
ならひが出來できたれば此次このつぎにはふみきてせ給へと勿体もつたいない奉書ほうしよう半切はんきれを手遊おもちやくだされたことわすれはなさるまい
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
このひとは、このやま甲斐かひくに乘鞍山のりくらやまいてゐるが、これはやはり只今たゞいま飛騨山脈ひださんみやく日本につぽんアルプス)のなかのあのやまでせう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
と、うつくしい文字もんじでさらさらといてしました。みんなは「あッ」といって、それなりもうだまりんでしまいました。
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
たか大家たいかと云はれてたさに無暗むやみ原稿紙げんかうしきちらしては屑屋くづや忠義ちうぎつくすを手柄てがらとは心得こころえるお目出めでたき商売しやうばいなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
日本にほん文藝的作品ぶんげいてきさくひん麻雀マアジヤンのことがかれたのはおそらく夏目漱石なつめさうせきの「滿韓まんかんところどころ」の一せつはじめてかもれない。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
……(下人に)やい、そちはヹローナぢゅう駈𢌞かけまはって(書附を渡し)こゝ名前なまへいてある人達ひとたち見附みつけて、今宵こよひわがやしきねんごろ御入來ごじゅらいをおまうすとへ。
左樣さやうさ、不幸ふかうまちです。』と、イワン、デミトリチは溜息ためいきしてわらふ。『しかし一ぱんには奈何どうです、新聞しんぶんや、雜誌ざつし奈何云どういこといてありますか?』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
王 下手な文句をい連ねた腹立たしく拙い手紙ほど紙数は多いものじゃが、まあ、ざっとかいつまんで申せばの。
胚胎 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
例の歓迎会かんげいかい案内あんないである。ミサ子やマスノの名もいてあったが、早苗の字なのは、はじめからわかっていた。読みおわった先生は、勝子にむかって
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
きみ遺族いぞく小穴君をあなくんなどがそれをもとめるけれど、きみほんかざれるやうなことがぼくけるものか。でもぼくはこのほんのためにたつたひとつだけは手柄てがらをしたよ。
「三つの宝」序に代へて (旧字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
帰る時、「それじゃ毎月七八円ずつ損するつもりなら大丈夫だねえ。原稿料は出さなくったってき手はたくさんあるし、それに二三十部は売れるアね」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
ところで、このごんごろがね献納けんのうするとなると、ぼくはだいぶんきとめておかねばならないことがあるのだ。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
すみ黒々くろ/″\かれた『多田院御用ただのゐんごよう』の木札きふだててられると、船頭せんどうはまたふねかへさないわけにかなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
しかしてのちある義士ぎし一撃いちげきたほれたりとかば事理分明じりぶんめいにして面白おもしろかるべしといへどもつみばつ殺人罪さつじんざいは、この規矩きくにははづれながら、なほ幾倍いくばい面白味おもしろみそなへてあるなり。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
そこで、法師をはだかにして、ありがたい、はんにゃしんきょうの経文きょうもんを、あたまからむねどうからからあし、はては、あしのうらまで一めんすみくろぐろときつけました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
地震波ぢしんぱ偵察ていさつした結果けつか器械きかい、これを地震計ぢしんけいづける。まへにユーイング教授きようじゆ地震計ぢしんけい發明はつめいしたことをべたが、これはじつ容易よういならざる發明はつめいであつたのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
真鳥まとり卯名手うなて神社もりすがのみ(本文はとある)をきぬせむをんな)もがも
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
いんきんだむしの附着くつゝいてる箱は川原崎かはらさきごんらういたてえ……えゝすべつてころんだので忘れちまつた、醋吸すすひの三せい格子かうし障子しやうじに……すだれアハヽヽヽ、おいうした、しつかりしねえ。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
夫婦ふうふして仲睦なかむつまじくおちやをのんでゐると、そこへきじを一つくわえてきて、おいてきました。それは裏山うらやま神樣かみさまからでした。なにいてありました。みると
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
そのかた生前せいぜんわたくしたいへんになかかったお友達ともだち一人ひとりで、名前なまえ敦子あつこ……あの敦盛あつもりあつというくのでございます。生家せいか畠山はたけやまって、たいそう由緒ゆいしょある家柄いえがらでございます。
わたくし少年せうねんも、今猶いまなほ十數日すうにち以來いらい疲勞つかれかんじてるので、其樣そんな高歩たかあるきする氣遣きづかひはないが、ましてこの注意ちうゐがあつたので、一層いつそうこゝろくばり、食後しよくごは、日記につきいたり、少年せうねん二人ふたり
そして、まいねん、夏休なつやすみに、みよこの家へきものをしにくる東京とうきょう大学だいがくの先生で、いのきちもよくしっているやまもと先生に、手紙てがみをだしてくれたのだった。すると、先生からすぐに
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
彼は、小説しょうせつ戯曲ぎきょく評論ひょうろん伝記でんき、そのいろいろなものをきましたが、すべて、立派りっぱな作品として長くのこるようなものが多く、中でも、小説と随筆ずいひつとには、世界的せかいてき傑作けっさくが少なくありません。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
おきなめようとあがくのをひめしづかにおさへて、形見かたみふみいておきなわたし、またみかどにさしげるべつ手紙てがみいて、それにつき人々ひと/″\つて不死ふしくすり一壺ひとつぼへて勅使ちよくしわたし、あま羽衣はごろも
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
広沢は五十幅目ををはると、草臥くたびれたやうに筆を投げ出した。
のことばが、ラテンかれています。
恁ういてあつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
大五だいご
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そんなうそは、いったってさしつかえない。小説しょうせつでも、文章ぶんしょうでも、みんな、うそのことを真実しんじつらしくいてあるのじゃないか……。」
その日から正直になった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しか今更いまさらなんとかとか長文句ながもんく手紙てがみけないものだから、『承諾しようだくい』といた電報でんぱうやう葉書はがきしたんだ、さうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)