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携
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たづさ
ふりがな文庫
“
携
(
たづさ
)” の例文
下宿
(
げしゆく
)
には
書物
(
しよもつ
)
は
唯
(
たゞ
)
一
册
(
さつ
)
『千八百八十一
年度
(
ねんど
)
ヴインナ
大學病院
(
だいがくびやうゐん
)
最近
(
さいきん
)
處方
(
しよはう
)
』と
題
(
だい
)
するもので、
彼
(
かれ
)
は
患者
(
くわんじや
)
の
所
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
く
時
(
とき
)
には
必
(
かなら
)
ず
其
(
そ
)
れを
携
(
たづさ
)
へる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
汝また彼の事を心に記して
携
(
たづさ
)
へ行くべし、されど人に言ふ
莫
(
なか
)
れ。かくて彼は
面
(
まのあたり
)
見る者もなほ信ずまじきことどもを告げ 九一—九三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
まづ太刀ここにとりて来よといふに、刀自やがて
携
(
たづさ
)
へ来るを、よくよく見をはりて、
長嘘
(
ためいき
)
をつぎつつもいふは、ここに恐ろしき事あり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
番甲 これにをりまする
老僧
(
らうそう
)
、また
殺
(
ころ
)
されましたるロミオの
僕
(
しもべ
)
一
人
(
にん
)
、
何
(
いづ
)
れも
墓
(
はか
)
を
發
(
あば
)
きまするに
屈竟
(
くっきゃう
)
の
道具
(
だうぐ
)
をば
携
(
たづさ
)
へてをりまする。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
しかし、十
和田
(
わだ
)
一
帯
(
たい
)
は、すべて
男性的
(
だんせいてき
)
である。
脂粉
(
しふん
)
の
気
(
き
)
の
少
(
すくな
)
い
処
(
ところ
)
だから、
此
(
こ
)
の
青
(
あを
)
い
燈籠
(
とうろう
)
を
携
(
たづさ
)
ふるのは、
腰元
(
こしもと
)
でない、
女
(
をんな
)
でない。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
勘次
(
かんじ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
壁際
(
かべぎは
)
には
薪
(
たきゞ
)
が一
杯
(
ぱい
)
に
積
(
つ
)
まれてある。
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
開墾
(
かいこん
)
の
仕事
(
しごと
)
に
携
(
たづさ
)
はつて
何
(
なん
)
といつても
薪
(
たきゞ
)
は
段々
(
だんだん
)
殖
(
ふ
)
えて
行
(
ゆ
)
くばかりである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
余が去れる後数分、警吏は令状を
携
(
たづさ
)
へて平民社を
叩
(
たゝ
)
けり、厳達して曰く「
嗚呼
(
あゝ
)
増税」の一文、社会の秩序を壊乱するものあり
依
(
よつ
)
て之を
押収
(
あふしふ
)
すと
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
家は地震にも
潰
(
つぶ
)
れざりしかど、忽ち近隣に出火あり。孫娘と共に
両国
(
りやうごく
)
に走る。
携
(
たづさ
)
へしものは
鸚鵡
(
あうむ
)
の
籠
(
かご
)
のみ。鸚鵡の名は
五郎
(
ごらう
)
。背は鼠色、腹は桃色。
鸚鵡:――大震覚え書の一つ――
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
携
(
たづさ
)
へて
相隨
(
あひしたが
)
ひ山内伊賀亮には
黒羽二重
(
くろはぶたへ
)
の
袷小袖
(
あはせこそで
)
に
柿染
(
かきぞめ
)
の
長上下
(
なががみしも
)
その外赤川大膳藤井
左京
(
さきやう
)
皆々麻上下にて
續
(
つゞい
)
て隨ひ來る
其行粧
(
そのぎやうさう
)
は
威風
(
ゐふう
)
堂々
(
だう/\
)
として四邊を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その引の中には「茘子纍纍、芡実の如し。父老あり、年八十五、指して以て余に告げて曰く、是の食ふ可きに及んで、公、能く酒を
携
(
たづさ
)
へて来り游ばんかと」
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
「
黄葉
(
もみぢば
)
の過ぎにし子等と
携
(
たづさ
)
はり遊びし磯を見れば悲しも」(巻九・一七九六)、「古に妹と吾が見しぬばたまの
黒牛潟
(
くろうしがた
)
を見ればさぶしも」(同・一七九八)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
そして、私の家に出入りしてゐた和助といふ老人夫婦が、自ら望んでそこの留守番になつた。
鍬
(
くは
)
や
肥桶
(
こえをけ
)
や僅かな農具を
携
(
たづさ
)
へて渡つて、島の
畝
(
はたけ
)
を耕すのだと云つてゐた。
避病院
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
只管
(
ひたすら
)
写真機械を
携
(
たづさ
)
へ来らざりしを
憾
(
うら
)
むのみ、
愈
(
いよ/\
)
溯れば
愈
(
いよ/\
)
奇にして山石皆凡ならず、右側の
奇峰
(
きばう
)
を
超
(
こ
)
へて
俯視
(
ふし
)
すれば、
豈図
(
あにはか
)
らんや
渓間
(
けいかん
)
の一丘上
文珠
(
もんじゆ
)
菩薩の
危坐
(
きざ
)
せるあり
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
彼等
(
かれら
)
は
自業自得
(
じごふじとく
)
で、
彼等
(
かれら
)
の
未來
(
みらい
)
を
塗抹
(
とまつ
)
した。だから
歩
(
ある
)
いてゐる
先
(
さき
)
の
方
(
はう
)
には、
花
(
はな
)
やかな
色彩
(
しきさい
)
を
認
(
みと
)
める
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ないものと
諦
(
あき
)
らめて、たゞ
二人
(
ふたり
)
手
(
て
)
を
携
(
たづさ
)
えて
行
(
ゆ
)
く
氣
(
き
)
になつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
まづ一
陽
(
やう
)
来復
(
らいふく
)
して、明治三十一年一
月
(
ぐわつ
)
一
日
(
じつ
)
の事で、
下谷広小路
(
したやひろこうぢ
)
を
通
(
とほ
)
る人の
装束
(
なり
)
は、フロツクコートに黒の
山高帽子
(
やまたかばうし
)
を
戴
(
いただ
)
き、
玉柄
(
ぎよくえ
)
のステツキを
携
(
たづさ
)
へ、
仏蘭西製
(
ふらんすせい
)
の
靴
(
くつ
)
を
履
(
は
)
き
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小宮先生は今は
文壇
(
ぶんだん
)
よりも學
界
(
かい
)
の方に
專念
(
せんねん
)
されるやうになつてしまはれたが、
私
(
わたし
)
の
知
(
し
)
れる
限
(
かぎ
)
りの
文藝
(
ぶんげい
)
の
道
(
みち
)
に
携
(
たづさ
)
はる人
達
(
たち
)
の内では一
番
(
ばん
)
の、百五十
點
(
てん
)
といふ
球突
(
たまつき
)
の名手である。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
江戸には雪の
降
(
ふら
)
ざる年もあれば、初雪はことさらに
美賞
(
びしやう
)
し、雪見の
船
(
ふね
)
に
哥妓
(
かぎ
)
を
携
(
たづさ
)
へ、雪の
茶
(
ちや
)
の
湯
(
ゆ
)
に
賓客
(
ひんかく
)
を
招
(
まね
)
き、
青楼
(
せいろう
)
は雪を
居続
(
ゐつゞけ
)
の
媒
(
なかだち
)
となし、
酒亭
(
しゆてい
)
は雪を
来客
(
らいかく
)
の
嘉瑞
(
かずゐ
)
となす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
いづれも
手
(
て
)
に/\
双眼鏡
(
さうがんきやう
)
を
携
(
たづさ
)
へ、
白巾
(
ハンカチーフ
)
を
振
(
ふ
)
り、
喜色
(
えみ
)
を
湛
(
たゝ
)
えて、
諸君
(
しよくん
)
の
好意
(
かうゐ
)
を
謝
(
しや
)
する
事
(
こと
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
中央
(
ちうわう
)
アメリカ
發見
(
はつけん
)
の古器物中には此類の石器に
短
(
みぢか
)
き柄を付け
寄
(
よ
)
せ石細工を以て之を
飾
(
かざ
)
れる物在り、又一手に
首級
(
しゆきう
)
を
抱
(
かか
)
へ他手に石槍形の匕首を
携
(
たづさ
)
へたる人物の
石面彫刻物
(
せきめんてうこくぶつ
)
有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
お雪伯母が
襷
(
たすき
)
がけで、その繊弱な両手に、水の一ぱい入つたばけつを重さうに
携
(
たづさ
)
へて、遊覧人などのぞろ/\通る坂を上つて来るのを見ると、私はぢつとして居れなかつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
すると
好気
(
いゝき
)
に為つて、
幅
(
はゞ
)
で、大風呂敷を
携
(
たづさ
)
へて貰つて歩くといふ始末。殆ど村でも持余した。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
家老石津右門、藤兵衞と一緒に繪圖面を
携
(
たづさ
)
へて江戸表に着いたのは四五日前のことでした。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
実に
可懐
(
なつかし
)
かつたのです、顔を見ると手を
把
(
と
)
つて、
直
(
たゞち
)
に
旧交
(
きふこう
)
が
尋
(
あたゝ
)
められると
云
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
で、
其頃
(
そのころ
)
山田
(
やまだ
)
も
私
(
わたし
)
も
猶且
(
やはり
)
第二中学時代と
易
(
かは
)
らず
芝
(
しば
)
に
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
ましたから、
往復
(
わうふく
)
ともに手を
携
(
たづさ
)
へて
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
大
(
おほ
)
きい
石室
(
せきしつ
)
は
奧行
(
おくゆ
)
きが
十間近
(
じつけんちか
)
くもあり、
室内
(
しつない
)
は
眞暗
(
まつくら
)
ですから
大
(
たい
)
そう
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
いものでありますが、
蝋燭
(
ろうそく
)
を
點
(
とも
)
したり、
懷中電燈
(
かいちゆうでんとう
)
を
携
(
たづさ
)
へて
行
(
ゆ
)
きますと、
内部
(
ないぶ
)
の
模樣
(
もよう
)
がよくわかります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
最初
(
さいしよ
)
、十
人
(
にん
)
の
兵士
(
へいし
)
が
棍棒
(
こんぼう
)
を
携
(
たづさ
)
へて
來
(
き
)
ました、
此等
(
これら
)
は
皆
(
みん
)
な三
人
(
にん
)
の
園丁
(
えんてい
)
のやうな
恰好
(
かつかう
)
をして
居
(
ゐ
)
て、
長楕圓形
(
ちやうだゑんけい
)
で
平
(
ひら
)
たくて、
隅々
(
すみ/″\
)
からは
其
(
そ
)
の
手足
(
てあし
)
が
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
ました、
次
(
つぎ
)
に
來
(
き
)
たのは十
人
(
にん
)
の
朝臣
(
てうしん
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
同月
(
どうげつ
)
十七
日
(
にち
)
、いよ/\
發掘
(
はつくつ
)
に
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
としたが
家人
(
かじん
)
も
其状態
(
そのじやうたい
)
が
見
(
み
)
たいといふので、
然
(
さ
)
らば
其用意
(
そのえうい
)
して
行
(
ゆ
)
くべしとて、
妻
(
さい
)
と
婢
(
ひ
)
とに
糧食
(
れうしよく
)
を
携
(
たづさ
)
へさせ、
余
(
よ
)
は
愛
(
あい
)
する
親族
(
しんぞく
)
の六
歳
(
さい
)
の
幼女
(
えうぢよ
)
を
背
(
せ
)
に
負
(
お
)
ひ
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
携
(
たづさ
)
へて江戸に来たり、これを評定所に留め置きしも、わが志を表するなり。
留魂録
(新字旧仮名)
/
吉田松陰
(著)
二人で
畫板
(
ゑばん
)
を
携
(
たづさ
)
へ
野山
(
のやま
)
を
寫生
(
しやせい
)
して
歩
(
ある
)
いたことも
幾度
(
いくど
)
か
知
(
し
)
れない。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
アポロンのそれに似た、月桂樹編んで造れる冠
携
(
たづさ
)
へ。
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
携
(
たづさ
)
へて再び来り
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
結びて
懷姙
(
くわいにん
)
なしゝ一子なるが
民間
(
みんかん
)
に成長して後
未見
(
みけん
)
の
父君
(
ちゝぎみ
)
將軍と成しかば證據
物
(
もの
)
を
携
(
たづさ
)
へて訴へ出たるなればよしお
世繼
(
よつぎ
)
とせざるまでも
登用
(
とりあげ
)
てもて
生涯
(
しやうがい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
男
(
をとこ
)
は、——いえ、
太刀
(
たち
)
も
帶
(
お
)
びて
居
(
を
)
れば、
弓矢
(
ゆみや
)
も
携
(
たづさ
)
へて
居
(
を
)
りました。
殊
(
こと
)
に
黒
(
くろ
)
い
塗
(
ぬ
)
り
箙
(
えびら
)
へ、二十あまり
征矢
(
そや
)
をさしたのは、
唯今
(
ただいま
)
でもはつきり
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
を
)
ります。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
見よ諸〻の星を
携
(
たづさ
)
ふる一の圈、かれらを呼求むる世を足らはさんとて、
斜
(
なゝめ
)
にかしこより
岐
(
わか
)
れ出づるを 一三—一五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
突
(
つ
)
いてかゝる。ベンヺーリオー
餘義
(
よぎ
)
なく
敵手
(
あひて
)
になる。
此
(
この
)
途端
(
とたん
)
、
兩家
(
りゃうけ
)
の
關係者
(
くわんけいじゃ
)
、
双方
(
さうはう
)
より
出
(
い
)
で
來
(
きた
)
り、
入亂
(
いりみだ
)
れて
鬪
(
たゝか
)
ふ。
市民
(
しみん
)
及
(
およ
)
び
警吏長等
(
けいりちゃうら
)
棍棒
(
クラッブ
)
を
携
(
たづさ
)
へて
出
(
い
)
で
來
(
きた
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ほと/\と板戸を
敲
(
たゝ
)
き、「この執念深き奥方、何とて
今宵
(
こよひ
)
に泣きたまはざる」と
打笑
(
うちわら
)
ひけるほどこそあれ、
生温
(
なまぬる
)
き風一陣吹出で、腰元の
携
(
たづさ
)
へたる
手燭
(
てしよく
)
を消したり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると
丁度
(
ちやうど
)
ハヾトフもブローミウム
加里
(
カリ
)
の
壜
(
びん
)
を
携
(
たづさ
)
へて
遣
(
や
)
つて
來
(
き
)
た。アンドレイ、エヒミチは
重
(
おも
)
さうに、
辛
(
つら
)
さうに
身
(
み
)
を
起
(
おこ
)
して
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
け、
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うへ
)
に
兩手
(
りやうて
)
を
突張
(
つツぱ
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「神さぶる
磐根
(
いはね
)
こごしきみ
芳野
(
よしぬ
)
の
水分
(
みくまり
)
山を見ればかなしも」(巻七・一一三〇)、「黄葉の過ぎにし子等と
携
(
たづさ
)
はり遊びし磯を見れば悲しも」(巻九・一七九六)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
有りもせぬ
銭
(
ぜに
)
を出し合つて病院へ入れたのですが、兼吉は、
此儘
(
このまゝ
)
にしては、廿世紀の工業の耻辱であると云ふので、其の腕を
携
(
たづさ
)
へて、社長の宅へ面談に参つたのです
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
掃守
(
かもり
)
傍
(
かたはら
)
に
侍
(
はべ
)
りて、
桃
(
もも
)
の
実
(
み
)
の大なるを
啗
(
く
)
ひつつ
三一
弈
(
えき
)
の
手段
(
しゆだん
)
を見る。漁父が
大魚
(
まな
)
を
携
(
たづさ
)
へ来るを
喜
(
よろこ
)
びて、
三二
高杯
(
たかつき
)
に
盛
(
も
)
りたる桃をあたへ、又
盃
(
さかづき
)
を給うて
三三
三
献
(
こん
)
飲ましめ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
恐
(
おそ
)
らく
兩方
(
りやうほう
)
ならん。
交換
(
こうくわん
)
の方法コロボックル先づ何品かを
携
(
たづさ
)
へ
來
(
きた
)
りアイヌの小家の
入
(
い
)
り口又は
窓
(
まど
)
の
前
(
まへ
)
に進み此所にてアイヌの方より出す
相當
(
そうとう
)
の
品
(
しな
)
と引き
換
(
か
)
へにせしものなりとぞ。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
此時
(
このとき
)
大佐
(
たいさ
)
の
許可
(
ゆるし
)
を
得
(
え
)
て、
次
(
つぎ
)
の
室
(
へや
)
から
一面
(
いちめん
)
の
製圖
(
せいづ
)
を
携
(
たづさ
)
へて
來
(
き
)
て、
卓上
(
たくじやう
)
に
押廣
(
おしひろ
)
げ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
くるを
待
(
まつ
)
て人夫は
鍋
(
なべ
)
と
米
(
こめ
)
とを
携
(
たづさ
)
へ、
渓流
(
けいりゆう
)
に
下
(
くだ
)
り飯を炊煑して
上
(
のぼ
)
り
来
(
きた
)
る、一行
初
(
はじ
)
めて
腹
(
はら
)
を
充
(
み
)
たし、勢に
乗
(
じやう
)
じて山を
降
(
くだ
)
り、三長沢支流を
溯
(
さかのぼ
)
る、此河は利根の本源と
殆
(
ほとん
)
ど長を
等
(
ひとし
)
くし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
東京
(
とうきやう
)
の
家
(
いへ
)
を
疊
(
たゝ
)
むとき
宗助
(
そうすけ
)
は
先祖
(
せんぞ
)
の
位牌
(
ゐはい
)
を
一
(
ひと
)
つ
殘
(
のこ
)
らず
携
(
たづさ
)
えて、
諸所
(
しよしよ
)
を
漂泊
(
へうはく
)
するの
煩
(
わづら
)
はしさに
堪
(
た
)
えなかつたので、
新
(
あた
)
らしい
父
(
ちゝ
)
の
分丈
(
ぶんだけ
)
を
鞄
(
かばん
)
の
中
(
なか
)
に
収
(
をさ
)
めて、
其他
(
そのた
)
は
悉
(
こと/″\
)
く
寺
(
てら
)
へ
預
(
あづ
)
けて
置
(
お
)
いたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それなら一
層
(
そ
)
の
事
(
こと
)
、
皆
(
み
)
んなで
歸
(
かへ
)
らうとて、
發掘
(
はつくつ
)
を
中止
(
ちうし
)
し、
天幕
(
てんと
)
を
疊
(
たゝ
)
み、
飮餘
(
のみあま
)
したる
麥酒
(
ビール
)
の
壜
(
びん
)
を
携
(
たづさ
)
へて、
裏
(
うら
)
の
池邊
(
ちへん
)
に
行
(
ゆ
)
き、
其所
(
そこ
)
にて
又
(
また
)
小宴
(
せうえん
)
を
張
(
は
)
り、
食物
(
しよくもつ
)
の
殘
(
のこ
)
りを
池
(
いけ
)
の
魚
(
うを
)
に
投與
(
とうよ
)
して、
荷
(
に
)
を
輕
(
かる
)
くし
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
を
携
(
たづさ
)
へ
還
(
かへ
)
らむものは、
此島
(
このしま
)
の
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
立て皆々
出會々々
(
であへ/\
)
と云程こそあれ吾助は
見咎
(
みとがめ
)
られては一大事と豫て拵へ置たる
迯道
(
にげみち
)
より彼の一包を
携
(
たづさ
)
へて
何處
(
いづく
)
ともなく
迯失
(
にげうせ
)
けり其後へ若黨下部等は喜内が聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
樂人共
(
がくじんども
)
控
(
ひか
)
へてゐる。
給仕人共
(
きふじにんども
)
、
布巾
(
ふきん
)
を
携
(
たづさ
)
へて
出
(
い
)
で
來
(
きた
)
り、
取散
(
とりち
)
らしたる
盃盤
(
はいばん
)
をかたづくる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
各自
(
おの/\
)
一
條
(
でう
)
の
杖
(
つゑ
)
を
携
(
たづさ
)
へ、
續々
(
ぞく/\
)
市街
(
しがい
)
に
入込
(
いりこ
)
みて、
軒毎
(
のきごと
)
に
食
(
しよく
)
を
求
(
もと
)
め、
與
(
あた
)
へざれば
敢
(
あへ
)
て
去
(
さ
)
らず。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そこで
用意
(
ようゐ
)
が
整
(
とゝな
)
ふと、
吾等
(
われら
)
は
手
(
て
)
に/\
一個
(
いつこ
)
宛
(
づゝ
)
の
爆裂彈
(
ばくれつだん
)
を
携
(
たづさ
)
へて
立上
(
たちあが
)
つた。
兼
(
かね
)
て
用意
(
ようゐ
)
の
鳥
(
とり
)
の
肉
(
にく
)
を、十
斤
(
きん
)
ばかり
鐵檻
(
てつおり
)
の
間
(
あひだ
)
から
投出
(
なげだ
)
すと、
食
(
しよく
)
に
飢
(
う
)
ゑたる
猛獸
(
まうじう
)
は、
眞黒
(
まつくろ
)
になつて
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
集
(
あつま
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
或
(
ある
)
家
(
いへ
)
ではクワスを
飮
(
の
)
ませ、
或
(
ある
)
所
(
ところ
)
ではパンを
食
(
く
)
はして
呉
(
く
)
れる。で、
彼
(
かれ
)
は
毎
(
いつ
)
も
滿腹
(
まんぷく
)
で、
金持
(
かねもち
)
になつて、六
號室
(
がうしつ
)
に
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
る。が、
其
(
そ
)
の
携
(
たづさ
)
へ
歸
(
かへ
)
る
所
(
ところ
)
の
物
(
もの
)
は、
玄關
(
げんくわん
)
でニキタに
皆
(
みんな
)
奪
(
うば
)
はれて
了
(
しま
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
携
常用漢字
中学
部首:⼿
13画
“携”を含む語句
提携
携帯
相携
手携
携来
聯携
携提
携帯無電機
連携
携持
携帰
携帯電灯
携帯蓄音機
携帯用風琴
携帯用
御携来
携帯感電器
携帯式
携帯品
携帯口糧
...