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廻
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まは
ふりがな文庫
“
廻
(
まは
)” の例文
愛
(
あい
)
ちやんは
心配
(
しんぱい
)
さうに
木々
(
きゞ
)
の
間
(
あひだ
)
を
覗
(
のぞ
)
き
廻
(
まは
)
つてゐましたが、
軈
(
やが
)
て
其頭
(
そのあたま
)
の
眞上
(
まうへ
)
にあつた
小
(
ちひ
)
さな
尖
(
とが
)
つた
木
(
き
)
の
皮
(
かは
)
に、ひよいと
眼
(
め
)
が
着
(
つ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
鹿
(
しか
)
は
大
(
おほ
)
きな
環
(
わ
)
をつくつて、ぐるくるぐるくる
廻
(
まは
)
つてゐましたが、よく
見
(
み
)
るとどの
鹿
(
しか
)
も
環
(
わ
)
のまんなかの
方
(
はう
)
に
気
(
き
)
がとられてゐるやうでした。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
私は
此
(
この
)
時母の前へ此三ツの貨幣を置いて
其廻
(
そのまは
)
りをトン/\踊り
廻
(
まは
)
つたのを覚えて
居
(
を
)
り
升
(
ます
)
、「金の機会に、銀の機会に、
銅
(
あかがね
)
の機会だ」
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
顏色
(
かほいろ
)
は
蒼白
(
あをじろ
)
く、
姿
(
すがた
)
は
瘠
(
や
)
せて、
初中終
(
しよつちゆう
)
風邪
(
かぜ
)
を
引
(
ひ
)
き
易
(
やす
)
い、
少食
(
せうしよく
)
で
落々
(
おち/\
)
眠
(
ねむ
)
られぬ
質
(
たち
)
、一
杯
(
ぱい
)
の
酒
(
さけ
)
にも
眼
(
め
)
が
廻
(
まは
)
り、
往々
(
まゝ
)
ヒステリーが
起
(
おこ
)
るのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
平生
(
へいぜい
)
は一
本
(
ぽん
)
きり
帶
(
さ
)
してゐないけれども、二
本帶
(
ほんさ
)
して
歩
(
ある
)
く
資格
(
しかく
)
を
有
(
も
)
つてゐて、
與力
(
よりき
)
や
京武士
(
みやこぶし
)
の
後
(
あと
)
へ
廻
(
まは
)
らなくてもいいだけの
地位
(
ちゐ
)
になつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
成
(
な
)
るたけ
順礼
(
じゆんれい
)
を
遠
(
とほ
)
くよけて、——
最
(
も
)
う
人気配
(
ひとけはひ
)
に
後
(
うしろ
)
へ
振向
(
ふりむ
)
けた、
銀杏返
(
ゐてふがへし
)
の
影法師
(
かげばふし
)
について、
横障子
(
よこしやうじ
)
を
裏
(
うら
)
へ
廻
(
まは
)
つた。
店
(
みせ
)
は
裏
(
うら
)
へ
行抜
(
ゆきぬ
)
けである。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すべて、
海上
(
かいじやう
)
の
規則
(
きそく
)
では、
船
(
ふね
)
の
出港
(
しゆつかう
)
の十
分
(
ぷん
)
乃至
(
ないし
)
十五
分
(
ふん
)
前
(
まへ
)
に、
船中
(
せんちう
)
を
布
(
ふ
)
れ
廻
(
まは
)
る
銅鑼
(
どら
)
の
響
(
ひゞき
)
の
聽
(
きこ
)
ゆると
共
(
とも
)
に
本船
(
ほんせん
)
を
立去
(
たちさ
)
らねばならぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
夜
(
よる
)
になると
方々
(
ほう/″\
)
を
歩
(
ある
)
き
廻
(
まは
)
つて、
筍
(
たけのこ
)
、
松茸
(
まつたけ
)
、
芋
(
いも
)
、
稻
(
いね
)
、
大豆等
(
だいずなど
)
の
農作物
(
のうさくぶつ
)
をあらしたり、
木
(
き
)
の
實
(
み
)
を
食
(
く
)
ひ、
野鼠
(
のねずみ
)
、
兎
(
うさぎ
)
なども
捕
(
とら
)
へて
餌食
(
ゑじき
)
にします。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
頼
(
たの
)
までは叶ふまじといへば吉兵衞は
夫
(
それ
)
は兎も角も
船頭
(
せんどう
)
任
(
まかせ
)
なれば
宜
(
よき
)
樣
(
やう
)
に
計
(
はから
)
ひ給へとて其議に決し
此所
(
こゝ
)
にて水差を
頼
(
たの
)
み江戸
廻
(
まは
)
りとぞ定めける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
草刈鎌
(
くさかりがま
)
の一
挺
(
ちやう
)
や二
挺
(
ちやう
)
お
前
(
まへ
)
どうするもんぢやない、あつちへ
廻
(
まは
)
つて
足
(
あし
)
でも
洗
(
あら
)
つてさあ」
内儀
(
かみ
)
さんの
口
(
くち
)
もとには
微
(
かす
)
かな
笑
(
わら
)
ひが
浮
(
うか
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そのうち今太郎君は、むき出しになつてゐる両方の手が、鱶の
食慾
(
しよくよく
)
をそゝり立てはしまいかと気遣つたので、そつと
後
(
うしろ
)
の方へ
廻
(
まは
)
しました。
動く海底
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
一「セカンド」は
大抵
(
たいてい
)
脉
(
みやく
)
の
一動
(
いちどう
)
に
同
(
おな
)
じ。
扨
(
さて
)
時計
(
とけい
)
の
盤面
(
ばんめん
)
を十二に
分
(
わか
)
ち、
短針
(
たんしん
)
は
一晝夜
(
いつちうや
)
に二
度
(
ど
)
づゝ
廻
(
まは
)
り、
長針
(
ちやうしん
)
は二十四
度
(
ど
)
づゝ
廻
(
まは
)
る
仕掛
(
しかけ
)
にせり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
岩
(
いは
)
はなをば、
漕
(
こ
)
ぎ
廻
(
まは
)
つて
行
(
ゆ
)
くごとに、そこに
一
(
ひと
)
つづゝ
展
(
ひら
)
けて
來
(
く
)
る、
近江
(
あふみ
)
の
湖水
(
こすい
)
のうちのたくさんの
川口
(
かはぐち
)
。そこに
鶴
(
つる
)
が
多
(
おほ
)
く
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
てゝゐる。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は、
左
(
さ
)
うですかと
云
(
い
)
つて、たゞ
肥
(
ふと
)
つた
男
(
をとこ
)
のなすが
儘
(
まゝ
)
にして
置
(
お
)
いた。すると
彼
(
かれ
)
は
器械
(
きかい
)
をぐる/\
廻
(
まは
)
して
宗助
(
そうすけ
)
の
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
へ
穴
(
あな
)
を
開
(
あ
)
け
始
(
はじ
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私達
(
わたしたち
)
はその日一
日
(
にち
)
歩き
廻
(
まは
)
つた。
夕方
(
ゆふがた
)
には、
自分達
(
じぶんたち
)
の歩いてゐる所は一
体
(
たい
)
どこなのだらうと思ふほどもう三
半器官
(
はんきくわん
)
が
疲
(
つか
)
れてゐた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
またさうした
博物館
(
はくぶつかん
)
をこしらへるには
非常
(
ひじよう
)
に
大
(
おほ
)
きな
建
(
た
)
て
物
(
もの
)
が
入
(
い
)
る、それを
見
(
み
)
て
廻
(
まは
)
るだけでも
二日
(
ふつか
)
も
三日
(
みつか
)
もかゝり、かへって
不便
(
ふべん
)
になります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
道子
(
みちこ
)
はバスの
通
(
とほ
)
るのを
見
(
み
)
て、その
停留場
(
ていりうぢやう
)
まで
歩
(
ある
)
き、
待
(
ま
)
つてゐる
人
(
ひと
)
に
道
(
みち
)
をきいて、こんどは
国府台
(
こふのだい
)
から
京成電車
(
けいせいでんしや
)
で
上野
(
うへの
)
へ
廻
(
まは
)
つてアパートに
帰
(
かへ
)
つた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
水車
(
すゐしや
)
は
毎日
(
まいにち
)
動
(
うご
)
いて
居
(
ゐ
)
るどころか、
吹
(
ふ
)
きつける
雪
(
ゆき
)
に
埋
(
うづ
)
められまして、まるで
車
(
くるま
)
の
廻
(
まは
)
らなくなつてしまつたことも
有
(
あ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
其
(
そ
)
の
福々
(
ふく/\
)
で思ひ出したが、七
福
(
ふく
)
廻
(
まはり
)
と
云
(
い
)
ふのは一
体
(
たい
)
君
(
きみ
)
は
何処
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くんだ。甲「
僕
(
ぼく
)
の七
福
(
ふく
)
廻
(
まは
)
りといふのは
豪商紳士
(
がうしやうしんし
)
の
許
(
もと
)
を
廻
(
まは
)
るのさ。乙「へ、へ——
何処
(
どこ
)
へ。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「今晩の演説は何でもいゝ。君にまかせる。病人があるから、そつちへ
廻
(
まは
)
らねばならないから。」と言つて、金持の鈴虫のお嬢さんの
家
(
うち
)
へ参りました。
こほろぎの死
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
下
(
した
)
にゐた
人
(
ひと
)
が
綱
(
つな
)
をひきそこなつて、
綱
(
つな
)
がぷっつりと
切
(
き
)
れて、
運
(
うん
)
わるくも
下
(
した
)
にあつた
鼎
(
かなへ
)
の
上
(
うへ
)
に
落
(
お
)
ちて
眼
(
め
)
を
廻
(
まは
)
しました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
特に授業中は、先生が教室にゐることがわかつてゐるので、先生の奥さんに無理ばかり云つて、何度も小便に行つたり、運動場を歩き
廻
(
まは
)
つたりしました。
先生と生徒
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
「うるせえ、ちと
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
つててくれ」と
言
(
い
)
ひました。
虻
(
あぶ
)
のやんちやん、そんなことは
耳
(
みゝ
)
にもいれず、ますます
蠅
(
はひ
)
などまで
呼集
(
よびあつ
)
めて
飛
(
と
)
び
廻
(
まは
)
つてゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
天気のよい日、近いところを
廻
(
まは
)
るには、鉢と嚢があればそれでよい。しかし良寛さんは、どんなときでも、手毬とおはじきは、ちやんともつて外へ出た。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
左の手に
蝋燭
(
ろふそく
)
を持つて兄の
背後
(
うしろ
)
に
廻
(
まは
)
つたが、
三筋
(
みすぢ
)
の
麻縄
(
あさなは
)
で後手に
縛
(
しば
)
つて
柱
(
はしら
)
に
括
(
くヽ
)
り附けた
手首
(
てくび
)
は血が
滲
(
にじ
)
んで居る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
個人
(
こじん
)
の
固有名
(
こゆうめい
)
は
神聖
(
しんせい
)
なもので、それ/″\
深
(
ふか
)
い
因縁
(
いんねん
)
を
有
(
ゆう
)
する。みだりにこれをいぢくり
廻
(
まは
)
すべきものでない。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
『ラランよ、
今度
(
こんど
)
は
何
(
なに
)
をたべてるのか。
少
(
すこ
)
しでいいから
分
(
わ
)
けてくれよ。
腹
(
はら
)
が
減
(
へ
)
つて
僕
(
ぼく
)
はもう
目
(
め
)
が
廻
(
まは
)
りそうだ』
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
忌々
(
いま/\
)
しさうに頭を
振
(
ふつ
)
て、急に
急足
(
いそぎあし
)
で
愛宕町
(
あたごちやう
)
の
闇
(
くら
)
い狭い
路地
(
ろぢ
)
をぐる/\
廻
(
まは
)
つて
漸
(
やつ
)
と
格子戸
(
かうしど
)
の小さな二
階屋
(
かいや
)
に「小川」と薄暗い
瓦斯燈
(
がすとう
)
の
点
(
つ
)
けてあるのを
発見
(
めつ
)
けた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
空
(
そら
)
は、ドンヨリ
曇
(
くも
)
ツて、
南風
(
みなみかぜ
)
が
灰
(
はひ
)
の
都
(
みやこ
)
を
吹
(
ふ
)
き
廻
(
まは
)
り、そしてポカ/\する、
嫌
(
いや
)
に
其所
(
そこ
)
らのざわつく日であツた、此様な日には、頭に
故障
(
こしやう
)
のない者すら氣が重い。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
私
(
わたし
)
のやうに
身
(
み
)
の
廻
(
まは
)
りは
悉
(
こと/″\
)
く
心得
(
こゝろえ
)
ちがひばかりで
出來上
(
できあが
)
つて、
一
(
ひと
)
つとして
取柄
(
とりえ
)
の
無
(
な
)
い
困
(
こま
)
り
者
(
もの
)
でも、
心
(
こゝろ
)
として
犯
(
をか
)
した
罪
(
つみ
)
が
無
(
な
)
いほどに、これ
此樣
(
このやう
)
な
可愛
(
かあい
)
らしい
美
(
うつ
)
くしい
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さうしてつかまう/\とする
要求
(
えうきう
)
が
烈
(
はげ
)
しくなればなるほど強くなつて來るのは、それに
對
(
たい
)
する
失望
(
しつばう
)
の心でした。私達は
暗
(
やみ
)
の中に
手探
(
てさぐ
)
りで何かを探し
廻
(
まは
)
つてゐました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
三角の帽子をかぶり、赤や青の着物を着、一人の子供をつれて、田舎の町々を
廻
(
まは
)
り歩きました。そして町の広場にむしろをひろげて、いろんな手品をして見せました。
シャボン玉
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
山窪の幾むら藁屋、水ぐるま
廻
(
まは
)
れる見れば、ほとほとに水も痩せたり。
欅原
(
けやきばら
)
ただ目に寒く、雨のごとちる落葉あり、よく見ればいよいよ繁し、声立てていよいよ
寂
(
さび
)
し。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
中村家のお
内儀
(
かみ
)
さんは病身でしたから台所のことなどは二人の女中が切つて
廻
(
まは
)
して居るのでした。
月夜
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それから十
町
(
ちやう
)
と
隔
(
へだ
)
たつて
居
(
を
)
らぬ
加瀬
(
かせ
)
の
貝塚
(
かひづか
)
に
廻
(
まは
)
つて、
小發掘
(
せうはつくつ
)
を
試
(
こゝろ
)
み、
相變
(
あひかは
)
らず
失敗
(
しつぱい
)
して
歸宅
(
きたく
)
した。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
水
(
みづ
)
に
影
(
うつ
)
る
月
(
つき
)
を
奪
(
うば
)
はんとする
山猿
(
やまざる
)
よ、
無芸
(
むげい
)
無能
(
むのう
)
食
(
しよく
)
もたれ
総身
(
そうみ
)
に
智恵
(
ちゑ
)
の
廻
(
まは
)
りかぬる
男
(
をとこ
)
よ、
木
(
き
)
に
縁
(
よつ
)
て
魚
(
うを
)
を
求
(
もと
)
め
草
(
くさ
)
を
打
(
うつ
)
て
蛇
(
へび
)
に
驚
(
をどろ
)
く
狼狽
(
うろたへ
)
者
(
もの
)
よ、
白粉
(
おしろい
)
に
咽
(
む
)
せて
成仏
(
じやうぶつ
)
せん
事
(
こと
)
を
願
(
ねが
)
ふ
艶治郎
(
ゑんぢらう
)
よ
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
色々事情はあつたが、そもそも戦火に遭ふということから、又思ひがけぬ信州へ来るといふことから、かうした場所に落着くといふことまで、自然さうなるやうな
廻
(
まは
)
り合せであつた。
野の墓
(新字旧仮名)
/
岩本素白
(著)
俳句の選をするといふ
柄
(
がら
)
でもないのであるが、どういふ
廻
(
まは
)
り合せか時々に引つ張り出されて、迷惑ながら
一廉
(
ひとかど
)
の選者顔をして、机の前に坐らなければならないやうな
破目
(
はめ
)
に陥ることがある。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
予
(
よ
)
はいよ/\
嬉
(
うれ
)
しくて
堪
(
たま
)
らず、
川面
(
かわづら
)
は水も見えぬまで、
端艇
(
ボート
)
其他
(
そのた
)
の
船
(
ふね
)
並
(
なら
)
びて
其
(
そ
)
が
漕開
(
こぎひら
)
き、
漕
(
こ
)
ぎ
廻
(
まは
)
る
有様
(
ありさま
)
、
屏風
(
びやうぶ
)
の
絵
(
ゑ
)
に見たる
屋島
(
やしま
)
壇
(
だん
)
の
浦
(
うら
)
の
合戦
(
かつせん
)
にも
似
(
に
)
て勇ましゝ、
大尉
(
たいゐ
)
が
大拍手
(
だいはくしゆ
)
大喝采
(
だいかつさい
)
の
間
(
あひだ
)
に
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
東町奉行
跡部山城守良弼
(
あとべやましろのかみよしすけ
)
も去年四月に現職に任ぜられて、七月に到着したのだから、まだ大阪には半年しかをらぬが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
一
日
(
じつ
)
の
長
(
ちやう
)
があるので、堀は
引
(
ひ
)
き
廻
(
まは
)
して
貰
(
もら
)
ふと云ふ風になつてゐる。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
残
(
のこ
)
された
同志
(
どうし
)
はその
上
(
うへ
)
へ
次々
(
つぎ/\
)
に
伝単
(
でんたん
)
を
貼
(
は
)
り
廻
(
まは
)
すであらう
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
廻
(
まは
)
るほどに、
流石
(
さすが
)
の
毒龍
(
どくりよう
)
の
魔力
(
まりき
)
も
限
(
かぎり
)
あれ
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
艶道の魔風
隈
(
くま
)
なく四方に吹き
廻
(
まは
)
れり。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
どちらへ
廻
(
まは
)
つても気に
喰
(
く
)
はない。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
壁
(
かべ
)
の
廻
(
まは
)
りの
紛
(
まぎ
)
れ易い模樣にも
メランコリア
(旧字旧仮名)
/
三富朽葉
(著)
廻
(
まは
)
れ、廻れ、
羽蟲
(
はむし
)
の群
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
ミハイル、アウエリヤヌヰチは
一人
(
ひとり
)
して
元氣可
(
げんきよ
)
く、
朝
(
あさ
)
から
晩迄
(
ばんまで
)
町
(
まち
)
を
遊
(
あそ
)
び
歩
(
ある
)
き、
舊友
(
きういう
)
を
尋
(
たづ
)
ね
廻
(
まは
)
り、
宿
(
やど
)
には
數度
(
すうど
)
も
歸
(
かへ
)
らぬ
夜
(
よ
)
が
有
(
あ
)
つた
位
(
くらゐ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ひよいと
飛上
(
とびあが
)
るのもあれば、ぐる/\と
歩行
(
ある
)
き
廻
(
まは
)
るのもあるし、
胴
(
どう
)
を
伸
(
の
)
ばして
矢間
(
やざま
)
から
衝
(
つ
)
と
出
(
で
)
て、
天守
(
てんしゆ
)
の
棟
(
むね
)
で
鯱立
(
しやちほこだ
)
ちに
成
(
な
)
るのも
見
(
み
)
える。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
相述べ急ぎ登城あるべしとの事なり越前守
委細
(
ゐさい
)
承知
(
しようち
)
し則ち馬を急し家來に申付
火急
(
くわきふ
)
の御用なり駕籠は跡より
廻
(
まは
)
せと申付
麻上下
(
あさがみしも
)
に服を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
居
(
ゐ
)
たかえ」それでも
卯平
(
うへい
)
は
呶鳴
(
どな
)
つて
見
(
み
)
たが
返辭
(
へんじ
)
がない。
卯平
(
うへい
)
は
口
(
くち
)
の
内
(
うち
)
で
呟
(
つぶや
)
いて
裏戸口
(
うらとぐち
)
へ
廻
(
まは
)
つて
見
(
み
)
たら
其處
(
そこ
)
は
内
(
うち
)
から
掛金
(
かけがね
)
が
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
廻
漢検準1級
部首:⼵
9画
“廻”を含む語句
引廻
廻廊
見廻
輪廻
迂廻
掻廻
廻転
一廻
振廻
手廻
立廻
駈廻
追廻
取廻
巡廻
馬廻
役廻
大迂廻
小取廻
仕廻
...