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互
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たがひ
ふりがな文庫
“
互
(
たがひ
)” の例文
この夏もお
互
(
たがひ
)
に
旅
(
たび
)
先や何かで久しく
顏
(
かほ
)
を合せなかつた二人、さて新秋になると、
向
(
むか
)
うは
熱
(
あた
)
海で
勉強
(
べんけう
)
して大に
強
(
つよ
)
くなつたと自
信
(
しん
)
を持ち
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
火事
(
くわじ
)
をみて、
火事
(
くわじ
)
のことを、あゝ
火事
(
くわじ
)
が
行
(
ゆ
)
く、
火事
(
くわじ
)
が
行
(
ゆ
)
く、と
叫
(
さけ
)
ぶなり。
彌次馬
(
やじうま
)
が
駈
(
か
)
けながら、
互
(
たがひ
)
に
聲
(
こゑ
)
を
合
(
あ
)
はせて、
左
(
ひだり
)
、
左
(
ひだり
)
、
左
(
ひだり
)
、
左
(
ひだり
)
。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
代助は人類の
一人
(
いちにん
)
として、
互
(
たがひ
)
を
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で侮辱する事なしには、
互
(
たがひ
)
に接触を敢てし得ぬ、現代の社会を、二十世紀の堕落と呼んでゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此上
(
このうへ
)
にお
頼
(
たの
)
みは
萬々
(
ばん/″\
)
見送
(
みおく
)
りなどして
下
(
くだ
)
さるな、さらでだに
泣
(
な
)
き
男
(
おとこ
)
の
我
(
わ
)
れ
朋友
(
ともだち
)
の
手前
(
てまへ
)
もあるに
何
(
なに
)
かをかしく
察
(
と
)
られてもお
互
(
たがひ
)
に
詰
(
つま
)
らず
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
芋蟲
(
いもむし
)
と
愛
(
あい
)
ちやんとは
互
(
たがひ
)
に
暫
(
しばら
)
く
默
(
だま
)
つて
睨
(
にらめ
)
ツ
競
(
こ
)
をして
居
(
ゐ
)
ましたが、
終
(
つひ
)
に
芋蟲
(
いもむし
)
が
其口
(
そのくち
)
から
煙管
(
きせる
)
を
離
(
はな
)
して、
舌
(
した
)
ッたるいやうな
眠
(
ねむ
)
さうな
聲
(
こゑ
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
同
(
おな
)
じ
日本
(
につぽん
)
の
石器時代
(
せつきじだい
)
の
人々
(
ひと/″\
)
のお
互
(
たがひ
)
の
交通
(
こうつう
)
とか、
文化
(
ぶんか
)
の
關係
(
かんけい
)
などを
知
(
し
)
るには、
土器
(
どき
)
の
模樣
(
もよう
)
や
形
(
かたち
)
などを
研究
(
けんきゆう
)
することが
必要
(
ひつよう
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
庭
(
には
)
の
木陰
(
こかげ
)
に
身
(
み
)
を
避
(
さ
)
けてしんみりと
互
(
たがひ
)
の
胸
(
むね
)
を
反覆
(
くりかへ
)
す
時
(
とき
)
繁茂
(
はんも
)
した
柹
(
かき
)
や
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
は
彼等
(
かれら
)
が
唯
(
ゆゐ
)
一の
味方
(
みかた
)
で
月夜
(
つきよ
)
でさへ
深
(
ふか
)
い
陰翳
(
かげ
)
が
安全
(
あんぜん
)
に
彼等
(
かれら
)
を
包
(
つゝ
)
む。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
(
か
)
の
電話機械
(
でんわきかい
)
といふものが始めて
参
(
まゐ
)
つた時に、
互
(
たがひ
)
に
掛
(
かけ
)
やうを知らぬから、両方で話をしようと思つても、
何
(
ど
)
うしても
解
(
わか
)
らなかつたといふ。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其れは同期に欧洲に遊んだ画家と詩人の記念であるのみならず、
互
(
たがひ
)
に「海のあなた」の恋しさを紛らさうとする手ずさびである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
斯様
(
かう
)
なれば
互
(
たがひ
)
に
怨恨
(
ゑんこん
)
は
重
(
かさ
)
なるのみであるが、良兼の方は
何様
(
どう
)
しても官職を帯びて居るので、官符は
下
(
くだ
)
つて、将門を追捕すべき事になつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
あれと
私達
(
わたしたち
)
とは
何
(
なん
)
の
關係
(
くわんけい
)
も
無
(
な
)
いやうなものの、あれも
着物
(
きもの
)
、
私達
(
わたしたち
)
お
互
(
たがひ
)
も
着物
(
きもの
)
、
何
(
なん
)
となく
世間
(
せけん
)
に
對
(
たい
)
して、
私
(
わたし
)
は
氣耻
(
きはづか
)
しいやうでなりませんのよ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
は
河
(
かは
)
の
上
(
うへ
)
の
此
(
こ
)
の
賑
(
にぎは
)
ひを
見
(
み
)
る
人達
(
ひとたち
)
で
仲見世
(
なかみせ
)
や
映画街
(
えいぐわがい
)
にも
劣
(
おと
)
らぬ
混雑
(
こんざつ
)
。
欄干
(
らんかん
)
にもたれてゐる
人達
(
ひとたち
)
は
互
(
たがひ
)
に
肩
(
かた
)
を
摺
(
す
)
れ
合
(
あは
)
すばかり。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
皆
(
みな
)
さんこんないろ/\のわけをお
話
(
はなし
)
したら、われ/\がお
互
(
たがひ
)
に、
今
(
いま
)
生
(
い
)
き
育
(
そだ
)
つてゐるすべての
老樹
(
ろうじゆ
)
名木
(
めいぼく
)
を、ます/\
大事
(
だいじ
)
にして
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
飛田
(
とびた
)
遊廓の漏洩問題については主務省と府の当事者と
互
(
たがひ
)
に責任の
塗
(
なす
)
りつこをして、自分ばかりが良い
児
(
こ
)
にならうとしてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
が、
此
(
こ
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
後生大事
(
ごしやうだいじ
)
と
収
(
しま
)
つておく
処
(
ところ
)
から
見
(
み
)
ると、
其後
(
そのご
)
何
(
なに
)
かの
事情
(
じゞやう
)
で、
互
(
たがひ
)
に
隔
(
へだ
)
たつてはゐても、
心
(
こゝろ
)
は
今
(
いま
)
に
隔
(
へだ
)
てぬ
中
(
なか
)
だと
云
(
い
)
ふことは
明
(
あきら
)
かである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
其日
(
そのひ
)
はそれで
別
(
わか
)
れ、
其後
(
そのご
)
は
互
(
たがひ
)
に
誘
(
さそ
)
ひ
合
(
あ
)
つて
釣
(
つり
)
に
出掛
(
でかけ
)
て
居
(
ゐ
)
たが、ボズさんの
家
(
うち
)
は一
室
(
ま
)
しかない
古
(
ふる
)
い
茅屋
(
わらや
)
で
其處
(
そこ
)
へ
獨
(
ひとり
)
でわびしげに
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
たのである。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
此玉栗を
作
(
つく
)
るに雪に
少
(
すこ
)
し
塩
(
しほ
)
を入るれば
堅
(
かたく
)
なること石の如し、ゆゑに小児
互
(
たがひ
)
に塩を入るを
禁
(
きん
)
ずるなり。こゝを以てみる時は、
塩
(
しほ
)
は物を
堅
(
かた
)
むる物なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
大
(
だい
)
、
中
(
ちう
)
、
小
(
せう
)
、三十七
種
(
しゆ
)
の
齒輪車
(
しりんしや
)
は
互
(
たがひ
)
に
噛合
(
かみあ
)
ひ、
吸鍔桿
(
ピストン
)
、
曲肱
(
クンク
)
、
方位盤
(
ダイレクター
)
に
似
(
に
)
たる
諸種
(
しよしゆ
)
の
器械
(
きかい
)
は
複雜
(
ふくざつ
)
を
極
(
きは
)
め、
恰
(
あだか
)
も
聯成式
(
れんせいしき
)
の
蒸氣機關
(
じようききくわん
)
を
見
(
み
)
るやうである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
実際
(
じつさい
)
に
真面目
(
しんめんもく
)
に
生涯
(
せうがい
)
の
真味
(
しんみ
)
を
味
(
あぢは
)
ひし人のみが
互
(
たがひ
)
に
共
(
とも
)
に
働
(
はたら
)
き得る人なり
宗教
(
しふけう
)
を以て
茶話席
(
ちやわせき
)
の
活題
(
くわつだい
)
となすに
止
(
とゞ
)
まるものは
言語的
(
げんごてき
)
捺印的
(
なついんてき
)
の
一致
(
いつち
)
を
計
(
はか
)
れよ
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
こつちでは五
疋
(
ひき
)
がみんなことりことりとお
互
(
たがひ
)
にうなづき
合
(
あ
)
つて
居
(
を
)
りました。そのとき
俄
(
には
)
かに
進
(
すゝ
)
んで
行
(
い
)
つた
鹿
(
しか
)
が
竿立
(
さをだ
)
ちになつて
躍
(
をど
)
りあがつて
遁
(
に
)
げてきました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
消
(
け
)
し
魂
(
たましひ
)
を
飛
(
とば
)
し更に
生
(
いき
)
たる心地もなく
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を見合せ思ひ/\に
神佛
(
しんぶつ
)
を
祈
(
いの
)
り
溜息
(
ためいき
)
を
吐
(
つく
)
ばかりなり風は益々
強
(
つよ
)
く船を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夫
(
そ
)
れが
實際問題
(
じつさいもんだい
)
になると、
土地
(
とち
)
の
状態
(
じやうたい
)
風土
(
ふうど
)
の
關係
(
くわんけい
)
、
住者
(
ぢうしや
)
の
身分
(
みぶん
)
、
境遇
(
きやうぐう
)
、
趣味
(
しゆみ
)
、
性癖
(
せいへき
)
、
資産
(
しさん
)
、
家族
(
かぞく
)
、
職業
(
しよくげふ
)
その
他
(
た
)
種々雜多
(
しゆ/″\ざつた
)
の
素因
(
そいん
)
が
混亂
(
こんらん
)
して
互
(
たがひ
)
に
相
(
あい
)
交渉
(
かうせう
)
するので
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
今年
(
ことし
)
もとう/\
行
(
ゆ
)
かれなかつたと、お
互
(
たがひ
)
に
思
(
おも
)
ひながらも、それがさしてものなげきでなく、
二人
(
ふたり
)
の
心
(
こゝろ
)
にはまた
來年
(
らいねん
)
こそはといふ
希望
(
のぞみ
)
が
思浮
(
おもひうか
)
んでゐるのであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
二
軒
(
けん
)
の
家
(
うち
)
のものは、それほど
親
(
した
)
しく
往
(
い
)
つたり
來
(
き
)
たりしましたから、
子供同志
(
こどもどうし
)
も
互
(
たがひ
)
に
親
(
した
)
しい
遊
(
あそ
)
び
友達
(
ともだち
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
つまりお
互
(
たがひ
)
に自己の利益などは考へ合はなかつた時だつたのです。ですからあなたは虚心平気でいらつしつた。昔の恋人のためにしみじみとお話しなさいました。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
只今書面を拝見して、これへ出向いて参りましたが、
原来
(
ぐわんらい
)
お
互
(
たがひ
)
に
御城警固
(
おんしろけいご
)
の役柄ではありませんか。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其
(
それ
)
には
別
(
べつ
)
に
理由
(
りいう
)
も
何
(
なに
)
も無い、
究竟
(
つまり
)
学校が違つて
了
(
しま
)
つた所から、お
互
(
たがひ
)
に
今日
(
こんにち
)
あつて
昨日
(
さくじつ
)
も
明日
(
みやうにち
)
も無い
子供心
(
こどもごゝろ
)
に、
漠然
(
ぼうつ
)
と
忘
(
わす
)
れて
了
(
しま
)
つたのです、すると、
私
(
わたし
)
が二
級
(
きふ
)
に
成
(
な
)
つた
時
(
とき
)
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お
互
(
たがひ
)
の
間
(
なか
)
に
暖
(
あつたか
)
い
點
(
とこ
)
があツて欲しいといふことなんだ………が、
俺
(
おれ
)
の家では、お前も
獨
(
ひとり
)
なら、俺も
獨
(
ひとり
)
だ。お互に頑固に孤獨を守ツてゐるのだから、
從
(
したが
)
ツてお互に
冷
(
ひや
)
ツこい。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
五三
重陽
(
ここぬか
)
の
佳節
(
かせつ
)
をもて帰り来る日とすべし。左門いふ。
兄長
(
このかみ
)
必ず此の日をあやまり給ふな。一枝の菊花に
五四
薄酒
(
うすきさけ
)
を備へて待ちたてまつらんと、
互
(
たがひ
)
に
情
(
まこと
)
をつくして赤穴は西に帰りけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
以上
(
いじよう
)
の
通
(
とほ
)
り、われ/\は
内外
(
ないがい
)
の
活火山
(
かつかざん
)
をざつと
巡見
(
じゆんけん
)
した。その
互
(
たがひ
)
の
位置
(
いち
)
を
辿
(
たど
)
つてみると
一
(
ひと
)
つの
線上
(
せんじよう
)
に
竝
(
なら
)
んでゐるようにも
見
(
み
)
え、
或
(
あるひ
)
は
雁
(
がん
)
の
行列
(
ぎようれつ
)
を
見
(
み
)
るようなふうに
竝
(
なら
)
んでゐる
場合
(
ばあひ
)
も
見受
(
みう
)
けられる。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
兵営
(
へいえい
)
の
高塀
(
たかべい
)
と
歩哨
(
ほせう
)
の
銃剣
(
じゅうけん
)
とはお
互
(
たがひ
)
の
連絡
(
れんらく
)
を
断
(
た
)
ってしまった
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
二軍
互
(
たがひ
)
に
相對
(
あひたい
)
し、威武を比ぶる原上に
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
だから
突然
(
とつぜん
)
この
小舅
(
こじうと
)
と
自分
(
じぶん
)
の
間
(
あひだ
)
に
御櫃
(
おはち
)
を
置
(
お
)
いて、
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
せながら、
口
(
くち
)
を
動
(
うご
)
かすのが、
御米
(
およね
)
に
取
(
と
)
つては
一種
(
いつしゆ
)
異
(
い
)
な
經驗
(
けいけん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
が一
緒
(
しよ
)
に
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
は
互
(
たがひ
)
に
隔
(
へだ
)
てが
有相
(
ありさう
)
で
居
(
ゐ
)
て、
自分
(
じぶん
)
が
離
(
はな
)
れると
俄
(
にはか
)
に
陸
(
むつ
)
まじ
相
(
さう
)
に
笑語
(
さゝや
)
くものゝ
樣
(
やう
)
に
彼
(
かれ
)
は
久
(
ひさ
)
しい
前
(
まえ
)
から
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
相手が
互
(
たがひ
)
に
巴里
(
パリイ
)
ツ子同士、
流行
(
はやり
)
ツ
児
(
こ
)
同士であり、其れが
右様
(
みぎやう
)
の事情の
下
(
もと
)
に行ふ決闘であり、
其
(
その
)
上当日の決闘
振
(
ぶり
)
が非常に壮烈であつたので
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「お
互
(
たがひ
)
に、
明日
(
あす
)
の
生命
(
いのち
)
もしれない、はかない
生
(
い
)
き
物
(
もの
)
なんだ。
何
(
なん
)
でも
出來
(
でき
)
るうちに
爲
(
す
)
る
方
(
はう
)
がいいし、また、やらせることだ」と。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
女
(
をんな
)
でさへその
意氣
(
いき
)
だ。
男子
(
だんし
)
は
働
(
はたら
)
かなければならない。——こゝで
少々
(
せう/\
)
小聲
(
こごゑ
)
になるが、お
互
(
たがひ
)
に
稼
(
かせ
)
がなければ
追
(
お
)
つ
付
(
つ
)
かない。……
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
だが、無
論
(
ろん
)
お
互
(
たがひ
)
に
胸
(
けう
)
中
密
(
ひそか
)
に「なアに
己
(
おれ
)
の方が……」と
思
(
おも
)
つてゐる事は、それが
將棋
(
せうき
)
をたしなむ者の
癖
(
くせ
)
で御多分に
洩
(
も
)
れざる所。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は自分とお
糸
(
いと
)
の
間
(
あひだ
)
にはいつの
間
(
ま
)
にか
互
(
たがひ
)
に
疎通
(
そつう
)
しない感情の相違の生じて
居
(
ゐ
)
る事を
明
(
あきら
)
かに知つて、
更
(
さら
)
に深い
悲
(
かなし
)
みを感じた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此玉栗を
作
(
つく
)
るに雪に
少
(
すこ
)
し
塩
(
しほ
)
を入るれば
堅
(
かたく
)
なること石の如し、ゆゑに小児
互
(
たがひ
)
に塩を入るを
禁
(
きん
)
ずるなり。こゝを以てみる時は、
塩
(
しほ
)
は物を
堅
(
かた
)
むる物なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お
互
(
たがひ
)
に
身體
(
しんたい
)
が
丈夫
(
じようぶ
)
でなければ
何事
(
なにごと
)
も
出來
(
でき
)
ませんから、
新
(
あたら
)
しい
空氣
(
くうき
)
の
呼吸
(
こきゆう
)
と、
十分
(
じゆうぶん
)
な
日光浴
(
につこうよく
)
と、
運動
(
うんどう
)
とによつて
食物
(
しよくもつ
)
をうまく
食
(
た
)
べることが
一番
(
いちばん
)
大切
(
たいせつ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
石器
(
せつき
)
は
作
(
つく
)
り
方
(
かた
)
やその
形
(
かたち
)
もお
互
(
たがひ
)
に
似
(
に
)
てゐて、ほとんど
世界中
(
せかいじゆう
)
、その
變
(
かは
)
りは
少
(
すくな
)
いのでありますから、
文化
(
ぶんか
)
の
關係
(
かんけい
)
その
他
(
た
)
の
研究
(
けんきゆう
)
には
土器
(
どき
)
ほどに
役立
(
やくだ
)
ちません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
『こゝに
一人
(
ひとり
)
の
少女
(
せうぢよ
)
あり。』
小説
(
せうせつ
)
は
何時
(
いつ
)
でもこんな
風
(
ふう
)
に
初
(
はじ
)
まるもので、
批評家
(
ひゝやうか
)
は
戀
(
こひ
)
の
小説
(
せうせつ
)
にも
飽
(
あ
)
き/\したとの
御注文
(
ごちゆうもん
)
、
然
(
しか
)
し
年若
(
としわか
)
いお
互
(
たがひ
)
の
身
(
み
)
に
取
(
と
)
つては
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
最早
(
もはや
)
煩縟
(
くた/″\
)
しくいふに
及
(
およ
)
ばぬ、
此
(
この
)
不思議
(
ふしぎ
)
なる
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
は、
今日
(
こんにち
)
世界
(
せかい
)
萬國
(
ばんこく
)
の
海軍社會
(
かいぐんしやくわい
)
に
於
(
おい
)
て、
互
(
たがひ
)
に
其
(
その
)
改良
(
かいりよう
)
と
進歩
(
しんぽ
)
とを
競
(
きそ
)
ひつゝある
海底潜行艇
(
かいていせんかうてい
)
の
一種
(
いつしゆ
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
四邊
(
あたり
)
は
其香
(
そのにほ
)
ひで
大變
(
たいへん
)
でした。
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
でさへも、
坊
(
ぼ
)
ッちやんと
殆
(
ほと
)
んど
交
(
かは
)
る/″\
嚏
(
くさめ
)
をして、
噎
(
む
)
せる
苦
(
くる
)
しさに
互
(
たがひ
)
に
頻切
(
しツきり
)
なしに
泣
(
な
)
いたり
喚
(
わめ
)
いたりして
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
かうして
互
(
たがひ
)
に自分達の弱みを知つてゐるから、それを
汝
(
おまへ
)
に繰り返させまいとするからの事だといふのだ。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
追散
(
おひちら
)
し私し方へ伴ひ立歸りしなり其
頃
(
ころ
)
は私し姉儀
病死
(
びやうし
)
仕つりしにより節は私し方へ引取置候處九助と
顏
(
かほ
)
を見合せ
互
(
たがひ
)
に不思議の
再會
(
さいくわい
)
を喜び候と言を聞れ大岡殿は扨々人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そしてお
互
(
たがひ
)
に
東京
(
とうきやう
)
に
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たことが
殆
(
ほとん
)
どおなじ
位
(
くらゐ
)
の
時
(
とき
)
で、
彼女
(
かれ
)
の
方
(
はう
)
が
少
(
すこ
)
し
早
(
はや
)
い
位
(
くらゐ
)
のものであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
議論
(
ぎろん
)
を
上下
(
じやうげ
)
するも大きいが、お
互
(
たがひ
)
の
談
(
はなし
)
も
数年前
(
すうねんまえ
)
よりは
真面目
(
まじめ
)
に
成
(
な
)
つた、さて話をして見ると、
山田
(
やまだ
)
は文章を
以
(
も
)
つて立たうと
云
(
い
)
ふ
精神
(
せいしん
)
、
私
(
わたし
)
も
同断
(
どうだん
)
だ、
私
(
わたし
)
の
此
(
この
)
志
(
こゝろざし
)
を
抱
(
いだ
)
いたのは
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
是
(
これ
)
は
前
(
まへ
)
にも
申
(
まう
)
しました
通
(
とほ
)
り、
狂歌師
(
きやうかし
)
が
寄
(
よ
)
つて
狂歌
(
きやうか
)
の
開
(
ひらき
)
をいたす時、
何
(
なに
)
かお
互
(
たがひ
)
に
可笑
(
をか
)
しい話でもして、ワツと笑ふ
方
(
はう
)
が
宜
(
よ
)
からうと
云
(
い
)
ふので、二三
囘
(
くわい
)
やつて見ると
頓
(
とん
)
だ
面白
(
おもしろ
)
いから
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
互
常用漢字
中学
部首:⼆
4画
“互”を含む語句
交互
相互
相身互
互違
相見互
御互
互先
互市場
互角
互樣
互生葉
互譲
相互扶助論
互市
連互
互替
相身互身
互交
互助論
相互援助法
...