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轉
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ころ
ふりがな文庫
“
轉
(
ころ
)” の例文
新字:
転
また
偶時
(
たま
)
には、うツかり足を踏滑らして、川へ
陥
(
はま
)
り田へ
轉
(
ころ
)
げ、
濡鼠
(
ぬれねずみ
)
のやうになツて歸ツた事もあツたが、中々其樣な事に
懲
(
こり
)
はしない。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
驚いて飛付いた
扉
(
ドア
)
、力任せに引くと、部屋の中に
轉
(
ころ
)
げ込んだのはなんとあの青磁色の洋装——幽里子の息もたえだえの姿だったのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:05 代作恋文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
大豆打
(
でえづぶち
)
にかつ
轉
(
ころ
)
がつた
見
(
み
)
てえに
面中
(
つらぢう
)
穴
(
めど
)
だらけにしてなあ」
剽輕
(
へうきん
)
な
相手
(
あひて
)
は
益
(
ます/\
)
惡口
(
あくこう
)
を
逞
(
たくま
)
しくした。
群衆
(
ぐんしふ
)
は
一聲
(
ひとこゑ
)
の
畢
(
をは
)
る
毎
(
ごと
)
に
笑
(
わら
)
ひどよめいた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
耳
(
みゝ
)
を
枕
(
まくら
)
から
離
(
はな
)
して
考
(
かんが
)
へると、それはある
大
(
おほ
)
きな
重
(
おも
)
いものが
裏
(
うら
)
の
崖
(
がけ
)
から
自分達
(
じぶんたち
)
の
寐
(
ね
)
てゐる
座敷
(
ざしき
)
の
縁
(
えん
)
の
外
(
そと
)
へ
轉
(
ころ
)
がり
落
(
お
)
ちたとしか
思
(
おも
)
はれなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
この
)
流
(
なが
)
れに
隨
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
けば、
梯子段
(
はしごだん
)
を
轉
(
ころ
)
がり
落
(
お
)
ちる
氣遣
(
きづか
)
ひもなし!
家
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
る
皆
(
みンな
)
がどの
位
(
くらゐ
)
私
(
わたし
)
を
大膽
(
だいたん
)
だと
思
(
おも
)
ふでせう!さうだ、
斯麽
(
こんな
)
事
(
こと
)
何
(
なん
)
にも
話
(
はな
)
すまい
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
凄
(
すさ
)
まじい
霰
(
あられ
)
の
音
(
おと
)
、
八方
(
はつぱう
)
から
亂打
(
みだれう
)
つや、
大屋根
(
おほやね
)
の
石
(
いし
)
もから/\と
轉
(
ころ
)
げさうで、
雲
(
くも
)
の
渦
(
うづま
)
く
影
(
かげ
)
が
入
(
はひ
)
つて、
洋燈
(
ランプ
)
の
笠
(
かさ
)
が
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ある
日
(
ひ
)
の
午後
(
ごゞ
)
。ぱちツと
不思議
(
ふしぎ
)
な
音
(
をと
)
がしました。
莢
(
さや
)
が
裂
(
さ
)
けたのです。
豆
(
まめ
)
は
耳
(
みゝ
)
をおさえたなり、
地
(
ぢ
)
べたに
轉
(
ころ
)
げだしました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
その
上
(
うへ
)
に
白
(
しろ
)
く
雪
(
ゆき
)
でも
降
(
ふり
)
かゝると
氷滑
(
こほりすべ
)
りの
塲所
(
ばしよ
)
とも
分
(
わか
)
らないことがあります。
村
(
むら
)
の
人達
(
ひとたち
)
が
通
(
とほ
)
りかゝつて、
知
(
し
)
らずに
滑
(
すべ
)
つて
轉
(
ころ
)
ぶことなぞもありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お灸をつけておくれといふと大きく丸めて火をつけて、わざと背中を
轉
(
ころ
)
がす——がまんしてゐると、ますます大きくして
熱
(
あつ
)
がるかと樣子を見てゐる。
お灸
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その
所爲
(
せゐ
)
でもあるまいが、校長に何か宿直の出來ぬ事故のある日には、此木田訓導に屹度差支へがある。代理の役は何時でも代用教員の甲田に
轉
(
ころ
)
んだ。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
娘の初枝が十二の冬、村の小學校への往きがけに、
凍
(
し
)
みついた雪の上に誰かに突きころがされたやうに
轉
(
ころ
)
んで、それがもとで脊髓を患ふやうになつた。
ふるさとびと
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
靜かな晝のお
葬式
(
ともらひ
)
に、あの
取澄
(
とりす
)
ました納所坊主の折々ぐわららんと鳴らす
鐃鈸
(
ねうはち
)
の音を聽いたばかりでも笑ひ
轉
(
ころ
)
げ
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一番
(
いちばん
)
初
(
はじ
)
めにあるのは、いはゆる『
原石器
(
げんせつき
)
』と
稱
(
しよう
)
するものでありまして、これはちょっと
見
(
み
)
たところでは、その
邊
(
へん
)
に
轉
(
ころ
)
がつてゐる
石
(
いし
)
の
破片
(
はへん
)
と
少
(
すこ
)
しも
變
(
かは
)
らない
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「讃辭は、私には何にもならない。私は自分で判斷します。この人は、手始めに私の馬を
轉
(
ころ
)
ばしたんです。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
其處
(
そこ
)
でも
彼
(
かれ
)
は
宿
(
やど
)
から
出
(
で
)
ずに、
終日
(
しゆうじつ
)
相變
(
あひかは
)
らず
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うへ
)
に
轉
(
ころ
)
がり、
相變
(
あひかは
)
らず
友
(
とも
)
の
擧動
(
きよどう
)
に
愛想
(
あいさう
)
を
盡
(
つ
)
かしてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
心丈夫
(
こゝろじようぶ
)
に
車夫
(
しやふ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
れば二十五六の
色
(
いろ
)
黒
(
くろ
)
く、
小男
(
こをとこ
)
の
痩
(
や
)
せぎす、あ、
月
(
つき
)
に
背
(
そむ
)
けたあの
顏
(
かほ
)
が
誰
(
た
)
れやらで
有
(
あ
)
つた、
誰
(
た
)
れやらに
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
ると
人
(
ひと
)
の
名
(
な
)
も
咽元
(
のどもと
)
まで
轉
(
ころ
)
がりながら
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
振
(
ふ
)
りながら何の御禮に及びませうぞ
夫
(
それ
)
其處
(
そこ
)
は
水溜
(
みづたま
)
り此處には石が
轉
(
ころ
)
げ有りと
飽迄
(
あくまで
)
お安に安心させ
何處
(
どこ
)
へ
連行
(
つれゆき
)
殺
(
ばら
)
さんかと心の内に目算しつゝ麹町をも
疾
(
とく
)
過
(
すぎ
)
て初夜の
鐘
(
かね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その時の弟子の恰好は、まるで酒甕を
轉
(
ころ
)
がしたやうだとでも申しませうか。何しろ手も足も慘たらしく折り曲げられて居りますから、動くのは唯首ばかりでございます。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
此莊園でラクダルはゴロリと
轉
(
ころ
)
がつたまゝ
身動
(
みうごき
)
もろくに
爲
(
せ
)
ず、
手足
(
てあし
)
をダラリ
伸
(
のば
)
したまゝ
一言
(
ひとこと
)
も
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
かず、たゞ
茫乎
(
ぼんやり
)
と
日
(
ひ
)
がな
一日
(
いちにち
)
、
年
(
ねん
)
から
年中
(
ねんぢゆう
)
、
時
(
とき
)
を
送
(
おく
)
つて
居
(
ゐ
)
るのである。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「わしも一町や二町、あれで乘りましたやろ。駕籠の側離れると病人が
喚
(
わめ
)
き出して
轉
(
ころ
)
げ出さうとするもんやよつて、到頭
駕籠脇
(
かごわき
)
の
武士
(
さむらひ
)
みたいなことを初めて勤めて
了
(
しま
)
うた。」
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
土版
(
どばん
)
、
完全
(
くわんぜん
)
に
近
(
ちか
)
い
土器
(
どき
)
など、ごろ/\
轉
(
ころ
)
がり
出
(
だ
)
し、
磨製石斧
(
ませいせきふ
)
などは、いくらでも
有
(
あ
)
つた。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
雪
(
ゆき
)
に
覆
(
おほ
)
はれたその
切
(
き
)
り
崩
(
くづ
)
しの
斜面
(
しやめん
)
に、
獸
(
けもの
)
の
足跡
(
あしあと
)
が、
二筋
(
ふたすぢ
)
についてゐるのは、
犬
(
いぬ
)
か
何
(
なに
)
かゞ
驅
(
か
)
け
下
(
お
)
りたのであらう、それとも、
雪崩
(
なだれ
)
になつて
轉
(
ころ
)
げ
下
(
お
)
りて
來
(
き
)
た
塊
(
かたま
)
りの
走
(
はし
)
つた
跡
(
あと
)
でもあらうかと
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「この山には赤い
猪
(
いのしし
)
がいる。わたしたちが追い
下
(
くだ
)
すからお前が待ちうけて捕えろ。もしそうしないと、きつとお前を殺してしまう」と言つて、
猪
(
いのしし
)
に似ている大きな石を火で燒いて
轉
(
ころ
)
がし落しました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
余は只粗製石棒中の
或
(
あ
)
る者はメキシコに
於
(
お
)
ける
石棒
(
いしばう
)
と
等
(
ひと
)
しく、石製の
臺上
(
だいじやう
)
に横たへ
轉
(
ころ
)
ばして
餅
(
もち
)
の類を延すに用ゐられしなるべく、
精製石棒中
(
せい/\いしばうちう
)
の或る者はニウジーランドに於ける
精巧
(
せいこう
)
なる石噐の如く
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
とんとんとびつこ
轉
(
ころ
)
びやせぬ
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
繪踏
(
ゑぶみ
)
せよ、
轉
(
ころ
)
べ、
轉
(
ころ
)
べと
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
打つ危ない馬車に乘らるべきか
外
(
ほか
)
に馬車なくば破談にすべしと云へばナニお客樣途中で
破
(
こは
)
れるやうな事はございません
破
(
こは
)
れても上の屋根だけですから
轉
(
ころ
)
がり落る程の事は有ませんサアお乘りなさいと二十三四の
馬丁
(
べつたう
)
平氣なれば餘義なくこれに乘る二十三四の
小慧
(
こざかし
)
き
奴
(
やつ
)
客を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
幸い夜を
警
(
いまし
)
める
羅卒
(
らそつ
)
にも逢わず、
漸
(
ようや
)
く阿部川町の家に辿り着いた綾麿は、綿の如く疲れて居りました。格子を開けて
轉
(
ころ
)
げ込むと
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おつぎは
勘次
(
かんじ
)
の
居
(
ゐ
)
ない
時
(
とき
)
は
牝鷄
(
めんどり
)
が
消魂
(
けたゝま
)
しく
鳴
(
な
)
いて
出
(
で
)
れば
直
(
す
)
ぐに
塒
(
とや
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
暖
(
あたゝ
)
かい
卵
(
たまご
)
の
一
(
ひと
)
つを
採
(
と
)
つて
卯平
(
うへい
)
の
筵
(
むしろ
)
へ
轉
(
ころ
)
がしてやることもあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此
(
か
)
うなると、
狼狽
(
うろたへ
)
る、
慌
(
あわ
)
てる、
確
(
たしか
)
に半分は夢中になツて、
躓
(
つまず
)
くやら
轉
(
ころ
)
ぶやらといふ
鹽梅
(
あんばい
)
で、たゞ
妄
(
むやみ
)
と先を急いだが、さて
何
(
ど
)
うしても村道へ出ない。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
……
酒氣
(
しゆき
)
が
天井
(
てんじやう
)
を
衝
(
つ
)
くのではない、
陰
(
いん
)
に
籠
(
こも
)
つて
疊
(
たゝみ
)
の
燒
(
や
)
けこげを
轉
(
ころ
)
げ
𢌞
(
まは
)
る。あつ
燗
(
かん
)
で
火
(
ひ
)
の
如
(
ごと
)
く
惡醉
(
あくすゐ
)
闌
(
たけなは
)
なる
最中
(
さいちう
)
。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先刻
(
さつき
)
ジョンに
毆
(
なぐ
)
られて
轉
(
ころ
)
んで怪我をした私の頭は、未だに痛みが
止
(
や
)
まず、血が流れてゐた。ジョンが、無法な
打擲
(
ちやうちやく
)
の手を私に加へても、たしなめる者も無いのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
それから
一直線
(
いつちよくせん
)
に
降
(
お
)
りて、
丁度
(
ちやうど
)
自分
(
じぶん
)
の
立
(
た
)
つてゐる
縁鼻
(
えんばな
)
の
土
(
つち
)
が、
霜柱
(
しもばしら
)
を
摧
(
くだ
)
いた
樣
(
やう
)
に
荒
(
あ
)
れてゐた。
宗助
(
そうすけ
)
は
大
(
おほ
)
きな
犬
(
いぬ
)
でも
上
(
うへ
)
から
轉
(
ころ
)
がり
落
(
お
)
ちたのぢやなからうかと
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かうした
石斧
(
せきふ
)
などを
探
(
さが
)
すのには、
畑
(
はたけ
)
に
轉
(
ころ
)
がつてゐる
石
(
いし
)
を
片端
(
かたはし
)
から
調
(
しら
)
べて
見
(
み
)
るとか、
畑
(
はたけ
)
の
傍
(
そば
)
の
小溝
(
こみぞ
)
の
中
(
なか
)
の
石塊
(
いしころ
)
とか、
畦
(
あぜ
)
に
積
(
つ
)
まれた
捨
(
す
)
て
石
(
いし
)
の
中
(
なか
)
を
熱心
(
ねつしん
)
に
探
(
さが
)
すに
限
(
かぎ
)
ります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
圍爐裡
(
ゐろり
)
の火の中へ
押込
(
おしこ
)
み如何にも酒に
醉潰
(
ゑひつぶ
)
れ
轉
(
ころ
)
げ込で
燒死
(
やけじに
)
たる樣に
拵
(
こしら
)
へたれば
知者
(
しるもの
)
更になし寶澤は
然
(
さ
)
あらぬ
體
(
てい
)
にて感應院へ
歸
(
かへ
)
り師匠へもばゝが
厚
(
あつ
)
く
禮
(
れい
)
を申せしと其場を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鳶口
(
とびぐち
)
を
手
(
て
)
にしながら
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
から
滑
(
すべ
)
りますと、ツーイ/\と
面白
(
おもしろ
)
いやうに
身體
(
からだ
)
が
行
(
ゆ
)
きました。もしか
滑
(
すべ
)
り
損
(
そこ
)
ねて
鳶口
(
とびぐち
)
で
身體
(
からだ
)
を
支
(
さゝ
)
へ
損
(
そこ
)
ねた
塲合
(
ばあひ
)
には
雪
(
ゆき
)
の
中
(
なか
)
へ
轉
(
ころ
)
げこみます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
十二月三十日
(
じふにぐわつさんじふにち
)
の
夜
(
よ
)
、
吉
(
きち
)
は
坂上
(
さかうへ
)
の
得意場
(
とくいば
)
へ
誂
(
あつら
)
への
日限
(
にちげん
)
の
遲
(
おく
)
れしを
詫
(
わ
)
びに
行
(
ゆ
)
きて、
歸
(
かへ
)
りは
懷手
(
ふところで
)
の
急
(
いそ
)
ぎ
足
(
あし
)
、
草履
(
ざうり
)
下駄
(
げた
)
の
先
(
さき
)
にかゝるものは
面白
(
おもしろ
)
づくに
蹴
(
け
)
かへして、ころ/\と
轉
(
ころ
)
げる
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
檢死
(
けんし
)
は
行
(
おこな
)
はれない
事情
(
じじやう
)
があつて、
死體
(
したい
)
は
菰包
(
こもづつ
)
みのまゝ
十日
(
とをか
)
近
(
ちか
)
くも
轉
(
ころ
)
がしてあつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
今
(
いま
)
まで
注意
(
ちうい
)
せずに
何度
(
なんど
)
も/\
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
た
其路
(
そのみち
)
から、三千
年
(
ねん
)
前
(
ぜん
)
の
遺物
(
ゐぶつ
)
を
幾個
(
いくこ
)
となく
發見
(
はつけん
)
するので、
何
(
な
)
んだか
金剛石
(
こんがうせき
)
がゴロ/\
足下
(
あしもと
)
に
轉
(
ころ
)
がつて
居
(
ゐ
)
る
樣
(
やう
)
な
氣持
(
きもち
)
までして、
嬉
(
うれ
)
しくて
溜
(
たま
)
らなかつた。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
無數の小さな河魚は醉つぱらつて浮き上り、酒の流れに口をつけて飮んだ人は泥醉して僅に燒け殘つた
母家
(
おもや
)
に
轉
(
ころ
)
がり込み、金箔の古ぼけた大きな佛壇の扉を
剥
(
は
)
がしたり歌つたり踊つたりした。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
悉
(
こと/″\
)
くやめてごろり
轉
(
ころ
)
がるとがつかりして
身體
(
からだ
)
が
解
(
と
)
けるやうな
氣
(
き
)
がした。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
刄物——が死骸の側に
轉
(
ころ
)
がつて居れば、すぐ自殺とわかつてしまひますから、よく馴れた
白犬
(
しろ
)
の
紐
(
ひも
)
を變へ、自分の首筋を斬つた苦しい中から
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
此
(
こ
)
の
野郎
(
やらう
)
こんな
忙
(
せは
)
しい
時
(
とき
)
に
轉
(
ころ
)
がり
込
(
こ
)
みやがつてくたばる
積
(
つもり
)
でもあんべえ」と
卯平
(
うへい
)
は
平生
(
へいぜい
)
になく
恁
(
こ
)
んなことをいつた。
勘次
(
かんじ
)
は
後
(
あと
)
で
獨
(
ひと
)
り
泣
(
な
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と
捻向
(
ねぢむ
)
いて、
痩按摩
(
やせあんま
)
は
腰
(
こし
)
を
屈
(
かゞ
)
めながら、
丁
(
ちやう
)
ど
足許
(
あしもと
)
に一
基
(
だい
)
あつた……
瓦斯燈
(
がすとう
)
の
根
(
ね
)
を、
其處
(
そこ
)
に
轉
(
ころ
)
がつた、ごろた
石
(
いし
)
なりにカチ/\と
杖
(
つゑ
)
で
鳴
(
な
)
らした。が
音
(
おと
)
も
響
(
ひゞ
)
かず、
靄
(
もや
)
に
沈
(
しづ
)
む。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
風
(
かぜ
)
や
雪
(
ゆき
)
で
水車小屋
(
すゐしやごや
)
の
埋
(
う
)
まつてしまひさうな
日
(
ひ
)
が
來
(
き
)
ました。
石
(
いし
)
は
毎日
(
まいにち
)
座
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
るどころか、どうかすると
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばされて、
板屋根
(
いたやね
)
の
上
(
うへ
)
から
轉
(
ころ
)
がり
落
(
お
)
ちさうに
成
(
な
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
附て道中を
成
(
なさ
)
れましと
噺
(
はな
)
しながらに行所を
此所
(
こなた
)
の
松陰
(
まつかげ
)
より
忽然
(
ぬつ
)
と出たる畔倉重四郎ものをも云ず
馬
(
うま
)
の
上
(
うへ
)
なる飛脚の
片足
(
かたあし
)
をばつさりと
切付
(
きりつけ
)
たり飛脚はアツと馬より
轉
(
ころ
)
げ落るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
恥
(
はづ
)
かしい
身
(
み
)
に
落
(
おち
)
まして
今
(
いま
)
は
家
(
うち
)
と
言
(
い
)
ふ
物
(
もの
)
も
御座
(
ござ
)
りませぬ、
寐處
(
ねどころ
)
は
淺草町
(
あさくさまち
)
の
安宿
(
やすやど
)
、
村田
(
むらた
)
といふが二
階
(
かい
)
に
轉
(
ころ
)
がつて、
氣
(
き
)
に
向
(
む
)
ひた
時
(
とき
)
は
今夜
(
こんや
)
のやうに
遲
(
おそ
)
くまで
挽
(
ひ
)
く
事
(
こと
)
もありまするし
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして
幾箇
(
いくつ
)
の橋を渡ツて幾度道を回ツたか知らぬが、ふいに、石か何かに
躓
(
つまづ
)
いて、よろ/\として、
危
(
あぶな
)
く
轉
(
ころ
)
びさうになるのを、
辛而
(
やつと
)
踏止
(
ふみとま
)
ツたが、それですツかり
眼
(
め
)
が覺めて了ツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
戲
(
たはむ
)
れに
枯草
(
かれくさ
)
へ
火
(
ひ
)
を
移
(
うつ
)
した
子供等
(
こどもら
)
は、
遙
(
はる
)
かに
見
(
み
)
える
大勢
(
おほぜい
)
の
武士
(
ぶし
)
の
姿
(
すがた
)
に
恐
(
おそ
)
れて、
周章
(
あわ
)
てながら
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
さうと、
青松葉
(
あをまつば
)
の
枝
(
えだ
)
で
叩
(
たゝ
)
くやら、
燃
(
も
)
えてゐる
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
へ
轉
(
ころ
)
がるやらして、
頻
(
しき
)
りに
騷
(
さわ
)
いでゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
子供は膝から
轉
(
ころ
)
げ落ち、私は平均を失つて、落ち、それで眼が覺めたのでした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
轉
部首:⾞
18画
“轉”を含む語句
轉倒
轉覆
移轉
廻轉
一轉
寐轉
轉換
輾轉
臥轉
轉居
一等運轉手
流轉
轉婆
運轉手
轉地
寢轉
回轉
自轉
轉寢
轉落
...