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紙
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かみ
ふりがな文庫
“
紙
(
かみ
)” の例文
さすがに、
子供
(
こども
)
どうしの
間
(
あいだ
)
では
同情
(
どうじょう
)
があって、
行商
(
ぎょうしょう
)
に
出
(
で
)
ると、
鉛筆
(
えんぴつ
)
や、
紙
(
かみ
)
などを
学校
(
がっこう
)
の
生徒
(
せいと
)
が
買
(
か
)
ってくれます。ありがたいことです。
子供は悲しみを知らず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
念佛
(
ねんぶつ
)
の
濁
(
にご
)
つた
聲
(
こゑ
)
も
明
(
あか
)
るく
響
(
ひゞ
)
いた。
地上
(
ちじやう
)
を
掩
(
おほ
)
うた
霜
(
しも
)
が
滅切
(
めつきり
)
と
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えて
寮
(
れう
)
の
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
てられた
天棚
(
てんだな
)
の
粧飾
(
かざり
)
の
赤
(
あか
)
や
青
(
あを
)
の
紙
(
かみ
)
が
明瞭
(
はつきり
)
として
來
(
き
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
茶色
(
ちゃいろ
)
の
表紙
(
ひょうし
)
に青いとじ糸を使い、中の
紙
(
かみ
)
も
日本紙
(
にほんし
)
で
片面
(
かためん
)
だけに
字
(
じ
)
をすったのを二つ
折
(
お
)
りにして
重
(
かさ
)
ねとじた、
純日本式
(
じゅんにほんしき
)
の
読本
(
とくほん
)
でした。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
蛙
(
かへる
)
の
肉
(
にく
)
を
食
(
た
)
べに
來
(
き
)
た
蜂
(
はち
)
は
餌
(
え
)
をくはへて
巣
(
す
)
の
方
(
はう
)
へ
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
きますが、その
小
(
ちひ
)
さな
蛙
(
かへる
)
の
肉
(
にく
)
についた
紙
(
かみ
)
の
片
(
きれ
)
で
巣
(
す
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
を
見定
(
みさだ
)
めるのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
小六
(
ころく
)
は
何
(
なん
)
にも
答
(
こた
)
へなかつた。
臺所
(
だいどころ
)
から
清
(
きよ
)
が
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
た
含嗽茶碗
(
うがひぢやわん
)
を
受
(
う
)
け
取
(
と
)
つて、
戸袋
(
とぶくろ
)
の
前
(
まへ
)
へ
立
(
た
)
つて、
紙
(
かみ
)
が
一面
(
いちめん
)
に
濡
(
ぬ
)
れる
程
(
ほど
)
霧
(
きり
)
を
吹
(
ふ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
柳
(
やなぎ
)
の
葉
(
は
)
の
翠
(
みどり
)
を
透
(
す
)
かして、
障子
(
しやうじ
)
の
紙
(
かみ
)
は
新
(
あた
)
らしく
白
(
しろ
)
いが、
秋
(
あき
)
が
近
(
ちか
)
いから、
破
(
やぶ
)
れて
煤
(
すゝ
)
けたのを
貼替
(
はりか
)
へたので、
新規
(
しんき
)
に
出來
(
でき
)
た
店
(
みせ
)
ではない。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今でもから
紙
(
かみ
)
、
障子
(
しょうじ
)
や
屏風
(
びょうぶ
)
の装飾には、是を使ったものが幾らも見られるけれども、衣服の材料としては次第に用いなくなって来たのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ところが、そのとき、
兄
(
にい
)
さんの
三之助
(
さんのすけ
)
が、ほご
紙
(
し
)
(ものをかきそこなって、
不用
(
ふよう
)
になった
紙
(
かみ
)
)を
部屋
(
へや
)
いっぱいにひろげて、
整理
(
せいり
)
をしていました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
霜夜
(
しもよ
)
ふけたる
枕
(
まくら
)
もとに
吹
(
ふ
)
くと
無
(
な
)
き
風
(
かぜ
)
つま
戸
(
ど
)
の
隙
(
ひま
)
より
入
(
い
)
りて
障子
(
しようじ
)
の
紙
(
かみ
)
のかさこそと
音
(
おと
)
するも
哀
(
あは
)
れに
淋
(
さび
)
しき
旦那樣
(
だんなさま
)
の
御留守
(
おんるす
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
まだ
字
(
じ
)
を
書
(
か
)
くことさえよく
出来
(
でき
)
ないうちから、
家計簿
(
かけいぼ
)
の
紙
(
かみ
)
をちぎりとっては、いろいろな
音符
(
おんぷ
)
を一
生懸命
(
しょうけんめい
)
書
(
か
)
きちらした。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
紙をまとめて、机代りの箱の上にのせ、硯に
紙
(
かみ
)
の被をし筆を拭くと、左の手でグイと押しやって、そのまんま
燈
(
あか
)
りの真下へ、ゴロンと仰向になった。
栄蔵の死
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
さういひながら、
玄関
(
げんくわん
)
つゞきの
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
へはひると、青木さんは
紙
(
かみ
)
にくるんだ
額面
(
がくめん
)
十円の△△
債劵
(
さいけん
)
を
背広
(
せびろ
)
の内がくしから、
如何
(
いか
)
にも大
事
(
じ
)
さうに
取
(
とり
)
出した。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
參詣
(
さんけい
)
の
老若男女
(
らうにやくなんによ
)
は、ぞろ/\と、
織
(
お
)
るやうに
松並木
(
まつなみき
)
の
路
(
みち
)
を
往來
(
わうらい
)
して、
袋
(
ふくろ
)
に
入
(
はひ
)
つた
飴
(
あめ
)
や、
紙
(
かみ
)
で
拵
(
こしら
)
へた
旗
(
はた
)
のやうなものが、
子供
(
こども
)
の
手
(
て
)
にも
大人
(
おとな
)
の
手
(
て
)
にもあつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
頭
(
あたま
)
のてっぺんまで、
汚泥
(
はね
)
の
揚
(
あ
)
がるのもお
構
(
かま
)
いなく、
横
(
よこ
)
ッ
飛
(
と
)
びに
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
した
市松
(
いちまつ
)
には、
雨
(
あめ
)
なんぞ、
芝居
(
しばい
)
で
使
(
つか
)
う
紙
(
かみ
)
の
雪
(
ゆき
)
ほどにも
感
(
かん
)
じられなかったのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それから、
大
(
おほ
)
きな
木材
(
もくざい
)
から
細
(
こま
)
かな
纎維
(
せんい
)
をとつて
紙
(
かみ
)
をこしらへたり、その
他
(
ほか
)
にも
使
(
つか
)
ふようにもなり、
最近
(
さいきん
)
では
人造絹絲
(
じんぞうけんし
)
の
原料
(
げんりよう
)
にも
澤山
(
たくさん
)
の
木材
(
もくざい
)
を
使
(
つか
)
つてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
一同
(
みんな
)
筆
(
ふで
)
紙
(
かみ
)
墨
(
すみ
)
の用意して
愡掛
(
そうがか
)
りだと云た所で
茲
(
ここ
)
に一つ困る事には、大切な黒田様の蔵書を
毀
(
こわ
)
すことが出来ない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その娘は非常に
醜
(
みにく
)
くて青い
鼻
(
はな
)
汁をグスグスいはせてゐるが、××樣があたしをくどくのなんのと書いた
紙
(
かみ
)
を捨ておいて、いつもあたしを困らせてゐるのだつた。
お灸
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
といって、大きな、いいにおいのするみかんを三つ、りっぱな
紙
(
かみ
)
にのせて、お
供
(
とも
)
の
侍
(
さむらい
)
に
渡
(
わた
)
しました。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ホールは、きょろきょろとあたりを見まわし、
机
(
つくえ
)
のうえいっぱいに、むずかしそうなこまかい
数字
(
すうじ
)
をかきこんだ
紙
(
かみ
)
が
散
(
ち
)
らばっているのをみると、ばかにしたようすで
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ロミオ そりゃ
實
(
まこと
)
か?……おのれ、
怨
(
うら
)
めしい
運星
(
うんせい
)
めら!……
俺
(
おれ
)
の
宿
(
やど
)
を
知
(
し
)
ってゐような。
筆
(
ふで
)
と
紙
(
かみ
)
とを
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れて、そして
驛馬
(
はやうま
)
をも
傭
(
やと
)
うてくれ。
今宵
(
こよひ
)
のうちに
出發
(
た
)
たうわ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
かれの
歩
(
あゆ
)
むにつれ彼の手から、
紙
(
かみ
)
でつくった
桃色
(
ももいろ
)
の
蓮華
(
れんげ
)
の
花片
(
はなびら
)
がひらひら
往来
(
おうらい
)
へ
散
(
ち
)
らばった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下っ引の一人が、小さい
紙
(
かみ
)
っ
片
(
きれ
)
を拾って来たのは、そのまた翌る夜の
亥刻
(
よつ
)
(十時)過ぎ。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一〇八
窓
(
まど
)
の
紙
(
かみ
)
松風
(
まつかぜ
)
を
啜
(
すす
)
りて夜もすがら涼しきに、
一〇九
途
(
みち
)
の
長手
(
ながて
)
に
労
(
つか
)
れ
熟
(
うま
)
く
寝
(
い
)
ねたり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
道子
(
みちこ
)
は
母
(
はゝ
)
のみならず
父
(
ちゝ
)
の
墓
(
はか
)
も——
戦災
(
せんさい
)
で
生死不明
(
せいしふめい
)
になつた
為
(
た
)
め、
今
(
いま
)
だに
立
(
た
)
てずにある
事
(
こと
)
を
語
(
かた
)
り、
母
(
はゝ
)
の
戒名
(
かいみやう
)
と
共
(
とも
)
に
並
(
なら
)
べて
石
(
いし
)
に
掘
(
ほ
)
つて
貰
(
もら
)
ふやうに
頼
(
たの
)
み、
百円札
(
ひやくゑんさつ
)
二三
枚
(
まい
)
を
紙
(
かみ
)
に
包
(
つゝ
)
んで
出
(
だ
)
した。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
と
漸
(
ようや
)
く硯箱を取寄せて、
紙
(
かみ
)
筆
(
ふで
)
を
把
(
と
)
らせましても、お照は紙の上に涙をぽろ/\こぼしますから、墨がにじみ幾度も
書損
(
かきそこ
)
ない、よう/\重二郎の云う儘に書終り、封を固く致しました。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
驚
(
おどろ
)
いたことには、
虎
(
とら
)
の
子
(
こ
)
のやうに
大切
(
たいせつ
)
にしてゐるウェルスの
手紙
(
てがみ
)
など
入
(
い
)
れた
折鞄
(
をりかばん
)
のなかから、
黒髪
(
くろかみ
)
の
一
(
ひ
)
と
束
(
たば
)
と
短刀
(
たんたう
)
とが、
紙
(
かみ
)
にくるんで、
紐
(
ひも
)
で
結
(
いは
)
へられたまゝ、
竹村
(
たけむら
)
の
前
(
まへ
)
に
引出
(
ひきだ
)
されたことであつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
紙
(
かみ
)
へ
伸
(
のべ
)
て
腫物
(
しゆもつ
)
の上に
貼置
(
はりおき
)
けるに其
夜
(
よ
)
亥刻頃
(
よつごろ
)
より痛む事甚だ
敷
(
しく
)
曉方
(
あけがた
)
に成て
自然
(
しぜん
)
と
潰
(
つひ
)
え
膿
(
うみ
)
の出る事
夥多敷
(
おびたゞしく
)
暫時
(
しばらく
)
有て
痛
(
いたみ
)
は
忘
(
わす
)
れたる如く
去
(
さり
)
ければ少しづつ
動
(
うご
)
かし見るに是迄
寢返
(
ねがへ
)
りも自由に成ざりし足が
膝
(
ひざ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なん
)
と
答
(
こたへ
)
もしら
紙
(
かみ
)
の
桜さく島:春のかはたれ
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
紺地
(
こんぢ
)
の
紙
(
かみ
)
に
金泥
(
こんでい
)
の
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
黄
(
き
)
いろい
紙
(
かみ
)
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ある
日
(
ひ
)
のこと、
彼女
(
かのじょ
)
は、いつか
赤
(
あか
)
い
紙
(
かみ
)
に
石
(
いし
)
を
包
(
つつ
)
んで
投
(
な
)
げた
岩
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
にきて、
海
(
うみ
)
を
望
(
のぞ
)
みながら、
神
(
かみ
)
さまに
手
(
て
)
を
合
(
あ
)
わせて、
静
(
しず
)
かに
祈
(
いの
)
りました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
梯子
(
はしご
)
の
樣
(
やう
)
な
細長
(
ほそなが
)
い
枠
(
わく
)
へ
紙
(
かみ
)
を
張
(
は
)
つたり、ペンキ
塗
(
ぬり
)
の一
枚板
(
まいいた
)
へ
模樣畫
(
もやうぐわ
)
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
な
色彩
(
しきさい
)
を
施
(
ほど
)
こしたりしてある。
宗助
(
そうすけ
)
はそれを
一々
(
いち/\
)
讀
(
よ
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
追憶
(
つゐおく
)
に
堪
(
た
)
へなくなつてはお
品
(
しな
)
の
墓塋
(
はか
)
に
泣
(
な
)
いた。
彼
(
かれ
)
は
紙
(
かみ
)
が
雨
(
あめ
)
に
溶
(
と
)
けてだらりとこけた
白張提灯
(
しらはりちやうちん
)
を
恨
(
うら
)
めし
相
(
さう
)
に
見
(
み
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
紙
(
かみ
)
づつみの
鹽煎餅
(
しほせんべい
)
と、
夏蜜柑
(
なつみかん
)
を
持
(
も
)
つて、
立寄
(
たちよ
)
つて、
言
(
ことば
)
も
通
(
つう
)
ぜず
慰
(
なぐさ
)
めた
人
(
ひと
)
がある。
私
(
わたし
)
は、
人
(
ひと
)
のあはれと、
人
(
ひと
)
の
情
(
なさけ
)
に
涙
(
なみだ
)
ぐんだ——
今
(
いま
)
も
泣
(
な
)
かるゝ。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
紙
(
かみ
)
と
絲
(
いと
)
とはお
祖母
(
ばあ
)
さんが
下
(
くだ
)
さる、
骨
(
ほね
)
の
竹
(
たけ
)
は
裏
(
うら
)
の
竹籔
(
たけやぶ
)
から
爺
(
ぢい
)
やが
切
(
き
)
つて
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れる、
何
(
なに
)
もかもお
家
(
うち
)
にある
物
(
もの
)
で
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
と、
諭吉
(
ゆきち
)
はふまんにおもい、そして、
紙
(
かみ
)
の
上
(
うえ
)
の
文字
(
もじ
)
を、ただたいせつにするということに、うたがいがわいてきました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
左樣
(
さやう
)
ならばと
挨拶
(
あいさつ
)
すれば
録之助
(
ろくのすけ
)
は
紙
(
かみ
)
づゝみを
頂
(
いたゞ
)
いて、お
辭儀
(
じぎ
)
申
(
まを
)
す
筈
(
はづ
)
なれど
貴孃
(
あなた
)
のお
手
(
で
)
より
下
(
くだ
)
されたのなれば、あり
難
(
がた
)
く
頂戴
(
ちようだい
)
して
思
(
おも
)
ひ
出
(
で
)
にしまする
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ロミオ
名
(
な
)
は
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
うたものか
予
(
わし
)
は
知
(
し
)
らぬ。なう、
我
(
わが
)
聖者
(
せいじゃ
)
よ、わが
名
(
な
)
は
君
(
きみ
)
の
敵
(
かたき
)
ぢゃとあるゆゑ、
自分
(
じぶん
)
ながら
憎
(
にく
)
うて/\、
紙
(
かみ
)
に
書
(
か
)
いてあるものなら、
引破
(
ひきやぶ
)
ってしまひたい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
なまいきな
態度
(
たいど
)
で一枚の紙きれをさしだしたが、ひょいとぼくの顔をみると、
目玉
(
めだま
)
がとびでるほどおどろいて、
紙
(
かみ
)
きれをその場にほうりだして、ころがるように逃げていったよ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そ、その
料簡
(
りょうけん
)
がいけねえんだ。
腹
(
はら
)
にあろうがなかろうが、
武士
(
ぶし
)
は
戦略
(
せんりゃく
)
、
坊主
(
ぼうず
)
は
方便
(
ほうべん
)
、
時
(
とき
)
と
場合
(
ばあい
)
じゃ、
人
(
ひと
)
の
寝首
(
ねくび
)
をかくことさえあろうじゃねえか。——さ、ここに
筆
(
ふで
)
と
紙
(
かみ
)
がある。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
三
人
(
にん
)
のお
嫁
(
よめ
)
さんは、
音楽
(
おんがく
)
でも
負
(
ま
)
けたものですから、こんどは
硯
(
すずり
)
と
紙
(
かみ
)
を
出
(
だ
)
して
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
致し
切付
(
きりつけ
)
たれば其者
迯行
(
にげゆき
)
しが跡に
落
(
おと
)
せし物あるにより
拾上
(
ひろひあげ
)
て見れば百兩の金を
紙
(
かみ
)
に
包
(
つゝみ
)
水引を掛け上書に奉納と
書記
(
かきしる
)
し有りし事を承まはり候と申立ければ夫にて
宜
(
よし
)
と女房は
其儘
(
そのまゝ
)
歸されたり偖大岡殿
智略
(
ちりやく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし、
姉
(
あね
)
が
窓
(
まど
)
からのぞいてみると、
紙
(
かみ
)
のお
馬
(
うま
)
はいつのまにか
乾
(
かわ
)
いて、
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて
飛
(
と
)
んで、あちらの
屋根
(
やね
)
のといにかかっていました。
びっこのお馬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
電氣
(
でんき
)
の一
極
(
きよく
)
を
活字
(
くわつじ
)
と
結
(
むす
)
び
付
(
つ
)
けて
置
(
お
)
いて、
他
(
た
)
の一
極
(
きよく
)
を
紙
(
かみ
)
に
通
(
つう
)
じて、
其紙
(
そのかみ
)
を
活字
(
くわつじ
)
の
上
(
うへ
)
へ
壓
(
お
)
し
付
(
つ
)
けさへすれば、すぐ
出來
(
でき
)
るのだと
小六
(
ころく
)
が
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
繩
(
なは
)
には
注連
(
しめ
)
のやうに
刻
(
きざ
)
んだ
其
(
そ
)
の
赤
(
あか
)
や
青
(
あを
)
や
黄
(
き
)
の
紙
(
かみ
)
が一
杯
(
ぱい
)
にひら/\と
吊
(
つ
)
られてある。
彼等
(
かれら
)
は
昨日
(
きのふ
)
の
内
(
うち
)
に一
切
(
さい
)
の
粧飾
(
かざり
)
をして
雞
(
にはとり
)
の
鳴
(
な
)
くのを
待
(
ま
)
つたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
はめい/\お
餅
(
もち
)
を
竿
(
さを
)
の
先
(
さき
)
にさしてその
火
(
ひ
)
で
燒
(
や
)
いて
食
(
た
)
べたり、
子供
(
こども
)
のお
清書
(
せいしよ
)
を
煙
(
けむり
)
の
中
(
なか
)
に
投
(
な
)
げこんで、
高
(
たか
)
く
空
(
そら
)
にあがつて
行
(
ゆ
)
く
紙
(
かみ
)
の
片
(
きれ
)
を
眺
(
なが
)
めたりしました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
廣小路
(
ひろこうぢ
)
を
出
(
いづ
)
れば
車
(
くるま
)
もあり、
阿關
(
おせき
)
は
紙入
(
かみい
)
れより
紙幣
(
しへい
)
いくらか
取出
(
とりいだ
)
して
小菊
(
こぎく
)
の
紙
(
かみ
)
にしほらしく
包
(
つゝ
)
みて、
録
(
ろく
)
さんこれは
誠
(
まこと
)
に
失禮
(
しつれい
)
なれど
鼻紙
(
はながみ
)
なりとも
買
(
か
)
つて
下
(
くだ
)
され
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さっそく、
羽
(
はね
)
ペンと
墨汁
(
ぼくじゅう
)
と
紙
(
かみ
)
を
用意
(
ようい
)
して、二百ページあまりの
築城書
(
ちくじょうしょ
)
を、かたっぱしからうつしはじめました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
手巾
(
ハンカチ
)
の
洗
(
あら
)
つたの、ビスミツト、
紙
(
かみ
)
に
包
(
つゝ
)
んでありますよ。
寶丹
(
はうたん
)
、
鶯懷爐
(
うぐひすくわいろ
)
、それから
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
が
一册
(
いつさつ
)
、いつも
旅
(
たび
)
と
云
(
い
)
ふと
持
(
も
)
つておいでなさいますが、
何
(
なん
)
になるんです。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ぼくの
部屋
(
へや
)
でさわいでいた
連中
(
れんちゅう
)
がすっかりひきあげると、そっと、おやじの部屋から、ぼくの部屋にひきかえして、そのへんにある
書類
(
しょるい
)
や
紙
(
かみ
)
くずを山とつみあげ、マッチをすって
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
“紙”の意味
《名詞》
(かみ)植物などの繊維をくっつけ合わせ、薄く平(たいら)にしたもの。
(出典:Wiktionary)
“紙”の解説
紙(かみ)またはペーパーとは、植物などの繊維を絡ませながら薄く平(たいら)に成形したもの。日本産業規格 (JIS) では、「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの」と定義されている。
2
(出典:Wikipedia)
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
“紙”を含む語句
紙片
白紙
紙包
畳紙
表紙
懐紙
手紙
紙縒
油紙
紙巻煙草
象牙紙
紙幣
紙燭
貼紙
紙捻
紙撚
折紙
紙雛
疊紙
紙幣入
...