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廊下
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らうか
ふりがな文庫
“
廊下
(
らうか
)” の例文
しるべの
燈火
(
ともしび
)
かげゆれて、
廊下
(
らうか
)
の
闇
(
やみ
)
に
恐
(
おそ
)
ろしきを
馴
(
な
)
れし
我家
(
わがや
)
の
何
(
なに
)
とも
思
(
おも
)
はず、
侍女
(
こしもと
)
下婢
(
はした
)
が
夢
(
ゆめ
)
の
最中
(
たゞなか
)
に
奧
(
おく
)
さま
書生
(
しよせい
)
の
部屋
(
へや
)
へとおはしぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うろつく
者
(
もの
)
には、
傍目
(
わきめ
)
も
觸
(
ふ
)
らず、
肅然
(
しゆくぜん
)
として
廊下
(
らうか
)
を
長
(
なが
)
く
打
(
う
)
つて、
通
(
とほ
)
つて、
廣
(
ひろ
)
い
講堂
(
かうだう
)
が、
青白
(
あをじろ
)
く
映
(
うつ
)
つて
開
(
ひら
)
く、
其處
(
そこ
)
へ
堂々
(
だう/\
)
と
入
(
はひ
)
つたのです。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
僕も
亦
(
また
)
或晩春の午後、或オペラの楽屋の
廊下
(
らうか
)
に彼等の
一群
(
いちぐん
)
を見たことがある。彼等は佐藤君の書いたやうに、ぞろぞろ廻り
梯子
(
ばしご
)
を下つて行つた。
野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さうして、
又
(
また
)
廊下
(
らうか
)
を
踏
(
ふ
)
み
鳴
(
な
)
らして
奧
(
おく
)
の
方
(
はう
)
へ
行
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
沈默
(
ちんもく
)
の
間
(
あひだ
)
に
行
(
おこな
)
はれる
此
(
この
)
順序
(
じゆんじよ
)
を
見
(
み
)
ながら、
膝
(
ひざ
)
に
手
(
て
)
を
載
(
の
)
せて、
自分
(
じぶん
)
の
番
(
ばん
)
の
來
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
全
(
まつた
)
く
不思議
(
ふしぎ
)
な
事
(
こと
)
でございました。
或
(
あ
)
る
日
(
ひ
)
山
(
やま
)
から
虎
(
とら
)
に
騎
(
の
)
つて
歸
(
かへ
)
つて
參
(
まゐ
)
られたのでございます。そして
其
(
その
)
儘
(
まゝ
)
廊下
(
らうか
)
へ
這入
(
はひ
)
つて、
虎
(
とら
)
の
背
(
せ
)
で
詩
(
し
)
を
吟
(
ぎん
)
じて
歩
(
ある
)
かれました。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
「だから、どこへ? 場所をきめろ」さう言ひながら周三は
廊下
(
らうか
)
へ來て、その奧の非常口の方へ歩いてゐた。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
室内
(
しつない
)
と
云
(
い
)
はず、
廊下
(
らうか
)
と
云
(
い
)
はず、
庭
(
には
)
と
云
(
い
)
はず、
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
はれぬ
臭氣
(
しうき
)
が
鼻
(
はな
)
を
衝
(
つ
)
いて、
呼吸
(
いき
)
をするさへ
苦
(
くる
)
しい
程
(
ほど
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
取なと
言
(
いは
)
るゝに忠右衞門
殊勝
(
けなげ
)
にも然らば
父上
(
ちゝうへ
)
御免を
蒙
(
かうむ
)
り御先へ切腹仕つり
黄泉
(
くわうせん
)
の
露拂
(
つゆはら
)
ひ致さんと
潔
(
いさぎ
)
よくも
短刀
(
たんたう
)
を兩手に
持
(
もち
)
左の
脇腹
(
わきばら
)
へ既に
突立
(
つきたて
)
んとする
折柄
(
をりから
)
廊下
(
らうか
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
中の間を通つて便所までは一本
廊下
(
らうか
)
で、その先にお勝手があり、それから下女のお六や手代の彌吉の部屋になり、そして
離屋
(
はなれ
)
のやうになつて主人の六右衞門夫婦
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さて雪中は
廊下
(
らうか
)
に(江戸にいふ
店
(
たな
)
下)
雪垂
(
ゆきだれ
)
を(かやにてあみたるすだれをいふ)
下
(
くだ
)
し、(
雪吹
(
ふゞき
)
をふせぐため也)
窗
(
まど
)
も又これを用ふ。雪ふらざる時は
巻
(
まい
)
て
明
(
あかり
)
をとる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
本堂の
廊下
(
らうか
)
には
此処
(
こゝ
)
で
夜明
(
よあか
)
ししたらしい
迂散
(
うさん
)
な男が今だに
幾人
(
いくにん
)
も
腰
(
こし
)
をかけて
居
(
ゐ
)
て、
其
(
そ
)
の中には
垢
(
あか
)
じみた
単衣
(
ひとへ
)
の
三尺帯
(
さんじやくおび
)
を解いて平気で
褌
(
ふんどし
)
をしめ直してゐる
奴
(
やつ
)
もあつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
其次
(
そのつぎ
)
行
(
い
)
つた時に、
腹
(
はら
)
が立ちましたからギーツと
表
(
おもて
)
を開けて、
廊下
(
らうか
)
をバタ/″\
駈出
(
かけだ
)
して、
突然
(
いきなり
)
書斎
(
しよさい
)
の
開
(
ひら
)
き
戸
(
ど
)
をガチリバタリと
開
(
あ
)
けて先生の
傍
(
そば
)
まで
行
(
ゆ
)
きました、先生は
驚
(
おどろ
)
いて先
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
冷
(
ひ
)
え/″\として
硝子
(
がらす
)
のそとに、いつからか
糸
(
いと
)
のやうに
細
(
こま
)
かな
雨
(
あめ
)
が
音
(
おと
)
もなく
降
(
ふ
)
つてゐる、
上草履
(
うはざうり
)
の
靜
(
しづ
)
かに
侘
(
わ
)
びしい
響
(
ひゞき
)
が、
白衣
(
びやくえ
)
の
裾
(
すそ
)
から
起
(
おこ
)
つて、
長
(
なが
)
い
廊下
(
らうか
)
を
先
(
さき
)
へ/\と
這
(
は
)
うて
行
(
ゆ
)
く。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「左樣なら、ゲィツヘッド!」私たちが
廊下
(
らうか
)
を通つて玄關へ出ていつた時、私は叫んだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
この
書院
(
しよゐん
)
から
中
(
なか
)
の
間
(
ま
)
へつゞく
廊下
(
らうか
)
のあたりは、
父
(
とう
)
さんのよく
遊
(
あそ
)
んだところです。
中
(
なか
)
の
間
(
ま
)
はお
家
(
うち
)
のなかでも一
番
(
ばん
)
明
(
あか
)
るい
部屋
(
へや
)
でして、
遠
(
とほ
)
く
美濃
(
みの
)
の
國
(
くに
)
の
方
(
はう
)
の
空
(
そら
)
までその
部屋
(
へや
)
から
見
(
み
)
えました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
冠
松
(
まつ
)
は
廊下
(
らうか
)
のヒダで自分のシワを作つた。
冠松次郎氏におくる詩
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
気ぬけして
廊下
(
らうか
)
に立ちぬ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ながい
廊下
(
らうか
)
の
窓
(
まど
)
のした
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
廊下
(
らうか
)
ゆく重き
足音
(
あしおと
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
何處
(
どこ
)
へゆく
何處
(
どこ
)
へゆく、
逃
(
に
)
げてはならないと
坐中
(
ざちう
)
の
騷
(
さわ
)
ぐに
照
(
てー
)
ちやん
高
(
たか
)
さん
少
(
すこ
)
し
頼
(
たの
)
むよ、
直
(
じ
)
き
歸
(
かへ
)
るからとてずつと
廊下
(
らうか
)
へ
急
(
いそ
)
ぎ
足
(
あし
)
に
出
(
いで
)
しが
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
ど
)
うかすると
石
(
いし
)
の
手水鉢
(
てうづばち
)
が、
柳
(
やなぎ
)
の
影
(
かげ
)
に
青
(
あを
)
いのに、
清
(
きよ
)
らかな
掛手拭
(
かけてぬぐひ
)
が
眞白
(
まつしろ
)
にほのめくばかり、
廊下
(
らうか
)
づたひの
氣勢
(
けはひ
)
はしても、
人目
(
ひとめ
)
には
唯
(
たゞ
)
軒
(
のき
)
の
荵
(
しのぶ
)
。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
取な
早々
(
はや/″\
)
用意を致せと
云
(
いふ
)
言葉
(
ことば
)
に隨て然ば御先へと又
短刀
(
たんたう
)
を
持直
(
もちなほ
)
しあはや只今
突立
(
つきたて
)
んとする時亦々
廊下
(
らうか
)
に
物音
(
ものおと
)
凄
(
すさま
)
じく聞えければ越前守何事やらん
今暫
(
いましばら
)
くと忠右衞門を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その聲を聽いて、家中の者が
廊下
(
らうか
)
の一端に驅けつけました。其處は内儀のお春の部屋で、唐紙を開けた敷居際まで、首に細引を卷かれた死骸が轉げ出してゐたのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
道子
(
みちこ
)
は
廊下
(
らうか
)
の
突当
(
つきあた
)
りに
襖
(
ふすま
)
のあけたまゝになつた
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ、
客
(
きやく
)
と
共
(
とも
)
に
入
(
はい
)
ると、
枕
(
まくら
)
二
(
ふた
)
ツ
並
(
なら
)
べた
夜具
(
やぐ
)
が
敷
(
し
)
いてあつて、
窓
(
まど
)
に
沿
(
そ
)
ふ
壁際
(
かべぎは
)
に
小形
(
こがた
)
の
化粧鏡
(
けしやうかゞみ
)
とランプ
形
(
がた
)
のスタンドや
灰皿
(
はひざら
)
。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
「
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
きませう」と
云
(
い
)
つて、
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
を
通
(
とほ
)
り
越
(
こ
)
して、
廊下
(
らうか
)
傳
(
づた
)
ひに
小
(
ちひ
)
さな
書齋
(
しよさい
)
へ
入
(
はひ
)
つた。
其所
(
そこ
)
には
棕梠
(
しゆろ
)
の
筆
(
ふで
)
で
書
(
か
)
いた
樣
(
やう
)
な、
大
(
おほ
)
きな
硬
(
こは
)
い
字
(
じ
)
が五
字
(
じ
)
ばかり
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
に
懸
(
かゝ
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何故
(
なぜ
)
と云ふと彼が
廊下
(
らうか
)
へ出るか出ないのに、
後
(
あと
)
を追つてするすると裾を引いて来た芸者の
一人
(
ひとり
)
が突然彼の
頸
(
くび
)
へ
抱
(
だ
)
きついたからである。さうして彼の酒臭い
脣
(
くちびる
)
へ
潔
(
いさぎよ
)
い接吻をした。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ある
地方
(
ちはう
)
の
郡立病院
(
ぐんりつびやうゐん
)
に、
長年
(
ながねん
)
看護婦長
(
かんごふちやう
)
をつとめて
居
(
を
)
るもとめは、
今日
(
けふ
)
一
日
(
にち
)
の
時間
(
じかん
)
からはなたれると、
急
(
きふ
)
に
心
(
こゝろ
)
も
體
(
からだ
)
も
弛
(
たる
)
んでしまつたやうな
氣持
(
きも
)
ちで、
暮
(
く
)
れて
行
(
ゆ
)
く
廊下
(
らうか
)
を
靜
(
しづ
)
かに
歩
(
ある
)
いてゐた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
其
(
そ
)
れでゐて
足音
(
あしおと
)
は
極
(
ご
)
く
靜
(
しづか
)
で、
歩
(
ある
)
く
樣子
(
やうす
)
は
注意深
(
ちゆういぶか
)
い
忍足
(
しのびあし
)
のやうである。
狹
(
せま
)
い
廊下
(
らうか
)
で
人
(
ひと
)
に
出遇
(
であ
)
ふと、
先
(
ま
)
づ
道
(
みち
)
を
除
(
よ
)
けて
立留
(
たちどま
)
り、『
失敬
(
しつけい
)
』と、さも
太
(
ふと
)
い
聲
(
こゑ
)
で
云
(
い
)
ひさうだが、
細
(
ほそ
)
いテノルで
然
(
さ
)
う
挨拶
(
あいさつ
)
する。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
廊下
(
らうか
)
を
下
(
さ
)
がる
蜘蛛
(
くも
)
と
人間
(
にんげん
)
冠松次郎氏におくる詩
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
長
廊下
(
らうか
)
かな。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
素通
(
すどほ
)
りもなるまいとてずつと
這入
(
はい
)
るに、
忽
(
たちま
)
ち
廊下
(
らうか
)
にばた/\といふ
足
(
あし
)
おと、
姉
(
ねへ
)
さんお
銚子
(
てうし
)
と
聲
(
こゑ
)
をかければ、お
肴
(
さかな
)
は
何
(
なに
)
をと
答
(
こた
)
ふ。
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
とすると、
先祖
(
せんぞ
)
へはともかく、
友達
(
ともだち
)
の
顏
(
かほ
)
にかゝはる……と
膽
(
たん
)
を
廊下
(
らうか
)
に
錬
(
ね
)
つて
行
(
ゆ
)
くと、
女中
(
ぢよちう
)
に
案内
(
あんない
)
されたのは、
此
(
これ
)
は
又
(
また
)
心易
(
こゝろやす
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
玄関の東側には
廊下
(
らうか
)
があり、その廊下の
欄干
(
らんかん
)
の
外
(
そと
)
には、冬を知らない
木賊
(
とくさ
)
の色が一面に庭を
埋
(
うづ
)
めてゐるが、客間の
硝子
(
ガラス
)
戸を
洩
(
も
)
れる電燈の光も、今は
其処
(
そこ
)
までは照らしてゐない。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
梯子段
(
はしごだん
)
を
上
(
あが
)
ると、
廊下
(
らうか
)
の
片側
(
かたがは
)
に
顔
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ふ
流
(
なが
)
し
場
(
ば
)
と
便所
(
べんじよ
)
の
杉戸
(
すぎど
)
があり、
片側
(
かたがは
)
には三
畳
(
でふ
)
と六
畳
(
でふ
)
の
座敷
(
ざしき
)
が
三間
(
みま
)
ほど、いづれも
客
(
きやく
)
があるらしく
閉
(
し
)
め
切
(
き
)
つた
襖
(
ふすま
)
の
外
(
そと
)
にスリツパが
㧞
(
ぬ
)
ぎ
捨
(
す
)
てゝある。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
彼
(
かれ
)
は
弱味
(
よわみ
)
のある
自分
(
じぶん
)
に
恐
(
おそ
)
れを
抱
(
いだ
)
きつゝ、
入口
(
いりぐち
)
を
出
(
で
)
て
冷
(
つめ
)
たい
廊下
(
らうか
)
へ
足
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
み
出
(
だ
)
した。
廊下
(
らうか
)
は
長
(
なが
)
く
續
(
つゞ
)
いた。
右側
(
みぎがは
)
にある
室
(
へや
)
は
悉
(
こと/″\
)
く
暗
(
くら
)
かつた。
角
(
かど
)
を
二
(
ふた
)
つ
折
(
を
)
れ
曲
(
まが
)
ると、
向
(
むかふ
)
の
外
(
はづ
)
れの
障子
(
しやうじ
)
に
灯影
(
ひかげ
)
が
差
(
さ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
病院
(
びやうゐん
)
では
外來患者
(
ぐわいらいくわんじや
)
がもう
診察
(
しんさつ
)
を
待構
(
まちかま
)
へて、
狹
(
せま
)
い
廊下
(
らうか
)
に
多人數
(
たにんず
)
詰掛
(
つめか
)
けてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
早
(
はや
)
其夜も
既
(
すで
)
に
亥刻
(
よつどき
)
過皆々
床
(
とこ
)
へ入たる
樣子
(
やうす
)
にて
座敷々々
(
ざしき/\
)
も
寂
(
しん
)
と成ければ
瀬川
(
せがは
)
は
用意
(
ようい
)
の
短刀
(
たんたう
)
を
隱
(
かく
)
し
持
(
もち
)
八重咲
(
やへざき
)
の座敷へ
行
(
ゆき
)
八重咲
(
やへざき
)
さん/\と
呼
(
よぶ
)
に
八重咲
(
やへざき
)
は何の
氣
(
き
)
も
付
(
つか
)
ずアイと
答
(
こた
)
へて
廊下
(
らうか
)
へ出るを
何
(
なに
)
か用を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
廊下
(
らうか
)
でフト逢つた若い女に、平次は聲を掛けました。
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
黒部峡谷
(
くろべけふこく
)
の
廊下
(
らうか
)
の
壁
(
かべ
)
冠松次郎氏におくる詩
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
『きやつ、』と
言
(
い
)
つて、
私
(
わたくし
)
は
鉄砲玉
(
てつぱうだま
)
のやうに
飛出
(
とびだ
)
したが、
廊下
(
らうか
)
の
壁
(
かべ
)
に
額
(
ひたひ
)
を
打
(
ぶ
)
つて、ばつたり
倒
(
たふ
)
れた。……
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
母
(
はゝ
)
もひきつけて
了
(
しま
)
つたさうです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此邸
(
こゝ
)
にては
煤取
(
すゝとり
)
の
笹
(
さゝ
)
の
葉
(
は
)
座敷
(
ざしき
)
にこぼれて、
冷
(
ひや
)
めし
草履
(
ぞうり
)
こゝかしこの
廊下
(
らうか
)
に
散
(
ちり
)
みだれ、お
雜巾
(
ぞうきん
)
かけまする
物
(
もの
)
、お
疊
(
たゝみ
)
たゝく
物
(
もの
)
、
家内
(
かない
)
の
調度
(
てうど
)
になひ
廻
(
まは
)
るも
有
(
あ
)
れば、お
振舞
(
ふるまひ
)
の
酒
(
さゝ
)
に
醉
(
ゑ
)
ふて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何かものを考へるのに
善
(
よ
)
いのはカツフエの一番隅の
卓子
(
テエブル
)
、それから孤独を感じるのに
善
(
よ
)
いのは人通りの多い
往来
(
わうらい
)
のまん中、最後に静かさを味ふのに善いのは開幕中の劇場の
廊下
(
らうか
)
、……
都会で
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
平次はそれを追つて、
廊下
(
らうか
)
で呼び留めました。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
姉
(
ねえ
)
さん、』と
仰向
(
あふむ
)
くと
上
(
うへ
)
から
俯向
(
うつむ
)
いて
見
(
み
)
たやうに
思
(
おも
)
ふ、……
廊下
(
らうか
)
の
長
(
なが
)
い、
黄昏時
(
たそがれどき
)
の
扉
(
ひらき
)
の
際
(
きは
)
で、むら/\と
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
が、
其時
(
そのとき
)
は
戦
(
そよ
)
いだやうに
思
(
おも
)
ひました。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今
(
いま
)
の
客人
(
きやくじん
)
の
氣
(
き
)
の
長
(
なが
)
さまだ
車代
(
しやだい
)
くれんともせず
何時
(
いつ
)
まで
待
(
ま
)
たする
心
(
こゝろ
)
にやさりとてまさかに
促
(
はた
)
りもされまじ
何
(
なん
)
としたものぞとさし
覗
(
のぞ
)
く
奧
(
おく
)
の
方
(
かた
)
廊下
(
らうか
)
を
歩
(
あゆ
)
む
足音
(
あしおと
)
にも
面
(
おもて
)
赫
(
くわつ
)
と
熱
(
あつ
)
くなりて
我知
(
われし
)
らず
又
(
また
)
蔭
(
かげ
)
に
入
(
い
)
る
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「はてな。」とはじめて
氣
(
き
)
が
着
(
つ
)
いて、
主人
(
あるじ
)
が
渡
(
わた
)
して
行
(
い
)
つた
鍵
(
かぎ
)
をガツチリ、
狼狽眼
(
うろたへまなこ
)
で
開
(
ひら
)
いて
見
(
み
)
ると、
這
(
こ
)
は
如何
(
いかに
)
。
箱
(
はこ
)
の
底
(
そこ
)
から、
階下
(
した
)
の
廊下
(
らうか
)
が
見通
(
みとほ
)
しであつた。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
他
(
た
)
の
客
(
きやく
)
の
前
(
まへ
)
をなぞへに
折曲
(
をれまが
)
つて、だら/\
下
(
くだ
)
りの
廊下
(
らうか
)
へ
掛
(
かゝ
)
ると、
舊
(
もと
)
來
(
き
)
た
釣橋
(
つりばし
)
の
下
(
した
)
に、
磨硝子
(
すりがらす
)
の
湯殿
(
ゆどの
)
が
底
(
そこ
)
のやうに
見
(
み
)
えて、
而
(
そ
)
して、
足許
(
あしもと
)
が
急
(
きふ
)
に
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おやと
思
(
おも
)
ふと、
灰色
(
はひいろ
)
の
扉
(
ひらき
)
が
開
(
あ
)
いて、……
裏口
(
うらぐち
)
ですから、
油紙
(
あぶらがみ
)
なんか
散
(
ち
)
らかつた、
廊下
(
らうか
)
のつめに、
看護婦
(
かんごふ
)
が
立
(
た
)
つて、
丁
(
ちやう
)
ど
釣臺
(
つりだい
)
を
受取
(
うけと
)
る
處
(
ところ
)
だつたんですつて。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
たしか、
三日目
(
みつかめ
)
が
土曜
(
どえう
)
に
當
(
あた
)
つたと
思
(
おも
)
ふ。ばら/\と
客
(
きやく
)
が
入
(
はひ
)
つた。
中
(
なか
)
に
十人
(
じふにん
)
ばかりの
一組
(
ひとくみ
)
が、
晩
(
ばん
)
に
藝者
(
げいしや
)
を
呼
(
よ
)
んで、
箱
(
はこ
)
が
入
(
はひ
)
つた。
申兼
(
まをしか
)
ねるが、
廊下
(
らうか
)
でのぞいた。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
此處
(
こゝ
)
では
醉
(
よ
)
へないぞ。」と
心
(
こゝろ
)
で
叫
(
さけ
)
んだ、
此
(
こ
)
の
高
(
たか
)
いのに、
別
(
べつ
)
に
階子壇
(
はしごだん
)
と
云
(
い
)
ふほどのものも
無
(
な
)
し、
廊下
(
らうか
)
を
一𢌞
(
ひとまは
)
りして、
向
(
むか
)
うへ
下
(
お
)
りるあたりが、
可
(
か
)
なりな
勾配
(
こうばい
)
。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“廊下”の意味
《名詞》
廊下(ろうか)
建物の内部・外部に存在する通路。一般的には、部屋を接続するために存在する。
(出典:Wiktionary)
“廊下”の解説
廊下(ろうか、英: corridor、米: hallway)は、建物の内部・外部に存在する通路。「廊」は差し掛け屋根が連続しており屋根の下が空洞のようになっている空間を意味する。
(出典:Wikipedia)
廊
常用漢字
中学
部首:⼴
12画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“廊下”で始まる語句
廊下口
廊下伝
廊下灯
廊下鳶
廊下傳
廊下外