-
トップ
>
-
中々
>
-
なか/\
其頃は
東京の
家を
疊むとき、
懷にして
出た
金は、
殆んど
使ひ
果たしてゐた。
彼の
福岡生活は
前後二
年を
通じて、
中々の
苦鬪であつた。
さてさういふ
猿と
人間との
中間のものゝ
骨が
今日までにいかほど
發見されたかといふに、
殘念ながら
中々思ふように
出てまゐりません。
なしお
待遊ばせよと
待遇ぶり
詞滑かの
人とて
中々に
歸しもせず
枝に
枝そふ
物がたり
花子いとゞ
眞面目になりて
斯う
申してはを
と
硝盃へ
先に水を
入れて、ポタリ/\と
壜の口を
開けながら
滴すのだが、
中々素人にはさう
旨く
出来ない、二十
滴と思つた
奴が六十
滴許出た。殿
さりながら
人気の
奴隷となるも
畢竟は
俗物済度といふ
殊勝らしき
奥の
手があれば
強ち
無用と
呼ばゝるにあらず、
却て
之れ
中々の
大事決して
等閑にしがたし。
『
今初めた
計りです。』と
言ふ
中、
浮木がグイと
沈んだから
合すと、
餌釣としては、
中々大いのが
上つた。
今一人の薄汚なき小男を後にて聞けば、失敬な世に
安伴と呼ばれて
中々甘くない
精悍機敏の局長なりけり。
拭掃除も
面倒也、お
茶拵へも
面倒也内職婦人の時を
惜むこと、金を
惜むよりも
甚しく
候。
煮染の
行商はこれが
為に
起りて、
中々の
繁昌と聞き
及び
申候文明的に
候(二十日)
畏まりぬと答へばかりよくして
中々持ち來らず
飢もし
渇もしたるなり先づ
冷にてよし酒だけを
私の
考では
今日學生に
物を
教ゆるにしても、一
度教へて
忘れた
處があれば、
再度教へる、
又忘れた
所があれば
又教へるといふやうな
教授法では
中々其の
成効が
覺束ないと
思ひます。
致されしが
輕からざる上意にて今は
閉門の身となりけれど此事は
中々打捨置難き大事なれば公用人
平石次右衞門
吉田三五郎
池田大助の三人を
招かれ申されけるは予は天一を
贋者と思ひ定め再吟味の儀を
B
僕は
折々刺身を
煮て
食ふよ。
中々うまいものだ。
其日誠吾は
中々金を貸して
遣らうと云はなかつた。代助も
三千代が気の毒だとか、可哀想だとか云ふ
泣言は、可成避ける様にした。
何うも
此お
煎茶の器械からお
茶碗からお
茶托まで
結構尽め、
中々お店や
何かで
斯ういふものを使ふお店は無い事で、
何うもお菓子まで
添へられて
恐入ます
夫れより
起りし
生道心などならば、かへすがへす
淺ましき
事なり、
第一は
不憫のことなり、
中々に
高尚き
心を
持そこねて、
魔道に
落入るは
我々書生の
上にもあるを
その
他兩股の
間に
矢柄を
差し
込む
脚のついたものといつたふうに、いろ/\の
種類がありますが、このうち
兩脚の
出てゐるものは、
一たんさゝると
中々拔きにくゝ、
敵を
殺すにつごうがよいので
平岡は三千代の云つた通りには
中々帰らなかつた。
何時でも斯んなに
遅いのかと尋ねたら、笑ひながら、まあ
左んな所でせうと答へた。
然るに
世にすねたる
阿呆は
痛く
文学者を
斥罵すれども是れ
中々に
識見の
狭陋を
現示せし
世迷言たるに
過ぎず。
中々うまいね……エー
私は
書林から
使に
参りましたが、先生にこれは誠に
少々でございますが
差上げて
呉れろと、主人に
斯様申されまして、
使に
罷り
出でました。
晝も
夢に
見て
獨言にいふ
情なさ、
女房の
事も
子の
事も
忘れはてゝお
力一人に
命をも
遣る
心か、
淺ましい
口惜しい
愁らい
人と
思ふに
中々言葉は
出ずして
恨みの
露を
目の
中にふくみぬ。
「僕は経済方面の係りだが、単にそれ丈でも
中々面白い事実が
挙がつてゐる。ちと、君の
家の会社の
内幕でも
書いて御覧に入れやうか」
大層感心しまして
実に
恐入つたものだ、
中々アヽ
云ふ
処は
商売人だつて
容易に
気の
附くもんぢやアないと
云ひました、
何卒打出ましたら
些と三
階へ
入らつしやいまして
洒落氣なしでは
居られぬ
筈、
勉強家にしたは
其自狂からかと
仰しやるに、
中々もちまして
彼男が
貴孃自狂など
起すやうな
男で
御座りましよか、
無常を
悟つたので
御座りますと
言ふに
「あの
爺い、
中々猾い
奴ですよ。
華山の
僞物を
持つて
來て
押付やうとしやがるから、
今叱り
付て
遣つたんです」と
云い
出した。
中々大人は知らん
処へ
御来臨のない事は
存じて
居りましたが、一
度にても先生の
御入来がないと
朋友の
前も
実に
外聞悪く思ひます所から、
御無礼を
顧みず
再度書面を
差上げましたが
いゑ
中々其やうに
遠方の
事ばかりでは
御座りませぬ、
未だ
追々にと
衣紋を
突いて
咳拂ひすれば、
小間使ひ
少し
顏を
赤くして
似合頃の
身の
上、
惡口の
福が
何を
言ひ
出すやらと
尻目に
眺めば
刷毛の
音が
已んでも
中々六
疊から
出て
來ないので、
又行つて
見ると、
薄暗い
部屋の
中で、
御米はたつた
一人寒さうに、
鏡臺の
前に
坐つてゐた。
軒下に
縄張りがいたしてございます
此の
中に
拝観人は
皆立て
拝しますので、
京都は
東京と
違つて
人気は誠に
穏やかでございまして、
巡査のいふ事を
能く守り、
中々縄の外へは出ません。
あゝは
見えますれど
彼れで
中々の
苦勞人といふに、
夫れはまあ
幾歳のとし
其戀出來てかと
奧樣おつしやれば、
當てゝ
御覽あそばせ
先方は
村長の
妹、
此方は
水計めし
上るお
百姓、
雲にかけ
橋
今度辞職した以上は、容易に
口が
見付かりさうもない事、
已を得ず、それ迄妻を国
元へ
預けた事——
中々尽きさうもない。
さても
好みの
斯くまでに
上手なるか、
但しは
此人の
身に
添ひし
果報か、
銀の
平打一つに
鴇色ぶさの
根掛むすびしを、
優にうつくしく
似合ひ
給へりと
見れば、
束髮さしの
花一輪も
中々に
愛らしく
すると
中々放さない。どうか、
斯うか
買はせて仕舞ふ。
時には談判中に
号鐘が
鳴つて取り
逃す事もある。与次郎は
之を
時利あらずと号してゐる。
中々届いたもので、
土間を
広く取つて、
卓子に白いテーブル
掛が
懸つて、
椅子が
有りまして、
烟草盆が出て
居り、
花瓶に花を
挿し
中々気取つたもので、
菓子台にはゆで
玉子に
何か菓子が
有ります
ぶら/″\あるきに
立ならしたる
處なれば、
今歳この
度とりわけて
珍らしきさまにもあらぬを、
今こん
春はとても
立かへり
蹈べき
地にあらずと
思ふに、こ〻の
濡れ
佛さまにも
中々の
名殘をしまれて
矢っ張り
一中節を稽古してゐる。もう五つ程
上げた。
花紅葉吉原八景だの、
小稲半兵衛唐崎
心中だのつて
中々面白いのがあるよ。君も少し
遣つて見ないか。
中々旨いな、
旨くやるねえ。小「
何方からお
出でだ。 ...
昨日は
何方に
宿りつる
心とてかはかなく
動き
初めては
中々にえも
止まらずあやしや
迷ふぬば
玉の
闇色なき
声さへ
身にしみて
思ひ
出づるに
身もふるはれぬ
其人恋しくなると
共に
恥かしくつゝましく
恐ろしくかく
云はゞ
笑はれんかく
振舞はゞ
厭はれんと
仮初の
返答さへはか/″\しくは
ず
沸かへる
涙も
人事にして
御不憫や
孃さま
此程よりのお
煩ひのもとはと
云はゞ
何ゆゑならず
柔和しき御
生質とて
口へとては
出し
給はぬほど
猶さらに
御いとほしお
心は
中々我が
云ふやうな
物にはあらず
此お
文御覽ぜばお
分りになるべけれど
御前さま
無情お
返事もし
遊ばされなば
彼のまゝに
居給ふまじき
御决心ぞと
見る
目は
父さま
無二の
御懇意とて
恥かしき
手前に
薄茶一
服參らせ
初しが
中々の
物思ひにて
帛紗さばきの
靜こゝろなく
成りぬるなり
扨もお
姿に
似ぬ
物がたき
御氣象とや
今の
代の
若者に
珍らしとて
父樣のお
褒め
遊ばす
毎に
我ことならねど
面て
赤みて
其坐にも
得堪ねど
慕はしさの
數は
増りぬ
左りながら
和女にすら
云ふは
始めて
云はぬ
心は