“なか/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
中々47.4%
却々35.1%
仲々5.3%
却〻5.3%
勿々1.8%
匇々1.8%
中中1.8%
倒々1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さてさういふさる人間にんげんとの中間ちゆうかんのものゝほね今日こんにちまでにいかほど發見はつけんされたかといふに、殘念ざんねんながら中々なか/\おもふようにてまゐりません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
此所こゝ餘裕よゆうると、これひらくのをこばんで、一狂言ひときやうげんするのであるが、そんな却々なか/\ぬ。ぶる/\ふるへさうで、いやアな氣持きもちがしてた。
わたくしだつて、其樣そんな無鐵砲むてつぽうことはない、この工夫くふうは、大佐閣下たいさかくか仲々なか/\巧妙うまい感心かんしんなすつたんです。』と意氣いき昂然こうぜんとして
「さうでやせう。あの體で北海道は少し無理でやすな。併し十風の境界は却〻なか/\古風でえゝ。あの斯う顏の丸い」
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
格別に受居しこと成れば勿々なか/\以て意趣いしゆ意恨いこんなど有べき樣御座なく候により私しに於て更々さら/\うらみとは存じ申さず候ついては格別の御慈悲じひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
勿々なか/\世話にも成難なりがたく如何はせんと思ひし折柄をりから竹本君太夫と云ふ淨瑠璃語じやうるりかたり金七が上方かみがたに在りし頃よりの知己ちかづきにて火事見舞に來りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聞に平常つね/″\正直しやうぢきにて匇々なか/\人殺ひとごろしなどなす者に非ず全く拷問がうもんつよく苦きまゝに白状なし獄門ごくもんに成たりと云ふ評判ひやうばんにて大屋殿も三貫文の過料くわれうとられし由併し大屋殿は惡くない人故地主を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かぞふれば廿五兩一分の利にして百二十兩となるよつて元利合せて二百二十兩四郎右衞門へかへすべし早速さつそく宿元やどもとより取寄とりよすべしと申渡さるまこと當然たうぜんなれば三郎兵衞は是非なくかしこまるとは申ものゝ只今たゞいま二百二十兩の金子匇々なか/\以て出來できかね候により何分御勘辨下ごかんべんくださるべしと申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
亡くなつた良人をつとが辞書などを著した学者であつただけに婆さんも中中なか/\文学ずきで、僕の為にいろんな古い田舎ゐなかの俗謡などを聞かせてくれる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その家は倒々なか/\美しく、諸道具も備つて居ます。その亭主といふものは、壮健な農夫で、つく々見れば昔しリツプが脊中に攀ぢ登つた悪劇児いたづらこどもの一人です。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)