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仲々
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なか/\
不知庵主人の
譯に
成りし
罪と
罰に
對する
批評仲々に
盛なりとは
聞けるが、
病氣其他の
事ありて
余が
今日までに
見たるは
僅に
四五種のみ
「はい、
仲々埒があきません。もう、
遠くの
山々は
雪がふつたつていひますのに」
少し
無謀には
※ぎはせぬかと
氣付いたので、
寧ろ
此邊に
一泊せんと、
此事を
武村兵曹に
語ると、
武村兵曹は
仲々聽かない
けれど
仲々、
行かうとはしません。
近い
樣でも
海上の三
里は
容易でない、
無限の
大海原に
漂つて
居つた
間こそ、
島さへ
見出せば、
直ちに
助かる
樣に
考へて
居つたが、
仲々左樣は
行かぬ。