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却々
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なか/\
ふりがな文庫
“
却々
(
なか/\
)” の例文
「
宅
(
うち
)
にも
前方
(
まへかた
)
からこんな出来のが一幅欲しい欲しい思つてましたんやが、さて欲しいとなると、
却々
(
なか/\
)
手に入りよらんでなあ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此所
(
こゝ
)
で
余
(
よ
)
に
餘裕
(
よゆう
)
が
有
(
あ
)
ると、
之
(
これ
)
を
開
(
ひら
)
くのを
拒
(
こば
)
んで、
一狂言
(
ひときやうげん
)
するのであるが、そんな
氣
(
き
)
は
却々
(
なか/\
)
出
(
で
)
ぬ。ぶる/\
顫
(
ふる
)
へさうで、
厭
(
いや
)
アな
氣持
(
きもち
)
がして
來
(
き
)
た。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
日本人種
(
にほんじんしゆ
)
といふものは
却々
(
なか/\
)
器用
(
きよう
)
でござりますから、
忽
(
たちま
)
ち一つの
発明
(
はつめい
)
をいたし、
器械
(
きかい
)
が
出来
(
でき
)
て見ると、
之
(
これ
)
に
就
(
つ
)
いて一つの
新商法
(
しんしやうはふ
)
の
目論見
(
もくろみ
)
を
起
(
おこ
)
しました。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
阿諛
(
おべつか
)
を使はんのが一つぢや。
却々
(
なか/\
)
頑としたところがある。そいから、我々新聞記者の通弊たる自己廣告をせん
事
(
こつ
)
ちや。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
有難
(
ありがた
)
う、
見
(
み
)
てると
却々
(
なか/\
)
面白
(
おもしろ
)
い
舞踏
(
ぶたう
)
だわ』と
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんは、
漸
(
やうや
)
くそれが
濟
(
す
)
んだのを
嬉
(
うれ
)
しく
思
(
おも
)
ひました、『
私
(
わたし
)
も
其
(
そ
)
の
奇妙
(
きめう
)
な
胡粉
(
ごふん
)
の
歌
(
うた
)
が
大好
(
だいす
)
きよ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
午後になつてからも、
却々
(
なか/\
)
来る様子はなかつた。瑠璃子は絶えずいら/\しながら厭な呪はしい来客を待つてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
それは泊るとなれば草庵なんぞに寝なくても好いのです。あそこの僧院には宿泊所があります。而も
却々
(
なか/\
)
立派な宿泊所です。わたしはあのマキンと云ふ男の辯護を
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
「ふん、君の話では奴
却々
(
なか/\
)
用心して尻尾を掴ませないと云う事だったが、屑籠のような誰でも覗きそうな所に、封筒の書損いが抛り込んであったのは可笑しいね」
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
さうして、組みついて来る弟を抱き絞めてグルグル振り回したり、倒しかけて又引き起したりしながら、煽てる為に「此奴は
却々
(
なか/\
)
強いぞ。うツかりすると負けさうだ。」
眠い一日
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
芥川君の教へてくれた豆板といふ砂糖と豆とで固めた菓子を買つたが、
却々
(
なか/\
)
しつかりした味があつて旨かつた。みすやの針は宿のおかみさんに頼んで置いたから買はぬことにした。
京洛日記
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
ロチスター氏は、外科醫の命によつて、その晩は早く床に入つた容子であつたが、翌朝になつても
却々
(
なか/\
)
起きては來なかつた。彼が階下へ下りて來たのは、事務を
執
(
と
)
る爲めであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『蓬莱曲』は透谷全集には入つて居るが、併し初版の原本は
却々
(
なか/\
)
見つからない。
明治詩壇の回顧
(新字旧仮名)
/
三木露風
(著)
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
草
(
くさ
)
の
根
(
ね
)
が
邪魔
(
じやま
)
をして、
却々
(
なか/\
)
掘
(
ほ
)
り
難
(
にく
)
い。それに
日
(
ひ
)
は
當
(
あた
)
らぬ。
寒
(
さむ
)
くて
耐
(
たま
)
らぬ。
蠻勇
(
ばんゆう
)
を
振
(
ふる
)
つて
漸
(
やうや
)
く
汗
(
あせ
)
を
覺
(
おぼ
)
えた
頃
(
ころ
)
に、
玄子
(
げんし
)
は
石劒
(
せきけん
)
の
柄部
(
へいぶ
)
を
出
(
だ
)
した。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
『さうぢや。僕も聞いとつた。何しろ彼の男あ一癖あるな。第一まあ
彼
(
あ
)
の
面
(
つら
)
を見い。ぽかんとして人の話を聞いとるが、
却々
(
なか/\
)
油斷ならん人相があるんぢや。』
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
むかし徳川初代の頃に本願寺の役人に
下間某
(
しもつまなにがし
)
といふものがあつた。
乱舞
(
らつぷ
)
にかけては
却々
(
なか/\
)
の
巧者人
(
かうしやじん
)
で、徳川家の前などでも、いつも召されて乱舞を舞つてゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
が、此女性が、信一郎の心の裡に起した動揺は、お経の声などに依つて
却々
(
なか/\
)
静まりさうにも見えなかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
却々
(
なか/\
)
そんな
機會
(
きくわい
)
の
來
(
き
)
さうにもありませんでした、
愛
(
あい
)
ちやんは
所在
(
しよざい
)
なさに
四邊
(
あたり
)
を
眺
(
なが
)
め
初
(
はじ
)
めました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
然し、彼の書信或いは上願書の類を見ると、彼は決して狂気とは思えない。
却々
(
なか/\
)
計画的な所があり、理路も時に辻棲の合わない事はあるが、多くは整然として乱れていない。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
山籠の暮しは
却々
(
なか/\
)
つらい。断食をしたり、祈祷をしたりするのがつらいのではない。そんなことはセルギウスの為めには
造作
(
ぞうさ
)
はない。つらいのは、思も掛けぬ精神上の煩悶があるからである。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
博士「交際は大分広いらしいですが、
却々
(
なか/\
)
自尊心が強いと見えて……」
風媒結婚
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
だが、その日の牛肉は男爵にもなれないで、一生
扱
(
こ
)
き使はれた
古牛
(
ひねうし
)
の肉だつたので、
齲歯
(
むしば
)
の多い岩村男にとつては、噛み切るだけが
却々
(
なか/\
)
容易な事ではなかつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
瑠璃子に、さう言はれても、青年は
却々
(
なか/\
)
話し出さうとはしなかつた。沈黙が、二三分間彼等の間に在つた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
電車
(
でんしや
)
は
無
(
な
)
し、
汽車
(
きしや
)
で
大森
(
おほもり
)
まで
行
(
ゆ
)
く。それから
俥
(
くるま
)
で
走
(
はし
)
らせるなど、
却々
(
なか/\
)
手間取
(
てまと
)
るのだが、それでも
行
(
ゆ
)
く。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
『
否
(
いゝえ
)
、構ひませんから、も少し借して下さい。』と言つて
却々
(
なか/\
)
放さない。母親は笑つて居た。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
最初
(
さいしよ
)
辛
(
やつ
)
と一二
分
(
ふん
)
間
(
かん
)
それを
抱
(
だ
)
いて
居
(
ゐ
)
たのも、
却々
(
なか/\
)
容易
(
ようい
)
なことではありませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「人間の性慾といふものは、
却々
(
なか/\
)
抑
(
おさ
)
へ切れないものだから、それを遂げさす機関も無くてはならない。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
後に聞いたが、編輯長は松永の退社に就いて、最初
却々
(
なか/\
)
聞き入れなかつたさうだ。半年なり、一年なり
緩
(
ゆつく
)
り保養してゐても、社の方では別に苦しく思はない、さう言つたさうだ。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
路傍
(
ろばう
)
の
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
に
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けて、
握米飯
(
にぎりめし
)
を
喫
(
きつ
)
し、それから
又
(
また
)
テクリ
出
(
だ
)
したが、
却々
(
なか/\
)
暑
(
あつ
)
い。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
十億長者——一口に言つてしまふと何でもないが、実際それだけの概念を
得
(
う
)
るのは
却々
(
なか/\
)
容易ならぬ事だ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
いくら
注意
(
ちうい
)
を
拂
(
はら
)
つても、
却々
(
なか/\
)
我々
(
われ/\
)
の
手
(
て
)
に——
其遺物
(
そのゐぶつ
)
の一
破片
(
はへん
)
でも——
觸
(
ふ
)
れる
事
(
こと
)
は
難
(
むづ
)
かしからうと
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
たのが、
斯
(
か
)
う、
容易
(
ようゐ
)
に
發見
(
はつけん
)
せられて
見
(
み
)
ると、
大
(
おほ
)
いに
趣味
(
しゆみ
)
を
感
(
かん
)
ぜずんばあらずである。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
『初めて乞食をして歩いてみると、
却々
(
なか/\
)
辛いものですなア。』と言つた。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
幻花子
(
げんくわし
)
が
種々
(
いろ/\
)
の
珍品
(
ちんぴん
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れた
事
(
こと
)
から、
地主
(
ぢぬし
)
との
衝突奇談
(
しようとつきだん
)
、
小作人
(
こさくにん
)
との
大喧嘩
(
おほけんぐわ
)
、
小南保之助氏
(
こみなみやすのすけし
)
と
貝塚
(
かひづか
)
の
奇遇談
(
きぐうだん
)
やら、
足立博士
(
あだちはかせ
)
の
未
(
ま
)
だ
學士時代
(
がくしじだい
)
に
此所
(
こゝ
)
へ
來
(
き
)
て
蜂
(
はち
)
に
螫
(
さ
)
された
話
(
はなし
)
やら、
却々
(
なか/\
)
面白
(
おもしろ
)
い。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「岡本さん、あんたは
却々
(
なか/\
)
食へん男ぢやな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
却
常用漢字
中学
部首:⼙
7画
々
3画
“却”で始まる語句
却
却説
却而
却〻
却下
却掃
却歩
却売
却後
却退