トップ
>
弱
>
よわ
ふりがな文庫
“
弱
(
よわ
)” の例文
女房
(
かみさん
)
は、
弱
(
よわ
)
つちやつた。
可恐
(
おそろ
)
しく
重
(
おも
)
いんです。が、
持
(
も
)
たれないといふのは
悔
(
くや
)
しいてんで、それに
押
(
お
)
されるやうにして、
又
(
また
)
ひよろ/\。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そんな
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
いことでどうするんですか。
私
(
わたし
)
たちは、よくあなたに
追
(
お
)
いかけられたものです。あの
時分
(
じぶん
)
の
元気
(
げんき
)
を
出
(
だ
)
してください。」
木の上と下の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
看護
(
かんご
)
の
人
(
ひと
)
も
勞
(
つか
)
れぬ、
雪子
(
ゆきこ
)
の
身
(
み
)
も
弱
(
よわ
)
りぬ、きのふも
植村
(
うゑむら
)
に
遇
(
あ
)
ひしと
言
(
い
)
ひ、
今日
(
けふ
)
も
植村
(
うゑむら
)
に
遇
(
あ
)
ひたりと
言
(
い
)
ふ、
川
(
かは
)
一
(
ひと
)
つ
隔
(
へだ
)
てゝ
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
るばかり
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
為朝
(
ためとも
)
は
筋
(
すじ
)
を
抜
(
ぬ
)
かれて
弓
(
ゆみ
)
は
少
(
すこ
)
し
弱
(
よわ
)
くなりましたが、ひじがのびたので、
前
(
まえ
)
よりもかえって
長
(
なが
)
い
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
ることができるようになりました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
さて
最初
(
さいしょ
)
地上
(
ちじょう
)
に
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でた
一人
(
ひとり
)
の
幼児
(
おさなご
)
——
無論
(
むろん
)
それは
力
(
ちから
)
も
弱
(
よわ
)
く、
智慧
(
ちえ
)
もとぼしく、そのままで
無事
(
ぶじ
)
に
生長
(
せいちょう
)
し
得
(
う
)
る
筈
(
はず
)
はございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたし
)
は
心
(
こゝろ
)
に
迎
(
むか
)
へなければならなかつた……それは
力
(
ちから
)
の
弱
(
よわ
)
い
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
だからだらうか?
否
(
いや
)
! どうして
彼女
(
かのぢよ
)
の
力
(
ちから
)
を
侮
(
あなど
)
る
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
よう。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
われ/\は
最初
(
さいしよ
)
の
弱
(
よわ
)
い
部分
(
ぶぶん
)
を
初期微動
(
しよきびどう
)
と
名
(
な
)
づけ、
中頃
(
なかごろ
)
の
強
(
つよ
)
い
部分
(
ぶぶん
)
を
主要動
(
しゆようどう
)
或
(
あるひ
)
は
主要部
(
しゆようぶ
)
、
終
(
をは
)
りの
弱
(
よわ
)
い
部分
(
ぶぶん
)
を
終期部
(
しゆうきぶ
)
と
名
(
な
)
づけてゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
一
體
(
たい
)
、
私
(
わたし
)
の
幼少
(
ちひさ
)
な
時分
(
じぶん
)
には、ごく
弱
(
よわ
)
かつたものですから、この
白狐
(
しろぎつね
)
はこれでも
育
(
そだ
)
つかしら、と
皆
(
みんな
)
に
言
(
い
)
はれたくらゐださうです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
あれっきり
客
(
きゃく
)
の
部屋
(
へや
)
にはよりつく人もない。おかみさんは
朝食
(
ちょうしょく
)
をもってゆかなかった。きっと客は、
腹
(
はら
)
をすかせて
弱
(
よわ
)
りきっているのだろう。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
煩
(
わづら
)
ひ漸く全快はなしたれども
足腰
(
あしこし
)
弱
(
よわ
)
り
歩行事
(
あゆむこと
)
叶
(
かな
)
はず日々身代に苦勞なすと雖
種々
(
しゆ/″\
)
物入
(
ものいり
)
嵩
(
かさ
)
み五年程に地面も
賣拂
(
うりはら
)
ひ是非なく身上を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
絶えず束縛され——無理
強
(
じ
)
ひに
生得
(
せいとく
)
の性質の火を絶えず
弱
(
よわ
)
めさせられて、その焔が内に向ふに
任
(
まか
)
せ生命を
刻々
(
こく/\
)
に嘗め盡すとも
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「おめえ、さういに
自分
(
じぶん
)
の
處
(
とこれ
)
えばかし
置
(
お
)
かねえで
干
(
ほ
)
せな」と
弱
(
よわ
)
い
者
(
もの
)
の
處
(
ところ
)
へ
杯
(
さかづき
)
を
聚
(
あつ
)
めて
困
(
こま
)
るのを
見
(
み
)
ようとさへする
樣
(
やう
)
に
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
堂堂
(
どうどう
)
と
遠慮
(
えんりよ
)
なく
爭
(
あらそ
)
ひ
勝
(
か
)
つべく、
弱
(
よわ
)
き者
敗
(
やぶ
)
るる者がドシドシ
蹴落
(
けおと
)
されて行く事に
感傷的
(
かんせうてき
)
な
憐憫
(
れんびん
)
など
注
(
そゝ
)
ぐべきでもあるまい。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
けれども人形は一
向
(
こう
)
鳴
(
な
)
きませんでした。さあ甚兵衛は
弱
(
よわ
)
ってしまいました。でも一
度
(
ど
)
いいだしたことですから、
今
(
いま
)
さら
取消
(
とりけ
)
すわけにはゆきません。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「それだからね、
翼
(
はね
)
の
弱
(
よわ
)
いものや
體
(
からだ
)
の
壯健
(
たつしや
)
でないものは、みんな
途中
(
とちう
)
で、かわいさうに
海
(
うみ
)
に
落
(
お
)
ちて
死
(
し
)
んでしまふのよ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
そして
斷
(
た
)
えず其の考に
小突
(
こづか
)
かれるのであるから、神經は次第にひ
弱
(
よわ
)
となツて、
頬
(
ほゝ
)
の肉は
剡
(
こ
)
ける、顏の色は
蒼白
(
あをじろ
)
くなる
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
そうして
弱
(
よわ
)
い
人
(
ひと
)
たちをおいてきぼりにします。ですが、このお
話
(
はなし
)
がどうなるか、おしまいまできいていらっしゃい。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
と
突然
(
とつぜん
)
、
暗
(
くら
)
いなかで、ゴットフリートが
歌
(
うた
)
いだした。
胸
(
むね
)
の中で
響
(
ひび
)
くようなおぼろな
弱
(
よわ
)
い
声
(
こえ
)
だった。少しはなれてたら、
聞
(
き
)
きとれなかったかも知れない。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
一人
(
ひとり
)
は
張飛
(
ちやうひ
)
の
痩
(
やせ
)
て
弱
(
よわ
)
くなつたやうな
中老
(
ちゆうらう
)
の
人物
(
じんぶつ
)
。
一人
(
ひとり
)
は
關羽
(
くわんう
)
が
鬚髯
(
ひげ
)
を
剃
(
そ
)
り
落
(
おと
)
して
退隱
(
たいゝん
)
したやうな
中老
(
ちゆうらう
)
以上
(
いじやう
)
の
人物
(
じんぶつ
)
。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
こう考えたときニールスは、またもや、じぶんがちっぽけで
弱
(
よわ
)
い者になっていることをすっかり忘れていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
『そればかりか、
少年
(
せうねん
)
の
活溌
(
くわつぱつ
)
な
事
(
こと
)
ツたら
話
(
はなし
)
になりませんよ。
獅子狩
(
しゝがり
)
もやります、
相撲
(
すまふ
)
も
取
(
と
)
ります。
弱
(
よわ
)
い
水兵
(
すいへい
)
なんかは
負
(
ま
)
かされます。』と
彼
(
かれ
)
は
至極
(
しごく
)
眞面目
(
まじめ
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
室
(
へや
)
の
中
(
なか
)
はたゞ
薄暗
(
うすぐら
)
い
灯
(
ひ
)
に
照
(
て
)
らされてゐた。
其
(
その
)
弱
(
よわ
)
い
光
(
ひかり
)
は、
如何
(
いか
)
に
大字
(
だいじ
)
な
書物
(
しよもつ
)
をも
披見
(
ひけん
)
せしめぬ
程度
(
ていど
)
のものであつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
余
(
よ
)
は
現時
(
げんじ
)
人
(
ひと
)
より
羨
(
うらや
)
まるゝ
程
(
ほど
)
の
健康
(
けんかう
)
を
保
(
たも
)
ち
居
(
を
)
れども、
壯年
(
さうねん
)
の
頃
(
ころ
)
までは
體質
(
たいしつ
)
至
(
いた
)
つて
弱
(
よわ
)
く、
頭痛
(
づつう
)
に
惱
(
なや
)
まされ、
胃
(
ゐ
)
を
病
(
や
)
み、
屡
(
しば/\
)
風邪
(
ふうじや
)
に
犯
(
をか
)
され、
絶
(
た
)
えず
病
(
やまひ
)
の
爲
(
ため
)
に
苦
(
くるし
)
めり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
青
(
あを
)
い
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
には、
三十石船
(
さんじつこくぶね
)
がゆつたりと
浮
(
うか
)
んで、
晴
(
は
)
れた
冬空
(
ふゆぞら
)
の
弱
(
よわ
)
い
日光
(
につくわう
)
を、
舳
(
とも
)
から
艫
(
みよし
)
へいツぱいに
受
(
う
)
けてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
つまり
兎
(
うさぎ
)
は
外敵
(
がいてき
)
に
弱
(
よわ
)
い
動物
(
どうぶつ
)
ですから、
冬
(
ふゆ
)
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
つて
野山
(
のやま
)
が
眞白
(
まつしろ
)
になれば
自分
(
じぶん
)
のからだをも
同
(
おな
)
じように
白
(
しろ
)
くして
外
(
ほか
)
から
容易
(
ようい
)
に
見
(
み
)
つからないようにするのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
まあすべてがその
調子
(
ちょうし
)
でした。
震災
(
しんさい
)
以来
(
いらい
)
は
身体
(
からだ
)
の
弱
(
よわ
)
い
為
(
ため
)
もあったでしょうが
蒐集癖
(
しゅうしゅうへき
)
は
大分
(
だいぶ
)
薄
(
うす
)
らいだようです。
夏目先生と滝田さん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さて
手毬
(
てまり
)
の大さになりたる時他の
童
(
わらべ
)
が作りたる
玉栗
(
たまくり
)
を
庇下
(
ひさしした
)
などに
置
(
おか
)
しめ、我が玉栗を以他の玉栗にうちあつる、
強
(
つよ
)
き玉栗
弱
(
よわ
)
き玉栗を
砕
(
くだ
)
くをもつて
勝負
(
しようぶ
)
を
争
(
あらそ
)
ふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此度
(
このたび
)
の難産の
後
(
あと
)
、奥方は
身体
(
からだ
)
がげつそり
弱
(
よわ
)
つて、耳も少し遠く成り、気性までが一変して陰気に成つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
私
(
わたくし
)
の
考
(
かんがへ
)
では
是
(
これ
)
が
抑
(
そも/\
)
生活
(
せいくわつ
)
と
名
(
な
)
づくべきものだらうと。
又
(
また
)
有機體
(
いうきたい
)
が
下等
(
かとう
)
に
成
(
な
)
れば
成
(
な
)
る
丈
(
だ
)
け、より
少
(
すくな
)
く
物
(
もの
)
を
感
(
かん
)
ずるので
有
(
あ
)
らうと、
其故
(
それゆゑ
)
により
弱
(
よわ
)
く
刺戟
(
しげき
)
に
答
(
こた
)
へるのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
道
(
みち
)
ッ
端
(
ぱた
)
で
展
(
ひろ
)
げたとこを、ひょっと
誰
(
だれ
)
かに
見
(
み
)
られた
日
(
ひ
)
にゃァ、それこそ
若旦那
(
わかだんな
)
、
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
いおせんは、どんなことになるか、
知
(
し
)
れたもんじゃござんせん。
野暮
(
やぼ
)
は
承知
(
しょうち
)
の
上
(
うえ
)
でござんす。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
加賀爪伝内の切ってはなった
黒鷹
(
くろたか
)
の
石打羽
(
いしうち
)
の
矢
(
や
)
は、まさしく、
白鳥
(
しらとり
)
の
峰
(
みね
)
の
大鳥居
(
おおとりい
)
の
額
(
がく
)
ぶちに
刺
(
さ
)
さっているのに、それにひきかえて
蔦之助
(
つたのすけ
)
の
射
(
い
)
た
妻羽白
(
つまはじろ
)
の
矢
(
や
)
は
弓勢
(
ゆんぜい
)
が
弱
(
よわ
)
かったため
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
文句
(
もんく
)
は
色々
(
いろ/\
)
に
變
(
か
)
へて、
或
(
あるひ
)
は
強
(
つよ
)
く、
或
(
あるひ
)
は
弱
(
よわ
)
く、
或
(
あるひ
)
は
罵
(
のゝし
)
り、
或
(
あるひ
)
はふざけ、
種々樣々
(
しゆ/″\さま/″\
)
の
事
(
こと
)
を
書
(
か
)
いてやつた。
中途
(
ちうと
)
で
凹
(
へた
)
たれては
全
(
まつた
)
く
敵
(
てき
)
に
降伏
(
かうふく
)
する
譯
(
わけ
)
だから、
例
(
れい
)
の
持藥
(
ぢやく
)
のつもりで
毎日
(
まいにち
)
書
(
か
)
いた。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
園内を歩くと、
蝉
(
せみ
)
のヌケ
殻
(
がら
)
が
幾個
(
いくつ
)
も落ちて居る。昨夜は室内で、小さなものゝ
臨終
(
りんじゅう
)
の
呻吟
(
うめき
)
の様なかすかな
鳴声
(
なきごえ
)
を聞いたが、
今朝
(
けさ
)
見ればオルガンの上に
弱
(
よわ
)
りはてたスイッチョが居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
妹
(
いもうと
)
も
自分
(
じぶん
)
のした
事
(
こと
)
でございますから、
余
(
あま
)
り
露骨
(
ろこつ
)
には
申
(
まう
)
しませんですけれど、
駈
(
か
)
けこんでまゐりました
時
(
とき
)
の、
顔
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
といふのはございませんでした。
息
(
いき
)
も
切
(
き
)
れさうに
弱
(
よわ
)
つてをりました。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「わしはこの
仔牛
(
こうし
)
をあずけられたのだ。ところが、いまだに、
取
(
と
)
りに
来
(
こ
)
ないので
弱
(
よわ
)
っているところだ。すまねえが、おまえら、
手
(
て
)
わけして、
預
(
あず
)
けていった
子供
(
こども
)
を
探
(
さが
)
してくれねえか。」
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
花車「ハ、逃げやアがった
弱
(
よわ
)
え奴だ、サア案じはねえ、
私
(
わし
)
が送って
行
(
ゆ
)
きましょう」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
戯談
(
じやうだん
)
いふな。三千メートルのまつたゞ
中
(
なか
)
だぞ。
辛棒
(
しんぼう
)
しろ、
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
いやつだ。』
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
あの強烈な電気に
相当
(
そうとう
)
参
(
まい
)
っているところへ、あの硝子の
裂
(
さ
)
け
目
(
め
)
へつっかかったんで、二重の
弱
(
よわ
)
り目に
祟
(
たた
)
り目で、沼の中へ落ちこんだまま、
匍
(
は
)
い
上
(
あが
)
りも飛び上りも出来なくなったんですよ。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのとき、
弱
(
よわ
)
よわしく視線を落した山口の目が、ぼくの弁当にふれると、急にそれを滑りぬけて流れた。はっと、はじめてぼくはあることに気づいた。そうだ、彼はいつも昼食をたべてないのだ。
煙突
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
ば
次第
(
しだい
)
に
疲
(
つか
)
れ、
雲
(
くも
)
は
弱
(
よわ
)
りて
薄
(
うす
)
れ
行
(
ゆ
)
き、
今
(
いま
)
は
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
音
(
おと
)
なく
溶
(
と
)
くる
白熱
(
びやくねつ
)
に
爛
(
ただ
)
れ
艶
(
えん
)
だつ
弱
(
よわ
)
ごころ
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
聖
(
サンタ
)
麻利亞
(
マリヤ
)
、かくも
弱
(
よわ
)
かる
罪人
(
つみびと
)
に
信
(
しん
)
の
潮
(
うしほ
)
の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
火
(
ひ
)
の
氣
(
け
)
弱
(
よわ
)
きを
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
さてはや、
念佛
(
ねんぶつ
)
、
題目
(
だいもく
)
、
大聲
(
おほごゑ
)
に
鯨波
(
とき
)
の
聲
(
こゑ
)
を
揚
(
あ
)
げて
唸
(
うな
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、やがて
其
(
それ
)
も
蚊
(
か
)
の
鳴
(
な
)
くやうに
弱
(
よわ
)
つてしまふ。
取亂
(
とりみだ
)
さぬ
者
(
もの
)
は
一人
(
ひとり
)
もない。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
じめじめした、いやな
天気
(
てんき
)
がつづきました。
生活力
(
せいかつりょく
)
の
乏
(
とぼ
)
しい
金魚
(
きんぎょ
)
は、みんな
弱
(
よわ
)
って
死
(
し
)
んでしまったけれど、どじょうは
元気
(
げんき
)
でした。
どじょうと金魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
俗
(
ぞく
)
に
神
(
かみ
)
の
申子
(
もうしご
)
は
弱
(
よわ
)
いなどと
申
(
もう
)
しますが、
決
(
けっ
)
してそのようなものではなく、この
児
(
こ
)
も
立派
(
りっぱ
)
に
成人
(
せいじん
)
して、
父親
(
ちちおや
)
の
実家
(
じっか
)
の
後
(
あと
)
を
継
(
つ
)
ぎました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
院長
(
ゐんちやう
)
の
某
(
なにがし
)
が
媒
(
なかだ
)
ちをしたのだといふ
噂
(
うは
)
さもあつた。
人々
(
ひと/″\
)
はたゞ
彼女
(
かのぢよ
)
も
弱
(
よわ
)
い
女
(
をんな
)
であるといふことのために、
目
(
め
)
を
蔽
(
おほ
)
ひ
耳
(
みゝ
)
を
掩
(
おほ
)
うて
彼女
(
かのぢよ
)
を
許
(
ゆる
)
した。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
だから
横町
(
よこてう
)
の
野蕃漢
(
じやがたら
)
に
馬鹿
(
ばか
)
にされるのだと
言
(
い
)
ひかけて
我
(
わ
)
が
弱
(
よわ
)
いを
恥
(
はづ
)
かしさうな
顏色
(
かほいろ
)
、
何心
(
なにごゝろ
)
なく
美登利
(
みどり
)
と
見合
(
みあは
)
す
目
(
め
)
つまの
可愛
(
かわゆ
)
さ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
わしかなんぞなら
知
(
し
)
らないが、さぎのような
羽
(
はね
)
の
弱
(
よわ
)
いものでは、せいぜい一
里
(
り
)
か二
里
(
り
)
ぐらいしか
飛
(
と
)
ぶ
力
(
ちから
)
はないはずだ。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
打まもり夫は又
聞
(
きこ
)
えぬ
仰
(
おほせ
)
ぞや御前に別れて
外々
(
ほか/\
)
へ
縁付
(
えんづく
)
やうな私ぢやない氣の
弱
(
よわ
)
い事を云ず共コレ
父樣
(
とゝさま
)
何卒
(
どうぞ
)
九助が
命乞
(
いのちごひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
弱
常用漢字
小2
部首:⼸
10画
“弱”を含む語句
脆弱
繊弱
柔弱
羸弱
衰弱
尫弱
虚弱
軟弱
孱弱
貧弱
弱点
微弱
手弱
懦弱
弱冠
手弱女
弱法師
纖弱
薄弱
纎弱
...