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ふりがな文庫
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(
みおく
)” の例文
吉坊
(
よしぼう
)
は、
両手
(
りょうて
)
を
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
にのせて、
清
(
きよ
)
ちゃんがあちらへゆけば、その
方
(
ほう
)
を
見送
(
みおく
)
り、こちらへくればまた
目
(
め
)
を
放
(
はな
)
さずに、
迎
(
むか
)
えていました。
父親と自転車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
元気
(
げんき
)
な
声
(
こえ
)
をのこして、
出
(
で
)
ていきました。おじいさんとおばあさんは、
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
立
(
た
)
って、いつまでも、いつまでも
見送
(
みおく
)
っていました。
桃太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
背
(
せ
)
を
高
(
たか
)
く、
足
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
沼
(
ぬま
)
の
岸
(
きし
)
を
離
(
はな
)
れると、
足代
(
あじろ
)
に
突立
(
つゝた
)
つて
見送
(
みおく
)
つた
坊主
(
ばうず
)
の
影
(
かげ
)
は、
背後
(
うしろ
)
から
蔽覆
(
おつかぶ
)
さる
如
(
ごと
)
く、
大
(
おほひ
)
なる
形
(
かたち
)
に
成
(
な
)
つて
見
(
み
)
えた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
二人
(
ふたり
)
を
七條
(
しちでう
)
迄
(
まで
)
見送
(
みおく
)
つて、
汽車
(
きしや
)
が
出
(
で
)
る
迄
(
まで
)
室
(
へや
)
の
中
(
なか
)
へ
這入
(
はい
)
つて、わざと
陽氣
(
やうき
)
な
話
(
はなし
)
をした。プラツトフオームへ
下
(
お
)
りた
時
(
とき
)
、
窓
(
まど
)
の
内
(
うち
)
から
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此上
(
このうへ
)
にお
頼
(
たの
)
みは
萬々
(
ばん/″\
)
見送
(
みおく
)
りなどして
下
(
くだ
)
さるな、さらでだに
泣
(
な
)
き
男
(
おとこ
)
の
我
(
わ
)
れ
朋友
(
ともだち
)
の
手前
(
てまへ
)
もあるに
何
(
なに
)
かをかしく
察
(
と
)
られてもお
互
(
たがひ
)
に
詰
(
つま
)
らず
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
トーケルン湖の鳥たちは、うれしそうに
羽
(
は
)
ばたきながら、美しいお月さまの光をあびて、みんなが家へ帰っていくのを
見送
(
みおく
)
っていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
驚
(
おどろ
)
いて
跡
(
あと
)
を
見送
(
みおく
)
つてゐる
閭
(
りよ
)
が
周圍
(
しうゐ
)
には、
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
盛
(
も
)
つてゐた
僧
(
そう
)
等
(
ら
)
が、ぞろ/\と
來
(
き
)
てたかつた。
道翹
(
だうげう
)
は
眞蒼
(
まつさを
)
な
顏
(
かほ
)
をして
立
(
た
)
ち
竦
(
すく
)
んでゐた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
聯合軍に噛まれて天狗犬は尾を捲き、獅子毛を
逆立
(
さかだ
)
てゝ、甲州街道の方に敗走するのを、白の主人は心地よげに
見送
(
みおく
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
見る事ぞ病氣でさへなき物ならば此邊迄も
見送
(
みおく
)
り
遣
(
やら
)
んに
無念
(
むねん
)
の事を仕てけりと
前後不覺
(
ぜんごふかく
)
に泣沈み
正體
(
しやうたい
)
更
(
さら
)
に
有
(
あら
)
ざれば其有樣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そんな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
いまして、
途中
(
とちゅう
)
で
私
(
わたくし
)
とすれ
違
(
ちが
)
う
時
(
とき
)
などは、
土地
(
とち
)
の
男
(
おとこ
)
も
女
(
おんな
)
も
皆
(
みな
)
泪
(
なみだ
)
ぐんで、いつまでもいつまでも
私
(
わたくし
)
の
後姿
(
うしろすがた
)
を
見送
(
みおく
)
るのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
赤シャツの農夫はすこしわらってそれを
見送
(
みおく
)
っていましたが、ふと思い出したように右手をあげて自分の
腕時計
(
うでどけい
)
を見ました。そして
不思議
(
ふしぎ
)
そうに
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
其
(
そ
)
の
後姿
(
うしろすがた
)
を
見送
(
みおく
)
ると
又
(
また
)
更
(
さら
)
に
恨
(
うら
)
めしいあの車を
見送
(
みおく
)
つた時の一
刹那
(
せつな
)
を
思起
(
おもひおこ
)
すので、もう
何
(
なん
)
としても
我慢
(
がまん
)
が
出来
(
でき
)
ぬといふやうにベンチから
立上
(
たちあが
)
つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
外
(
そと
)
を
覗
(
のぞ
)
くと、うす
暗
(
ぐら
)
いプラットフォオムにも、
今日
(
けふ
)
は
珍
(
めづ
)
らしく
見送
(
みおく
)
りの
人影
(
ひとかげ
)
さへ
跡
(
あと
)
を
絶
(
た
)
つて、
唯
(
ただ
)
、
檻
(
をり
)
に
入
(
い
)
れられた
小犬
(
こいぬ
)
が一
匹
(
ぴき
)
、
時時
(
ときどき
)
悲
(
かな
)
しさうに、
吠
(
ほ
)
え
立
(
た
)
ててゐた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ブラ/\と
面白
(
おもしろ
)
き空想を
伴
(
つれ
)
にして
堤
(
どて
)
を
北頭
(
きたがしら
)
に
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を
歩
(
あゆ
)
ませながら、
見送
(
みおく
)
り
果
(
はて
)
てドヤ/\と帰る人々が
大尉
(
たいゐ
)
の
年
(
とし
)
は
幾
(
いく
)
つならんの、
何処
(
いづこ
)
の
出生
(
しゆつしやう
)
ならんの、
或
(
あるひ
)
は
短艇
(
ボート
)
の
事
(
こと
)
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
これを
見送
(
みおく
)
つて
翁
(
おきな
)
夫婦
(
ふうふ
)
はまた
一
(
ひと
)
しきり
聲
(
こゑ
)
をあげて
泣
(
な
)
きましたが、なんのかひもありませんでした。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
三
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
つ
方
(
かた
)
、
消
(
き
)
えがてなりし
雪
(
ゆき
)
も、
次第
(
しだい
)
に
跡
(
あと
)
なく
融
(
と
)
けた
或夜
(
あるよ
)
、
病院
(
びやうゐん
)
の
庭
(
には
)
には
椋鳥
(
むくどり
)
が
切
(
しき
)
りに
鳴
(
な
)
いてた
折
(
をり
)
しも、
院長
(
ゐんちやう
)
は
親友
(
しんいう
)
の
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
の
立歸
(
たちか
)
へるのを、
門迄
(
もんまで
)
見送
(
みおく
)
らんと
室
(
しつ
)
を
出
(
で
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
幼児
(
をさなご
)
は
黙
(
だま
)
つて、あたしを
見
(
み
)
つめてくれた。この
森蔭
(
もりかげ
)
の
端
(
はづれ
)
まであたしは
一緒
(
いつしよ
)
に
行
(
い
)
つてやつた。
此児
(
このこ
)
は
顫
(
ふる
)
へもしずに
歩
(
ある
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
終
(
つひ
)
にその
赤
(
あか
)
い
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
が、
遠
(
とほ
)
く
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
消
(
き
)
えるまで
見送
(
みおく
)
つた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
先刻
(
せんこく
)
は
見送
(
みおく
)
られた
吾等
(
われら
)
は
今
(
いま
)
は
彼等
(
かれら
)
を
此
(
この
)
船
(
ふね
)
より
送
(
おく
)
り
出
(
いだ
)
さんと、
私
(
わたくし
)
は
右手
(
めて
)
に
少年
(
せうねん
)
を
導
(
みちび
)
き、
流石
(
さすが
)
に
悄然
(
せうぜん
)
たる
春枝夫人
(
はるえふじん
)
を
扶
(
たす
)
けて
甲板
(
かんぱん
)
に
出
(
で
)
ると、
今宵
(
こよひ
)
は
陰暦
(
いんれき
)
十三
夜
(
や
)
、
深碧
(
しんぺき
)
の
空
(
そら
)
には一
片
(
ぺん
)
の
雲
(
くも
)
もなく
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ぼくたち
村
(
むら
)
の
子供
(
こども
)
は、
見送
(
みおく
)
るつもりでしばらく
鐘
(
かね
)
のうしろについていった。
来
(
こ
)
さん
坂
(
ざか
)
もすぎたが、
誰一人
(
だれひとり
)
帰
(
かえ
)
ろうとしなかった。
小松山
(
こまつやま
)
のそばまで
来
(
き
)
たが、まだ
誰
(
だれ
)
も
帰
(
かえ
)
るようすを
見
(
み
)
せなかった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
伯父
(
をぢ
)
さんは
父
(
とう
)
さん
達
(
たち
)
を
引連
(
ひきつ
)
れまして、
日頃
(
ひごろ
)
親
(
した
)
しくする
近所
(
きんじよ
)
の
家々
(
うち/\
)
へ
挨拶
(
あいさつ
)
に
寄
(
よ
)
りました。
大黒屋
(
だいこくや
)
へ
寄
(
よ
)
れば
小母
(
をば
)
さん
達
(
たち
)
が
家
(
うち
)
の
外
(
そと
)
まで
出
(
で
)
て
見送
(
みおく
)
り、
俵屋
(
たはらや
)
へ
寄
(
よ
)
ればお
婆
(
ばあ
)
さんが
出
(
で
)
て
見送
(
みおく
)
つて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
うしろすがたを
見送
(
みおく
)
りながら、ふたりの
勇士
(
ゆうし
)
は、うるんだ眼を見あわせた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
主人はうしろ
姿
(
すがた
)
を
見送
(
みおく
)
って、この変人いよいよおもしろいなと思った。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
一同
(
いちどう
)
次第
(
しだい
)
に
入
(
はひ
)
る。ヂュリエットと
乳母
(
うば
)
と
殘
(
のこ
)
りて、
出行
(
いでゆ
)
く
客
(
きゃく
)
を
見送
(
みおく
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
太郎
(
たろう
)
はいつまでも、その
船
(
ふね
)
を
見送
(
みおく
)
っていますと、
船
(
ふね
)
はだんだん、
知
(
し
)
らぬ
遠
(
とお
)
い
遠
(
とお
)
い
国
(
くに
)
の
方
(
ほう
)
へ
小
(
ちい
)
さくなっていってしまったのであります。
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ら
降
(
おり
)
たつ
後姿
(
うしろすがた
)
見送
(
みおく
)
る
物
(
もの
)
はお
八重
(
やへ
)
のみならず
優子
(
いうこ
)
も
部屋
(
へや
)
の
障子
(
しようじ
)
細目
(
ほそめ
)
に
明
(
あ
)
けて
言
(
い
)
はれぬ
心〻
(
こゝろ/\
)
を三
郎
(
らう
)
一人
(
ひとり
)
すゞしげに
行々
(
ゆく/\
)
吟
(
ぎん
)
ずる
詩
(
からうた
)
きゝたし
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
若者
(
わかもの
)
は、
下男
(
げなん
)
の
姿
(
すがた
)
が
遠
(
とお
)
くに
見
(
み
)
えなくなるまで
見送
(
みおく
)
りました。それからそこの
清水
(
しみず
)
で
手
(
て
)
を
洗
(
あら
)
いきよめて、
長谷寺
(
はせでら
)
の
観音
(
かんのん
)
さまの
方
(
ほう
)
に
向
(
む
)
いて手を
合
(
あ
)
わせながら
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
さては
身延
(
みのぶ
)
へ
參詣
(
さんけい
)
をするのであつたか。
遙拜
(
えうはい
)
しつゝ、
私
(
わたし
)
たちは、
今
(
いま
)
さらながら
其
(
そ
)
の
二人
(
ふたり
)
を、
涙
(
なみだ
)
ぐましく
見送
(
みおく
)
つた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
代助は橋の上に立つて、三千代が横町を
曲
(
まが
)
る迄
見送
(
みおく
)
つてゐた。
夫
(
それ
)
から
緩
(
ゆつ
)
くり歩を
回
(
めぐ
)
らしながら、
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小娘
(
こむすめ
)
は、
恐
(
おそ
)
らくはこれから
奉公先
(
ほうこうさき
)
へ
赴
(
おもむ
)
かうとしてゐる
小娘
(
こむすめ
)
は、その
懷
(
ふところ
)
に
藏
(
ざう
)
してゐた
幾顆
(
いくくわ
)
の
蜜柑
(
みかん
)
を
窓
(
まど
)
から
投
(
な
)
げて、わざわざ
踏切
(
ふみき
)
りまで
見送
(
みおく
)
りに
來
(
き
)
た
弟
(
をとうと
)
たちの
勞
(
らう
)
に
報
(
むく
)
いたのである。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三
月
(
がつ
)
の
末
(
すえ
)
つ
方
(
かた
)
、
消
(
き
)
えがてなりし
雪
(
ゆき
)
も、
次第
(
しだい
)
に
跡
(
あと
)
なく
融
(
と
)
けた
或夜
(
あるよ
)
、
病院
(
びょういん
)
の
庭
(
にわ
)
には
椋鳥
(
むくどり
)
が
切
(
しき
)
りに
鳴
(
な
)
いてた
折
(
おり
)
しも、
院長
(
いんちょう
)
は
親友
(
しんゆう
)
の
郵便局長
(
ゆうびんきょくちょう
)
の
立帰
(
たちか
)
えるのを、
門
(
もん
)
まで
見送
(
みおく
)
らんと
室
(
しつ
)
を
出
(
で
)
た。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
見送
(
みおく
)
りも爲ざりし由
檢使場
(
けんしば
)
でも御奉行樣のお前でも申立たる赴きゆゑはてなと思うて居るものゝ人の事にて兎や角と
言爭
(
いひあら
)
そはんも
益
(
えき
)
なき事
殊
(
こと
)
に私しの女房の云には
滅多
(
めつた
)
にそんな事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
みんなが
見送
(
みおく
)
ろうとあとをついて玄関まで行ったときは山男はもう
居
(
い
)
ませんでした。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
やがて、
楽
(
たの
)
しそうに鳴きさけぶガンのむれにまじって、アッカたちのむれだけは、さびしそうに飛んでいきました。ニールスは、いつまでも、いつまでもそのあとを
見送
(
みおく
)
っていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
頓
(
やが
)
て、
此
(
この
)
集會
(
つどひ
)
も
終
(
をは
)
ると、十
時
(
じ
)
間近
(
まぢか
)
で、いよ/\
弦月丸
(
げんげつまる
)
へ
乘船
(
のりくみ
)
の
時刻
(
じこく
)
とはなつたので、
濱島
(
はまじま
)
の
一家族
(
いつかぞく
)
と、
私
(
わたくし
)
とは
同
(
おな
)
じ
馬車
(
ばしや
)
で、
多
(
おほく
)
の
人
(
ひと
)
に
見送
(
みおく
)
られながら
波止塲
(
はとば
)
に
來
(
きた
)
り、
其邊
(
そのへん
)
の
或
(
ある
)
茶亭
(
ちやてい
)
に
休憇
(
きうけい
)
した
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
見送
(
みおく
)
る
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
からはこらへこらへた
溜涙
(
ためなみだ
)
が一
度
(
ど
)
に
滝
(
たき
)
のように
流
(
なが
)
れました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
見送
(
みおく
)
りながら、居士は
白鳥
(
しらとり
)
の
奥
(
おく
)
の
院
(
いん
)
のほうへ風のごとく立ち去った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乳母
(
うば
)
入る。ヂュリエットじっと
行方
(
ゆくかた
)
を
見送
(
みおく
)
って
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
青年
(
せいねん
)
は、
赤
(
あか
)
い
旗
(
はた
)
が、
黄昏
(
たそがれ
)
の
海
(
うみ
)
に、
消
(
き
)
えるのを
見送
(
みおく
)
っていました。まったく
見
(
み
)
えなくなってから、
彼
(
かれ
)
はがけからおりたのであります。
希望
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
腹
(
はら
)
も
立
(
た
)
たずか
言譯
(
いひわけ
)
しながら
後刻
(
のち
)
に
後刻
(
のち
)
にと
行過
(
ゆきすぎ
)
るあとを、
一寸
(
ちよつと
)
舌打
(
したうち
)
しながら
見送
(
みおく
)
つて
後
(
のち
)
にも
無
(
な
)
いもんだ
來
(
く
)
る
氣
(
き
)
もない
癖
(
くせ
)
に
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それから
新
(
あたら
)
しいおわんのお
舟
(
ふね
)
に、
新
(
あたら
)
しいおはしのかいを
添
(
そ
)
えて、
住吉
(
すみよし
)
の
浜
(
はま
)
から
舟出
(
ふなで
)
をしました。おとうさんとおかあさんは
浜
(
はま
)
べまで
見送
(
みおく
)
りに
立
(
た
)
って
下
(
くだ
)
さいました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
見送
(
みおく
)
ると
小
(
ちい
)
さくなつて、一
坐
(
ざ
)
の
大山
(
おほやま
)
の
背後
(
うしろ
)
へかくれたと
思
(
おも
)
ふと、
油旱
(
あぶらでり
)
の
焼
(
や
)
けるやうな
空
(
そら
)
に、
其
(
そ
)
の
山
(
やま
)
の
巓
(
いたゞき
)
から、すく/\と
雲
(
くも
)
が
出
(
で
)
た、
瀧
(
たき
)
の
音
(
おと
)
も
静
(
しづ
)
まるばかり
殷々
(
ゐん/\
)
として
雷
(
らい
)
の
響
(
ひゞき
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
惜
(
をし
)
めども
斯
(
かく
)
てあるべきにあらざれば既に
袂
(
たもと
)
を
別
(
わか
)
ちしが跡には女房と
妹
(
いもと
)
との二人夫と
姉
(
あね
)
の後ろ
影
(
かげ
)
を我が
門口
(
かどぐち
)
へ立出て
伸上
(
のびあが
)
り/\
見送
(
みおく
)
るを
此方
(
こなた
)
も同じ思ひにて十兵衞お文の兩人も
妻
(
つま
)
と妹を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
自分
(
じぶん
)
の
勝手
(
かつて
)
に
作
(
つく
)
り
上
(
あ
)
げた
美
(
うつ
)
くしい
未來
(
みらい
)
が、
半分
(
はんぶん
)
壞
(
くづ
)
れかゝつたのを、さも
傍
(
はた
)
の
人
(
ひと
)
の
所爲
(
せゐ
)
ででもあるかの
如
(
ごと
)
く
心
(
こゝろ
)
を
亂
(
みだ
)
してゐる
小六
(
ころく
)
の
歸
(
かへ
)
る
姿
(
すがた
)
を
見送
(
みおく
)
つた
宗助
(
そうすけ
)
は、
暗
(
くら
)
い
玄關
(
げんくわん
)
の
敷居
(
しきゐ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
園丁
(
えんてい
)
は何だか顔が青ざめてしばらくそれを
見送
(
みおく
)
りやがて
唐檜
(
とうひ
)
の中へはいります。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
汽車
(
きしや
)
を
見送
(
みおく
)
つた
子供
(
こども
)
たちの
上
(
うへ
)
へばらばらと
空
(
そら
)
から
降
(
ふ
)
つて
來
(
き
)
た。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
と、
他
(
ほか
)
に
三人
(
みたり
)
の
人
(
ひと
)
は
本船
(
ほんせん
)
まで
見送
(
みおく
)
つて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
少年
(
しょうねん
)
は、
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
には、やさしい
心
(
こころ
)
の
婦人
(
ふじん
)
もあるものと
思
(
おも
)
って、そのうしろ
姿
(
すがた
)
を
見送
(
みおく
)
りますと、
女
(
おんな
)
は
向
(
む
)
こう
側
(
がわ
)
のたばこ
屋
(
や
)
にはいりました。
街の幸福
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
千代
(
ちい
)
ちやん
彼
(
あれ
)
は
何
(
なん
)
だ
学校
(
がくかう
)
の
御朋友
(
おともだち
)
か
随分
(
ずゐぶん
)
乱暴
(
らんばう
)
な
連中
(
れんぢう
)
だなアとあきれて
見送
(
みおく
)
る
良之助
(
りやうのすけ
)
より
低頭
(
うつむ
)
くお
千代
(
ちよ
)
は
赧然
(
はなじろ
)
めり
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
罷違
(
まかりちが
)
ふて
旧道
(
きうだう
)
を
皆
(
みな
)
歩行
(
ある
)
いても
怪
(
け
)
しうはあるまい、
恁
(
か
)
ういふ
時候
(
じこう
)
ぢや、
狼
(
おほかみ
)
の
春
(
しゆん
)
でもなく、
魑魅魍魎
(
ちみまうりやう
)
の
汐
(
しほ
)
さきでもない、まゝよ、と
思
(
おも
)
ふて、
見送
(
みおく
)
ると
早
(
は
)
や
親切
(
しんせつ
)
な
百姓
(
ひやくしやう
)
の
姿
(
すがた
)
も
見
(
み
)
えぬ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こういうわけで
九州
(
きゅうしゅう
)
から
為朝
(
ためとも
)
について
来
(
き
)
た
家来
(
けらい
)
は二十八
騎
(
き
)
だけでしたが、どうしてもお
供
(
とも
)
ができなければ、せめて
途中
(
とちゅう
)
までお
見送
(
みおく
)
りがしたいといって、いくら
断
(
ことわ
)
っても、
断
(
ことわ
)
っても、どこまでも
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
送
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
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