“舟出”の読み方と例文
読み方割合
ふなで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いでわれみづから往いて求めんとて、朝まだきに力強き漕手こぎて四人をやとひ、みなと舟出ふなでして、こゝかしこの洞窟より巖のはざまゝで、名殘なごりなく尋ね給ひぬ。
それからあたらしいおわんのおふねに、あたらしいおはしのかいをえて、住吉すみよしはまから舟出ふなでをしました。おとうさんとおかあさんははまべまで見送みおくりにってくださいました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
近松ちかまつの俊寛は源平盛衰記げんぺいせいすゐきの俊寛よりも、遙かに偉い人になつてゐる。勿論舟出ふなでを見送る時には、嘆き悲しむのに相違ない。しかしそのは近松の俊寛も、安らかに余生を送つたかも知れぬ。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)