“溜涙”の読み方と例文
読み方割合
ためなみだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お政が坐舗を出るや否(いな)や、文三は今までの溜涙(ためなみだ)を一時にはらはらと落した。ただそのまま、さしうつむいたままで、良(やや)久(しば)らくの間、起ちも上がらず、身動きもせず、黙念として坐ッていた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
然(しか)るに女房お政は夫(をつと)文右衞門が問(とは)ず語りを側(そば)にて熟々(つく/″\)聞居たりしが堪(こら)へ/\し溜涙(ためなみだ)夜半の時雨(しぐれ)と諸共にワツとばかりに泣出せしかば文右衞門は是を見返(みかへ)りコリヤお政何が其樣に悲(かな)しくて泣(なき)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
意気地(いきじ)と張りを命にして、張詰めた溜涙(ためなみだ)をぼろぼろこぼすのと違って、細い、きれの長い、情のある眦(まなじり)をうるませ、几帳(きちょう)のかげにしとしとと、春雨の降るように泣きぬれ、打(うち)かこちた姿である。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)