トップ
>
格別
>
かくべつ
ふりがな文庫
“
格別
(
かくべつ
)” の例文
「何でエ。
格別
(
かくべつ
)
のこともねえじゃアねえか。面白くもねえ。お命頂戴、只今参上はいいが、一たいいつ来るっていうんだろう?」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そうしたことは
格別
(
かくべつ
)
珍
(
めず
)
らしい
事
(
こと
)
でも
何
(
なん
)
でもないのですが、
場合
(
ばあい
)
が
場合
(
ばあい
)
とて、それが
飛
(
と
)
んでもない
大騒
(
おおさわ
)
ぎになって
了
(
しま
)
いました。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其方儀久兵衞を
盜賊
(
たうぞく
)
と知らずと雖も不正の金子を
預
(
あづか
)
り
置事
(
おくこと
)
不屆に付
屹度
(
きつと
)
咎
(
とが
)
め申付べきの處
格別
(
かくべつ
)
の御憐愍を以て過料錢七貫文申付る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ちょうは、このときに、
格別
(
かくべつ
)
、ほかへいってみたいなどという
考
(
かんが
)
えをもちませんでしたから、みつばちのいうことを
笑
(
わら
)
ってきいていました。
ちょうと怒濤
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
横穴
(
よこあな
)
の
中
(
なか
)
でも
格別
(
かくべつ
)
珍
(
めづ
)
らしい
構造
(
かうぞう
)
では
無
(
な
)
いが、
床
(
ゆか
)
と
溝
(
みぞ
)
とが
稍
(
やゝ
)
形式
(
けいしき
)
に
於
(
おい
)
て
異
(
こと
)
なつて
居
(
ゐ
)
る
位
(
くらゐ
)
で、
之
(
これ
)
を
信仰
(
しんかう
)
するに
至
(
いた
)
つては、
抱腹絶倒
(
はうふくぜつたう
)
せざるを
得
(
え
)
ない。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
野田
(
のだ
)
で
卯平
(
うへい
)
の
役目
(
やくめ
)
といへば
夜
(
よる
)
になつて
大
(
おほ
)
きな
藏々
(
くら/″\
)
の
間
(
あひだ
)
を
拍子木
(
ひやうしぎ
)
叩
(
たゝ
)
いて
歩
(
ある
)
く
丈
(
だけ
)
で
老人
(
としより
)
の
體
(
からだ
)
にもそれは
格別
(
かくべつ
)
の
辛抱
(
しんぼう
)
ではなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
はツ、
初
(
はじ
)
めましてお
目通
(
めどほ
)
りを
仕
(
つかまつ
)
ります。へえ、
今度
(
このたび
)
はまた
格別
(
かくべつ
)
の
御註文
(
ごちうもん
)
仰
(
おほ
)
せつけられまして、
難有
(
ありがた
)
い
仕合
(
しあは
)
せにござります。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そりゃァもう
仙蔵
(
せんぞう
)
のいう
通
(
とお
)
り
真正
(
しんしょう
)
間違
(
まちげ
)
えなしの、
生
(
い
)
きたおせんちゃんを
江戸
(
えど
)
の
町中
(
まちなか
)
で
見
(
み
)
たとなりゃァ、また
評判
(
ひょうばん
)
は
格別
(
かくべつ
)
だ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ずうっと
向
(
むこ
)
うの
窪
(
くぼ
)
みで、達二の兄さんの声がしました。牛は沢山の草を見ても、
格別
(
かくべつ
)
嬉
(
うれ
)
しそうにもしませんでした。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
僕はその
日
(
ひ
)
膳
(
ぜん
)
を前に、若槻と
献酬
(
けんしゅう
)
を重ねながら、小えんとのいきさつを聞かされたんだ。小えんにはほかに男がある。それはまあ
格別
(
かくべつ
)
驚かずとも
好
(
よ
)
い。
一夕話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
はやるほど
猶
(
なほ
)
落附
(
おちつき
)
てお
友達
(
ともだち
)
の
誰
(
たれ
)
さま
御病氣
(
ごびやうき
)
ときく
格別
(
かくべつ
)
に
中
(
なか
)
の
好
(
よ
)
き
人
(
ひと
)
ではあり
是非
(
ぜひ
)
お
見舞
(
みまひ
)
申
(
まを
)
したく
存
(
ぞん
)
じますがと
許容
(
ゆるし
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
頓
(
やが
)
て
雨
(
あめ
)
が
全
(
まつた
)
く
霽
(
は
)
れると
共
(
とも
)
に、
今度
(
こんど
)
は
赫々
(
かく/\
)
たる
太陽
(
たいよう
)
は、
射
(
い
)
る
如
(
ごと
)
く
吾等
(
われら
)
の
上
(
うへ
)
を
照
(
てら
)
して
來
(
き
)
た。
印度洋
(
インドやう
)
中
(
ちう
)
雨後
(
うご
)
の
光線
(
くわうせん
)
はまた
格別
(
かくべつ
)
で、
私
(
わたくし
)
は
炒
(
い
)
り
殺
(
ころ
)
されるかと
思
(
おも
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
窯焚
(
かまた
)
きの
百助
(
ももすけ
)
と
山目付
(
やまめつけ
)
の鈴木
杢之進
(
もくのしん
)
、庭木戸から入ってきてこの
態
(
てい
)
を眺めたが、
格別
(
かくべつ
)
目新しいことでもないので、相変らずだな、と思って縁へ寄ってきた。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無論
(
むろん
)
、そんなことで
筆頭
(
ひつとう
)
などゝ
認
(
みと
)
められても、
格別
(
かくべつ
)
嬉
(
うれ
)
しくもないが、そも/\
私
(
わたし
)
が
寫眞
(
しやしん
)
を
初
(
はじ
)
めたのは、十一二の時分のことで、年
號
(
ごう
)
にすれば、
明治
(
めいち
)
三十五六年
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
實際頭巾にて覆はれ
居
(
を
)
るべき耳の形が
外
(
そと
)
に作り設けて有ればとて
格別
(
かくべつ
)
に不審を
懷
(
いだ
)
くにも及ばざるべし。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
そのうちの一人は、助手の小山すみれ女史であって、彼女がそこに居ることには
格別
(
かくべつ
)
愕きはしない。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一平 僕はあの小説を読むと描き方はやわらかく感じるが、あの女は
格別
(
かくべつ
)
新しいとは思わないね。
新時代女性問答
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それで
此
(
この
)
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
には、
號外
(
がうぐわい
)
發行
(
はつかう
)
の
當日
(
たうじつ
)
以後
(
いご
)
、
今夜
(
こんや
)
小六
(
ころく
)
がそれを
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
した
迄
(
まで
)
は、
公
(
おほや
)
けには
天下
(
てんか
)
を
動
(
うご
)
かしつゝある
問題
(
もんだい
)
も、
格別
(
かくべつ
)
の
興味
(
きようみ
)
を
以
(
もつ
)
て
迎
(
むか
)
へられてゐなかつたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其まゝに大きくして、内の
媳
(
よめ
)
にするのが多い。
所謂
(
いわゆる
)
「
蕾
(
つぼみ
)
からとる
花嫁御
(
はなよめご
)
」である。一家総労働の農家では、主僕の間に
隔
(
へだて
)
がない様に、実の娘と養女の間に
格別
(
かくべつ
)
の
差等
(
さとう
)
はない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
十年以前まだ両親のあったころは、年に二度や三度は必ず
帰省
(
きせい
)
もしたが、なんとなしわが家という気持ちが勝っておったゆえか、来て見たところで
格別
(
かくべつ
)
なつかしい感じもなかった。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
一
疋
(
ぴき
)
の白い蝶だ、
最早
(
もう
)
四辺
(
あたり
)
は薄暗いので、よくも解らぬけれど、
足下
(
あしもと
)
の
辺
(
あたり
)
を、ただばたばたと
羽撃
(
はうち
)
をしながら
格別
(
かくべつ
)
飛びそうにもしない、白い蝶! 自分は幼い時分の
寐物語
(
ねまのかたり
)
に聞いた
白い蝶
(新字新仮名)
/
岡田三郎助
(著)
そして
格別
(
かくべつ
)
の
味
(
あぢ
)
だと
言
(
い
)
はんばかりに
喉
(
のど
)
を
鳴
(
な
)
らした。
寒
(
さむ
)
さも
寒
(
さむ
)
さだが、
自分
(
じぶん
)
の
眼玉
(
めだま
)
がたべられるなんて
聞
(
き
)
いたので、
思
(
おも
)
わずブルルッと
身震
(
みぶる
)
ひしたペンペは、さつそく
片方
(
かたほう
)
の
眼玉
(
めだま
)
をたべてみた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
是
(
これ
)
はまた
格別
(
かくべつ
)
の
賑
(
にぎ
)
はひ、
郡司大尉
(
ぐんじたいゐ
)
の
壮行
(
さうかう
)
をまのあたり見て、子や
孫
(
まご
)
に
語
(
かた
)
りて
教草
(
をしへぐさ
)
にせんと、
送別
(
さうべつ
)
の
外
(
ほか
)
の
遊人
(
いうじん
)
も多くして、
帰
(
かへ
)
さは
筇
(
つゑ
)
を
此
(
こゝ
)
に
曳
(
ひ
)
きしも
少
(
すくな
)
からで、また
一倍
(
いちばい
)
の
賑
(
にぎ
)
はひはありしならん
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
夫婦
暮
(
ぐら
)
しなれば
格別
(
かくべつ
)
、もしも三、五人の子供または老親あれば、
歳入
(
さいにゅう
)
を以て衣食を給するに
足
(
た
)
らず。故に
家内
(
かない
)
力役
(
りきえき
)
に
堪
(
たう
)
る者は男女を問わず、或は
手細工
(
てざいく
)
或は
紡績
(
ぼうせき
)
等の
稼
(
かせぎ
)
を以て
辛
(
かろ
)
うじて
生計
(
せいけい
)
を
為
(
な
)
すのみ。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
『
女人禁制
(
にょにんきんせい
)
の
土地柄
(
とちがら
)
、
格別
(
かくべつ
)
のおもてなしとてでき
申
(
もう
)
さぬ。ただいささか
人間離
(
にんげんばな
)
れのした、一
風
(
ぷう
)
変
(
かわ
)
っているところがこの
世界
(
せかい
)
の
御馳走
(
ごちそう
)
で……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼等
(
かれら
)
の
白
(
しろ
)
い
手拭
(
てぬぐひ
)
が
聚
(
あつま
)
つて
遙
(
はるか
)
に
人
(
ひと
)
の
目
(
め
)
を
惹
(
ひ
)
く
外
(
ほか
)
師匠
(
ししやう
)
の
家
(
うち
)
に
格別
(
かくべつ
)
の
利益
(
りえき
)
もなく
彼等
(
かれら
)
自分等
(
じぶんら
)
のみが一
日
(
にち
)
を
樂
(
たのし
)
く
暮
(
くら
)
し
得
(
う
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
替
(
かは
)
し候由尤も其節長庵が
體裁
(
ありさま
)
甚だ以て
如何敷
(
いかゞしき
)
趣きに有之候旨に御座候之に依て右忠兵衞證據人に
相立
(
あひたて
)
此段御訴訟申上奉つり候
何卒
(
なにとぞ
)
格別
(
かくべつ
)
の御慈悲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其後
(
そののち
)
又
(
また
)
一
回
(
くわい
)
、
此所
(
こゝ
)
を
掘
(
ほ
)
つたが、
格別
(
かくべつ
)
の
物
(
もの
)
は
出
(
で
)
なかつた。
發掘
(
はつくつ
)
はそれ
切
(
き
)
りであるが、
表面採集
(
ひやうめんさいしふ
)
にはそれからも
度々
(
たび/″\
)
行
(
ゆ
)
つた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
父
(
ちゝ
)
にまで
遠慮
(
ゑんりよ
)
がちなれば
自
(
おの
)
づから
詞
(
ことば
)
かずも
多
(
おほ
)
からず、一
目
(
め
)
に
見
(
み
)
わたした
處
(
ところ
)
では
柔和
(
おとな
)
しい
温順
(
すなほ
)
の
娘
(
むすめ
)
といふばかり、
格別
(
かくべつ
)
利發
(
りはつ
)
ともはげしいとも
人
(
ひと
)
は
思
(
おも
)
ふまじ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
はあ、
御串戲
(
ごじようだん
)
をなさりますな、
貴下
(
あなた
)
からお
酒錢
(
さかて
)
なんぞ、
何
(
ど
)
うして
最
(
も
)
う
餘分
(
よぶん
)
な
御祝儀
(
ごしうぎ
)
を
姐
(
ねえ
)
さんたちに
頂
(
いたゞ
)
いて
居
(
を
)
ります。
格別
(
かくべつ
)
氣
(
き
)
をつけてお
供申
(
ともまを
)
せと
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
で。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
古道具屋
(
ふるどうぐや
)
は、それを
格別
(
かくべつ
)
、ありがたいとも
思
(
おも
)
わぬようすで、
金銀細工
(
きんぎんざいく
)
の
飾
(
かざ
)
りといっしょに
持
(
も
)
ってゆきました。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
十
數年
(
すうねん
)
來
(
らい
)
浪
(
なみ
)
を
枕
(
まくら
)
に
世
(
よ
)
を
渡
(
わた
)
る
水夫
(
すゐふ
)
共
(
ども
)
も
未曾有
(
みそういう
)
の
好
(
かう
)
航海
(
かうかい
)
だと
語
(
かた
)
つた
程
(
ほど
)
で、
從
(
したがつ
)
て
其間
(
そのあひだ
)
には
格別
(
かくべつ
)
に
記
(
しる
)
す
程
(
ほど
)
の
事
(
こと
)
もない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
とにかくあんまり
強
(
つよ
)
くもなく、かと言つてまた
格別
(
かくべつ
)
恥
(
はづ
)
かしいほど
弱
(
よわ
)
い
譯
(
わけ
)
でもなく、
棋
(
き
)
風も先づ正正
堂堂
(
どうどう
)
として
至極
(
しごく
)
落
(
お
)
ち着き
拂
(
はら
)
つた方、正に兄たり
難
(
かた
)
く弟たり
難
(
かた
)
しの
組
(
くみ
)
合せだ。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
作者
(
さくしや
)
はさつき、「下人が雨やみを待つてゐた」と書いた。しかし、
下人
(
げにん
)
は、雨がやんでも
格別
(
かくべつ
)
どうしようと云ふ當てはない。ふだんなら、
勿論
(
もちろん
)
、主人の家へ歸る可き筈である。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
織屋
(
おりや
)
は
仕舞
(
しまひ
)
に
撚糸
(
よりいと
)
の
紬
(
つむぎ
)
と、
白絽
(
しろろ
)
を一
匹
(
ぴき
)
細君
(
さいくん
)
に
賣
(
う
)
り
付
(
つ
)
けた。
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
押
(
お
)
し
詰
(
つま
)
つた
暮
(
くれ
)
に、
夏
(
なつ
)
の
絽
(
ろ
)
を
買
(
か
)
ふ
人
(
ひと
)
を
見
(
み
)
て
餘裕
(
よゆう
)
のあるものは
又
(
また
)
格別
(
かくべつ
)
だと
感
(
かん
)
じた。すると、
主人
(
しゆじん
)
が
宗助
(
そうすけ
)
に
向
(
むか
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一平 一つは外国からの
格別
(
かくべつ
)
新しい
思潮
(
しちょう
)
が入らなくなった
勢
(
いきおい
)
もありはしないか。
新時代女性問答
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
標本
(
みほん
)
として
私
(
わたくし
)
が
彼所
(
あそこ
)
で
実家
(
さと
)
の
忠僕
(
ちゅうぼく
)
及
(
およ
)
び
良人
(
おっと
)
に
逢
(
あ
)
った
話
(
はなし
)
なりと
致
(
いた
)
しましょうか。
格別
(
かくべつ
)
面白
(
おもしろ
)
いこともございませぬが……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
(三)
第
(
だい
)
二の
横穴
(
よこあな
)
に
數人
(
すうにん
)
を
合葬
(
がつそう
)
したるは
主人
(
しゆじん
)
及
(
およ
)
び
殉死者
(
じゆんししや
)
を
入
(
い
)
れたりと
解釋
(
かいしやく
)
せず。
身分
(
みぶん
)
に
格別
(
かくべつ
)
の
隔絶
(
かくぜつ
)
なき
武人
(
ぶじん
)
の、
同日
(
どうじつ
)
の
戰死者
(
せんししや
)
を
合葬
(
がつそう
)
したる
者
(
もの
)
と
考證
(
かうしよう
)
す。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
不味相
(
まづさう
)
な
容子
(
ようす
)
をして
箸
(
はし
)
を
執
(
と
)
るのは
卯平
(
うへい
)
が
凡
(
すべ
)
ての
場合
(
ばあひ
)
を
通
(
つう
)
じての
状態
(
じやうたい
)
なので、おつぎの
目
(
め
)
には
格別
(
かくべつ
)
の
注意
(
ちうい
)
を
起
(
おこ
)
さしむべき
動機
(
どうき
)
が
一
(
ひと
)
つも
捉
(
とら
)
へられなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
いくら
惡人
(
あくにん
)
でも、
親子
(
おやこ
)
の
情
(
じやう
)
はまた
格別
(
かくべつ
)
と
見
(
み
)
へ、
正直
(
しやうじき
)
なる
亞尼
(
アンニー
)
は「
一寸
(
ちよつと
)
お
出
(
い
)
で。」と
其
(
その
)
子
(
こ
)
をば、
其邊
(
そのへん
)
の
小
(
ちい
)
さい
料理屋
(
れうりや
)
へ
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて、
自分
(
じぶん
)
の
貧
(
さび
)
しい
財嚢
(
さいふ
)
を
傾
(
かたむ
)
けて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
二人
(
ふたり
)
は、たぶんそんなことだろうというような
気
(
き
)
もしたので、
格別
(
かくべつ
)
驚
(
おどろ
)
きも、
力落
(
ちからお
)
としもしませんでした。
野菊の花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
墓
(
はか
)
へ
這入
(
はい
)
るまで八
圓
(
ゑん
)
の
月給
(
げつきう
)
では
有
(
あ
)
るまいと
思
(
おも
)
ひますに、
其邊
(
そのへん
)
格別
(
かくべつ
)
の
御心配
(
ごしんぱい
)
なくと
見事
(
みごと
)
に
言
(
い
)
へば、
母親
(
はゝおや
)
はまだらに
殘
(
のこ
)
る
黒
(
くろ
)
き
齒
(
は
)
を
出
(
だ
)
して、
成
(
な
)
るほど/\
宜
(
よ
)
く
立派
(
りつぱ
)
に
聞
(
きこ
)
えました
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
島秀之助が今日の
振舞
(
ふるまひ
)
後
(
のち
)
に關東へ聞え
器量
(
きりやう
)
格別
(
かくべつ
)
の者なりとて
元文
(
ぐわんぶん
)
三年三月京都
町奉行
(
まちぶぎやう
)
を仰付られ
島長門守
(
しまながとのかみ
)
と
言
(
いひ
)
しは此人なりし同五年江戸町奉行となり
延享
(
えんきやう
)
三年
寅年
(
とらどし
)
免ぜらる
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
最惜
(
いとし
)
げな。
早
(
はや
)
くから
御兩親
(
ごりやうしん
)
にお
別
(
わか
)
れなすつた
貴下
(
あなた
)
でござります。
格別
(
かくべつ
)
のお
心持
(
こゝろもち
)
、お
墓
(
はか
)
の
松
(
まつ
)
の
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
が、
峰
(
みね
)
からして
此處
(
こゝ
)
までなあ……なまいだぶ、なまいだぶ、なまいだぶ、……
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「昔々」と云へば
既
(
すで
)
に
太古緬邈
(
たいこめんばく
)
の世だから、小指ほどの
一寸法師
(
いつすんぼふし
)
が住んでゐても、竹の中からお姫様が生れて来ても、
格別
(
かくべつ
)
矛盾
(
むじゆん
)
の感じが起らない。そこで
予
(
あらかじ
)
め前へ「昔々」と
食付
(
くつつ
)
けたのである。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
冬
(
ふゆ
)
の、ある
寒
(
さむ
)
い
寒
(
さむ
)
い
晩
(
ばん
)
のこと、
格別
(
かくべつ
)
弟
(
おとうと
)
が
悪
(
わる
)
いことをしたのではないのに、
兄
(
あに
)
は
弟
(
おとうと
)
をいじめました。
白すみれとしいの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
但
(
たゞ
)
しその
時代
(
じだい
)
には、
精々
(
せい/″\
)
打製石斧
(
だせいせきふ
)
か、
石鏃屑
(
せきぞくくづ
)
位
(
くらゐ
)
で、
格別
(
かくべつ
)
驚
(
おどろ
)
くべき
珍品
(
ちんぴん
)
は
手
(
て
)
に
入
(
い
)
らぬのであつた。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
結構人
(
けつこうじん
)
の
旦那
(
だんな
)
どの、
何
(
ど
)
うぞしたかとお
問
(
と
)
ひのかゝるに、いえ、
格別
(
かくべつ
)
の
事
(
こと
)
でも
御座
(
ござ
)
りますまいけれど、
仲町
(
なかまち
)
の
姉
(
あね
)
が
何
(
なに
)
やら
心配
(
しんぱい
)
の
事
(
こと
)
が
有
(
あ
)
るほどに、
此方
(
こち
)
から
行
(
ゆ
)
けば
宜
(
よ
)
いのなれど
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
ど
)
うぢや、それとも、
御身達
(
おみたち
)
に、
煙草
(
たばこ
)
の
吸殻
(
すゐがら
)
を
太陽
(
たいやう
)
の
炎
(
ほのほ
)
に
変
(
か
)
へ、
悪魔
(
あくま
)
の
煩脳
(
ぼんなう
)
を
焼亡
(
やきほろ
)
ぼいて
美女
(
びぢよ
)
を
助
(
たす
)
ける
工夫
(
くふう
)
があるか、すりや
格別
(
かくべつ
)
ぢや。よもあるまい。
有
(
あ
)
るか、
無
(
な
)
からう。……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「しかしその
後
(
のち
)
は
格別
(
かくべつ
)
に、御歎きなさる事はなかったのですか?」
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“格別”の意味
《名詞》
格別(かくべつ、古:かくべち)
(context、dated)別別にすること。また、そのようになること。
特別。別段。格段によいこと。
例外。
《形容動詞》
特別なさま。格段によいさま。
《形容動詞》
とりわけ。特別。
(打ち消しを伴って)別段。特に。
例外として。
(出典:Wiktionary)
格
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
別
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“格”で始まる語句
格子
格子戸
格好
格
格闘
格子縞
格天井
格子窓
格言
格納庫