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客
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きやく
ふりがな文庫
“
客
(
きやく
)” の例文
宗助
(
そうすけ
)
にも
御米
(
およね
)
にも
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けない
程
(
ほど
)
稀
(
たま
)
な
客
(
きやく
)
なので、
二人
(
ふたり
)
とも
何
(
なに
)
か
用
(
よう
)
があつての
訪問
(
はうもん
)
だらうと
推
(
すゐ
)
したが、
果
(
はた
)
して
小六
(
ころく
)
に
關
(
くわん
)
する
件
(
けん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
下谷
(
したや
)
團子坂
(
だんござか
)
の
出店
(
でみせ
)
なり。
夏
(
なつ
)
は
屋根
(
やね
)
の
上
(
うへ
)
に
柱
(
はしら
)
を
建
(
た
)
て、
席
(
むしろ
)
を
敷
(
し
)
きて
客
(
きやく
)
を
招
(
せう
)
ず。
時々
(
とき/″\
)
夕立
(
ゆふだち
)
に
蕎麥
(
そば
)
を
攫
(
さら
)
はる、とおまけを
謂
(
い
)
はねば
不思議
(
ふしぎ
)
にならず。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「朝顔に急がぬ膳や残り
客
(
きやく
)
」「ひそひそと何
料理
(
れう
)
るやら
榾明
(
ほたあか
)
り」「初秋の心づかひや味噌醤油」「大事がる馬の尾づつや秋の風」
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
代金
(
だいきん
)
は
誰
(
だれ
)
がきめたものか、いづこも
宿賃
(
やどちん
)
二三
百円
(
びやくゑん
)
を
除
(
のぞ
)
いて、
女
(
をんな
)
の
収入
(
しうにふ
)
は
客
(
きやく
)
一人
(
ひとり
)
につき
普通
(
ふつう
)
は三
百円
(
びやくゑん
)
から五
百円
(
ひやくゑん
)
、一
泊
(
ぱく
)
は
千円
(
せんゑん
)
以上
(
いじやう
)
だと
云
(
い
)
ふ。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
一つフロツクコートで
患者
(
くわんじや
)
も
受
(
う
)
け、
食事
(
しよくじ
)
もし、
客
(
きやく
)
にも
行
(
ゆ
)
く。
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
れは
彼
(
かれ
)
が
吝嗇
(
りんしよく
)
なるのではなく、
扮裝
(
なり
)
などには
全
(
まつた
)
く
無頓着
(
むとんぢやく
)
なのに
由
(
よ
)
るのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
春
(
はる
)
ならで
芳之助
(
よしのすけ
)
の
歸宅
(
かへり
)
の
遲
(
おそ
)
さよ
好
(
よ
)
き
客
(
きやく
)
ありて
遠
(
とほ
)
くまで
行
(
ゆ
)
きたるにやそれにしても
最
(
も
)
う
歸
(
かへ
)
りさうなもの
日沒
(
ひぐれ
)
まへに
一度
(
いちど
)
づゝ
樣子見
(
やうすみ
)
に
戻
(
もど
)
るが
常
(
つね
)
なるを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
借て
手傳
(
てつだ
)
はせしに
夜
(
よ
)
も
更
(
ふけ
)
し
儘
(
まゝ
)
其夜
(
そのよ
)
は下女事私し方へ泊り
翌朝
(
よくてう
)
客
(
きやく
)
の
給仕
(
きふじ
)
などを仕舞て立歸り候處右の
騷動
(
さうどう
)
故
(
ゆゑ
)
大いに驚き候由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『やア、
僕
(
ぼく
)
は
今
(
いま
)
、フアーマーをして
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
だ。まア
上
(
あが
)
り
給
(
たま
)
へ。
直
(
ぢ
)
き
足
(
あし
)
を
洗
(
あら
)
ふ。
離座敷
(
はなれざしき
)
は
見晴
(
みはら
)
しが
好
(
い
)
いから』と
客
(
きやく
)
を
好
(
この
)
む。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
客
(
きやく
)
のもてなしもしつくして
殆
(
ほとんど
)
倦果
(
うみはて
)
、
終
(
つひ
)
には役者
仲間
(
なかま
)
いひあはせ、川の
冰
(
こほり
)
を
砕
(
くだき
)
て水を
浴
(
あび
)
千垢離
(
せんごり
)
して
晴
(
はれ
)
を
祈
(
いの
)
るもをかし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
然
(
しか
)
し、
球台
(
たまたい
)
、
球
(
たま
)
、キユウ、チヨウク、お
客
(
きやく
)
の人
柄
(
から
)
、
建物
(
たてもの
)
の
感
(
かん
)
じ、
周圍
(
しうい
)
の
状態
(
ぜうたい
)
、
經營者
(
けいえいしや
)
の
經營振
(
けいえいふり
)
——さうした
條件
(
ぜうけん
)
がいい
氣
(
き
)
持に
揃
(
そろ
)
ふのは
實
(
じつ
)
に
困難
(
こんなん
)
な事なので
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
まれびとといふのは、お
客
(
きやく
)
さまといふことですが、ごくたまに
來
(
く
)
る
珍
(
めづら
)
しい
人
(
ひと
)
といふのが
古
(
ふる
)
い
意味
(
いみ
)
です。
渡
(
わた
)
り
鳥
(
どり
)
なる
雁
(
かり
)
をば、この
珍客
(
ちんきやく
)
に
見立
(
みた
)
てたのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
『
貴殿
(
あなた
)
は
何處
(
どこ
)
の
御出身
(
ごしゆつしん
)
ですか』と
突然
(
とつぜん
)
高等商業
(
かうとうしやうげふ
)
出身
(
しゆつしん
)
の
某
(
なにがし
)
、
今
(
いま
)
は
或
(
ある
)
會社
(
くわいしや
)
に
出
(
で
)
て
重役
(
ぢゆうやく
)
の
覺
(
おぼえ
)
目出度
(
めでた
)
き
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
が
小介川文學士
(
こすけがはぶんがくし
)
の
隣
(
となり
)
に
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
新來
(
しんらい
)
の
客
(
きやく
)
に
問
(
と
)
ひかけた。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『あゝ、
御寺内
(
ごじない
)
のお
客
(
きやく
)
さんだつかいな。
孫右衞門
(
まごゑもん
)
さん、
御苦勞
(
ごくらう
)
はん。』と、
茶店
(
ちやみせ
)
の
女
(
をんな
)
は
愛嬌
(
あいけう
)
を
振
(
ふ
)
り
撒
(
ま
)
いた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
〔譯〕
濁水
(
だくすゐ
)
も亦水なり、一
澄
(
ちよう
)
すれば則ち
清水
(
せいすゐ
)
となる。
客氣
(
きやくき
)
も亦氣なり、一
轉
(
てん
)
すれば則ち
正氣
(
せいき
)
となる。
客
(
きやく
)
を
逐
(
お
)
ふの工夫は、只是れ己に克つなり、只是れ禮に
復
(
かへ
)
るなり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
ねんごろに
客
(
きやく
)
をもてなす
花楸樹
(
はなかまど
)
、小鳥が
毎年
(
まいとし
)
當
(
あて
)
にする
降誕祭
(
ノエルまつり
)
の
飾木
(
かざりぎ
)
よ、わたしの悲しい心の
悦
(
よろこび
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
小
(
ちひ
)
さな
葬式
(
さうしき
)
ながら
柩
(
ひつぎ
)
が
出
(
で
)
た
後
(
あと
)
は
旋風
(
つむじかぜ
)
が
埃
(
ほこり
)
を
吹
(
ふ
)
つ
拂
(
ぱら
)
つた
樣
(
やう
)
にからりとして
居
(
ゐ
)
た。
手傳
(
てつだひ
)
に
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
た
女房等
(
にようばうら
)
はそれでなくても
膳立
(
ぜんだて
)
をする
客
(
きやく
)
が
少
(
すくな
)
くて
暇
(
ひま
)
であつたから
滅切
(
めつきり
)
手持
(
てもち
)
がなくなつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
でぱーとめんと・すとあーではお
客
(
きやく
)
の
眼
(
め
)
を
惹
(
ひ
)
くように、
美
(
うつく
)
しいものや
珍
(
めづら
)
しいものを、たいてい、なんの
秩序
(
ちつじよ
)
もなく
竝
(
なら
)
べ
立
(
た
)
てゝありますが、
博物館
(
はくぶつかん
)
の
陳列品
(
ちんれつひん
)
は
皆
(
みな
)
、
種類
(
しゆるい
)
をわけ
順序
(
じゆんじよ
)
をつけ
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
これはお
客
(
きやく
)
さまの
御馳走
(
ごちそう
)
ですから
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
ひましたが、
近所
(
きんじよ
)
のお
家
(
いへ
)
では、
鬪鷄
(
しやも
)
や
鷄
(
にはとり
)
を
締殺
(
しめころ
)
して
煮
(
に
)
て
食
(
く
)
ふといふことをよくやりました。
村
(
むら
)
には
隨分
(
ずゐぶん
)
惡戲
(
いたづら
)
の
好
(
す
)
きな
人達
(
ひとたち
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
これより地
球
(
きう
)
からはるばるおいでになつた お
客
(
きやく
)
さんの
歓迎会
(
くわんげいくわい
)
を
開
(
ひら
)
きます
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
太郎「
虎
(
とら
)
が
客
(
きやく
)
に
向
(
むか
)
つて
放尿
(
ほうねう
)
してもおまはりさんは
叱
(
しか
)
らないんですか」
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
早
(
はや
)
く
早
(
はや
)
くと
客
(
きやく
)
ァ
詰
(
つ
)
めこむし。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
頸
(
くび
)
ほそう
客
(
きやく
)
を
待
(
ま
)
つ
霜夜
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
往來
(
ゆきき
)
に
馴
(
な
)
れて、
幾度
(
いくたび
)
も
蔦屋
(
つたや
)
の
客
(
きやく
)
と
成
(
な
)
つて、
心得顏
(
こゝろえがほ
)
をしたものは、お
米
(
よね
)
さんの
事
(
こと
)
を
渾名
(
あだな
)
して、むつの
花
(
はな
)
、むつの
花
(
はな
)
、と
言
(
い
)
ひました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
聞いて見ると、玄関にあつた車は、
父
(
ちゝ
)
の
客
(
きやく
)
の
乗
(
の
)
つて
来
(
き
)
たものであつた。代助は
長
(
なが
)
く
懸
(
か
)
ゝらなければ、
客
(
きやく
)
の帰る迄
待
(
ま
)
たうと思つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
我
(
お
)
れが
饀
(
あん
)
この
種
(
たね
)
なしに
成
(
な
)
つて
最
(
も
)
う
今
(
いま
)
からは
何
(
なに
)
を
賣
(
う
)
らう、
直樣
(
すぐさま
)
煮
(
に
)
かけては
置
(
お
)
いたけれど
中途
(
なかたび
)
お
客
(
きやく
)
は
斷
(
ことは
)
れない、
何
(
ど
)
うしような、と
相談
(
そうだん
)
を
懸
(
か
)
けられて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
客
(
きやく
)
のもてなしもしつくして
殆
(
ほとんど
)
倦果
(
うみはて
)
、
終
(
つひ
)
には役者
仲間
(
なかま
)
いひあはせ、川の
冰
(
こほり
)
を
砕
(
くだき
)
て水を
浴
(
あび
)
千垢離
(
せんごり
)
して
晴
(
はれ
)
を
祈
(
いの
)
るもをかし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
水上
(
すゐじやう
)
バスへ
御乗
(
おの
)
りのお
客
(
きやく
)
さまはお
急
(
いそ
)
ぎ
下
(
くだ
)
さいませ。
水上
(
すゐじやう
)
バスは
言問
(
こととひ
)
から
柳橋
(
やなぎばし
)
、
両国橋
(
りやうごくばし
)
、
浜町河岸
(
はまちやうがし
)
を一
周
(
しう
)
して
時間
(
じかん
)
は一
時間
(
じかん
)
、
料金
(
れうきん
)
は
御
(
ご
)
一
人
(
にん
)
五十
円
(
ゑん
)
で
御在
(
ござい
)
ます。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
今一度なりとも呼度思ひ其夜は外の
客
(
きやく
)
へも
染々
(
しみ/″\
)
勤
(
つと
)
めざる程なれば其心の
此方
(
こなた
)
にも
通
(
つう
)
じけん千太郎も小夜衣の事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
梅花は予の軽蔑する文人趣味を強ひんとするものなり、
下劣詩魔
(
げれつしま
)
に
魅
(
み
)
せしめんとするものなり。予は
孑然
(
けつぜん
)
たる征旅の
客
(
きやく
)
の深山
大沢
(
だいたく
)
を恐るるが如く、この梅花を恐れざる可からず。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一人
(
ひとり
)
は
毒瓦斯
(
どくがす
)
を
拔
(
ぬ
)
くべく
起
(
た
)
つて
窓
(
まど
)
を
少
(
すこ
)
し
開
(
あ
)
けた。
餘
(
よ
)
の
人々
(
ひと/″\
)
は
新來
(
しんらい
)
の
客
(
きやく
)
に
目
(
め
)
を
注
(
そゝ
)
いだ。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
こぼれるほどに
乘
(
の
)
つた
客
(
きやく
)
は
行商
(
ぎやうしやう
)
の
町人
(
ちやうにん
)
、
野
(
の
)
ら
歸
(
がへ
)
りの
百姓
(
ひやくしやう
)
、
乳呑兒
(
ちのみご
)
を
抱
(
かゝ
)
へた
町家
(
ちやうか
)
の
女房
(
にようばう
)
、
幼
(
をさな
)
い
弟
(
おとうと
)
の
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
いた
町娘
(
まちむすめ
)
なぞで、一
度
(
ど
)
出
(
で
)
かゝつた
舟
(
ふね
)
が、
大
(
おほ
)
きな
武士
(
ぶし
)
の
爲
(
た
)
めに
後戻
(
あともど
)
りさせられたのを
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
めづらしいお
客
(
きやく
)
さまでもある
時
(
とき
)
には、
父
(
とう
)
さんのお
家
(
いへ
)
では
鷄
(
にはとり
)
の
肉
(
にく
)
を
御馳走
(
ごちそう
)
しました。
山家
(
やまが
)
のことですから、
鷄
(
にはとり
)
の
肉
(
にく
)
と
言
(
い
)
へば
大
(
たい
)
した
御馳走
(
ごちそう
)
でした。その
度
(
たび
)
にお
家
(
いへ
)
に
飼
(
か
)
つてある
鷄
(
にはとり
)
が
減
(
へ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
給仕女
(
きゆうじをんな
)
は
故郷
(
こきよう
)
の
風俗
(
ふうぞく
)
をしてお
客
(
きやく
)
の
給仕
(
きゆうじ
)
に
出
(
で
)
るといふふうになつてゐます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
では あの地球からのお
客
(
きやく
)
さんたちは
野外
(
やぐわい
)
病
院
(
ゐん
)
の方へ
移
(
うつ
)
しませう
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
そこへ
兎
(
うさぎ
)
がお
客
(
きやく
)
にござる。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
が、
客
(
きやく
)
が
待
(
ま
)
たうが
待
(
ま
)
つまいが、
一向
(
いつかう
)
に
頓着
(
とんぢやく
)
なく、
此方
(
こつち
)
は
此方
(
こつち
)
、と
澄
(
すま
)
した
工合
(
ぐあひ
)
が、
徳川家時代
(
とくがはけじだい
)
から
味
(
あぢ
)
の
變
(
かは
)
らぬ
頼
(
たの
)
もしさであらう。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
歸
(
かへ
)
りも
遲
(
おそ
)
いが、
歸
(
かへ
)
つてから
出掛
(
でかけ
)
る
抔
(
など
)
といふ
億劫
(
おくくふ
)
な
事
(
こと
)
は
滅多
(
めつた
)
になかつた。
客
(
きやく
)
は
殆
(
ほと
)
んど
來
(
こ
)
ない。
用
(
よう
)
のない
時
(
とき
)
は
清
(
きよ
)
を十
時前
(
じまへ
)
に
寐
(
ね
)
かす
事
(
こと
)
さへあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
車夫
(
くるまや
)
の
足
(
あし
)
が
何時
(
いつ
)
より
遲
(
おそ
)
いやうに
思
(
おも
)
はれて、
御好物
(
ごかうぶつ
)
の
飴屋
(
あめや
)
が
軒
(
のき
)
も
見
(
み
)
はぐりました、
此金
(
これ
)
は
少〻
(
せう/\
)
なれど
私
(
わたし
)
が
小遣
(
こづかひ
)
の
殘
(
のこ
)
り、
麹町
(
かうじまち
)
の
御親類
(
ごしんるい
)
よりお
客
(
きやく
)
の
有
(
あり
)
し
時
(
とき
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
道子
(
みちこ
)
は
客
(
きやく
)
よりも
早
(
はや
)
く
着
(
き
)
てゐる
物
(
もの
)
をぬぎながら、
枕元
(
まくらもと
)
の
窓
(
まど
)
の
硝子障子
(
がらすしやうじ
)
をあけ、「こゝの
家
(
うち
)
、
凉
(
すゞ
)
しいでせう。」
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
選
(
えら
)
び突出しの
仕着
(
しきせ
)
より茶屋々々の
暖簾
(
のれん
)
に至る迄も花々敷吉原中
大評判
(
おほひやうばん
)
故
(
ゆゑ
)
突出
(
つきだ
)
しの日より
晝夜
(
ちうや
)
の
客
(
きやく
)
絶
(
たえ
)
る間なく如何なる老人
醜
(
みにく
)
き男にても
麁末
(
そまつ
)
に扱はざれば人々皆
先
(
さき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
唐土
(
もろこし
)
に
是
(
これ
)
を
火井
(
くわせい
)
といふ。
近来
(
きんらい
)
此地獄谷に家を作り、
地火
(
ちくわ
)
を以て
湯
(
ゆ
)
を
燂
(
わか
)
し、
客
(
きやく
)
を
待
(
まち
)
て
浴
(
よく
)
さしむ、夏秋のはじめまでは
遊客
(
いうかく
)
多し。此火井他国にはきかず、たゞ越後に多し。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
東京
(
とうきやう
)
の
客
(
きやく
)
が
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
けといふから
一緒
(
いつしよ
)
に
出
(
で
)
ると
下手
(
へた
)
の
癖
(
くせ
)
に
釣
(
つ
)
れないと
怒
(
おこ
)
つて
直
(
す
)
ぐ
止
(
よ
)
す
事
(
こと
)
、
釣
(
つ
)
れないと
言
(
い
)
つて
怒
(
おこ
)
る
奴
(
やつ
)
が一
番
(
ばん
)
馬鹿
(
ばか
)
だといふ
事
(
こと
)
、
温泉
(
をんせん
)
に
來
(
く
)
る
東京
(
とうきやう
)
の
客
(
きやく
)
には
斯
(
か
)
ういふ
馬鹿
(
ばか
)
が
多
(
おほ
)
い
事
(
こと
)
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
山家
(
やまが
)
では
何
(
なに
)
かある
度
(
たび
)
にお
客
(
きやく
)
さまをして、
互
(
たがひ
)
に
呼
(
よ
)
んだり
呼
(
よ
)
ばれたりします。いよ/\
父
(
とう
)
さん
達
(
たち
)
が
東京行
(
とうきやうゆき
)
の
日
(
ひ
)
もきまりましたので、お
隣
(
とな
)
りのお
勇
(
ゆう
)
さんの
家
(
うち
)
では
父
(
とう
)
さん
達
(
たち
)
をお
客
(
きやく
)
さまにして
呼
(
よ
)
んで
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
地
球
(
きう
)
からのお
客
(
きやく
)
さんです さあどうぞ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
谷風や
青田
(
あをた
)
を
廻
(
めぐ
)
る
庵
(
いほ
)
の
客
(
きやく
)
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新
(
あたら
)
しい
客
(
きやく
)
を
待
(
ま
)
つ
間
(
あひだ
)
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
年少
(
としわか
)
くて
屈竟
(
くつきやう
)
な
其
(
そ
)
の
客
(
きやく
)
は、
身震
(
みぶる
)
ひして、すつくと
立
(
た
)
つて、
内中
(
うちぢう
)
で
止
(
と
)
めるのも
肯
(
き
)
かないで、タン、ド、ドン!と
其
(
そ
)
の、
其處
(
そこ
)
の
蔀
(
しとみ
)
を
開
(
あ
)
けた。——
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時刻
(
じこく
)
が
時刻
(
じこく
)
なので、
夕飯
(
ゆふめし
)
を
食
(
く
)
ひに
來
(
く
)
る
客
(
きやく
)
は
入
(
い
)
れ
代
(
かは
)
り
立
(
た
)
ち
代
(
かは
)
り
來
(
き
)
た。
其
(
その
)
多
(
おほ
)
くは
用辯的
(
ようべんてき
)
に
飮食
(
いんしよく
)
を
濟
(
す
)
まして、さつさと
勘定
(
かんぢやう
)
をして
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
く
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
客
(
きやく
)
さまは
此處
(
こゝ
)
にと
示
(
しめ
)
したるまゝ
樓婢
(
ろうひ
)
は
急
(
いそ
)
ぎ
下
(
お
)
り
行
(
ゆ
)
きたり
障子
(
しやうじ
)
の
外
(
そと
)
に
暫時
(
しばし
)
たゆたひしが
果
(
は
)
つべきことならずと
身
(
み
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
○秋山に夜具を持たる家は此
翁
(
おきな
)
の家とほかに一軒あるのみ。それもかのいらにて
織
(
おり
)
たるにいらのくずを入れ、
布子
(
ぬのこ
)
のすこし大なるにて
宿
(
とま
)
り
客
(
きやく
)
のためにするのみ也とぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
客
常用漢字
小3
部首:⼧
9画
“客”を含む語句
食客
賓客
客間
客人
旅客
嫖客
乘客
浴客
客舎
顧客
侠客
華客
乗客
客室
客車
遊客
客観
刺客
相客
素見客
...