みぎ)” の例文
みぎ兇状きょうじょうの女スリ上方すじへ立廻りたる形跡これあり似より下手人げしゅにん召捕りのせつは人相書照合一応江戸南町奉行まで示達じたつあるべきもの。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これからはいよ/\おたみどの大役たいやくなり、前門ぜんもんとら後門こうもんおほかみみぎにもひだりにもこわらしきやつおほをか、あたら美玉びぎよくきずをつけたまふは
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
みぎのような小規模しようきぼ地割ぢわれならば、大正十二年たいしようじゆうにねん關東大地震かんとうだいぢしんおいても經驗けいけんせられた。場所ばしよ安房國あはのくに北條町ほうじようまち北條小學校ほうじようしようがつこう校庭こうていであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
みぎひだりけずったようなたかがけ、そこらじゅうには見上みあげるような常盤木ときわぎしげってり、いかにもしっとりと気分きぶんちついた場所ばしょでした。
とりわけひだりの手がみぎの手より四すんながかったものですから、みの二ばいもあるつよゆみに、二ばいもあるながをつがえてはいたのです。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ふいとつて、「一所いつしよな。」で、とほりて、みぎ濱野屋はまのやで、御自分ごじぶん、めい/\に似合にあふやうにお見立みたくだすつたものであつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あわれな母親ははおやは、二人ふたり子供こどもまわしていいました。そこで母親ははおやなかにして、あにひだりに、おとうと彼女かのじょみぎこしをかけたのであります。
石段に鉄管 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『もつとちかうおりなさい。それで檢死けんし役目やくめみますか。』とひ/\、玄竹げんちくくさつた死體したいみぎひだりに、幾度いくたびもひつくりかへした。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
はあと嘉十かじふもこつちでその立派りつぱ太陽たいやうとはんのきをおがみました。みぎから三ばん鹿しかくびをせはしくあげたりげたりしてうたひました。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
うたってしまうと、とりはまたんできました。みぎあしにはくさりち、ひだりつめくつって、水車小舎すいしゃごやほうんできました。
しか肝心かんじん家屋敷いへやしきはすぐみぎからひだりへとれるわけにはかなかつた。仕方しかたがないから、叔父をぢ一時いちじ工面くめんたのんで、當座たうざかたけてもらつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「それでもにいさんは、ただの二でも三でも、あたしのいたふみさえってけば、おかねみぎからひだりとのことでござんした」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
輕氣球けいききゆううへでは、たちま吾等われら所在ありか見出みいだしたとへ、搖藍ゆれかごなかから誰人たれかの半身はんしんあらはれて、しろ手巾ハンカチーフが、みぎと、ひだりにフーラ/\とうごいた。
然程さるほどに大岡越前守殿には段右衞門前名ぜんみやう畔倉重四郎一けんに付享保きやうほ十一年十二月みぎかゝり合の者共一どう白洲しらすよび出され夫々それ/″\に其罪科ざいくわを申渡されける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
獸骨器のみぎゑがきたるは魚骨器なり。上端じやうたんの孔は糸を貫くにてきしたり。おもふに此骨器はあらき物をひ合はする時にはりとして用ゐられしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
それにみぎかたのあたりでこはばつたやうでうごかしやうによつてはきや/\と疼痛いたみおぼえた。かれ病氣びやうき其處そこあつまつたのではないかとおもつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
みぎくち合計がふけいするときは四億圓おくゑん在外資金ざいぐわいしきん保有ほいうする次第しだいであつて、金解禁きんかいきん準備じゆんびとしては充分じうぶんであるとかんがへるのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
また今日こんにち下駄げたによく鼻緒はなをまへあな右足みぎあしひだりに、左足ひだりあしみぎにかたよつて出來できいし下駄げたることがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
みぎごとくし三月四月五月をはるとし、六月七月八月をなつとし、九月十月十一月をあきとし、十二月一月二月をふゆとするなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
ただ一つこまったことは、乳母車うばぐるまのどこかがわるくなっていて、しているとみぎみぎへとまがっていってしまうことだった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
天晴あっぱれ仕出かした。今日の一番功ありてこそ誠にわが孫じゃぞ。御身の武勇もろこし樊噲はんかいにもみぎまさりに見ゆるぞ。まことに日本樊噲とは御身のことじゃ」
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
B ところが、のごろチラといたはなしだが、みぎのハガキ運動うんどう選擧權擴張せんきよけんくわくちやう要求えうきう應用おうようしかけてゐるものがあるさうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
千駄木せんだぎおくわたしいへから番町ばんちやうまでゞは、可也かなりとほいのであるが、てからもう彼此かれこれ時間じかんつから、今頃いまごろちゝはゝとにみぎひだりから笑顔ゑがほせられて
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
今度こんどひだりはうかしぎさうになりました。はやみぎはういといてください。』とときには、とうさんはまたたことほりにみぎはういといてやります。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
カピ長 モンタギューとてもみぎ同樣どうやう懲罰おとがめにて謹愼きんしん仰附おほせつけられた。したが、吾々われ/\老人らうじんっては、平和へいわまもることはさまで困難むづかしうはあるまいでござる。
かれくするのは、別段べつだん同情どうじやうからでもなく、とつて、情誼じやうぎからするのでもなく、たゞみぎとなりにゐるグロモフとひとならつて、自然しぜん其眞似そのまねをするのでつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私のはいつのにかわきしたくゞつてゐました。私は東明館前とうめいくわんまへからみぎれて、わけもなくあかるくにぎやかなまち片側かたがはを、店々みせ/\うて神保町じんぼうちやうはうへと歩いて行きました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
をとこ道子みちこくちからまかせになにふのかといふやうなかほをして、ウム/\と頷付うなづきながら、おもさうな折革包をりかばんみぎひだりちかへつゝ、かれてはしをわたつた。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
むかし、三べう(七六)洞庭どうていひだりにし、(七七)彭蠡はうれいみぎにせしが、徳義とくぎをさまらず、これほろぼせり。
みぎぢくになつてりますが、三遊亭いうてい共有物きよういうぶつとして、円朝わたくし門弟共もんていどもはうあづけておきましたけれども、これ河竹黙阿弥翁かはたけもくあみをう所有しよいうされてたのを、円朝わたくしもらけました。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
學海居士ガクカイコジ批評ひゝようたいして無用むようべんついやさんとするものにあらず、みぎきたるは、居士コジ批評法ひゝやうほふ如何いか儒教的じゆけふてきなるや、いかに勸善懲惡的くわんぜんてふあくてきなるやをしめさんとしたるのみ
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
なんなんでもいしはれませんよ。晩餉ごはんはまだなんですか。そんならおしへてげませう。此處こゝひだりまがつて、それからみぎれて、すこし、あんたと昨日きなふあつたみちのあの交叉點よつかどです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
みぎごと純然じゆんぜんたる古代こだい葬坑さうかうで、住居跡すまゐあとなんどいふのは愚説ぐせつはなはだしいのである。
はじめのうち心後きおくれしてだまつてますと、二ひき動物どうぶつがそのそば近寄ちかよつてました、みぎひだりに一ぴきづゝくちとを開けるだけおほきくいて、でも、あいちやんは元氣げんきしてはなつゞけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
下人は、太刀をさやにおさめて、その太刀の柄をひだりでおさへながら、冷然として、この話を聞いてゐた。勿論、みぎでは、赤くほゝうみを持つた大きな面皰をにしながら、聞いてゐるのである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
みぎ手に*胸をかき開き、ひだりに乳房引き出し、 80
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
みぎりのはずれの雀こ欲うし。
雀こ (新字新仮名) / 太宰治(著)
みぎつの根元ねもとより摧折ひしをられた
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
みぎひだりにたちわか
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
右向みぎむけ、みぎ
兵隊さん (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
みぎ御意之趣ぎょいのおもむき
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
まわみぎ
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もしみぎのような性質せいしつ心得こゝろえてゐると、こゝろ落着おちつき出來できるため、危急ききゆう場合ばあひ機宜きゞてきする處置しよち出來できるようにもなるものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
うしたときにはまたみょう不思議ふしぎ現象ことかさなるものとえまして、わたくし姿すがたがそのみぎ漁師りょうしつま夢枕ゆめまくらったのだそうでございます。
ときに、先客せんきやく一人ひとりありましてみぎました。氣高けだかいばかりひんのいゝとしとつたあまさんです。失禮しつれいながら、先客せんきやく邪魔じやまでした。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そのからすは、てきとけんかをしたものか、また、鉄砲てっぽうたれたものか、また、もちぼうにでもかかったものか、みぎつばさやぶれていました。
翼の破れたからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
むかし、むかし、あるところに、一人ひとりのおじいさんがありました。みぎのほおにぶらぶら大きなこぶをぶらげて、始終しじゅうじゃまそうにしていました。
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
きゝ成程なるほど何時いつ迄當院の厄介やくかいなつても居られず何分にも宜しくと頼みければ感應院も承知なして早速さつそくかの片町の醫師方へゆきみぎはなし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
毎日まいにちあさから尻切襦袢しりきりじゆばん一つで熱湯ねつたうをけみぎかたさゝへてはある威勢ゐせい壯丁わかものあひだまじつてうたこゑきいたのに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そこで、ひとりのにいさんは、みぎのほうへいきました。もうひとりのにいさんは、ひだりのほうへいきました。にいさんたちは、おばかさんをわらいました。