三人さんにん)” の例文
夫婦ふうふはこれに刎起はねおきたが、左右さいうから民子たみこかこつて、三人さんにんむつそゝぐと、小暗をぐらかたうづくまつたのは、なにものかこれたゞかりなのである。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かれちゝあにあによめ三人さんにんうちで、ちゝの人格に尤もうたがひいた。今度の結婚にしても、結婚其物が必ずしもちゝの唯いつの目的ではあるまいと迄推察した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
と時代にゆるめていひ「一人ひとりならず二人ふたり三人さんにん首綱くびづな」にて右手を頸へやり「のかからぬ内、早く金を出しやあがれ」にて肘をつき離し、体を起して左へねじ
大島小學校おほしませうがくかうたものが、いま東京とうきやう三人さんにんます。これがぼく同窓どうさうです。此三人このさんにんあつまるくわい僕等ぼくら同窓會どうさうくわいです。其一人そのひとり三田みた卒業そつげふしていま郵船會社いうせんぐわいしやます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
三人さんにん各自てんで手分てわけをして、会員くわいゝん募集ぼしうする事につた、学校にる者、ならび其以外それいぐわいの者をも語合かたらつて、惣勢そうぜい二十五にんましたらうか、其内そのうち過半くわはん予備門よびもんの学生でした
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
神武天皇じんむてんのうがおかくれになつてのちさきまをしたいすけよりひめが、自分じぶんのおみになつた三人さんにん皇子みこたちを、ころさうとするものゝあることを、むきだしにいふことは出來できないから
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
たとへば河内かはちにある聖徳太子しようとくたいし御墓おはかには、太子たいし母后ぼこうと、太子たいしきさき三人さんにん御棺おかんれてあるとのことです。またなかには死者ししや石棺せきかんでなく木棺もくかんにいれてはうむつた石室せきしつおほくあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
其樣そんところかへるにあたるものかちつともおつかないこといからわたしうちなさい、みんなも心配しんぱいすることなん此子このこぐらゐのもの二人ふたり三人さんにん臺所だいどころいたならべておまんまべさせるに文句もんくるものか
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
自分じぶん三人さんにんのきょうだいのなかかしらほかみな男子おとこでございました。』
ひさかたの金色光こんじきくわうの照るところ種蒔人たねまき三人さんにん背をかがめたり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
よそほかざりたるわれら三人さんにん……
カンタタ (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
そこで、三人さんにんになりました。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
老爺おやぢは寄つて、三人さんにん
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
あまつさよひじようじて、三人さんにんおの/\、うち三婦人さんふじんざうゆびさし、勝手かつて撰取よりどりに、おのれにはいして、むねで、うでし、みゝく。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あかるい燈火ともしびした三人さんにん待設まちまうけたかほはしたとき宗助そうすけなによりも病人びやうにん色澤いろつや回復くわいふくしてこといた。まへよりもかへつてくらゐえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
で、小説のるいあま寄稿者きかうしやが無かつたので、おも山田やまだ石橋いしばしわたしとのをせたのです、三人さんにん以外いぐわい丸岡九華まるおかきうくわふ人がありました、この人は小説も書けば新躰詩しんたいしも作る
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ラクダルは無言むごんのまゝ手眞似てまね其處そこすわらした。親父おやぢ當前あたりまへすわる、愚息せがれはゴロリころんであし蹈伸ふみのばす、この臥轉ねころかた第一だいゝち上出來じやうできであつた。三人さんにんそのまゝ一言ひとことはつしない。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
巡礼がほのかなること云ひしかば種蒔人たねまき三人さんにん背をかがめたり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しろいづくめの三人さんにん
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
……二人ふたり三人さんにん乘組のりくんだのも何處どこへかえたやうに、もう寂寞ひつそりする。まくつてとびらろした。かぜんだ。汽車きしや糠雨ぬかあめなか陰々いん/\としてく。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
温健の好人物と云ふ事で、其方そのほうはすぐ方付かたづいて仕舞つた。不幸にしてだれも令嬢の父母を知らなかつた。けれども、物堅ものがたい地味なひとだと云ふ丈は、ちゝ三人さんにんの前で保証した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さて其頃そのころ三人さんにん有様ありさま如何いかにとふに、山田やまだ勉強家べんきやうかであつたが、学科がくくわはうはお役目やくめつてて、雑書ざつしよのみを見てた、石橋いしばし躰育たいいく熱心ねつしんの遊ぶはうで、競争きやうそうる、器械躰操きかいたいさう
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
會毎くわいごと三人さんにん相談さうだんしてかならつき一度いちど贈品ぞうひん大島小學校おほしませうがくかうおくる、それがかならずしも立派りつぱものばかりではない、筆墨ひつぼくるゐ書籍しよせき圖畫づぐわるゐなどで、オルガン一臺いちだい寄送きそうしたのが一番いちばん金目かねめものであつた。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
巴里パリイから来た三人さんにん
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
たゞし其時そのときから、両親りやうしんわたくしをとこにしました。それまで、三人さんにん出来できみんなそだたなかつたので、わたくしをんなにしていたんです。雪枝ゆきえをんなのやうな。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
きよかへつたのは十一時過じすぎであつた。これ綺麗きれいあたま障子しやうじからして、たゞいま、どうもおそくなりましたと挨拶あいさつをしたついでに、あれから二人ふたりとか三人さんにんとかあはしたとはなしをした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三人さんにん連名れんめい此手紙このてがみした、大島先生おほしませんせいから返事へんじ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
近所きんじよでは、三人さんにんにましたさうですね、どくはひつた井戸水ゐどみづんで……大變たいへんことりましたなあ。」
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あさから晩迄あゝ云ふ声をしてゐるんでせうか。えらいもんだな」と云つたが、三四郎は急に置きりにした三人さんにんの事を思ひした。何か云はうとしてゐるうちに、美禰子は答へた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三人さんにんところに、割籠わりごひらきて、おほいくらふ。ひとげなることあだかかたはらにしたるがごとし。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
又柵のそばへ寄つて行く。二人ふたり三人さんにんになつた。芝生のなかでは砲丸なげが始つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一軒いつけん煮染屋にしめやまへちて、買物かひものをして中年増ちうどしま大丸髷おほまるまげかみあまたんだる腕車くるまして、小僧こぞう三人さんにんむかうより來懸きかゝりしが、私語しごしていはく、ねえ、年明ねんあけだと。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其内そのうちまたあきた。去年きよねんおな事情じじやうもとに、京都きやうとあきかへ興味きようみとぼしかつた宗助そうすけは、安井やすゐ御米およねさそはれて茸狩たけがりつたときほがらかな空氣くうきのうちにまたあたらしいにほひ見出みいだした。紅葉もみぢ三人さんにんた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
途端とたんに「綺麗きれいだわ」「綺麗きれいだわ」といとけなこゑそろへて、をんな三人さんにんほど、ばら/\とつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やつこ一本いつぽんまゐつたていで、くびすくめ、くちをゆがめて、あんをつける三人さんにんはうを、外方そつぱうにして、一人ひとりわらつて
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三人さんにんばかりたふれてたよ、驅出かけだすのなんざ一人ひとりない、……みんうでんで、のそり/\とくさんで歩行あるいてたがね、あのくさむのが祕傳ひでんださうだよ
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
刻限こくげんといひ、みゝづくのまどをのぞくのから、飛移とびうつるあとをためて、天井てんじやうすみへトン、トコ、トン、トコ、トン——三晩みばんめは、むすめ家内かない三人さんにんなほつていたのである。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白帆しらほあちこち、處々ところ/″\煙突えんとつけむりたなびけり、ふりさければくももなきに、かたはらには大樹たいじゆ蒼空あをぞらおほひてものぐらく、のろひくぎもあるべきみきなり。おなじだい向顱卷むかうはちまきしたる子守女こもりをんな三人さんにんあり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
またあんがかりの三人さんにんの、すくつて、いて、ころがして、ひとひねつてツイとるが、そろへ、ゆびそろへて、トめてときむねゑるところまで、一樣いちやうあざやかなものである。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をんな一人ひとり、これは背向うしろむきで、三人さんにんがかり、ひとすくつて、ぐい、とせて、くる/\とあんをつけて、一寸ちよいとゆびめて、ひとづゝすつとくしへさすのを、煙草たばこみながらじつた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三世さんぜ一娑婆ひとしやば因果いんぐわ約束やくそくつながつたと、いづれも發起仕ほつきつかまつり、懺悔ざんげをいたし、五欲ごよくはなれて、たゞいまでは、それなる盲人めくらともろともに、三人さんにん一所いつしよに、つゑ引連ひきつれて、ひるおもてはづかしい
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おきれいなのが三人さんにんばかりと、わたしたち、そろつて、前津まへつ田畝たんぼあたりを、冬霧ふゆぎり薄紫うすむらさきにそゞろあるきして、一寸ちよつとした茶屋ちやややすんだときだ。「ちらしを。」と、夫人ふじんもくずしをあつらへた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
實家さとの、母親はゝおやあねなんぞが、かはる/″\いててくれますほかに、ひらきばかりみつめましたのは、人懷ひとなつかしいばかりではないのです……つゞいて二人ふたり三人さんにんまで一時いちどきはひつてれば、きつそれ
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ついては、それあだか黄道吉辰くわうだうきつしんなれば、そろつて方々かた/″\婿君むこぎみにおむかまをすとふ。あせつめたくしてひとりづゝゆめさむ。くるをちて、相見あひみくちはするに、三人さんにんおなじうしていさゝかことなることなし。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
料理番れうりばんくのもくやしいし、なんだらう……」と三人さんにんかんがへた。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うまいことしつてるな、ぢいさん。ぢいさんと母様おつかさんわたし三人さんにんだ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此上このうへ何事なにごとおこつたら、三人さんにんとも團子だんごつてしまつたらう。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
三人さんにんじつながめた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)