トップ
>
野
>
の
ふりがな文庫
“
野
(
の
)” の例文
山
(
やま
)
や、
野
(
の
)
や、
谷
(
たに
)
に
食
(
た
)
べるものがなくなってしまうと、
人間
(
にんげん
)
の
村里
(
むさざと
)
を
襲
(
おそ
)
ってきます。そして、
人間
(
にんげん
)
を
食
(
た
)
べたり、
家畜
(
かちく
)
を
取
(
と
)
ったりします。
おおかみと人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そら
雲
(
くも
)
が
日
(
ひ
)
を
隱
(
か
)
くした!
薄
(
うす
)
い
影
(
かげ
)
が
野
(
の
)
の
上
(
うへ
)
を、
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
を
這
(
は
)
う、
忽
(
たちま
)
ち
又
(
また
)
明
(
あか
)
るくなる、
此時
(
このとき
)
僕
(
ぼく
)
は
決
(
けつ
)
して
自分
(
じぶん
)
を
不幸
(
ふしあはせ
)
な
男
(
をとこ
)
とは
思
(
おも
)
はなかつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
幾ら
人數
(
にんず
)
が少ないと
謂
(
い
)
ツて、書生もゐる
下婢
(
げぢよ
)
もゐる、それで
滅多
(
めつた
)
と笑聲さへ聞えぬといふのだから、
恰
(
まる
)
で冬の
野
(
の
)
ツ
原
(
ぱら
)
のやうな光景だ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
天竺
(
てんじく
)
でも、シナでも、一
度
(
ど
)
山か
野
(
の
)
にかくれればもうだれも
追
(
お
)
いかけて
来
(
く
)
る
者
(
もの
)
はなかったのですが、こんどはそういきませんでした。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
こうして、王子がみじめな思いをして、二年、三年とさまよいまわったあげく、とうとう、あの
荒
(
あ
)
れ
野
(
の
)
のなかへまよいこみました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
やがて
夕方
(
ゆうがた
)
になりました。
松蝉
(
まつぜみ
)
は
鳴
(
な
)
きやみました。
村
(
むら
)
からは
白
(
しろ
)
い
夕
(
ゆう
)
もやがひっそりと
流
(
なが
)
れだして、
野
(
の
)
の
上
(
うえ
)
にひろがっていきました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
ほんとうにげんげを
摘
(
つ
)
みに
來
(
き
)
て、
野
(
の
)
に
寢
(
ね
)
る
人
(
ひと
)
がありませうか。
狐
(
きつね
)
にでもつまゝれなければ、さういふことをするはずがありません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
と
言
(
い
)
ひかけて、
左右
(
さいう
)
を
見
(
み
)
る、と
野
(
の
)
と
濠
(
ほり
)
と
草
(
くさ
)
ばかりでは
無
(
な
)
く、
黙
(
だま
)
つて
打傾
(
うちかたむ
)
いて
老爺
(
ぢゞい
)
が
居
(
ゐ
)
た。
其
(
それ
)
を、……
雪枝
(
ゆきえ
)
は
確
(
たしか
)
め
得
(
え
)
た
面色
(
おもゝち
)
であつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かそうさまは
一休
(
いっきゅう
)
さんを じぶんの あとつぎにして、むらさき
野
(
の
)
の
大
(
だい
)
とくじの じゅうしょくに しようと して いたのでした。
一休さん
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
今年
(
ことし
)
みたいに、
紅白
(
こうはく
)
の
花
(
はな
)
がたんと
咲
(
さ
)
いた
歳
(
とし
)
は
無
(
な
)
い。
野
(
の
)
は
一面
(
いちめん
)
に
眼
(
め
)
が
覚
(
さ
)
めるやうな
色
(
いろ
)
だ。どこへ
行
(
い
)
つても
垣根
(
かきね
)
の
上
(
うへ
)
に
主
(
しゆ
)
の
御血潮
(
おんちしほ
)
は
煌々
(
ぴかぴか
)
してゐる。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
「
野
(
の
)
だわ
言
(
ごと
)
を申さず、はっきりと白状しろ、あの女は、このごろは異人館へ入りびたりだ、ちっともここへは落ちつかない」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これは
偶然
(
ぐうぜん
)
「
少
(
せう
)
年
寫眞術
(
しやしんじゆつ
)
」の
沿革史
(
えんかくし
)
の一
節
(
せつ
)
にも書いてあることだつたが、うちで
寫眞
(
しやしん
)
を
寫
(
うつ
)
すといふと、いつもその上
野
(
の
)
寫眞館
(
しやしんくわん
)
へ出かけたもので
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
野
(
の
)
に
山
(
やま
)
に
陽炎
(
かげらふ
)
が
燃
(
も
)
えてきます。ところによつて
芽
(
め
)
を
吹
(
ふ
)
く
時季
(
じき
)
はむろん
違
(
ちが
)
ひますが、
東京附近
(
とうきようふきん
)
では
三月
(
さんがつ
)
の
中旬頃
(
ちゆうじゆんごろ
)
から
五月頃
(
ごがつごろ
)
までに、
芽
(
め
)
を
出
(
だ
)
します。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
之に遇えば物に害あり。
故
(
ゆえ
)
に
大厲
(
だいれい
)
門に入りて
晋景
(
しんけい
)
歿
(
ぼっ
)
し、
妖豕
(
ようし
)
野
(
の
)
に
啼
(
な
)
いて
斉襄
(
せいじょう
)
殂
(
そ
)
す。
禍
(
か
)
を
降
(
くだ
)
し
妖
(
よう
)
をなし、
災
(
さい
)
を
興
(
おこ
)
し
薜
(
せつ
)
をなす。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
もう、お姫さまは、花の手入れもしてやりません。ですから、草花は、まるで
荒
(
あ
)
れ
野
(
の
)
のように、道の上までぼうぼうとおいしげってしまいました。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
※等
(
あねら
)
も
酷
(
ひど
)
かんべ
野
(
の
)
らは」と
彼
(
かれ
)
はおつたの
染
(
そ
)
めつゝあつた
髮
(
かみ
)
が、
交
(
まじ
)
つた
白髮
(
しらが
)
をほんのりと
見
(
み
)
せるまでに
藥
(
くすり
)
の
褪
(
さ
)
めて
穢
(
きた
)
なく
成
(
なつ
)
つたのを
見
(
み
)
つゝいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
濛々
(
もうもう
)
たる白い
幕
(
まく
)
が、はるか
裾野
(
すその
)
の一
角
(
かく
)
から近づいてくるなと見るまに、だんだんに
野
(
の
)
を消し、ながき
渚
(
なぎさ
)
を消し、湖水を消して、はや目の前まできた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
心
(
しん
)
不亂
(
ふらん
)
に
祈
(
いの
)
りしに今日は
早
(
はや
)
源内の罪
極
(
きはま
)
り御仕置と聞し故娘の豐は其日
父
(
ちゝ
)
の引れ
行
(
ゆき
)
し御仕置場へ行て見るに終に
仇
(
あだ
)
し
野
(
の
)
の
露
(
つゆ
)
と
消果
(
きえはて
)
しゆゑ
泣々
(
なく/\
)
も其所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
みがきて
庭
(
には
)
の
木
(
こ
)
かげも
心地
(
こゝち
)
よげなるを
籠居
(
たれこめ
)
てのみ
居給
(
ゐたま
)
ふは
御躰
(
おからだ
)
にも
毒
(
どく
)
なる
物
(
もの
)
をとお
八重
(
やへ
)
さま/″\に
誘
(
いざな
)
ひて
邊
(
ほと
)
りちかき
野
(
の
)
の
景色
(
けしき
)
田面
(
たのも
)
の
庵
(
いほ
)
の
侘
(
わび
)
たるも
又
(
また
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
Bは唯黙つて荒漠とした
野
(
の
)
を見た。行つても行つても村落らしい村落はなく、暗い鼠色の空にすさまじく埃塵の
漲
(
みなぎ
)
りわたつてゐる広い広い地平線を見た。
犬
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
内新好
(
ないしんかう
)
が『
一目
(
ひとめ
)
土堤
(
づゝみ
)
』に
穿
(
ゑぐ
)
りし
通
(
つう
)
仕込
(
じこみ
)
の
御
(
おん
)
作者
(
さくしや
)
様方
(
さまがた
)
一連
(
いちれん
)
を云ふなれば、其
職分
(
しよくぶん
)
の
更
(
さら
)
に
重
(
おも
)
くして
且
(
か
)
つ
尊
(
たふと
)
きは
豈
(
あ
)
に
夫
(
か
)
の
扇子
(
せんす
)
で
前額
(
ひたひ
)
を
鍛
(
きた
)
へる
野
(
の
)
幇間
(
だいこ
)
の
比
(
ひ
)
ならんや。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
特に八年は窮乏の絶頂で日本全土の人間が
菜色
(
さいいろ
)
になったと言っても宜い有様、江戸から東北へかけて、文字通り
餓莩
(
がひょう
)
野
(
の
)
に
横
(
よこた
)
わるという悲惨な日が続きました。
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜
(
よる
)
の
色
(
いろ
)
にその
葉
(
は
)
の
緑
(
みどり
)
は
黒
(
くろ
)
ずみ、
可愛
(
かあい
)
らしい
珊瑚珠
(
さんごじゆ
)
のやうな
赤
(
あか
)
い
實
(
み
)
も
眠
(
ねむ
)
たげではあるけれど、
荒涼
(
くわうりやう
)
たる
冬
(
ふゆ
)
に
於
(
お
)
ける
唯
(
ゆゐ
)
一の
彩
(
いろど
)
りが、
自然
(
しぜん
)
の
野
(
の
)
からこの
部屋
(
へや
)
に
移
(
うつ
)
されて
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
麦は
畝
(
うね
)
なしのばら蒔き、肥料を施さずしてよく出来たり。地味の豊饒思ふべし。春は野の花夥しく咲くと聞く。今はツユ
葵
(
あをい
)
、矢車、野しゆん菊、
野
(
の
)
人参
(
にんじん
)
の類のみ。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
そしてそれらの中でいちばん
立派
(
りっぱ
)
なのは小さな
野
(
の
)
ばらの木でした。
野
(
の
)
ばらの
枝
(
えだ
)
は茶色の
琥珀
(
こはく
)
や
紫
(
むらさき
)
がかった
霰石
(
アラゴナイト
)
でみがきあげられ、その
実
(
み
)
はまっかなルビーでした。
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其處
(
そこ
)
より
發
(
た
)
たして、
當藝
(
たぎ
)
の
野
(
の
)
四
の上に到ります時に、詔りたまはくは、「吾が心、恆は
虚
(
そら
)
よ
翔
(
かけ
)
り行かむと念ひつるを
五
、今吾が足え歩かず、たぎたぎしく
六
なりぬ」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
僕は 星
野
(
の
)
ピチといひます 地球の犬であります 仕事は
泥棒
(
どろぼう
)
や
怪
(
あや
)
しいものを
追
(
お
)
ひ
払
(
はら
)
ふことです
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
されば「
都伝摸
(
とても
)
年増
東
(
と
)
夷辺伐
(
いえば
)
広
夷
(
い
)
様」その
広夷
(
ひろい
)
野
(
の
)
に飽き果て
散播都天門
(
さわっても
)
呉弩
(
くれぬ
)
と
嘆
(
かこ
)
ちて自害した。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
其
(
その
)
丘
(
をか
)
の
中腹
(
ちうふく
)
にて、
櫻木大佐等
(
さくらぎたいさら
)
が
手巾
(
ハンカチーフ
)
を
振
(
ふ
)
り、
帽子
(
ぼうし
)
を
動
(
うご
)
かして
居
(
を
)
る
姿
(
すがた
)
も、
頓
(
やが
)
て
椰子
(
やし
)
や
橄欖
(
かんらん
)
の
葉
(
は
)
がくれに
見
(
み
)
えずなると、それから
鐵車
(
てつしや
)
は
全速力
(
ぜんそくりよく
)
に、
野
(
の
)
と
云
(
い
)
はず
山
(
やま
)
と
云
(
い
)
はず
突進
(
つきすゝ
)
む
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
生
(
い
)
ける
銃架
(
じうか
)
。おう
家
(
いへ
)
を
離
(
はな
)
れて
野
(
の
)
に
結
(
むす
)
ぶ
眠
(
ねむ
)
りの
裡
(
うち
)
に、
風
(
かぜ
)
は
故郷
(
こきやう
)
のたよりをお
前
(
まへ
)
に
伝
(
つた
)
へないのか
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
けれども商売が
如何
(
いか
)
に繁昌するも、産業がなにほど隆盛に趣くも、はたまた個人の所得如何に
裕
(
ゆた
)
かに、国庫の歳入が幾ら充溢するも、更にまた
鉄艦
(
てっかん
)
海
(
うみ
)
を
蔽
(
おお
)
うも、
貔貅
(
ひきゅう
)
野
(
の
)
に満つるも
国民教育の複本位
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
城
(
しろ
)
のまわりには、小石を
並
(
なら
)
べたような町
並
(
なみ
)
が、
遠
(
とお
)
くまで
続
(
つづ
)
いていました。その
末
(
すえ
)
は広々とした
野
(
の
)
になって、一
面
(
めん
)
に、ぼうと
霞
(
かす
)
んでいました。王子はただうっとりと
眺
(
なが
)
めていました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「おうっ、
嬉
(
うれ
)
し
野
(
の
)
のおきんじゃあねえか。いやに
早
(
はえ
)
え足だぜ。待ちねえってことよ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
このまま
引
(
ひ
)
いてしまったら、
折角
(
せっかく
)
鍛
(
きた
)
えたおのが
芸
(
げい
)
を、
根
(
ね
)
こそぎ
棄
(
す
)
てなければならぬ
悲
(
かな
)
しさ。それゆえ、
秋
(
あき
)
の
野
(
の
)
に
鳴
(
な
)
く
虫
(
むし
)
にも
劣
(
おと
)
る、はかない
月日
(
つきひ
)
を
過
(
す
)
ごして
来
(
き
)
たが、……おせんちゃん。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
こぼれるほどに
乘
(
の
)
つた
客
(
きやく
)
は
行商
(
ぎやうしやう
)
の
町人
(
ちやうにん
)
、
野
(
の
)
ら
歸
(
がへ
)
りの
百姓
(
ひやくしやう
)
、
乳呑兒
(
ちのみご
)
を
抱
(
かゝ
)
へた
町家
(
ちやうか
)
の
女房
(
にようばう
)
、
幼
(
をさな
)
い
弟
(
おとうと
)
の
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
いた
町娘
(
まちむすめ
)
なぞで、一
度
(
ど
)
出
(
で
)
かゝつた
舟
(
ふね
)
が、
大
(
おほ
)
きな
武士
(
ぶし
)
の
爲
(
た
)
めに
後戻
(
あともど
)
りさせられたのを
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
野
(
の
)
は
桔梗
(
ききやう
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
のさきみだれた
美
(
うつく
)
しい
世界
(
せかい
)
です。その
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
つぱのかげで
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
おとうさんは
野
(
の
)
らへ
仕事
(
しごと
)
にでかけ、おじいさんは湖の岸へ、「のっこみぶな」というのをつりにでかけたあとで、おっかさんはひとりでよそいきの
着物
(
きもの
)
にきかえ、ふろしきづつみ一つをもって
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
花ショウブは、
元来
(
がんらい
)
、わが
邦
(
くに
)
の山野に自生している
野
(
の
)
ハナショウブがもとで、それを栽培に栽培を重ねて生まれしめたものである。ゆえに、このノハナショウブは栽培ハナショウブの親である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
父
(
とう
)
さんは、
種々
(
いろ/\
)
な
翫具
(
おもちや
)
が
野
(
の
)
にも
畠
(
はたけ
)
にもある
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
りました。
竹籔
(
たけやぶ
)
から
取
(
と
)
つて
來
(
き
)
た
青
(
あを
)
い
竹
(
たけ
)
の
子
(
こ
)
、
麥畠
(
むぎばたけ
)
から
取
(
と
)
つて
來
(
き
)
た
黄色
(
きいろ
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
で、
翫具
(
おもちや
)
を
手造
(
てづくり
)
にする
事
(
こと
)
の
言
(
い
)
ふに
言
(
い
)
はれぬ
樂
(
たの
)
しい
心持
(
こゝろもち
)
を
覺
(
おぼ
)
えました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
狂熱
(
きょうねつ
)
し
易
(
やす
)
い弱い脳の私は刺戟されて、
遂
(
つ
)
いうつらうつらと酔った様になってしまう、
真黄
(
まっきい
)
な濃厚な絵具を
野
(
の
)
一面にブチ
撒
(
ま
)
けたらしい菜の花と、例の光線が強く反射して私の眼はクラクラと
眩
(
まぶ
)
しい。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
家は
外
(
と
)
よりも荒れまさりけり。なほ奥の方に進みゆく。
前栽
(
せんざい
)
広く造りなしたり。池は水あせて
水草
(
みくさ
)
も皆枯れ、
一九三
野
(
の
)
ら
藪
(
やぶ
)
生
(
お
)
ひ
一九四
かたぶきたる中に、大きなる松の吹き倒れたるぞ物すざまし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
夜露
(
よつゆ
)
に
濡
(
ぬ
)
れた
草
(
くさ
)
が、
地上
(
ちじやう
)
に
盛
(
も
)
り
溢
(
あふ
)
れさうな
勢
(
いきほ
)
ひで、
野
(
の
)
を
埋
(
うづ
)
めてゐた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
和津
(
わつ
)
が
野
(
の
)
に馬のりすてて青丹よし奈良路を近み
徒歩
(
かち
)
ゆわれきぬ
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
かなしきいろの
紅
(
くれなゐ
)
や春ふけて
白頭翁
(
おきなぐさ
)
さける
野
(
の
)
べを来にけり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
春夕
(
しゆんせき
)
はひとり
野
(
の
)
歩
(
あり
)
く馬をりておのづから帰る道知るらしき
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
籬
(
ませ
)
に、
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に、——これやまた、
野
(
の
)
の
法子兒
(
ほうしご
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
鋤
(
すき
)
休
(
やす
)
めたる
野
(
の
)
らまでも
領
(
りやう
)
ずる顏の姿かな。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
野
(
の
)
にありといふ
者
(
もの
)
あるも
出
(
い
)
づる
勿
(
なか
)
れ。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
野
(
の
)
ずえはるかにみわたせば
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
森の、
野
(
の
)
の上の、海岸の
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
“野”の意味
《名詞》
(の)農耕や営林といった経済的活動にほとんど利用されていない、比較的平坦な土地。
(ヤ)政権を握っていない立場。
(出典:Wiktionary)
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
“野”を含む語句
上野
曠野
野猪
小野
野面
荒野
野合
野宿
吉野
大野
野生
田野
野球
印南野
新野
野原
野路
野郎
高野
広野
...