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手造
それは山家の者が
手造にする
不恰好な
平常穿を指したもので、
醜男子という意味をあらわしたものです。
父さんは、
種々な
翫具が
野にも
畠にもある
事を
知りました。
竹籔から
取つて
來た
青い
竹の
子、
麥畠から
取つて
來た
黄色い
麥藁で、
翫具を
手造にする
事の
言ふに
言はれぬ
樂しい
心持を
覺えました。
と
言つて、
近所の
子供も
手造りにした
凧を
揚げに
來て
居ます。
田圃側の
枯れた
草の
中には、
木瓜の
木なぞが
顏を
出して
居まして、
遊び
廻るには
樂い
塲所でした。
さうして、この
手造りにしたものゝ
樂みを
父さんに
教へて
呉れたのは、
祖母さんでした。