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消
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き
ふりがな文庫
“
消
(
き
)” の例文
いままで、たのしかった、
家
(
いえ
)
の
中
(
なか
)
は、たちまち
笑
(
わら
)
いが
消
(
き
)
えてしまって、
兄
(
あに
)
は、
自分
(
じぶん
)
の
本箱
(
ほんばこ
)
や、
机
(
つくえ
)
のひきだしを、
片
(
かた
)
づけはじめました。
たましいは生きている
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そうして
今度
(
こんど
)
は、石を二度、沼の中に投げこみました。ゆっくりと間を置いて、はじめのあわが
消
(
き
)
えてしまうと、また投げるのです。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
「おれは内地の
農林
(
のうりん
)
学校の
助手
(
じょしゅ
)
だよ、だから
標本
(
ひょうほん
)
を
集
(
あつ
)
めに来たんだい。」私はだんだん雲の
消
(
き
)
えて青ぞらの出て来る空を見ながら
サガレンと八月
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
もとの
蔦屋
(
つたや
)
(
旅館
(
りよくわん
)
)のお
米
(
よね
)
さんを
訪
(
たづ
)
ねようと
言
(
い
)
ふ……
見
(
み
)
る/\
積
(
つも
)
る
雪
(
ゆき
)
の
中
(
なか
)
に、
淡雪
(
あはゆき
)
の
消
(
き
)
えるやうな、あだなのぞみがあつたのです。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
(
ひ
)
と
口
(
くち
)
に
申
(
もう
)
したらその
時分
(
じぶん
)
の
私
(
わたくし
)
は、
消
(
き
)
えかかった
青松葉
(
あおまつば
)
の
火
(
ひ
)
が、プスプスと
白
(
しろ
)
い
煙
(
けむり
)
を
立
(
たて
)
て
燻
(
くすぶ
)
っているような
塩梅
(
あんばい
)
だったのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
もっともすこし
失敗
(
しっぱい
)
したところもあって、うまく
消
(
き
)
えうせてはしまわなかったがね。うまくいかなかったところは、ひとみと
爪
(
つめ
)
だ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
けれど少女の姿はなく、光も
消
(
き
)
えていて、花もべつだんかがやいてもいず、ただいつものようにきれいに咲いているだけでした。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
しかるに
言
(
い
)
おうと
云
(
い
)
う
望
(
のぞみ
)
は、
終
(
つい
)
に
消
(
き
)
えず
忽
(
たちまち
)
にして
総
(
すべて
)
の
考
(
かんがえ
)
を
圧去
(
あっしさ
)
って、こんどは
思
(
おも
)
う
存分
(
ぞんぶん
)
、
熱切
(
ねっせつ
)
に、
夢中
(
むちゅう
)
の
有様
(
ありさま
)
で、
言
(
ことば
)
が
迸
(
ほとばし
)
り
出
(
で
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
からは
灰
(
はひ
)
にあとも
止
(
とゞ
)
めず
煙
(
けぶ
)
りは
空
(
そら
)
に
棚引
(
たなび
)
き
消
(
き
)
ゆるを、うれしや
我
(
わが
)
執着
(
しふちやく
)
も
遺
(
のこ
)
らざりけるよと
打眺
(
うちなが
)
むれば、
月
(
つき
)
やもりくる
軒
(
のき
)
ばに
風
(
かぜ
)
のおと
清
(
きよ
)
し。
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と、
伊那丸
(
いなまる
)
もその
眸
(
ひとみ
)
のむいたほうをみると、
藍
(
あい
)
いろの月の空へ、ひとすじの細い火が、ツツツツーと走りあがってやがて
消
(
き
)
えた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なにもかもが
消
(
き
)
えてしまわないうちに、できるだけたくさんの物を見ておこうと思って、ニールスは、どんどんさきへかけていきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
浴衣
(
ゆかた
)
の
後影
(
うしろかげ
)
が、
裏口
(
うらぐち
)
へ
出
(
で
)
る
所
(
ところ
)
で
消
(
き
)
へてなくなる
迄
(
まで
)
其處
(
そこ
)
に
立
(
た
)
つてゐた。それから
格子
(
かうし
)
を
開
(
あ
)
けた。
玄關
(
げんくわん
)
へは
安井
(
やすゐ
)
自身
(
じしん
)
が
現
(
あらは
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其後
(
そのご
)
の
一週間
(
いつしゆうかん
)
も
空
(
むな
)
しく
※去
(
すぎさ
)
つたならば、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
も
終
(
つひ
)
には
覺悟
(
かくご
)
を
定
(
さだ
)
めて、
稀世
(
きせい
)
の
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
と
共
(
とも
)
に、
海
(
うみ
)
の
藻屑
(
もくづ
)
と
消
(
き
)
えてしまう
事
(
こと
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
開いて見れば不思議にも
文字
(
もんじ
)
は
消
(
き
)
えて
唯
(
たゞ
)
の白紙ゆゑ這は如何せし事成かと千太郎は
暫時
(
しばし
)
惘
(
あき
)
れ
果
(
はて
)
茫然
(
ばうぜん
)
として居たりしが我と我が心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
土塊
(
どくわい
)
の
如
(
ごと
)
く
動
(
うご
)
かぬ
彼
(
かれ
)
の
身體
(
からだ
)
からは
憐
(
あはれ
)
に
微
(
かす
)
かな
煙
(
けぶり
)
が
立
(
た
)
つて
地
(
ち
)
を
偃
(
は
)
うて
消
(
き
)
えた。
藁
(
わら
)
の
火
(
ひ
)
を
沿
(
あ
)
びた
時
(
とき
)
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
が
襤褸
(
ぼろ
)
な
彼
(
かれ
)
の
衣物
(
きもの
)
を
焦
(
こが
)
したのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
今
(
いま
)
は
彼女
(
かのぢよ
)
の
顏
(
かほ
)
に
驕
(
をご
)
りと
得意
(
とくい
)
の
影
(
かげ
)
が
消
(
き
)
えて、ある
不快
(
ふくわい
)
な
思
(
おも
)
ひ
出
(
で
)
のために
苦々
(
にが/\
)
しく
左
(
ひだり
)
の
頬
(
ほゝ
)
の
痙攣
(
けいれん
)
を
起
(
おこ
)
してゐる。
彼女
(
かのぢよ
)
は
起
(
た
)
つて
行
(
い
)
く。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
兼吉
(
かねきち
)
と
五郎
(
ごろう
)
は、かわりがわり技師と花前との
身
(
み
)
ぶりをやって人を笑わせた。細君が花前を
気味
(
きみ
)
わるがるのも、まったくそのころから
消
(
き
)
えた。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
あの
涙
(
なみだ
)
の
池
(
いけ
)
で
泳
(
およ
)
いでからは
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
變
(
かは
)
つたやうで、
硝子
(
ガラス
)
洋卓
(
テーブル
)
も
小
(
ちひ
)
さな
戸
(
と
)
のあつた
大廣間
(
おほびろま
)
も
全
(
まつた
)
く
何處
(
どこ
)
へか
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて
了
(
しま
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
それでも
感心
(
かんしん
)
なことには、
畫板
(
ぐわばん
)
に
向
(
むか
)
うと
最早
(
もはや
)
志村
(
しむら
)
もいま/\しい
奴
(
やつ
)
など
思
(
おも
)
ふ
心
(
こゝろ
)
は
消
(
き
)
えて
書
(
か
)
く
方
(
はう
)
に
全
(
まつた
)
く
心
(
こゝろ
)
を
奪
(
と
)
られてしまつた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
わたしはかなり長いあいだねむったらしく、火はほとんど
消
(
き
)
えかかっていた。もう小屋の中にほのおが光ってはいなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「むりに
宮仕
(
みやづか
)
へをしろと
仰
(
おほ
)
せられるならば、
私
(
わたし
)
の
身
(
み
)
は
消
(
き
)
えてしまひませう。あなたのお
位
(
くらゐ
)
をお
貰
(
もら
)
ひになるのを
見
(
み
)
て、
私
(
わたし
)
は
死
(
し
)
ぬだけでございます」
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
鳥
(
とり
)
が
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
ってしまうと、
杜松
(
ねず
)
の
木
(
き
)
は
又
(
また
)
元
(
もと
)
の
通
(
とお
)
りになりましたが、
手巾
(
はんけち
)
は
骨
(
ほね
)
と一しょに
何処
(
どこ
)
へか
消
(
き
)
えてしまいました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
と大きな
声
(
こえ
)
で
名
(
な
)
のりました。するとそれなりすっと
魔物
(
まもの
)
は
消
(
き
)
えて、
天子
(
てんし
)
さまの
御病気
(
ごびょうき
)
はきれいになおってしまいました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
障子
(
しようじ
)
のような
建具
(
たてぐ
)
に
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えついたならば、この
建具
(
たてぐ
)
を
倒
(
たふ
)
すこと、
衣類
(
いるい
)
に
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えついたときは、
床
(
ゆか
)
又
(
また
)
は
地面
(
じめん
)
に
一轉
(
ひところ
)
がりすれば、
焔
(
ほのほ
)
だけは
消
(
き
)
える。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「いやだよ。お
前
(
まえ
)
は、もう
家
(
うち
)
の
奉公人
(
ほうこうにん
)
でもなけりゃ、あたしの
供
(
とも
)
でもないんだから、ちっとも
速
(
はや
)
くあたしの
眼
(
め
)
の
届
(
とど
)
かないとこへ
消
(
き
)
えちまうがいい」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
女
(
をんな
)
の
肩
(
かた
)
に
頬
(
ほヽ
)
をよせると、キモノの
花模様
(
はなもやう
)
が
涙
(
なみだ
)
のなかに
咲
(
さ
)
いたり
蕾
(
つぼ
)
んだりした、
白
(
しろ
)
い
花片
(
はなびら
)
が
芝居
(
しばゐ
)
の
雪
(
ゆき
)
のやうに
青
(
あほ
)
い
空
(
そら
)
へちら/\と
光
(
ひか
)
つては
消
(
き
)
えしました。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
つまり卵が半分以上水につかると胴が細くなるから、水面に接している面積が小さくなってゆくのです。その中に遂に点になり、そして
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せます。
新学期行進曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、
蝋燭
(
ろふそく
)
の火を
下
(
さ
)
げて身を
屈
(
かゞ
)
めた
途端
(
とたん
)
に、
根太板
(
ねだいた
)
の上の或物は
一匹
(
いつぴき
)
の白い
蛇
(
へび
)
に成つて、するすると
朽
(
く
)
ち
重
(
かさな
)
つた
畳
(
たヽみ
)
を
越
(
こ
)
えて
消
(
き
)
え去つた。
刹那
(
せつな
)
、貢さんは
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
然
(
しか
)
るに、
中途
(
ちうと
)
で
消
(
き
)
えて
居
(
ゐ
)
た
大瀧氏
(
おほたきし
)
が
現
(
あら
)
はれて、
懷中
(
ふところ
)
から
磨製石斧
(
ませいせきふ
)
の
完全
(
くわんぜん
)
に
近
(
ちか
)
きを
取出
(
とりいだ
)
し、
坪井博士
(
つぼゐはかせ
)
の
前
(
まへ
)
に
出
(
だ
)
して。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
これは
近頃
(
ちかごろ
)
西洋
(
せいよう
)
の
文明
(
ぶんめい
)
がはひつて
來
(
き
)
ても
同
(
おな
)
じことで、いかに
西洋風
(
せいようふう
)
を
習
(
なら
)
つても、ある
點
(
てん
)
には
日本人
(
につぽんじん
)
には
日本人
(
につぽんじん
)
らしい
趣味
(
しゆみ
)
と
特質
(
とくしつ
)
が、
消
(
き
)
えないのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
馬
(
うま
)
はこのまんま、
消
(
き
)
えるやうに
死
(
し
)
にたいと
思
(
おも
)
ひました。
死
(
し
)
んで、そして
何處
(
どこ
)
かで、びつくりして
自分
(
じぶん
)
に
泣
(
な
)
いてわびる
無情
(
むじやう
)
な
主人
(
しゅじん
)
がみてやりたいと
思
(
おも
)
ひました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
消
(
き
)
ゆがに見える連峰が、まだ深々と雪をかつぎ、遠く淡く流れて見え、その
前備
(
そな
)
えといったように、伊那の地へ越せる山脈が、牛の背のように起伏している。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一
代
(
だい
)
の
覇圖
(
はと
)
も
夢物語
(
ゆめものがたり
)
に
奉天城外
(
ほうてんじやうぐわい
)
の
露
(
つゆ
)
と
消
(
き
)
えてしまつたが、
例
(
れい
)
の
張作霖
(
ちやうさくりん
)
は
非常
(
ひじやう
)
な
麻雀好
(
マアジヤンず
)
きだつたと
言
(
い
)
ふ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
残
(
のこ
)
る所の二十七名は之より
進
(
すす
)
むのみにして
帰
(
かへ
)
るを得ざるもの、
実
(
じつ
)
に
血
(
ち
)
を
啜
(
すす
)
りて
决死
(
けつし
)
の
誓
(
ちかひ
)
をなししと云ふて
可
(
か
)
なり、
既
(
すで
)
にして日
漸
(
やうや
)
く
高
(
たか
)
く露亦
漸
(
やうや
)
く
消
(
き
)
へ、
渇
(
かつ
)
益渇を
加
(
くわ
)
へ
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
王子が
眼
(
め
)
をあげて見ると、もう
老人
(
ろうじん
)
の
姿
(
すがた
)
は
消
(
き
)
えてしまっていました。王子はぼんやりあたりを見
廻
(
まわ
)
しました。
頭
(
あたま
)
の上には、
澄
(
す
)
みきった大空と
太陽
(
たいよう
)
とがあるばかりでした。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
横笛今は
稍〻
(
やゝ
)
浮世に慣れて、風にも露にも、
餘所
(
よそ
)
ならぬ思ひ忍ばれ、墨染の
夕
(
ゆふべ
)
の空に只〻一人、
連
(
つ
)
れ
亙
(
わた
)
る雁の行衞
消
(
き
)
ゆるまで見送りて、思はず
太息
(
といき
)
吐
(
つ
)
く事も多かりけり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
そして
二人
(
ふたり
)
は
耳
(
みみ
)
をすましてきいていたが、
余韻
(
よいん
)
がわあんわあんと
波
(
なみ
)
のようにくりかえしながら
消
(
き
)
えていったばかりで、ぜんそく
持
(
も
)
ちの
痰
(
たん
)
のような
音
(
おと
)
はぜんぜんしなかった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
指
(
ゆび
)
のさきにつばをつけて、鼻の頭をこすりながら、わたしは、いままで自分の顔にむけていたランプをくるりむこうへまわすと、ガラスにうつっていた自分の
影
(
かげ
)
は
消
(
き
)
えて
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
しかし
樹木
(
じゆもく
)
によつては
氣候
(
きこう
)
の
急激
(
きゆうげき
)
な
變化
(
へんか
)
のため
又
(
また
)
は、
病虫害
(
びようちゆうがい
)
で
一時
(
いちじ
)
葉
(
は
)
を
落
(
おと
)
したりすると、この
生長状態
(
せいちようじようたい
)
に
例外
(
れいがい
)
が
出來
(
でき
)
て、
環
(
わ
)
が
完全
(
かんぜん
)
に
現
(
あらは
)
れず、
半分
(
はんぶん
)
ぐらゐで
消
(
き
)
えるのがあります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
太郎は
一二九
網子
(
あご
)
ととのふるとて、
一三〇
晨
(
つとめ
)
て起き出でて、豊雄が
閨房
(
ねや
)
の戸の
間
(
ひま
)
をふと見入れたるに、
消
(
き
)
え残りたる
灯火
(
ともしび
)
の影に、
輝々
(
きらきら
)
しき
太刀
(
たち
)
を枕に置きて臥したり。あやし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
御食
(
みけ
)
むかふ
南淵山
(
みなぶちやま
)
の
巌
(
いはほ
)
には
落
(
ふ
)
れる
斑雪
(
はだれ
)
か
消
(
き
)
え
残
(
のこ
)
りたる 〔巻九・一七〇九〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ロミオ
千
(
せん
)
たびも
萬
(
まん
)
たびも
俺
(
おれ
)
は
機嫌
(
きげん
)
がわるうなったわ、
卿
(
そもじ
)
といふ
光明
(
ひかり
)
が
消
(
き
)
えたによって。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
其
(
そ
)
の
竪矢
(
たてや
)
の
字
(
じ
)
の
赤
(
あか
)
い
色
(
いろ
)
が、
廣
(
ひろ
)
い
疊廊下
(
たゝみらうか
)
から、
黒棧腰高
(
くろさんこしだか
)
の
障子
(
しやうじ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
消
(
き
)
えようとした
時
(
とき
)
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
さあ
到
(
いた
)
る
処
(
ところ
)
都
(
みやこ
)
の
花
(
はな
)
の評判で、
然
(
さ
)
しも
全盛
(
ぜんせい
)
を
極
(
きは
)
めたりし
我楽多文庫
(
がらくたぶんこ
)
も
俄
(
にはか
)
に
月夜
(
げつや
)
の
提灯
(
てうちん
)
と
成
(
な
)
つた、けれども火は
消
(
き
)
えずに、十三、十四、十五、(
翌
(
よく
)
二十二年の二月
出版
(
しゆつぱん
)
)と
持支
(
もちこた
)
へたが
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
幼児
(
をさなご
)
は
黙
(
だま
)
つて、あたしを
見
(
み
)
つめてくれた。この
森蔭
(
もりかげ
)
の
端
(
はづれ
)
まであたしは
一緒
(
いつしよ
)
に
行
(
い
)
つてやつた。
此児
(
このこ
)
は
顫
(
ふる
)
へもしずに
歩
(
ある
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
終
(
つひ
)
にその
赤
(
あか
)
い
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
が、
遠
(
とほ
)
く
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
消
(
き
)
えるまで
見送
(
みおく
)
つた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
私
(
わたし
)
は
畢生
(
ひつせい
)
の
幸福
(
かうふく
)
の
影
(
かげ
)
が
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
つたかのやうに
心
(
むね
)
を
騒
(
さは
)
がせ、
急
(
いそ
)
いで
引出
(
ひきだ
)
して
見
(
み
)
た。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そのわたしの顔には、今でもおぼえているのですが、まだ
静
(
しず
)
かな思い出のあのほほえみが
消
(
き
)
えずに
残
(
のこ
)
っていました。ほんの一分ばかり、わたしは、まだ思い出にひたっていたのでした。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は、
生命
(
いのち
)
の
灯
(
ひ
)
の、
消
(
き
)
える
前
(
まへ
)
の
明
(
あか
)
るさで、めづらしくK
夫人
(
ふじん
)
に
話
(
はな
)
しかけた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
そのなやましげな顔には、
何
(
なん
)
ともいえぬ
誠実
(
せいじつ
)
さが見えていた。クリストフは
頬杖
(
ほおづえ
)
をついて、彼を
見守
(
みまも
)
りはじめた。もう
夜
(
よる
)
になりかかっていた。ゴットフリートの
顔
(
かお
)
は少しずつ
消
(
き
)
えていった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
幾日の心配を煙と
消
(
き
)
やし天晴れな
手腕
(
うで
)
を寝せ殺しにするにも当らない、のう十兵衛、我の云うのが腑に落ちたら思案をがらりとし変えてくれ、源太は無理は云わぬつもりだ、これさなぜ黙って居る
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
消
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
“消”を含む語句
消息
消魂
魂消
消耗
消費
消光
消化
消失
吹消
消印
消防
費消
打消
消防夫
消々
消磨
押魂消
罪障消滅
帳消
消毒
...