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模樣
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もやう
ふりがな文庫
“
模樣
(
もやう
)” の例文
新字:
模様
螢
(
ほたる
)
の
衝
(
つ
)
と
其
(
そ
)
の
裳
(
もすそ
)
に
忍
(
しの
)
び
褄
(
つま
)
に
入
(
い
)
りて、
上
(
うへ
)
の
薄衣
(
うすぎぬ
)
と、
長襦袢
(
ながじゆばん
)
の
間
(
あひだ
)
を
照
(
てら
)
して、
模樣
(
もやう
)
の
花
(
はな
)
に、
葉
(
は
)
に、
莖
(
くき
)
に、
裏
(
うら
)
透
(
す
)
きてすら/\と
移
(
うつ
)
るにこそあれ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
清潔好
(
きれいずき
)
な
彼
(
かれ
)
には
派手
(
はで
)
な
手拭
(
てぬぐひ
)
の
模樣
(
もやう
)
が
當時
(
たうじ
)
矜
(
ほこり
)
の
一
(
ひと
)
つであつた。
彼
(
かれ
)
はもう
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
を
苛
(
いぢ
)
めてやるやうな
心持
(
こゝろもち
)
で
目欲
(
めぼ
)
しい
物
(
もの
)
を
漸次
(
だん/\
)
に
質入
(
しちいれ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
たゞ
自分
(
じぶん
)
が
今
(
いま
)
坐
(
すわ
)
つてゐる
疊
(
たゝみ
)
の
色
(
いろ
)
や、
天井
(
てんじやう
)
の
柾目
(
まさめ
)
や、
床
(
とこ
)
の
置物
(
おきもの
)
や、
襖
(
ふすま
)
の
模樣
(
もやう
)
などの
中
(
なか
)
に、
此
(
この
)
屏風
(
びやうぶ
)
を
立
(
た
)
てて
見
(
み
)
て、
夫
(
それ
)
に、
召使
(
めしつかひ
)
が
二人
(
ふたり
)
がゝりで
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
山
(
やま
)
に
入
(
い
)
ると、
直
(
たゞ
)
ちに
猛獸
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
の
襲撃
(
しふげき
)
に
出逢
(
であ
)
ふだらうとは
兼
(
かね
)
ての
覺悟
(
かくご
)
であつたが、
此時
(
このとき
)
まで
其樣
(
そん
)
な
模樣
(
もやう
)
は
少
(
すこ
)
しも
見
(
み
)
えなかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
第一種の方には
略製
(
りやくせい
)
にして胸部の
搆造
(
かうざう
)
詳
(
つまびらか
)
ならざるものも有れど大概は右に
述
(
の
)
べしが如くなるべし。兩種共樣々の
模樣
(
もやう
)
有り。殊に
渦卷
(
うづま
)
き形を多しとす。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
▼ もっと見る
その
脊中
(
せなか
)
の
模樣
(
もやう
)
が
一組
(
ひとくみ
)
の
其他
(
そのた
)
のものと
同
(
おな
)
じことであつて、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
には
何
(
ど
)
れが、
園丁
(
えんてい
)
か、
兵士
(
へいし
)
か、
朝臣
(
てうしん
)
か、
又
(
また
)
御自分
(
ごじぶん
)
のお
子供衆
(
こどもしゆう
)
のお
三方
(
さんかた
)
であつたかを
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
年頃
(
としごろ
)
廿一二の女
惣身
(
そうしん
)
に
打疵
(
うちきず
)
多
(
おほく
)
して
殺
(
ころし
)
候樣子に相見申候尤も
衣類
(
いるゐ
)
は
紬縞小袖
(
つむぎじまこそで
)
二枚を着し
黒純子
(
くろどんす
)
の
龍
(
りう
)
の
模樣
(
もやう
)
織出
(
おりだし
)
の丸
帶
(
おび
)
を
締
(
しめ
)
面部
(
めんぶ
)
眉
(
まゆ
)
左
(
ひだり
)
の方に
古
(
ふる
)
き
疵
(
きず
)
の
痕
(
あと
)
相見
(
あひみえ
)
候
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
雨
(
あめ
)
が
次第
(
しだい
)
に
強
(
つよ
)
くなつたので
外面
(
そと
)
の
模樣
(
もやう
)
は
陰鬱
(
いんうつ
)
になるばかり、
車内
(
うち
)
は
退屈
(
たいくつ
)
を
増
(
ま
)
すばかり
眞鶴
(
まなづる
)
の
巡査
(
じゆんさ
)
がとう/\
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
お晝過ぎからは
暴
(
あ
)
れ
模樣
(
もやう
)
で、雪も降り出した。私たちはずつと勉強部屋で過した。暗くなつて、私はアデェルに本とお
稽古
(
けいこ
)
をしまつて
階下
(
した
)
へ行つてもいゝと云つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
落
(
おち
)
たるも
落
(
おち
)
たるも
下
(
した
)
は
敷石
(
しきいし
)
に
模樣
(
もやう
)
がへの
處
(
ところ
)
ありて、
堀
(
ほり
)
おこして
積
(
つ
)
みたてたる
切角
(
きりかど
)
に
頭腦
(
づのう
)
したゝか
打
(
う
)
ちつけたれば
甲斐
(
かひ
)
なし、
哀
(
あは
)
れ四十二の
前厄
(
まへやく
)
と
人々
(
ひと/″\
)
後
(
のち
)
に
恐
(
おそ
)
ろしがりぬ
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
そ
)
の
聲
(
こゑ
)
は
遠
(
とほ
)
くから、
鼻
(
はな
)
を
摘
(
つ
)
まみつゝ
檢死
(
けんし
)
の
模樣
(
もやう
)
を
見
(
み
)
たがつてゐる
群衆
(
ぐんしう
)
の
耳
(
みゝ
)
まで
響
(
ひゞ
)
くほど
高
(
たか
)
かつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
と、
妻
(
つま
)
は
強
(
つよ
)
く
夫
(
をつと
)
の
詞
(
ことば
)
を
遮
(
さへぎ
)
りながら、
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
の
更紗
(
さらさ
)
模樣
(
もやう
)
に
侮蔑的
(
ぶべつてき
)
な
視線
(
しせん
)
を
投
(
な
)
げた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
御一笑可
レ
被
レ
下候。老公も此廿五日御軍制改正の御
掛
(
かゝり
)
被
二
仰渡
一
、御登城に相成申候。何樣の
獻立
(
こんだて
)
に御座候哉、其後水府へ參不
レ
申候に付、
模樣
(
もやう
)
相分不
レ
申候。追而細事申上候樣仕申候。
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
三十六
年
(
ねん
)
に
入
(
い
)
つて
余
(
よ
)
は
大成功
(
だいせいかう
)
をした。一
月
(
ぐわつ
)
十六
日
(
にち
)
には、
土器
(
どき
)
に
朱
(
しゆ
)
を
以
(
もつ
)
て
緻密
(
ちみつ
)
なる
模樣
(
もやう
)
を
畫
(
ゑが
)
いてあるのを、
二箇
(
ふたつ
)
まで
掘出
(
ほりだ
)
した。それから四十二
年
(
ねん
)
の
今日
(
こんにち
)
までに
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
き
珍品
(
ちんぴん
)
は
又
(
また
)
と
出
(
い
)
でずに
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
主人
(
しゆじん
)
と
細君
(
さいくん
)
の
外
(
ほか
)
に、
筒袖
(
つゝそで
)
の
揃
(
そろ
)
ひの
模樣
(
もやう
)
の
被布
(
ひふ
)
を
着
(
き
)
た
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
が
二人
(
ふたり
)
肩
(
かた
)
を
擦
(
す
)
り
付
(
つ
)
け
合
(
あ
)
つて
坐
(
すわ
)
つてゐた。
片方
(
かたはう
)
は十二三で、
片方
(
かたはう
)
は
十
(
とを
)
位
(
ぐらゐ
)
に
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
待
(
ま
)
て、」と、
徐大盡
(
じよだいじん
)
が
手
(
て
)
を
開
(
ひら
)
いて
留
(
と
)
めたも
道理
(
だうり
)
、
驚
(
おどろ
)
いたも
其
(
そ
)
の
筈
(
はず
)
で、
今
(
いま
)
の
美
(
うつく
)
しい
扉
(
とびら
)
の
模樣
(
もやう
)
は、
己
(
おの
)
が
美妻
(
びさい
)
の
閨
(
ねや
)
なのであつた。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
入
(
い
)
る
船
(
ふね
)
停泊
(
とゞま
)
つて
居
(
ゐ
)
る
船
(
ふね
)
、
其
(
その
)
船々
(
ふね/″\
)
の
甲板
(
かんぱん
)
の
模樣
(
もやう
)
や、
檣上
(
しやうじやう
)
に
飜
(
ひるがへ
)
る
旗章
(
はたじるし
)
や、また
彼方
(
かなた
)
の
波止塲
(
はとば
)
から
此方
(
こなた
)
へかけて
奇妙
(
きめう
)
な
風
(
ふう
)
の
商舘
(
しやうくわん
)
の
屋根
(
やね
)
などを
眺
(
なが
)
め
廻
(
まわ
)
しつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と
大言
(
たいげん
)
吐
(
は
)
きし
昔
(
むかし
)
の
心
(
こゝろ
)
の
恥
(
はづ
)
かしさよ
誰
(
た
)
れが
好
(
この
)
んで
牛馬
(
ぎうば
)
の
代
(
かは
)
りに
油汗
(
あぶらあせ
)
ながし
塵埃
(
ぢんあい
)
の
中
(
なか
)
馳
(
は
)
せ
廻
(
めぐ
)
るものぞ
仕樣
(
しやう
)
模樣
(
もやう
)
の
竭
(
つ
)
きはてたればこそ
恥
(
はじ
)
も
外聞
(
ぐわいぶん
)
もなひまぜにからめて
捨
(
す
)
てた
身
(
み
)
のつまり
無念
(
むねん
)
も
殘念
(
ざんねん
)
も
饅頭笠
(
まんぢうがさ
)
のうちに
包
(
つゝ
)
みて
參
(
まゐ
)
りませうと
聲
(
こゑ
)
低
(
びく
)
に
勸
(
すゝ
)
める
心
(
こゝろ
)
いらぬとばかりもぎだうに
過
(
す
)
ぎ
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
それはまだしもなりうるさいは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
れ憑司に
向
(
むか
)
はれ其方が段々願ひの
趣
(
おもむ
)
き
確固
(
たしか
)
なる
證據
(
しようこ
)
もなし然らば
急度
(
きつと
)
傳吉が
所行
(
しわざ
)
とも相分らず
麁忽
(
そこつ
)
の訴へに及びしは不屆に思はる人命
重
(
おも
)
しとする所只々着類ばかり似たりとて兩人の
子供
(
こども
)
なりと申すと言ども世には
染色
(
そめいろ
)
模樣
(
もやう
)
など同樣
成
(
なる
)
着類
着
(
き
)
せし者往々あることなり但し
死體
(
したい
)
に
實固
(
じつこ
)
なる目當ありしやと云るゝに憑司は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
差
(
さ
)
し
向
(
む
)
き
不用
(
ふよう
)
のものを
廉價
(
れんか
)
に
買
(
か
)
つて
置
(
お
)
く
便宜
(
べんぎ
)
を
有
(
いう
)
してゐる
事
(
こと
)
などに
移
(
うつ
)
つて、
仕舞
(
しまひ
)
に
其
(
その
)
家庭
(
かてい
)
の
如何
(
いか
)
にも
陽氣
(
やうき
)
で、
賑
(
にぎ
)
やかな
模樣
(
もやう
)
に
落
(
お
)
ちて
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あひなるべくは
多治見
(
たぢみ
)
へのして、
陶器製造
(
たうきせいざう
)
の
模樣
(
もやう
)
までで、
滯在
(
たいざい
)
少
(
すくな
)
くとも
一週間
(
いつしうかん
)
の
旅費
(
りよひ
)
として、
一人前
(
いちにんまへ
)
二十五兩
(
にじふごりやう
)
、
注
(
ちう
)
におよばず、
切
(
きり
)
もちたつた
一切
(
ひときれ
)
づゝ。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
この
)
他
(
ほか
)
猶
(
な
)
ほ、
見
(
み
)
もし
聞
(
きゝ
)
もしたき
事
(
こと
)
は
澤山
(
たくさん
)
あつたが、
時刻
(
じこく
)
は
既
(
すで
)
に八
時
(
じ
)
に
近
(
ちか
)
く、
艇
(
てい
)
の
邊
(
へん
)
には
既
(
すで
)
に
夥多
(
あまた
)
の
水兵
(
すいへい
)
が
集
(
あつま
)
つて
來
(
き
)
て、
最早
(
もはや
)
工作
(
こうさく
)
の
始
(
はじ
)
まる
模樣
(
もやう
)
、
且
(
か
)
つは、
海岸
(
かいがん
)
の
家
(
いへ
)
には
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
手
(
て
)
の
半帕
(
ハンケチ
)
が
屋根
(
やね
)
を
斜
(
なゝめ
)
に、
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
へかゝつて
颯
(
さつ
)
と
靡
(
なび
)
いた。「
此
(
こ
)
の
模樣
(
もやう
)
では
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
です。」
私
(
わたし
)
は
嬉
(
うれ
)
しかつた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
最
(
もつと
)
も
間近
(
まぢか
)
かつたのを、よく
見
(
み
)
た。が、
白
(
しろ
)
い
風呂敷
(
ふろしき
)
の
裂
(
さ
)
けめは、
四角
(
しかく
)
にクハツとあいて、しかも
曲
(
ゆが
)
めたる
口
(
くち
)
である。
結目
(
むすびめ
)
が
耳
(
みゝ
)
である。
墨繪
(
すみゑ
)
の
模樣
(
もやう
)
が
八角
(
はつかく
)
の
眼
(
まなこ
)
である。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雨
(
あめ
)
か
不知
(
しら
)
、
時
(
とき
)
しも
秋
(
あき
)
のはじめなり、
洋燈
(
ランプ
)
に
油
(
あぶら
)
をさす
折
(
をり
)
に
覗
(
のぞ
)
いた
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
空
(
そら
)
の
模樣
(
もやう
)
では、
今夜
(
こんや
)
は
眞晝
(
まひる
)
の
樣
(
やう
)
な
月夜
(
つきよ
)
でなければならないがと
思
(
おも
)
ふ
内
(
うち
)
も
猶
(
なほ
)
其音
(
そのおと
)
は
絶
(
た
)
えず
聞
(
きこ
)
える。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
地震
(
ぢしん
)
も、
小
(
を
)
やみらしいので、
風上
(
かざかみ
)
とは
言
(
い
)
ひながら、
模樣
(
もやう
)
は
何
(
ど
)
うかと、
中六
(
なかろく
)
の
廣通
(
ひろどほ
)
りの
市
(
いち
)
ヶ
谷
(
や
)
近
(
ちか
)
い
十字街
(
じふじがい
)
へ
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ると、
一度
(
いちど
)
やゝ
安心
(
あんしん
)
をしただけに、
口
(
くち
)
も
利
(
き
)
けず、
一驚
(
いつきやう
)
を
喫
(
きつ
)
した。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
浴衣
(
ゆかた
)
は
白地
(
しろぢ
)
の
中形
(
ちうがた
)
で、
模樣
(
もやう
)
は、
薄月
(
うすづき
)
の
空
(
そら
)
を
行交
(
ゆきか
)
ふ、——
又
(
また
)
少
(
すこ
)
し
明
(
あか
)
るく
成
(
な
)
つたが——
雲
(
くも
)
に
紛
(
まぎ
)
るゝやうであつたが、つい
傍
(
わき
)
の
戸袋
(
とぶくろ
)
に
風流
(
ふうりう
)
に
絡
(
から
)
まり
掛
(
かゝ
)
つた
蔦
(
つた
)
かづらが
其
(
そ
)
のまゝに
染
(
そ
)
まつたらしい。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
の
電信
(
でんしん
)
の
柱
(
はしら
)
を
楯
(
たて
)
に、
肩
(
かた
)
を
曲
(
くね
)
つて、
洋傘
(
かうもり
)
の
手
(
て
)
を
柱
(
はしら
)
に
縋
(
すが
)
つて、
頸
(
うなじ
)
をしなやかに、
柔
(
やはら
)
かな
髢
(
たぼ
)
を
落
(
おと
)
して、……
帶
(
おび
)
の
模樣
(
もやう
)
の
颯
(
さつ
)
と
透
(
す
)
く……
羽織
(
はおり
)
の
腰
(
こし
)
を
撓
(
たわ
)
めながら、
忙
(
せはし
)
さうに、
且
(
か
)
つ
凝
(
ぢつ
)
と
覗
(
のぞ
)
いたが
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
風
(
かぜ
)
の
模樣
(
もやう
)
は……まあ
何
(
どう
)
だらうと、
此弱蟲
(
このよわむし
)
が
悄々
(
しを/\
)
と、
少々
(
せう/\
)
ぐらつく
欄干
(
らんかん
)
に
凭
(
よ
)
りかゝると、
島田
(
しまだ
)
がすつと
立
(
た
)
つて……
九月
(
くぐわつ
)
初旬
(
しよじゆん
)
でまだ
浴衣
(
ゆかた
)
だつた、
袖
(
そで
)
を
掻
(
か
)
い
込
(
こ
)
むで、
白
(
しろ
)
い
手
(
て
)
を
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
へさしのべた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
黒縮緬
(
くろちりめん
)
の
一
(
ひと
)
ツ
紋
(
もん
)
の
羽織
(
はおり
)
を
着
(
き
)
て
足袋
(
たび
)
跣足
(
はだし
)
、
男
(
をとこ
)
は
盲縞
(
めくらじま
)
の
腹掛
(
はらがけ
)
、
股引
(
もゝひき
)
、
彩
(
いろどり
)
ある
七福神
(
しちふくじん
)
の
模樣
(
もやう
)
を
織
(
お
)
りたる
丈長
(
たけなが
)
き
刺子
(
さしこ
)
を
着
(
き
)
たり。これは
素跣足
(
すはだし
)
、
入交
(
いりちが
)
ひになり、
引違
(
ひきちが
)
ひ、
立交
(
たちかは
)
りて
二人
(
ふたり
)
とも
傍目
(
わきめ
)
も
觸
(
ふ
)
らず。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何處
(
どこ
)
か
大商店
(
だいしやうてん
)
の
避難
(
ひなん
)
した……
其
(
そ
)
の
店員
(
てんゐん
)
たちが
交代
(
かうたい
)
に
貨物
(
くわもつ
)
の
番
(
ばん
)
をするらしくて、
暮
(
く
)
れ
方
(
がた
)
には
七三
(
しちさん
)
の
髮
(
かみ
)
で、
眞白
(
まつしろ
)
で、この
中
(
なか
)
で
友染
(
いうぜん
)
模樣
(
もやう
)
の
派手
(
はで
)
な
單衣
(
ひとへ
)
を
着
(
き
)
た、
女優
(
ぢよいう
)
まがひの
女店員
(
をんなてんゐん
)
二三人
(
にさんにん
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
われら
式
(
しき
)
が、
一念發起
(
いちねんほつき
)
に
及
(
およ
)
んだほどお
小遣
(
こづかひ
)
を
拂
(
はた
)
いて、
羅
(
うすもの
)
の
褄
(
つま
)
に、すツと
長
(
なが
)
じゆばんの
模樣
(
もやう
)
が
透
(
す
)
く、……
水色
(
みづいろ
)
の、
色氣
(
いろけ
)
は(たつた)で……
斜
(
なゝめ
)
に
座
(
すわ
)
らせたとした
所
(
ところ
)
で、
歌澤
(
うたざは
)
が
何
(
なん
)
とかで、あのはにあるの
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
模
常用漢字
小6
部首:⽊
14画
樣
部首:⽊
15画
“模樣”で始まる語句
模樣入
模樣畫
模樣變
模樣風