しき)” の例文
あはれ新婚しんこんしきげて、一年ひとゝせふすまあたゝかならず、戰地せんちむかつて出立いでたつたをりには、しのんでかなかつたのも、嬉涙うれしなみだれたのであつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おなしきおなもんうりふたツの類型土器るゐけいどき各地かくちからるのである。それすうからかんがへても、大仕掛おほじかけもつ土器どき製造せいざうしたとへる。
「でもなんですか、ぼくたちは春になったらつばめにたのんで、みんなにも知らせて結婚けっこんしきをあげましょう。どうか約束やくそくしてください」
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そしてそのあひだ各地方かくちほうからそのまゝもつて農民のうみん小屋こやがあり、ふるしき教會堂きようかいどうがくれにつてゐるかとおもふと、面白おもしろ風車かざぐるまがあり
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
王子は、それで、いよいよサンドリヨンがすきになって、それから四、五日して、めでたくご婚礼こんれいしきをあげました。
ハワイ土人どじんはこれをパホエホエしきんゐでゐる。こーくすじよう鎔岩ようがん中央火口丘ちゆうおうかこうきゆうから噴出ふんしゆつせられて、それ自身じしん形體けいたいげてくことがおほい。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
そしてちかうち黄道吉日こうどうきちにちえらんで、婚礼こんれいしきげようとしていたさいに、不図ふとおこりましたのがあの戦乱せんらんもなく良人おっととなるべきひと戦場せんじょうつゆ
ロレ 諸天善神しょてんぜんじんねがはくはこの神聖しんせいなるしきませられませい、ゆめ後日ごじつ悲哀かなしみくださしまして御譴責ごけんせきあそばされますな。
簡單かんたんながら一にちしきをはつたとき斗樽とだる甘酒あまざけ柄杓ひしやく汲出くみだして周圍しうゐつて人々ひと/″\あたへられた。しゆとして子供等こどもらさきあらそうてそのおほきな茶碗ちやわんへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
が、畢竟ひつけうそれもまた名人上手とかいふ風な古來の形しきが當ぜん作り出すかたとらはれた觀念くわんねんと見られぬ事もない。
そこへ茣蓙ござなんぞ敷きまして、その上に敷物しきものを置き、胡坐あぐらなんぞかないで正しく坐っているのがしきです。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
けれども、このおいわいのしきには、白雪姫のまま母である女王さまもまねかれることになりました。女王さまは、わかい花嫁はなよめが白雪姫だとは知りませんでした。
「ねえ、こんどのしきには、これまでにないみたいな演説えんぜつをやってくれよ、うんとがんばって——。」
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
しきあとで、おとこ生徒せいとたちは、わらったり、お菓子かしべたり、おちゃんだりしましたけれど、おんな生徒せいとたちは、さすがにかなしみがむねにつかえるとみえて、だれもわらったり
中学へ上がった日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
バサッとへいをきって、直垂ひたたれそでをたくしあげ、四方へつるをならすしきをおこなってから紫白しはくふたいろこまかい紙片しへんをつかんで、だんの上から試合しあい広庭ひろにわゆきのようにまきちらす。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この裝甲さうかう現今げんこんもつぱおこなはれてるハーベーしき堅硬法けんかうほふほどこしたる鋼板こうはんもしくは白銅鋼板等はくどうこうばんとうよりは、數層倍すうそうばい彈力性だんりよくせい抵抗力ていこうりよくいうするある新式裝甲板しんしきさうかうばんにて、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ幾星霜いくせいさうあひだ
正式せいしき通知つうちないので、何時いつまとまつたか、宗助そうすけまるらなかつたが、たゞ折々をり/\佐伯さへきつては、なにいて小六ころくつうじてのみ、かれ年内ねんないしきげるはず新夫婦しんふうふ豫想よさうした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ばしたれば婚姻こんいんの日は先方より言越いひこし參らば直にしても致せるやうに爲て置たく就ては娘が天窓あたまものおび衣類いるゐ箪笥たんす長持ながもち其外一しき新撰あたらしとゝのへんとは思へども是等に男はやくに立ず然とて親類しんるゐ縁者えんじやとても有らねば萬事ばんじ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
欧州では独逸の一部でしか見当らないしきの——
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
しきうはぎ裳裾もすそには
カンタタ (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
さうして、それは、その、きいちやんたるものがきつけて、れいしきで、「そんなものはない。」とつたが、これは教育けういくのあるむすめわかつた。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ヂュリ いゝえ、母樣かゝさま明日あすしき相應ふさはしい入用いりよう品程しなほど撰出えりだしておきました。それゆゑ、わたしにはお介意かまひなう、乳母うばはおそば夜中よぢゅう使つかくだされませ。
調度類ちょうどるい前以まえもっ先方せんぽうおくとどけていて、あとから駕籠かごにのせられて、おおきな行列ぎょうれつつくってんだまでのはなしで……しきはもちろん夜分やぶんげたのでございます。
その大正十二年たいしようじゆうにねん噴火ふんかおいては、やま東側ひがしがは西側にしがはとに東西とうざいはし二條にじよう裂目さけめしようじ、各線上かくせんじよう五六ごろくてんから鎔岩ようがん流出りゆうしゆつした。この状態じようたいはエトナしきしようすべきである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
なにしろ、だいじなしきなのだからと思うと、光吉こうきちはこんどの代表だいひょう中条ちゅうじょうにゆずるほうが学校のためであり、クラスのためではあるまいかとうたがうようになっていた。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
歩哨はスナイドルしき銃剣じゅうけんを、こうのむねななめにつきつけたまま、そのの光りようやあごのかたち、それから上着うわぎそで模様もようくつのぐあい、いちいちくわしく調しらべます。
ありときのこ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
もうごこんれいのしきにはいくのをやめようかと思いましたけれども、それでも、じぶんででかけていって、そのわかい女王さまを見ないでは、とても、安心できませんでした。
こういうようなことがいてありました。終生しゅうせい独身どくしんごした、B医師ビーいしはバラックしきであったが、有志ゆうし助力じょりょくによって、慈善病院じぜんびょういんてたのは、それから以後いごのことであります。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
三番太鼓がなるのを合図あいずとして、あの祭壇さいだん御岳みたけ神官しんかんとあまたの御岳行者みたけぎょうじゃしきをやる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外聞げえぶんさらしやがつて」と卯平うへいおこつたがそれがためこと容易よういはこばれた。勘次かんじ婿むこつたのである。簡單かんたんしきおこなはれた。にはか媒妁人ばいしやくにんさだめられたものが一人ひとり勘次かんじれてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其晩そのばん何故なぜくれのうちにしきまさないかとふのが、蕎麥掻そばがき出來上できあがあひだ、三にん話題わだいになつた。御米およね方位はうゐでもわるいのだらうと臆測おくそくした。宗助そうすけつまつてがないからだらうとかんがへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
言込いひこみ下されよとは言聞が如きていでは支度の程も覺束おぼつかなければ夫等は一しき此方で致してやつくるしくなき故此儀も心得給ひねと一個子ひとりこだけに子にあまき親は言葉ことば行屆ゆきとゞき落なく言れて忠兵衞が是も一つの安心と委細ゐさい承知しようちみせの方へ行しに頃は春の日もやゝ暮初くれそめて石町の入相いりあひかねひゞきけり斯て管伴ばんたう忠兵衞は此婚姻こんいん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おもきみ……しき九獻くこんさかづきよりして以來このかたはじめてむねとほりたるあますゞしつゆなりしを。——たのかい——いや、われく。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのうち樽前たるまへ明治四十二年めいじしじゆうにねん噴火ふんかおいて、火口かこうからプレーしき鎔岩丘ようがんきゆうし、それがいまなほ存在そんざいして時々とき/″\その彼方此方かなたこなたばすほど小爆發しようばくはつをつゞけてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
……なうなう、ロミオのきみ、えへん、bonjourボンジュール! これはフランスしき細袴ほそずぼんたいしてのフランスしき御挨拶ごあいさつでござる。昨夜ゆうべは、ようも巧々うま/\贋金にせがねつかませやったの。
かれらの学校は、まだ出来てがないために、講堂こうどう設備せつびがなかった。だいじなしき学芸会がくげいかいのときには、二階の教室を三つぶちぬいて、臨時りんじに会場をつくることになっていた。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
婚礼こんれいしきのことは、それは何卒どうぞおききくださらないで……格別かくべつかわったこともございません。
ひるすぎになって、西京さいきょう大家たいか大坪道禅おおつぼどうぜん馬術ばじゅつ母衣流ほろながしの見ごとなしきをはじめとし、一門の騎士きしあぶみをならしてをあらそい、ほかに剣道組けんどうぐみから数番の手合てあわせが開始されたが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まちなかかわながれていた。はしたもと食堂しょくどうがありました。かれはこのいえともだちといっしょにさけんだり、食事しょくじをしたのでした。和洋折衷わようせっちゅうのバラックしきで、室内しつないには、おおきなかがみがかかっていました。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
今日は入学しきだった。ぼんやりとしてそれでいて何だか堅苦かたくるしそうにしている新入生はおかしなものだ。ところがいまにみんなあばれ出す。来年になるとあれがみんな二年生になっていい気になる。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
此處こゝがその、ひどなかちやうしき面白おもしろいのは、女房かみさんが、「なにかのお禁呪まじなひになるんだらう。」とつた。そこで、そのむすめが、うや/\しくおぼんせて、その釜敷かましきつてる。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宴會えんくわいふが、やさしいこゝろざしのひとたちが、なき母親はゝおや追善つゐぜんいとなんだ、せきつらなつて、しきさかづきんだ、なつの十ぎを、袖崎そでさきふ、………今年ことし東京とうきやう何某大學なにがしだいがく國文科こくぶんくわ卒業そつげふして
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
柏崎海軍少尉かしはざきかいぐんせうゐ夫人ふじんに、民子たみこといつて、一昨年いつさくねん故郷ふるさとなる、福井ふくゐ結婚けつこんしきをあげて、佐世保させぼ移住うつりすんだのが、今度こんど少尉せうゐ出征しゆつせいき、親里おやざと福井ふくゐかへり、神佛しんぶついのり、影膳かげぜんゑつつにあるごと
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
われらしきが、一念發起いちねんほつきおよんだほどお小遣こづかひはたいて、うすものつまに、すツとながじゆばんの模樣もやうく、……水色みづいろの、色氣いろけは(たつた)で……なゝめすわらせたとしたところで、歌澤うたざはなんとかで、あのはにあるの
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)