“影膳”の読み方と例文
読み方割合
かげぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……お梅のほうは顔もよく覚えていない金三郎を恋い慕い、佐土原(さどはら)人形に着物をきせて三度々々影膳(かげぜん)をすえ、あなた、あなたと生きた金三郎がそこにいるように懇(ねんごろ)に話しかける。
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
柏崎海軍少尉(かしはざきかいぐんせうゐ)の夫人(ふじん)に、民子(たみこ)といつて、一昨年(いつさくねん)故郷(ふるさと)なる、福井(ふくゐ)で結婚(けつこん)の式(しき)をあげて、佐世保(させぼ)に移住(うつりす)んだのが、今度(こんど)少尉(せうゐ)が出征(しゆつせい)に就(つ)き、親里(おやざと)の福井(ふくゐ)に歸(かへ)り、神佛(しんぶつ)を祈(いの)り、影膳(かげぜん)据(す)ゑつつ座(ざ)にある如(ごと)く
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
死んでも誰にも祭られず……故郷では影膳(かげぜん)をすえて待ッている人もあろうに……「ふる郷(さと)に今宵(こよひ)ばかりの命とも知らでや人のわれをまつらむ」……露の底の松虫もろとも空(むな)しく怨(うら)みに咽(むせ)んでいる。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)