“影像”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
イメジ21.4%
えいぞう21.4%
イマージ14.3%
イマージュ14.3%
すがた7.1%
イマアジュ7.1%
イマージユ7.1%
ファントム7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いくら彼の頭が偉い人の影像イメジうずまっていても、彼自身が偉くなってゆかない以上は、何の役にも立たないという事を発見したのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……ですから、ひたすら和子わこのお育ちのみをたのしみに、ご信心でもなされたがいいと、私の地蔵菩薩じぞうぼさつのお影像えいぞうを手紙のうちに入れて上げようかと思っているの
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この二年間、土曜日ごとに語り合ったことは、男にとっては要するに家庭というものの影像イマージであったし、彼女にとってはそれの幻覚イリュジオンに過ぎなかったのである。
フェリシテ (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
かかる「影像イマージュ」のうちにだけしか見いだし得ず、ジャーナリズムはまた、彼にファンテジストのレッテルをって、一回何行という短文をやたらに書かせた。
博物誌あとがき (新字新仮名) / 岸田国士(著)
さて、頭のなかをいっぱいにして家へ帰って来ると、部屋のランプを消しておいて、眠る前に永い間、それらの影像すがたを一つ一つ数え挙げるのが楽しみだ。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
いましがた見て来たあの暗い不思議な花のような影像イマアジュをそれらの言葉とは少しも関係がないもののように、それだけを鮮かに意識のしきみに上らせながら、診察室から帰って来た。
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
なぜなら、彼の日記は、無数のこれに類した「影像イマージユ」で満たされてゐるからである。
「博物誌」の序に代へて (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「いったいどうしたと云うんです。法水さん。いまに誰もかも、元素に還されてしまうのじゃないでしょうか。いったい、犯人は誰ですかな。家内は、その影像ファントムを見なかったと云ってますよ」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)