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おぼ
ふりがな文庫
“
覺
(
おぼ
)” の例文
新字:
覚
佐賀錦
(
さがにしき
)
の
紙入
(
かみいれ
)
から、
其
(
そ
)
の、ざく/\と
銅貨
(
どうくわ
)
まじりを
扱
(
あつか
)
つた、
岡田夫人
(
をかだふじん
)
八千代
(
やちよ
)
さんの
紙包
(
かみづつ
)
みの、こなしのきれいさを
今
(
いま
)
でも
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
Kさんのその
時分
(
じぶん
)
の
歌
(
うた
)
に、わがはしやぎし心は
晩秋
(
ばんしう
)
の
蔓草
(
つるくさ
)
の
如
(
ごと
)
くから/\と
空鳴
(
からな
)
りするといふやうな
意
(
こゝろ
)
があつたやうに
覺
(
おぼ
)
えてゐます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
仁三郎は全くの一人者で、金も
係累
(
けいるゐ
)
も、人に怨を買ふ
覺
(
おぼ
)
えもなく、その上、
賽錢
(
さいせん
)
箱が無事で、取られた物といつては、拜殿の
鈴
(
すゞ
)
だけ。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
ます。
父樣
(
おとつさん
)
が
私
(
わたくし
)
の
頭
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
でゝ、お
前
(
まへ
)
は
日本人
(
につぽんじん
)
の
子
(
こ
)
といふ
事
(
こと
)
をばどんな
時
(
とき
)
にも
忘
(
わす
)
れてはなりませんよ、と
仰
(
おつ
)
しやつた
事
(
こと
)
でせう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
僕
(
ぼく
)
、この
遊
(
あそ
)
びを
覺
(
おぼ
)
えてから
足掛
(
あしか
)
け五
年
(
ねん
)
になるが、
食事
(
しよくじ
)
の
時間
(
じかん
)
だけは
別
(
べつ
)
として
戰
(
たゝか
)
ひつづけたレコオドは
約
(
やく
)
三十
時間
(
じかん
)
といふのが
最長
(
さいちやう
)
だ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
現在
(
げんざい
)
うけ
合
(
あ
)
ひしは
我
(
わ
)
れに
覺
(
おぼ
)
えあれど
何
(
なに
)
の
夫
(
そ
)
れを
厭
(
いと
)
ふ
事
(
こと
)
かは、
大方
(
おほかた
)
お
前
(
まへ
)
が
聞
(
きゝ
)
ちがへと
立
(
たて
)
きりて、
烟草
(
たばこ
)
輪
(
わ
)
にふき
私
(
わたし
)
は
知
(
し
)
らぬと
濟
(
すま
)
しけり。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
父
(
とう
)
さんは
榎木
(
えのき
)
の
實
(
み
)
ばかりでなく、
橿鳥
(
かしどり
)
の
美
(
うつく
)
しい
羽
(
はね
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ、おまけにその
大
(
おほ
)
きな
榎木
(
えのき
)
の
下
(
した
)
で、『
丁度好
(
ちやうどい
)
い
時
(
とき
)
。』まで
覺
(
おぼ
)
えて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
專門上
(
せんもんじやう
)
の
知識
(
ちしき
)
のない
小六
(
ころく
)
が、
精密
(
せいみつ
)
な
返答
(
へんたふ
)
をし
得
(
う
)
る
筈
(
はず
)
は
無論
(
むろん
)
なかつた。
彼
(
かれ
)
はたゞ
安之助
(
やすのすけ
)
から
聞
(
き
)
いた
儘
(
まゝ
)
を、
覺
(
おぼ
)
えてゐる
限
(
かぎ
)
り
念
(
ねん
)
を
入
(
い
)
れて
説明
(
せつめい
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
震
(
ふる
)
はしアノ
白々
(
しら/″\
)
しいと
言
(
いふ
)
時
(
とき
)
長庵は
顏色
(
がんしよく
)
かへて五十兩には何事ぞや拙者は
更
(
さら
)
に
覺
(
おぼ
)
えなき大金を拙者に渡したなどとは
途方
(
とはう
)
も
無
(
なき
)
事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
品
(
しな
)
は
漸
(
やうや
)
く
商
(
あきなひ
)
を
覺
(
おぼ
)
えたといつて
居
(
ゐ
)
たのはまだ
其
(
そ
)
の
夏
(
なつ
)
の
頃
(
ころ
)
からである。
初
(
はじ
)
めは
極
(
きま
)
りが
惡
(
わる
)
くて
他人
(
たにん
)
の
閾
(
しきゐ
)
を
跨
(
また
)
ぐのを
逡巡
(
もぢ/\
)
して
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私
(
わたし
)
なども
少年
(
しようねん
)
のころ、
御陵
(
ごりよう
)
を
巡拜
(
じゆんぱい
)
するといふようなことから、つい/\
考古學
(
こうこがく
)
に
興味
(
きようみ
)
を
覺
(
おぼ
)
えるようになつた
次第
(
しだい
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
草
(
くさ
)
の
根
(
ね
)
が
邪魔
(
じやま
)
をして、
却々
(
なか/\
)
掘
(
ほ
)
り
難
(
にく
)
い。それに
日
(
ひ
)
は
當
(
あた
)
らぬ。
寒
(
さむ
)
くて
耐
(
たま
)
らぬ。
蠻勇
(
ばんゆう
)
を
振
(
ふる
)
つて
漸
(
やうや
)
く
汗
(
あせ
)
を
覺
(
おぼ
)
えた
頃
(
ころ
)
に、
玄子
(
げんし
)
は
石劒
(
せきけん
)
の
柄部
(
へいぶ
)
を
出
(
だ
)
した。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
ロミオ
予
(
わし
)
は
無禮
(
ぶれい
)
をした
覺
(
おぼ
)
えはない、いや、
其
(
その
)
仔細
(
しさい
)
の
分
(
わか
)
るまでは
迚
(
とて
)
も
會得
(
ゑとく
)
のゆかぬ
程
(
ほど
)
に
予
(
わし
)
は
足下
(
きみ
)
を
愛
(
あい
)
してゐるのぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
翌朝
(
よくてう
)
彼
(
かれ
)
は
激
(
はげ
)
しき
頭痛
(
づつう
)
を
覺
(
おぼ
)
えて、
兩耳
(
りやうみゝ
)
は
鳴
(
な
)
り、
全身
(
ぜんしん
)
には
只
(
たゞ
)
ならぬ
惱
(
なやみ
)
を
感
(
かん
)
じた。
而
(
さう
)
して
昨日
(
きのふ
)
の
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けた
出來事
(
できごと
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しても、
恥
(
はづか
)
しくも
何
(
なん
)
とも
感
(
かん
)
ぜぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
けれども、こんなにむづかしい
子守歌
(
こもりうた
)
はありません。とてもむづかしくて
牝牛
(
めうし
)
と
小鳥
(
ことり
)
はちつとも
覺
(
おぼ
)
えられませんでした。それはかういふ
子守歌
(
こもりうた
)
でした。
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
男
(
をとこ
)
は、——いえ、
太刀
(
たち
)
も
帶
(
お
)
びて
居
(
を
)
れば、
弓矢
(
ゆみや
)
も
携
(
たづさ
)
へて
居
(
を
)
りました。
殊
(
こと
)
に
黒
(
くろ
)
い
塗
(
ぬ
)
り
箙
(
えびら
)
へ、二十あまり
征矢
(
そや
)
をさしたのは、
唯今
(
ただいま
)
でもはつきり
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
を
)
ります。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
來年
(
らいねん
)
はこれよりも
美
(
うつ
)
くしい
初日
(
はつひ
)
の
出
(
で
)
を
拜
(
をが
)
みたいものだ。』と
言
(
い
)
つた
言葉
(
ことば
)
、
其言葉
(
そのことば
)
を
堅
(
かた
)
く
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
て、
其精神
(
そのせいしん
)
を
能
(
よ
)
く
味
(
あぢ
)
はうて、
年
(
とし
)
と
共
(
とも
)
に
希望
(
きばう
)
を
新
(
あら
)
たにし
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
けれどもだんだん
何
(
なに
)
も
聞
(
きこ
)
えなくなつていつの
間
(
ま
)
にか
彼女
(
かれ
)
は、
無
(
む
)
にゐることを
覺
(
おぼ
)
えるやうになつたのであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
嘗
(
かつ
)
て
此麽
(
こんな
)
事
(
こと
)
をしたことはないのですが、
兄
(
にい
)
さんの
拉典語
(
ラテンご
)
の
文典
(
ぶんてん
)
に、『
鼠
(
ねずみ
)
は——
鼠
(
ねづみ
)
の——
鼠
(
ねずみ
)
に—
鼠
(
ねずみ
)
を——おゥ
鼠
(
ねず
)
ちやん!』と
書
(
か
)
いてあつたのを
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
ましたから
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
これでみなさんも
山
(
やま
)
に
關
(
かん
)
するいろ/\なことを
覺
(
おぼ
)
えられたので、
折
(
をり
)
があつたら
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
にも
登
(
のぼ
)
つて
實際
(
じつさい
)
について
見
(
み
)
られると、
一層
(
いつそう
)
興味
(
きようみ
)
があるでせう。——(終)——
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
私
(
わたし
)
は
今
(
いま
)
、
私
(
わたし
)
の
少年時代
(
せうねんじだい
)
の
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ひだす。
明治
(
めいぢ
)
十九
年
(
ねん
)
、
私
(
わたし
)
が
初
(
はじ
)
めて九
州
(
しう
)
から
東京
(
とうきやう
)
に
遊學
(
いうがく
)
に
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
、
私
(
わたし
)
の
友人
(
いうじん
)
や
先輩
(
せんぱい
)
の
學生間
(
がくせいかん
)
に、よく
斯
(
か
)
ういふ
話
(
はなし
)
のあつた
事
(
こと
)
を
覺
(
おぼ
)
えてゐる。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
つたことはないが、
顏
(
かほ
)
だけは
覺
(
おぼ
)
えてゐる
天滿與力
(
てんまよりき
)
の
何某
(
なにがし
)
であることを
玄竹
(
げんちく
)
は
知
(
し
)
つてゐた。この
天滿與力
(
てんまよりき
)
は
町人
(
ちやうにん
)
から
袖
(
そで
)
の
下
(
した
)
を
取
(
と
)
るのに
妙
(
めう
)
を
得
(
え
)
てゐる
形
(
かたち
)
だけの
偉丈夫
(
ゐぢやうふ
)
であつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
何故だか其頃私は見すぼらしくて美しいものに強くひきつけられたのを
覺
(
おぼ
)
えてゐる。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
暫
(
しばら
)
く
見詰
(
みつ
)
めてゐるうちに、
閭
(
りよ
)
は
覺
(
おぼ
)
えず
精神
(
せいしん
)
を
僧
(
そう
)
の
捧
(
さゝ
)
げてゐる
水
(
みづ
)
に
集注
(
しふちゆう
)
した。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
〔譯〕
靈光
(
れいくわう
)
障碍
(
しやうげ
)
無くば、則ち
氣
(
き
)
乃ち
流動
(
りうどう
)
して
餒
(
う
)
ゑず、
四體
(
したい
)
輕
(
かる
)
きを
覺
(
おぼ
)
えん。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
兎まれ角まれ、汝が病をばわが手ぬかりにて長じたりと
覺
(
おぼ
)
し、汝は獨り籠り居て蟲をおこしたるならん。あすは車一輛
倩
(
こ
)
ひて、エルコラノ、ポムペイに往き、それよりヱズヰオの山に登るべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
無爲
寂寞
(
じやくまく
)
の國に
孤
(
ひと
)
り立つを
覺
(
おぼ
)
ゆ
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
よく
覺
(
おぼ
)
えてゐたからだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
覺
(
おぼ
)
えず
振
(
ふ
)
るのが
赤
(
あか
)
い
旗
(
はた
)
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
此
(
こ
)
の
二人
(
ふたり
)
は、
母
(
はゝ
)
の
父母
(
ふぼ
)
で、
同家
(
ひとついへ
)
に
二階住居
(
にかいずまひ
)
で、
睦
(
むつま
)
じく
暮
(
くら
)
したが、
民也
(
たみや
)
のもの
心
(
ごころ
)
を
覺
(
おぼ
)
えて
後
(
のち
)
、
母
(
はゝ
)
に
先
(
さき
)
だつて、
前後
(
ぜんご
)
して
亡
(
な
)
くなられた……
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
日出雄
(
ひでを
)
や、あの
向
(
むか
)
ふに
見
(
み
)
える
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
を
覺
(
おぼ
)
えておいでかえ。』と
住馴
(
すみな
)
れし子ープルス
市街
(
まち
)
の
東南
(
とうなん
)
に
聳
(
そび
)
ゆる
山
(
やま
)
を
指
(
ゆびざ
)
すと、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
小學校へはひつて文字を習ひ
覺
(
おぼ
)
え、
幼
(
をさな
)
い頭にも自分の
想
(
さう
)
を
表
(
あらは
)
すことを知つて、初めて書き上げた作文に
若
(
も
)
し思ひ出が
殘
(
のこ
)
るならば
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
さして
何
(
なに
)
とは
言
(
い
)
はれねども
次第々々
(
しだい/\
)
に
心細
(
こゝろぼそ
)
き
思
(
おも
)
ひ、すべて
昨日
(
きのふ
)
の
美登利
(
みどり
)
の
身
(
み
)
に
覺
(
おぼ
)
えなかりし
思
(
おも
)
ひをまうけて
物
(
もの
)
の
恥
(
はづ
)
かしさ
言
(
い
)
ふばかり
無
(
な
)
く
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
の
恐怖
(
きようふ
)
は、
今
(
いま
)
までそこに
思
(
おも
)
ひ
到
(
いた
)
らなかつたといふことのために、
餘計
(
よけい
)
大
(
おほ
)
きく
影
(
かげ
)
を
伸
(
のば
)
して
行
(
ゆ
)
くやうであつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
新
(
あら
)
たなる
悔
(
くゐ
)
を
覺
(
おぼ
)
えた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
安井
(
やすゐ
)
を
此所
(
こゝ
)
に二三
度
(
ど
)
訪
(
たづ
)
ねた
縁故
(
えんこ
)
で、
彼
(
かれ
)
の
所謂
(
いはゆる
)
不味
(
まづ
)
い
菜
(
さい
)
を
拵
(
こし
)
らえる
主
(
ぬし
)
を
知
(
し
)
つてゐた。
細君
(
さいくん
)
の
方
(
はう
)
でも
宗助
(
そうすけ
)
の
顏
(
かほ
)
を
覺
(
おぼ
)
えてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ひしがるゝとも
覺
(
おぼ
)
え
無事
(
なきこと
)
は申上難く候と言ひ
募
(
つの
)
るにぞ然ば猶後日の調べと
再度
(
さいど
)
一
同
(
どう
)
下
(
さげ
)
られ長庵三次の兩人は又も
獄屋
(
ごくや
)
へ引れける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それに
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
が
肩
(
かた
)
のあたりで
硬
(
こは
)
ばつたやうで
動
(
うご
)
かしやうによつてはきや/\と
疼痛
(
いたみ
)
を
覺
(
おぼ
)
えた。
彼
(
かれ
)
は
病氣
(
びやうき
)
が
其處
(
そこ
)
に
聚
(
あつま
)
つたのではないかと
思
(
おも
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
父
(
とう
)
さんの
幼少
(
ちひさ
)
な
時分
(
じぶん
)
にはお
家
(
うち
)
にお
雛
(
ひな
)
といふ
女
(
をんな
)
が
奉公
(
ほうこう
)
して
居
(
ゐ
)
まして、
半分
(
はんぶん
)
乳母
(
うば
)
のやうに
父
(
とう
)
さんを
負
(
おぶ
)
つたり
抱
(
だ
)
いたりして
呉
(
く
)
れたことを
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
餞別
(
せんべつ
)
に貰つた小判の百兩を懷中に深く祕め、編笠に面體を隱したまゝ、先づ日頃信心する觀音樣の近くに陣取つて心靜かにうろ
覺
(
おぼ
)
えのお
經
(
きやう
)
を
誦
(
ず
)
し乍ら
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
牝牛
(
めうし
)
と
小鳥
(
ことり
)
は、
一生
(
いつしやう
)
けんめいに
習
(
なら
)
ひましたが、それでも
覺
(
おぼ
)
えられないのでお
終
(
しまひ
)
にはいやになつてしまひました。
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
が、
奈何
(
どう
)
したのか
聲
(
こゑ
)
は
咽喉
(
のど
)
から
出
(
い
)
でず、
足
(
あし
)
も
亦
(
また
)
意
(
い
)
の
如
(
ごと
)
く
動
(
うご
)
かぬ、
息
(
いき
)
さへ
塞
(
つま
)
つて
了
(
しま
)
ひさうに
覺
(
おぼ
)
ゆる
甲斐
(
かひ
)
なさ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『
大變
(
たいへん
)
能
(
よ
)
く
解
(
わか
)
りました』と
愛
(
あい
)
ちやんは
甚
(
はなは
)
だ
丁寧
(
ていねい
)
に
云
(
い
)
つて、『
書
(
か
)
いて
置
(
お
)
きませう、
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
るやうに』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
これならどんな
責任
(
せきにん
)
でも
背負
(
せお
)
つて
立
(
た
)
てると、つく/\
蠻勇
(
ばんゆう
)
の
難有
(
ありがた
)
さを
覺
(
おぼ
)
えた。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
盜人
(
ぬすびと
)
は
妻
(
つま
)
が
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
つた
後
(
のち
)
、
太刀
(
たち
)
や
弓矢
(
ゆみや
)
を
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げると、一
箇所
(
かしよ
)
だけおれの
繩
(
なは
)
を
切
(
き
)
つた。「
今度
(
こんど
)
はおれの
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
だ。」——おれは
盜人
(
ぬすびと
)
が
藪
(
やぶ
)
の
外
(
そと
)
へ、
姿
(
すがた
)
を
隱
(
かく
)
してしまう
時
(
とき
)
に、かう
呟
(
つぶや
)
いたのを
覺
(
おぼ
)
えてゐる。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『お
前
(
まへ
)
さんは
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
を
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
なさるか。』
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
すうツと
胸
(
むね
)
の
透
(
す
)
くのを
覺
(
おぼ
)
えた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
呼
(
よ
)
ばれた
坂上
(
さかがみ
)
は、
此
(
こ
)
の
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
くと、
外套
(
ぐわいたう
)
の
襟
(
えり
)
から
先
(
ま
)
づ
悚然
(
ぞつ
)
とした。……
誰
(
たれ
)
に
似
(
に
)
て
可厭
(
いや
)
な、
何時
(
いつ
)
覺
(
おぼ
)
えのある
可忌
(
いまは
)
しい
調子
(
てうし
)
と
云
(
い
)
ふのではない。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
勿論
(
もちろん
)
、
外形
(
ぐわいけい
)
に
現
(
あらは
)
れても
何
(
なに
)
も
審
(
いぶか
)
しい
點
(
てん
)
はないが、
少
(
すこ
)
しく
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
に
異樣
(
ゐやう
)
に
覺
(
おぼ
)
えたのは、
總
(
さう
)
噸數
(
とんすう
)
一千
噸
(
とん
)
位
(
くらゐ
)
にしては
其
(
その
)
構造
(
かうざう
)
の
餘
(
あま
)
りに
堅固
(
けんご
)
らしいのと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
あの
牌音
(
パイおと
)
を
聞
(
き
)
くといふ
力強
(
ちからづよ
)
い
魅力
(
みりよく
)
がある。だからこそ、
麻雀
(
マアジヤン
)
は
少
(
すこ
)
し
遊
(
あそ
)
びを
覺
(
おぼ
)
えると、
大概
(
たいがい
)
の
人
(
ひと
)
が一
時
(
じ
)
熱病的
(
ねつびやうてき
)
になつてしまふ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
私共
(
わたしども
)
は
遠
(
とほ
)
い
國
(
くに
)
の
方
(
はう
)
から
參
(
まゐ
)
るものですから、なか/\
言葉
(
ことば
)
が
覺
(
おぼ
)
えられません、でも、あなたがたが
親切
(
しんせつ
)
にして
下
(
くだ
)
さるのを、
何
(
なに
)
より
有難
(
ありがた
)
く
思
(
おも
)
ひます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
覺
部首:⾒
20画
“覺”を含む語句
目覺
不覺
覺醒
心覺
眼覺
御覺悟
寢覺
感覺
見覺
錯覺
幻覺
小才覺
觸覺
淨覺院
覺束
覺悟
才覺
自覺
知覺
寐覺
...