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限
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かぎ
ふりがな文庫
“
限
(
かぎ
)” の例文
先哲
(
せんてつ
)
いはく……
君子
(
くんし
)
はあやふきに
近
(
ちか
)
よらず、いや
頬杖
(
ほゝづゑ
)
で
讀
(
よ
)
むに
限
(
かぎ
)
る。……
垣
(
かき
)
の
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
、さみだれの、ふる
屋
(
や
)
の
軒
(
のき
)
におとづれて……か。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宜
(
よ
)
きことにして
金
(
かね
)
やらん
妾
(
せう
)
になれ
行々
(
ゆく/\
)
は
妻
(
つま
)
にもせんと
口惜
(
くちを
)
しき
事
(
こと
)
の
限
(
かぎ
)
り
聞
(
き
)
くにつけても
君
(
きみ
)
さまのことが
懷
(
なつ
)
かしく
或
(
あ
)
る
夜
(
よ
)
にまぎれて
國
(
くに
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
なに
)
なりと
訊
(
たず
)
ねて
貰
(
もら
)
います。
研究
(
けんきゅう
)
の
為
(
た
)
めとあれば、
俺
(
わし
)
の
方
(
ほう
)
でもそのつもりで、
差支
(
さしつかえ
)
なき
限
(
かぎ
)
り
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
打
(
う
)
ち
明
(
あ
)
けて
話
(
はな
)
すことにしましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
おつぎは
勘次
(
かんじ
)
の
敏捷
(
びんせふ
)
な
目
(
め
)
を
欺
(
あざむ
)
くには
此
(
これ
)
だけの
深
(
ふか
)
い
注意
(
ちうい
)
を
拂
(
はら
)
はなければならなかつた。それも
稀
(
まれ
)
なことで
數
(
かず
)
は
必
(
かなら
)
ず
一
(
ひと
)
つに
限
(
かぎ
)
られて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
最後に彼の周囲を人間のあらん
限
(
かぎ
)
り
包
(
つゝ
)
む社会に対しては、彼は何の考も纏めなかつた。事実として、社会は制裁の権を有してゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
第二
毎日
(
まいにち
)
の
食餌
(
しよくじ
)
は
三度
(
さんど
)
を
限
(
かぎ
)
り、
分量
(
ぶんりやう
)
を
定
(
さだ
)
む
可
(
べ
)
し。
夜中
(
やちゆう
)
に
飮食
(
いんしよく
)
せざるを
最
(
もつと
)
もよしとす。
但
(
たゞし
)
食後
(
しよくご
)
は
少時間
(
しばらく
)
休息
(
きうそく
)
し
運動
(
うんどう
)
を
始
(
はじ
)
むべき
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
船長
(
せんちやう
)
も
一等運轉手
(
チーフメート
)
も
度
(
ど
)
を
失
(
うしな
)
つて、
船橋
(
せんけう
)
を
驅
(
か
)
け
上
(
あが
)
り、
驅
(
か
)
け
降
(
くだ
)
り、
後甲板
(
こうかんぱん
)
に
馳
(
は
)
せ、
前甲板
(
ぜんかんぱん
)
に
跳
(
おど
)
り
狂
(
くる
)
ふて、
聲
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに
絶叫
(
ぜつけう
)
した。
水夫
(
すゐふ
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ひとりいてふに
限
(
かぎ
)
らず、しひのきやかしのき
等
(
など
)
、
家
(
いへ
)
のまはりや
公園
(
こうえん
)
の
垣根沿
(
かきねぞ
)
ひに
植
(
う
)
ゑてある
木
(
き
)
は、
平常
(
へいじよう
)
は
木蔭
(
こかげ
)
や
風
(
かぜ
)
よけになるばかりでなく
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
がこの
人
(
ひと
)
の
功勞
(
こうろう
)
は、それには
限
(
かぎ
)
りません。
實
(
じつ
)
のところは、
人麿
(
ひとまろ
)
が
出
(
で
)
て、
短歌
(
たんか
)
といふものが、
非常
(
ひじよう
)
に
盛
(
さか
)
んになつたのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
かような
場合
(
ばあひ
)
を
省
(
かへり
)
みると、
屋外
(
おくがい
)
へ
避難
(
ひなん
)
して
可
(
か
)
なる
場合
(
ばあひ
)
は、
僅
(
わづか
)
に
二三秒
(
にさんびよう
)
で
軒下
(
のきした
)
を
離
(
はな
)
れることが
出來
(
でき
)
るような
位置
(
いち
)
にあるときに
限
(
かぎ
)
るようである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
いかに、その
姿
(
すがた
)
は、
小
(
ちい
)
さく、
美
(
うつく
)
しくても、
欲望
(
よくぼう
)
に
限
(
かぎ
)
りのないことが
知
(
し
)
られたのです。そして、それは、
怖
(
おそ
)
ろしいことでした。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
むかしより此毘沙門堂に於て毎年正月三日の夜に
限
(
かぎ
)
りて
堂押
(
だうおし
)
といふ事あり、
敢
(
あへて
)
祭式
(
さいしき
)
の
礼格
(
れいかく
)
とするにはあらねど、むかしより
有来
(
ありきたり
)
たる
神事
(
じんじ
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
だが目の
届
(
とど
)
く
限
(
かぎ
)
り
両側
(
りょうがわ
)
は雪にうずまった林であった。前はもう二、三間(四〜五メートル)先が雪でぼんやりくもっていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
飯粒
(
めしつぶ
)
に
釣
(
つ
)
らるゝ
鮒男
(
ふなをとこ
)
がヤレ
才子
(
さいし
)
ぢや
怜悧者
(
りこうもの
)
ぢやと
褒
(
ほ
)
めそやされ、
偶
(
たま
)
さか
活
(
い
)
きた
精神
(
せいしん
)
を
有
(
も
)
つ
者
(
もの
)
あれば
却
(
かへつ
)
て
木偶
(
でく
)
のあしらひせらるゝ事
沙汰
(
さた
)
の
限
(
かぎ
)
りなり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り、
愛
(
あい
)
ちやんが
針鼠
(
はりねずみ
)
を
送
(
おく
)
らうと
思
(
おも
)
ふ
所
(
ところ
)
には
總
(
すべ
)
て
畦畝
(
うね
)
があつて、二
列
(
れつ
)
になつた
兵士
(
へいし
)
が
常
(
つね
)
に
起
(
お
)
きて、
毬投場
(
グラウンド
)
の
他
(
た
)
の
部分々々
(
ぶゝん/\
)
を
歩
(
ある
)
いてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
凄惨
(
せいさん
)
限
(
かぎ
)
りなき
空中墳墓
(
くうちゅうふんぼ
)
! おおこの奇怪きわまりなき光景を望んで気が変にならないでいられるものがあり得ようか。
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
極
(
きは
)
めて一直線な
石垣
(
いしがき
)
を見せた台の下に
汚
(
よご
)
れた水色の
布
(
ぬの
)
が敷いてあつて、
後
(
うしろ
)
を
限
(
かぎ
)
る
書割
(
かきわり
)
には
小
(
ちひさ
)
く
大名屋敷
(
だいみやうやしき
)
の
練塀
(
ねりべい
)
を
描
(
ゑが
)
き
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
婦人
(
ふじん
)
といふ
限
(
かぎ
)
りでは、ジヤン・ダークも、ナイチンゲールも、
良婦之友
(
りやうふのとも
)
の
愛讀者
(
あいどくしや
)
も、
共通
(
きようつう
)
なのには
違
(
ちが
)
ひない。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
また
石器時代
(
せつきじだい
)
から
金屬使用時代
(
きんぞくしようじだい
)
にはひる
中間時代
(
ちゆうかんじだい
)
を、
金石併用期
(
きんせきへいようき
)
と
名
(
な
)
づける
學者
(
がくしや
)
もありますが、かようにわけて
行
(
ゆ
)
けば
限
(
かぎ
)
りなくわけられますけれども
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
ヂュリ その
若
(
わか
)
にロレンスどのゝ
庵室
(
あんじつ
)
で
逢
(
あ
)
うたゆゑ、
女
(
をなご
)
の
謹愼
(
つゝしみ
)
に
障
(
さは
)
らぬ
限
(
かぎ
)
りの、ふさはしい
會釋
(
ゑしゃく
)
をしておきました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
すでに
為
(
な
)
すべからざるを知るといえども、
我
(
わ
)
が
事
(
つか
)
うるところの
存
(
そん
)
せん
限
(
かぎ
)
りは一日も政府の任を
尽
(
つ
)
くさざるべからずとて
極力
(
きょくりょく
)
計画
(
けいかく
)
したるところ少なからず
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
日本人
(
にほんじん
)
のあの
花合
(
はなあは
)
せにさへ
實
(
じつ
)
に
多岐多樣
(
たきたやう
)
な
詐欺
(
さぎ
)
、いんちきの
仕方
(
しかた
)
があるといふのだから、
勝負事
(
しようぶごと
)
といふものが
存在
(
そんざい
)
する
限
(
かぎ
)
り
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ないことかも
知
(
し
)
れない。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
お
高
(
たか
)
とよびて夫婦の
寵愛
(
ちようあい
)
限
(
かぎ
)
りなく
讀書
(
よみかき
)
は
勿論
(
もちろん
)
絲竹
(
いとたけ
)
の道より
茶湯
(
ちやのゆ
)
活花等
(
いけばなとう
)
に至るまで師を
撰
(
えら
)
みて習はせしに
取分
(
とりわけ
)
書を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかしこうして
捨
(
す
)
てて
置
(
お
)
けば
天子
(
てんし
)
さまのお
病
(
やまい
)
はいよいよ
重
(
おも
)
くなって、どんな
大事
(
だいじ
)
にならないとも
限
(
かぎ
)
りません。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
若
(
もし
)
も「エヽリツトル」とでも
言
(
い
)
はうものなら
何
(
ど
)
んなむづかしい
質問
(
しつもん
)
が
始
(
はじ
)
まらないとも
限
(
かぎ
)
らないからであつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
斯樣
(
かやう
)
な
事柄
(
ことがら
)
を一々
申
(
まを
)
せば
限
(
かぎ
)
りのない
事
(
こと
)
で、
居家處世
(
きよかしよせい
)
の
上
(
うへ
)
に
種々
(
しゆ/″\
)
間違
(
まちがひ
)
が
多
(
おほ
)
く、さればと
言
(
い
)
つて、これを一々
前以
(
ぜんもつ
)
て
命令
(
めいれい
)
するといふは
實際
(
じつさい
)
に
行
(
おこな
)
はれ
難
(
がた
)
い
事
(
こと
)
であるから
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
お前さんのは
其処
(
そこ
)
にお
葉漬
(
はづけ
)
かありますよ、これは
儂
(
わたし
)
が
儂
(
わたし
)
のお
銭
(
あし
)
で買つたのですと
天丼
(
てんどん
)
を
抱
(
かゝ
)
へ
込
(
こ
)
み
候如
(
そろごと
)
きは
敢
(
あへ
)
て社会
下流
(
かりう
)
の事のみとも
限
(
かぎ
)
られぬ
形勢
(
けいせい
)
に
候
(
そろ
)
内職
(
ないしよく
)
と
人心
(
じんしん
)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
ま、ま、
待
(
ま
)
っておくんなせえやし。そんなにお
急
(
せき
)
ンならねえでも、おせんの
返事
(
へんじ
)
は、
直
(
す
)
ぐさまお
聞
(
き
)
かせ
申
(
もう
)
しやすが、ここは
道端
(
みちばた
)
、
誰
(
だれ
)
に
見
(
み
)
られねえとも
限
(
かぎ
)
りやせん。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その
半
(
なか
)
ば
夢心地
(
ゆめごこち
)
の
状態
(
じょうたい
)
にあきてくると、彼は
動
(
うご
)
きまわって
音
(
おと
)
をたてたくてたまらなくなった。そういう時には、
楽曲
(
がっきょく
)
を
作
(
つく
)
り出して、それをあらん
限
(
かぎ
)
りの
声
(
こえ
)
で歌った。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
余
(
よ
)
は
此日
(
このひ
)
限
(
かぎ
)
り、
既
(
も
)
う
探檢
(
たんけん
)
には
行
(
ゆ
)
かなかつた。
何故
(
なにゆゑ
)
ならば、
迚
(
とて
)
も
主墳發見
(
しゆふんはつけん
)
の
見込
(
みこみ
)
が
無
(
な
)
いからであつた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
それで
十分
(
じふゞん
)
です、
力
(
ちから
)
の
限
(
かぎ
)
り
書
(
か
)
いて
其
(
それ
)
で
愚論
(
ぐろん
)
なら
別
(
べつ
)
に
仕方
(
しかた
)
も
無
(
な
)
いからな。けれども
樂
(
たのしみ
)
は
有
(
あ
)
ります。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
...
睡魔
(
すゐま
)
です!
左樣
(
さやう
)
!』と、イワン、デミトリチは
昂然
(
かうぜん
)
として『
貴方
(
あなた
)
は
苦痛
(
くつう
)
を
輕蔑
(
けいべつ
)
なさるが、
試
(
こゝろみ
)
に
貴方
(
あなた
)
の
指
(
ゆび
)
一
本
(
ぽん
)
でも
戸
(
と
)
に
挾
(
はさ
)
んで
御覽
(
ごらん
)
なさい、
然
(
さ
)
うしたら
聲
(
こゑ
)
限
(
かぎ
)
り
※
(
さけ
)
ぶでせう。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
昔
(
むかし
)
は
苗字
(
めうじ
)
は
武士階級
(
ぶしかいきふ
)
以上
(
いじやう
)
に
限
(
かぎ
)
られたが、
維新
(
いしん
)
以來
(
いらい
)
百
姓
(
しやう
)
町人
(
ちやうにん
)
總
(
すべ
)
て
苗字
(
めうじ
)
を
許
(
ゆる
)
されたので、
種々雜多
(
しゆ/″\ざつた
)
な
苗字
(
めうじ
)
が
出現
(
しゆつげん
)
し、
苗字
(
めうじ
)
を
氏
(
うぢ
)
とも
姓
(
せい
)
とも
呼
(
よ
)
ぶ
事
(
こと
)
になつて
今日
(
こんにち
)
にいたつたのである。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
尚
(
なほ
)
又
(
また
)
財政
(
ざいせい
)
の
膨脹
(
ぼうちやう
)
は
中央政府
(
ちうあうせいふ
)
に
限
(
かぎ
)
らず、
地方
(
ちはう
)
の
公共團體
(
こうきようだんたい
)
の
財政
(
ざいせい
)
はより
以上
(
いじやう
)
に
膨脹
(
ぼうちやう
)
して
居
(
を
)
つて
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
閉
(
と
)
ざされてしまわない
様
(
よう
)
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
り
脚
(
あし
)
で
水
(
みず
)
をばちゃばちゃ
掻
(
か
)
いていなければなりませんでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
固
(
もと
)
より
明言
(
めいげん
)
するを得る
限
(
かぎ
)
りには非ざれど
試
(
こころ
)
みに
想像
(
そうぞう
)
を畫きて他日精査を爲すの
端緒
(
たんちよ
)
とせん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
そして
病院
(
びやうゐん
)
がいふには、
入院料
(
にふゐんれう
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
こ
)
ない
限
(
かぎ
)
り、
決
(
けつ
)
して
屍體
(
したい
)
は
渡
(
わた
)
さないと。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
B
全
(
まつた
)
くだよ。あんな
人
(
ひと
)
に
限
(
かぎ
)
つて
有數
(
いうすう
)
の
惡文家
(
あくぶんか
)
、
乃至
(
ないし
)
、
駄文家
(
だぶんか
)
だから
堪
(
たま
)
らない。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
それから三年の後に、再び山にのぼってご
覧
(
らん
)
になりますと、こんどはせんとはすっかりうって変わって、お目の
及
(
およ
)
ぶ
限
(
かぎ
)
り、どの村々にも煙がいっぱい、勢いよく立ちのぼっておりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
月も三
更
(
こう
)
までを
限
(
かぎ
)
りとする。四更といってはもう
夜半
(
やはん
)
をすぎて
暁
(
あかつき
)
にちかいころ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
町の方の
子供
(
こども
)
らが出て来るのは日曜日に
限
(
かぎ
)
っていましたから私どもはどんな日でも
初蕈
(
はつたけ
)
や
栗
(
くり
)
をたくさんとりました。ずいぶん遠くまでも行ったのでしたが日曜には
一層
(
いっそう
)
遠くまで出掛けました。
二人の役人
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
庭の内に
高低
(
こうてい
)
参差
(
しんし
)
とした十数本の松は、何れも
忍
(
しの
)
び得る
限
(
かぎ
)
り雪に
撓
(
た
)
わんで、最早
払
(
はら
)
おうか今払おうかと思い
貌
(
がお
)
に枝を
揺々
(
ゆらゆら
)
さして居る。
素裸
(
すっぱだか
)
になってた
落葉木
(
らくようぼく
)
は、
従順
(
すなお
)
に雪の積るに任せて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
只
(
たゞ
)
、その
時
(
とき
)
知
(
し
)
つたのは
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
の
自分
(
じぶん
)
の
肉體
(
にくたい
)
の
限
(
かぎ
)
りない
淋
(
さび
)
しさであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
花の
本
(
もと
)
の半日の
客
(
かく
)
、月の前の一夜の友も、名殘は惜しまるゝ習ひなるに、一向所感の身なれば、先の世の法縁も淺からず思はれ、
流石
(
さすが
)
の瀧口、
限
(
かぎ
)
りなき感慨
胸
(
むね
)
に
溢
(
あふ
)
れて、
轉〻
(
うたゝ
)
今昔
(
こんじやく
)
の
情
(
じやう
)
に堪へず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
やはりこの
幼
(
おさな
)
い
子供
(
こども
)
の
呼
(
よ
)
びかける
言葉
(
ことば
)
は
親
(
した
)
しいものに
限
(
かぎ
)
られていた。もともと
金之助
(
きんのすけ
)
さんを
袖子
(
そでこ
)
の
家
(
いえ
)
へ、
初
(
はじ
)
めて
抱
(
だ
)
いて
来
(
き
)
て
見
(
み
)
せたのは
下女
(
げじょ
)
のお
初
(
はつ
)
で、お
初
(
はつ
)
の
子煩悩
(
こぼんのう
)
ときたら、
袖子
(
そでこ
)
に
劣
(
おと
)
らなかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
透きとほるいで湯の中にこもごもの思ひまつはり
限
(
かぎ
)
りもなしも
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
そつ
首
(
くび
)
引拔
(
ひきぬ
)
き、
其國
(
そのくに
)
の
珍寳
(
たから
)
の
有
(
あ
)
らむ
限
(
かぎ
)
り
引攫
(
ひきさら
)
うて
還
(
かへ
)
るべし
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「その間に、曲者は忍び込めないとは
限
(
かぎ
)
るまい」
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
片瀬
(
かたせ
)
の
浪
(
なみ
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
りは
人格の養成
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
限
(
かぎ
)
りも
知
(
し
)
らず
極
(
きは
)
みなく
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
限
常用漢字
小5
部首:⾩
9画
“限”を含む語句
分限者
際限
限界
日限
見限
是限
今日限
刻限
其限
夫限
二人限
極限
限度
分限
無限
根限
数限
俄分限
身代限
制限
...