つぎ)” の例文
つぎゆふべ道子みちこはいつよりもすこ早目はやめかせ吾妻橋あづまばしくと、毎夜まいよ顔馴染かほなじみに、こゝろやすくなつてゐる仲間なかま女達をんなたち一人ひとり
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「よろしゅうございます。南十字サウザンクロスきますのは、つぎだい三時ころになります」車掌しゃしょうは紙をジョバンニにわたしてこうへ行きました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
目のくらむような陽をあびて、狼群ろうぐんのように、はいかがんだ人数、向こうに見えるつぎ間道かんどうを目がけてゾロゾロゾロゾロはいこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これにつぎて同氏と議論を闘わした有名な裁判官スチーブン氏の「自由、平等、親睦」の一書の如きは今日絶版になっているものの
デモクラシーの要素 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
縮をおる処のものはよめをえらぶにも縮のわざを第一とし、容儀ようぎつぎとす。このゆゑに親たるものは娘のおさなきより此わざ手習てならはするを第一とす。
主人は仰向あおむいて番号を見ながら、おい誰かいないかねとつぎへ声をかけた。敬太郎はまたそろそろ三階の自分のへやへ帰って来た。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あと宿しゆくあたりになにもよほしがあつて、其處そこばれた、なにがしまちえりぬきとでもふのが、ひとさきか、それともつぎえきかへるのであらう。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いましも船首甲板せんしゆかんぱんける一等運轉手チーフメート指揮しきしたに、はや一だん水夫等すいふら捲揚機ウインチ周圍しゆうゐあつまつて、つぎの一れいとも錨鎖べうさ卷揚まきあげん身構みがまへ
「お見舞みまい方々かたがたも、つぎにお引取ひきとりなすってはどうじゃの、御病人ごびょうにんは、出来できるだけ安静あんせいに、やすませてあげるとよいとおもうでの」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
(2) 勅令ちょくれいつぎノ会期ニおいテ帝国議会ニ提出スヘシもし議会ニおいテ承諾セサルトキハ政府ハ将来ニむかっノ効力ヲうしなフコトヲ公布スヘシ
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
つぎ著意ちやくいしてみちもとめるひとがある。專念せんねんみちもとめて、萬事ばんじなげうつこともあれば、日々ひゞつとめおこたらずに、えずみちこゝろざしてゐることもある。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
しか方法はうはふもないのでかれ地主ぢぬし哀訴あいそして小作米こさくまい半分はんぶんつぎあきまでしてもらつた。地主ぢぬし東隣ひがしどなり舊主人きうしゆじんであつたのでそれも承諾しようだくされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
れいだいでうだいでう口癖くちぐせにする決鬪師けっとうし嫡々ちゃき/\ぢゃ。あゝ、百ぱつちゅうすゝづきとござい! つぎ逆突ぎゃくづき? まゐったかづきとござる!
とおつぎから包を持ってまいり、取出して見せました。唐手の縞柄は端手はででもなく、縞縮緬は細格子ほそごうしで、色気も宜うございます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
御機嫌ごきげんちがひたらばれまでとしてあそびのかはりのおいとまねがひしに流石さすが日頃ひごろつとめぶりもあり、一日すぎてのつぎはやきてはやかへれと
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
にんは、小西こにしのあとについてゆきました。みせつぎでは、小西こにし父親ちちおやらしいひとが、肌脱はだぬぎで、わかおとこ相手あいてにして、将棋しょうぎをさしていました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
がすりのあはせに、あかおび竪矢たてや背中せなかうた侍女じぢよが、つぎつかへて、キッパリとみゝこゝろよ江戸言葉えどことばつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
つぎ硯友社けんいうしやるにいて、第二の動機だうきとなつたのは、思案外史しあんがいし予備門よびもん同時どうじ入学生にふがくせい相識あいしつたのです、其頃そのころ石橋雨香いしばしうかうつてました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
が、日頃ひごろいかつい軍曹ぐんそう感激かんげきなみださへかすかににぢんでゐるのをてとると、それになんとないあはれつぽさをかんじてつぎからつぎへと俯向うつむいてしまつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
彼等かれらつぎなにをするかしら!おろせるならまどからわたしおろしてれゝばいが!もうなが此麽こんなところたくない!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そこで、わたしのきな子供こどもたちよ。おぢさんはみんなとお約束やくそくしよう。このつぎすおぢさんのほんは、きつといいほんで、もつとやすくすること、を。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
つぎにかえってたのは、少年しょうねん角兵ヱかくべえでありました。角兵ヱかくべえは、ふえきながらたので、まだやぶこうで姿すがたえないうちから、わかりました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
彼らは、お江戸日本橋をふり出してから、京の都へ落ちつくまで、東海道の五十三つぎ、どの宿でも、どこの宿場でも、ほんとうに失敗しくじりのし通しです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
つぎまをしたいのは責任せきにんみづからるといふのてんであります。英學塾えいがくじゆく寄宿舍きしゆくしやには唯今たゞいま五十めいらずの生徒せいとます。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
自分じぶん主人しゆじん慾張よくばりで、ろくなものを自分じぶんにも自分じぶんどもにもべさせません、よく王樣わうさま御威嚴ごゐげんをもつてしかつていたゞきたい。と、それからつぎには……
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
東山道とうさんどうとも言い、木曾街道六十九つぎとも言った駅路の一部がここだ。この道は東は板橋いたばしを経て江戸に続き、西は大津おおつを経て京都にまで続いて行っている。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かれは、人柄ひとがらとしては、まことに温和おんわ風貌ふうぼう分別盛ふんべつざかりの紳士しんしである。趣味しゅみがゴルフと読書どくしょだという。そして、井口警部いぐちけいぶとのあいだに、つぎのような会話かいわがあつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
するとそのときまでつぎ様子ようすていた、こんどのおかあさんがはいってて、むすめの手をかたにぎりしめながら
松山鏡 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
つぎに寝ていたのが、いつ彼の部屋へ入って来たのか、なまめかしき寝乱髪ねみだれがみを、彼の胸にのせて、つつましやかなすすり泣きを、続けているのでありました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
とがおとしいれる而已のみならず其妻に不義ふぎを申し掛しだん不屆ふとゞきの至なりよつて二百五十ぺう召上めしあげられおも刑罪けいざいにもしよせらるべき處格別かくべつ御慈悲おじひを以打首うちくびつぎに七助事主人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つぎに彼れは敵の本城に逼るやうな勢で大膿盆から肺臟を取上げた。人々も亦非常な興味をもつてそのまはりに集つた。今日の解剖の最頂點クライマックスはこゝにあるのだ。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
つぎ綺麗きれい首筋くびすじ、形の好いはな、ふツくりしたほゝ丸味まるみのあるあご、それから生際はえぎはの好いのと頭髪かみのけつやのあるのと何うかすると口元くちもと笑靨ゑくぼが出來るのに目が付いた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
高いふみつぎを、持つてきて、ほそびきを、やねうらの、よこ木にかけました。しかし、かんがへました。
源八栗 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
私たちははじめはらをたてましたが、つぎにはおかしくなりました。そしてたぬきにいいきかしてやりました。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
つぎ当然とうぜん問題もんだいになるのは小櫻姫こざくらひめとTじょとの関係かんけいでありますが、小櫻姫こざくらひめぐるところによれば彼女かのじょはTじょ守護霊しゅごれいわばその霊的れいてき指導者しどうしゃで、両者りょうしゃ間柄あいだがらってもれぬ
 こないだこのつぎのお祭りの日に町の叔母さんのところへおよばれだって云ってたじゃないの。
旅人 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
しかしつぎかた、おれはかへりゆく労働者らうどうしやのすべてのこぶしのうちにぎめられたビラのはし電柱でんちうまへに、倉庫さうこよこに、かぜにはためく伝単でんたんた、同志どうしやすんぜよ
いま都下とかもつと有力いうりよくなるなにがし新聞しんぶん經濟部主任記者けいざいぶしゆにんきしやたり、つぎ總選擧そうせんきよには某黨ぼうたうよりおされて議員候補者ぎゐんこうほしやたるべき人物じんぶつ兒玉進五こだましんごとて小介川文學士こすけがはぶんがくしすで人々ひと/″\紹介せうかいしたのである。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「この鏡こそはもつぱらわたしのたましいとして、わたしの前を祭るようにお祭り申し上げよ。つぎにオモヒガネの神はわたしの御子みこの治められる種々いろいろのことを取り扱つてお仕え申せ」
さうしてると昨年さくねんの一ぐわつからの一ぐわつ十一にちまでやく箇年かねんあひだ外國ぐわいこくから直接ちよくせつ輸入ゆにふするもの値段ねだんは、六箇月かげつあひだに四りんあがつて、さうしてつぎの六箇月かげつあひだに一わりさがつたわけである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
口三味線くちさみせん浄瑠璃じやうるりには飛石とびいしづたひにちかづいてくるのを、すぐわたしどもはきヽつけました。五十三つぎ絵双六ゑすごろくをなげだして、障子しやうじ細目ほそめにあけたあねたもとのしたからそつと外面とのもをみました。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
そのつぎの葉は更に強く、光り、且つ、れくつがへる
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
わしはつぎへやだ 最初さいしよこの部屋へや火星くわせい状態じやうたいにする
さて、またつぎのなれがおも
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
試合場しあいじょうのほうは、さきほどから、きわだってしずかになっていた。群集ぐんしゅうも鳴りをしずめて、つぎ展開てんかいを待ちかまえているのであろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぼんの十六日のつぎの夜なので剣舞の太鼓たいこでもたたいたじいさんらなのかそれともさっきのこのうちの主人しゅじんなのかどっちともわからなかった。
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「結構な身分みぶんですね」とひやかした。三千代は自分の荒涼なむねうちを代助に訴へる様子もなかつた。だまつて、つぎつてつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つぎをんなは、こしからかげつち吸込すひこまれさうに、悄乎しよんぼりこしをなやしてしやがむ……びんのはづれへ、ひよろりとつゑさきけてあをい。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つぎあさしなはまだ隙間すきまからうすあかりのしたばかりにめた。まくらもたげてたがあたましんがしく/\といたむやうでいつになくおもかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
返事はきこえなかつたが、つぎつゝみ投出なげだす音がして、直様すぐさま長吉ちやうきち温順おとなしさうな弱さうな色の白い顔をふすまあひだから見せた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)