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しだい
ふりがな文庫
“
次第
(
しだい
)” の例文
茨や葛の中にふみ込んでも、方向に迷っても、森が唸っても、一々鏡に照らして難をさけ、
次第
(
しだい
)
に山の中ほどまで登って参りました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
幸
(
さいはひ
)
に
非常
(
ひじやう
)
なる
同情
(
どうじやう
)
と
好意
(
かうい
)
を
以
(
もつ
)
て一
億圓
(
おくゑん
)
のクレデイツトの
設定
(
せつてい
)
をすることが
出來
(
でき
)
たことは、
日本
(
にほん
)
の
財界
(
ざいかい
)
に
取
(
と
)
つて
此上
(
このうへ
)
もなき
次第
(
しだい
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
つもる雪もおなじく氷りて岩のごとく、
岸
(
きし
)
の氷りたる
端
(
はし
)
次第
(
しだい
)
に雪ふりつもり、のちには
両岸
(
りやうがん
)
の雪
相合
(
あひがつ
)
して
陸地
(
りくち
)
とおなじ雪の地となる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
右のような
次第
(
しだい
)
だから、実を言えば、百合の字面を日本のユリからは
追放
(
ついほう
)
すべきもので、ユリの名はその語原がまったく不明である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
つまり頬を
膨
(
ふく
)
らし、唇で山蜂の飛ぶ音を
真似
(
まね
)
、かくて不満の意を表わすという
次第
(
しだい
)
だ。そのうちに、きっとやらずにはいないだろう。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
「
隠
(
かく
)
すにゃ
当
(
あた
)
らないから、
有様
(
ありよう
)
にいって
見
(
み
)
な、
事
(
こと
)
と
次第
(
しだい
)
に
因
(
よ
)
ったら、
堺屋
(
さかいや
)
は、このままお
前
(
まえ
)
には
会
(
あわ
)
せずに、
帰
(
かえ
)
ってもらうことにする」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
十四、五になる
大概
(
たいがい
)
の
家
(
いえ
)
の
娘
(
むすめ
)
がそうであるように、
袖子
(
そでこ
)
もその
年頃
(
としごろ
)
になってみたら、
人形
(
にんぎょう
)
のことなぞは
次第
(
しだい
)
に
忘
(
わす
)
れたようになった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
從
(
したが
)
つて
私
(
わたし
)
は、
其
(
そ
)
の
以前
(
いぜん
)
に
同郷的愛着
(
どうきやうてきあいちやく
)
、
同藩的偏見
(
どうはんてきへんけん
)
を
失
(
うしな
)
つたと
同
(
おな
)
じやうに、
今
(
いま
)
は
次第
(
しだい
)
に
國民的愛着
(
こくみんてきあいちやく
)
、
國家的偏見
(
こくかてきへんけん
)
を
失
(
うしな
)
つたのであつた。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
敵国は空中よりの爆弾が
一向
(
いっこう
)
効目
(
ききめ
)
がなくなったことを確認し、そして遂に、その軍用機整備の縮小を決行するに至った
次第
(
しだい
)
であります。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
病
(
や
)
むまじき事
也
(
なり
)
衰
(
おとろ
)
ふまじき事
也
(
なり
)
病
(
や
)
み
衰
(
おとろ
)
へたる
小生等
(
せうせいら
)
が骨は、
人知
(
ひとし
)
らぬ
苦
(
く
)
を
以
(
もつ
)
て、
人知
(
ひとし
)
らぬ
楽
(
たのし
)
みと
致候迄
(
いたしそろまで
)
に
次第
(
しだい
)
に
円
(
まる
)
く曲り
行
(
ゆ
)
くものに
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
その
代
(
か
)
わりまた、ねずみが
悪
(
わる
)
さをはじめたら、いつでも
見
(
み
)
つけ
次第
(
しだい
)
食
(
く
)
い
殺
(
ころ
)
してもかまわない。どうだね、それで
承知
(
しょうち
)
してくれるか。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
どちらも
次第
(
しだい
)
に菜食になれて参りますと消化もだんだん良くなるのであります。色々実験の成績もございますから後でご覧を願います。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
又
(
また
)
鎔岩
(
ようがん
)
が
次第
(
しだい
)
に
冷却
(
れいきやく
)
して
來
(
く
)
るとどんな
成分
(
せいぶん
)
のものも
流動
(
りゆうどう
)
し
難
(
がた
)
くなり、
其後
(
そのご
)
は
固形
(
こけい
)
の
岩塊
(
がんかい
)
が
先頭
(
せんとう
)
の
岩塊
(
がんかい
)
を
踏
(
ふ
)
み
越
(
こ
)
えて
前進
(
ぜんしん
)
するのみである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
其處
(
そこ
)
は
乘組人
(
のりくみにん
)
の
御勝手
(
ごかつて
)
次第
(
しだい
)
、
他
(
た
)
の
區劃
(
くくわく
)
は
彈藥
(
だんやく
)
や
飮料
(
いんれう
)
や
鑵詰
(
くわんづめ
)
や
乾肉
(
ほしにく
)
や
其他
(
そのほか
)
旅行中
(
りよかうちう
)
の
必要品
(
ひつえうひん
)
を
貯
(
たくわ
)
へて
置
(
お
)
く
處
(
ところ
)
で、
固定旅櫃
(
こていトランク
)
の
形
(
かたち
)
をなして
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
仰立
(
おほせたて
)
られなば其事のみにて
渠等
(
かれら
)
に
罪
(
つみ
)
は
歸
(
き
)
し候なり其上主と家來の事なれば
此公事
(
このくじ
)
に於ては御前に九分の
強
(
つよ
)
みが之あるゆゑ事の
次第
(
しだい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それとも
次第
(
しだい
)
にうすれ去る記憶を空想で補って行くうちにこれとは全然異なった一人の別な貴い
女人
(
にょにん
)
を作り上げていたであろうか
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それが
次第
(
しだい
)
に
進
(
すゝ
)
んで、
旅行中
(
りよこうちゆう
)
の
歌
(
うた
)
にはほんとうに
自然
(
しぜん
)
を
詠
(
よ
)
みこなした
立派
(
りつぱ
)
なものが、
萬葉集
(
まんようしゆう
)
になると、だん/\
出
(
で
)
て
來
(
き
)
てゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
陽炎
(
かげらふ
)
が
膝
(
ひざ
)
に
這
(
は
)
つて、
太陽
(
たいやう
)
はほか/\と
射
(
さ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
空
(
そら
)
は
晴
(
は
)
れたが、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
の
濡色
(
ぬれいろ
)
は、
次第
(
しだい
)
に
霞
(
かすみ
)
に
吸取
(
すひと
)
られやうとする
風情
(
ふぜい
)
である。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そして
論旨
(
ろんし
)
を一転して青年の思想問題に入りかけたが、そのころからかれの言葉は
次第
(
しだい
)
にみだれがちになり、またしばしばゆきづまった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
ほとんど
薬師如来
(
やくしにょらい
)
が来たか何ぞのように
礼拝
(
らいはい
)
してものを頼むという
次第
(
しだい
)
で実に驚きまして、その翌六日午前二時パルテー駅出立
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
この
物音
(
ものおと
)
を
聞
(
き
)
きつけた
母親
(
ははおや
)
は、なにごとが
起
(
お
)
こったかと
思
(
おも
)
って、
奥
(
おく
)
から
出
(
で
)
てきました。そして、その
次第
(
しだい
)
を
知
(
し
)
ると、たいへんに
怒
(
おこ
)
りました。
めくら星
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
隔
(
へだ
)
ては
次第
(
しだい
)
に
重
(
かさ
)
なるばかり、
雲霧
(
くもきり
)
がだんだんと
深
(
ふか
)
くなつて、お
互
(
たが
)
ひの
心
(
こゝろ
)
の
分
(
わか
)
らないものに
成
(
な
)
りました、
今
(
いま
)
思
(
おも
)
へばそれは
私
(
わたし
)
から
仕向
(
しむ
)
けたので
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すなわちその
路
(
みち
)
とは
他
(
た
)
なし、今の学校を
次第
(
しだい
)
に
盛
(
さかん
)
にすることと、上下士族
相互
(
あいたがい
)
に
婚姻
(
こんいん
)
するの風を
勧
(
すすむ
)
ることと、この二箇条のみ。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
冬
(
ふゆ
)
は
何事
(
なにごと
)
もなく
北風
(
きたかぜ
)
を
寒
(
さむ
)
い
國
(
くに
)
へ
吹
(
ふ
)
き
遣
(
や
)
つた。
山
(
やま
)
の
上
(
うへ
)
を
明
(
あき
)
らかにした
斑
(
まだら
)
な
雪
(
ゆき
)
が
次第
(
しだい
)
に
落
(
お
)
ちて、
後
(
あと
)
から
青
(
あを
)
い
色
(
いろ
)
が
一度
(
いちど
)
に
芽
(
め
)
を
吹
(
ふ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これにつきましては、当町長さまはじめ、
警察
(
けいさつ
)
の方々さま、当町
有志
(
ゆうし
)
の皆々さまから
一方
(
ひとかた
)
ならぬご
後援
(
こうえん
)
をいただき、一同
感謝
(
かんしゃ
)
にたえない
次第
(
しだい
)
。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
私
(
わたし
)
なども
少年
(
しようねん
)
のころ、
御陵
(
ごりよう
)
を
巡拜
(
じゆんぱい
)
するといふようなことから、つい/\
考古學
(
こうこがく
)
に
興味
(
きようみ
)
を
覺
(
おぼ
)
えるようになつた
次第
(
しだい
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それでもこちらへ
来
(
き
)
て、いろいろと
神様
(
かみさま
)
からおさとしを
受
(
う
)
けたお
蔭
(
かげ
)
で、わたくしの
現世
(
げんせ
)
の
執着
(
しゅうじゃく
)
も
次第
(
しだい
)
に
薄
(
うす
)
らぎ、
今
(
いま
)
では
修行
(
しゅぎょう
)
も
少
(
すこ
)
し
積
(
つ
)
みました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
森
(
もり
)
の
梢
(
こずゑ
)
の
上
(
うへ
)
に
遙
(
はるか
)
に
立
(
た
)
ち
騰
(
のぼ
)
らうとして
次第
(
しだい
)
に
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひを
加
(
くは
)
へる
焔
(
ほのほ
)
を、
疾風
(
しつぷう
)
はぐるりと
包
(
つゝ
)
んだ
喬木
(
けうぼく
)
の
梢
(
こずゑ
)
からごうつと
壓
(
お
)
しつけ
壓
(
お
)
しつけ
吹
(
ふ
)
き
落
(
お
)
ちた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
舞台の奥から
拍子木
(
ひやうしぎ
)
の
音
(
おと
)
が長い
間
(
ま
)
を置きながら、それでも
次第
(
しだい
)
に近く
聞
(
きこ
)
えて来る。
長吉
(
ちやうきち
)
は
窮屈
(
きうくつ
)
に
腰
(
こし
)
をかけた
明
(
あか
)
り
取
(
と
)
りの窓から
立上
(
たちあが
)
る。すると
吉
(
きち
)
さんは
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
番甲
此邊
(
このあたり
)
は
血
(
ち
)
だらけぢゃ。
墓場
(
はかば
)
の
界隈
(
かいわい
)
を
探
(
さが
)
さっしゃい。さゝ、
見
(
み
)
つけ
次第
(
しだい
)
に、かまうたことは
無
(
な
)
い、
引立
(
ひきた
)
てめさ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
しかしこんな
心遣
(
こころづかい
)
は
事実
(
じじつ
)
においても、
普通
(
ふつう
)
の
論理
(
ろんり
)
においても
考
(
かんが
)
えて
見
(
み
)
れば
実
(
じつ
)
に
愚々
(
ばかばか
)
しい
次第
(
しだい
)
で、
拘引
(
こういん
)
されるだの
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
現に自分が呼吸してゐる空氣の中にも
毒惡
(
どくあく
)
な
分子
(
ぶんし
)
が
籠
(
こも
)
つてゐて、
次第
(
しだい
)
に
内臓
(
ないぞう
)
へ侵入するのでは無いかと思ふ。すると室の光線の弱いのも氣に懸つて來る。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
甚
(
はなは
)
だ困り
居
(
を
)
り
候折
(
さふらふをり
)
からゆゑ、誠に残念には
御座候得共
(
ござさふらえども
)
、
右様
(
みぎやう
)
の
次第
(
しだい
)
に
付
(
つ
)
き
悪
(
あし
)
からず
御推察
(
ごすゐさつ
)
なし
被下度候
(
くだされたくさふらふ
)
、
匆々
(
さう/\
)
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
然
(
しか
)
るに、あの
川
(
かは
)
は
決
(
けつ
)
して
淺
(
あさ
)
くはなかつた。
流
(
なが
)
れも
思
(
おも
)
ひの
外
(
ほか
)
早
(
はや
)
かつた。
次第
(
しだい
)
に
依
(
よ
)
つては
命
(
いのち
)
を
奪
(
うば
)
はれんとも
限
(
かぎ
)
らなかつた。その
危急
(
ききふ
)
の
際
(
さい
)
中根
(
なかね
)
はどう
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
をしたか。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
雨
(
あめ
)
が
次第
(
しだい
)
に
強
(
つよ
)
くなつたので
外面
(
そと
)
の
模樣
(
もやう
)
は
陰鬱
(
いんうつ
)
になるばかり、
車内
(
うち
)
は
退屈
(
たいくつ
)
を
増
(
ま
)
すばかり
眞鶴
(
まなづる
)
の
巡査
(
じゆんさ
)
がとう/\
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
かかる
次第
(
しだい
)
にして小栗等が仏人を
延
(
ひ
)
いて種々
計画
(
けいかく
)
したるは
事実
(
じじつ
)
なれども、その計画は造船所の設立、陸軍編制等の事にして、
専
(
もっぱ
)
ら
軍備
(
ぐんび
)
を整うるの
目的
(
もくてき
)
に外ならず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
唯
(
ただ
)
杉
(
すぎ
)
や
竹
(
たけ
)
の
杪
(
うら
)
に、
寂
(
さび
)
しい
日影
(
ひかげ
)
が
漂
(
ただよ
)
つてゐる。
日影
(
ひかげ
)
が、——それも
次第
(
しだい
)
に
薄
(
うす
)
れて
來
(
く
)
る。もう
杉
(
すぎ
)
や
竹
(
たけ
)
も
見
(
み
)
えない。おれは
其處
(
そこ
)
に
倒
(
たふ
)
れた
儘
(
まま
)
、
深
(
ふか
)
い
靜
(
しづ
)
かさに包まれてゐる。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
されど
妾
(
しょう
)
の学校はその翌日、時の県令
高崎
(
たかさき
)
某より、「
詮議
(
せんぎ
)
の
次第
(
しだい
)
有之
(
これあり
)
停止
(
ていし
)
候事
(
そうろうこと
)
」、との命を
蒙
(
こうむ
)
りたり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
例へば「
高砂
(
たかさご
)
」を演じるとする。初めにワキ・ワキヅレが
次第
(
しだい
)
の囃子で登場して一定の場所に着座するまでは序の部分であるから、これは粘らずにサラリと運ばねばならぬ。
演出
(新字旧仮名)
/
野上豊一郎
(著)
情景はおおよそ、
次第
(
しだい
)
がきまっていた。まず最初にそれを発見するのは、石太郎の前にいる学科のきらいな、さわぐことのすきな、顔ががまににている古手屋の
遠助
(
とおすけ
)
である。
屁
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
一
(
いつ
)
たいどうして
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
がそんなに
紅
(
あか
)
くなるのかといひますと、それは
秋
(
あき
)
になると
急
(
きゆう
)
に
涼
(
すゞ
)
しくなる、その
氣候
(
きこう
)
の
變化
(
へんか
)
のために、
新緑
(
しんりよく
)
のところでお
話
(
はなし
)
した、
葉緑素
(
ようりよくそ
)
が
次第
(
しだい
)
に
變
(
かは
)
つて
來
(
き
)
て
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
駒下駄の音も
次第
(
しだい
)
に
幽
(
かすか
)
になって、
浴衣
(
ゆかた
)
姿
(
すがた
)
の白いM君は吸わるゝ様に
靄
(
もや
)
の中に消えた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
之
(
これ
)
にはクック
社
(
しや
)
の
桑港支社長
(
さうかうししやちやう
)
ストークス
君
(
くん
)
やら、
朝日新聞社
(
あさひしんぶんしや
)
桑港特派員
(
さうかうとくはゐん
)
清瀬規矩雄君
(
きよせきくをくん
)
などが
便乗
(
びんじよう
)
して
来
(
き
)
たので、
陸上
(
りくじやう
)
の
模様
(
もやう
)
明日
(
あす
)
の
見物
(
けんぶつ
)
の
次第
(
しだい
)
などを
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
つて、
大方
(
だいぶ
)
賑
(
にぎ
)
やかになつて
来
(
き
)
た。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
愛
(
あい
)
ちやんが
此
(
この
)
事
(
こと
)
を
一
(
ひと
)
つ
話
(
はな
)
さうと
定
(
き
)
める
中
(
うち
)
に、
料理人
(
クツク
)
は
圍爐裏
(
ゐろり
)
から
肉汁
(
スープ
)
の
鍋
(
なべ
)
を
取
(
と
)
り
外
(
はづ
)
して、
手當
(
てあた
)
り
次第
(
しだい
)
に
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
投
(
な
)
げ
始
(
はじ
)
めました、
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
に
達
(
とゞ
)
く
程
(
ほど
)
でしたから
無論
(
むろん
)
坊
(
ぼツ
)
ちやんにも
當
(
あた
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
不用意
(
ふようい
)
に
入
(
い
)
ると
窒息
(
ちつそく
)
して
死
(
し
)
ぬ
恐
(
おそ
)
れがあるので、
先
(
ま
)
づ
蝋燭
(
らうそく
)
の
火
(
ひ
)
をさし
入
(
い
)
れる
必用
(
ひつよう
)
がある。
人足
(
にんそく
)
が
一人
(
ひとり
)
進
(
すゝ
)
んで、
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
片手
(
かたて
)
の
火
(
ひ
)
をさし
入
(
い
)
れると、
火
(
ひ
)
は
次第
(
しだい
)
に
小
(
ちいさ
)
く
成
(
な
)
つて、
後
(
のち
)
には、ふツと
消
(
き
)
えた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
やはりできないものだということを、しみじみ
考
(
かんが
)
えさせられた
次第
(
しだい
)
です……
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
……しかし、わしが
雷神
(
らいじん
)
の
滝
(
たき
)
の
孤岩
(
こがん
)
の上に、書きのこしておいた通り、これもみな、まえからわかっていることなのでござる。おう、ご
不審
(
ふしん
)
の晴れるように、いまその
次第
(
しだい
)
をお話しいたそう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長い陰気な梅雨が
漸
(
ようや
)
く明けた頃、そこにはもう
酷
(
きび
)
しい暑さが待ち設けて居て、
流石
(
さすが
)
都大路も
暫
(
しばら
)
くは人通りの杜絶える真昼の静けさから、豆腐屋のラッパを合図に
次第
(
しだい
)
に都の騒がしさに帰る夕暮時
真珠塔の秘密
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
右大臣
(
うだいじん
)
は
待
(
ま
)
ちかねて、
自分
(
じぶん
)
でも
遠
(
とほ
)
い
海
(
うみ
)
に
漕
(
こ
)
ぎ
出
(
だ
)
して、
龍
(
たつ
)
を
見
(
み
)
つけ
次第
(
しだい
)
矢先
(
やさき
)
にかけて
射落
(
いおと
)
さうと
思
(
おも
)
つてゐるうちに、
九州
(
きゆうしう
)
の
方
(
ほう
)
へ
吹
(
ふ
)
き
流
(
なが
)
されて、
烈
(
はげ
)
しい
雷雨
(
らいう
)
に
打
(
う
)
たれ、その
後
(
のち
)
、
明石
(
あかし
)
の
濱
(
はま
)
に
吹
(
ふ
)
き
返
(
かへ
)
され
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
あなたが西八条に
捕
(
とら
)
われていらっしたあと、平氏の役人どもが
館
(
やかた
)
に押し寄せて近親のかたがたをことごとくからめとり、連れかえって
拷問
(
ごうもん
)
し、
謀叛
(
むほん
)
の
次第
(
しだい
)
を白状させてことごとく首をはねました。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
“次第”の意味
《名詞》
事を行う一定の順序。
経過。なりゆき。事情。理由。
(「次第に」の形で)徐徐に。
(出典:Wiktionary)
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常用漢字
小3
部首:⽋
6画
第
常用漢字
小3
部首:⽵
11画
“次第”で始まる語句
次第々々
次第次第
次第柄
次第浜
次第低
次第書
次第高
次第禅門