あそ)” の例文
にいさん、この金魚きんぎょは、ほんとうにつよ金魚きんぎょですこと。たった一つになっても、元気げんきよくあそんでいますのね。」と、いもうとがいいました。
水盤の王さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
御酒ごしゆをめしあがつたからとてこゝろよくくおひになるのではなく、いつもあをざめたかほあそばして、何時いつ額際ひたひぎはあをすぢあらはれてりました。
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ぼくおもふに、いつたい僕等ぼくら日本人にほんじん麻雀マージヤンあそかた神經質しんけいしつぎる。あるひ末梢的まつせうてきぎる。勿論もちろんあらそひ、とらへ、相手あひてねら勝負事しようぶごとだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ことに去年きょねんからのここら全体ぜんたい旱魃かんばつでいま外へあそんで歩くなんてことはとなりやみんなへわるくてどうもいけないということを云った。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
小児せうにの如くタワイなく、意気地いくぢなく、湾白わんぱくで、ダヾをこねて、あそずきで、無法むはふで、歿分暁わからずやで、或時あるときはおやま大将たいしやうとなりて空威張からゐばりをし
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
たふうへにははとあそぶさうである。く。花屋敷はなやしきをのがれたざうたふしたきた。ざう寶塔はうたふにしてしろい。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ミハイル、アウエリヤヌイチは一人ひとりして元気げんきよく、あさからばんまでまちあそあるき、旧友きゅうゆうたずまわり、宿やどには数度すうどかえらぬがあったくらい
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その代りに二人の女が生活にもつれて彼のこゝろを綾取っていた。一人は建築学校教授の娘カテリイヌ。一人はあそのリサであった。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ある日ちょんさんは、お友達ともだちといっしょにうらあそんでいました。するうち、どうかしたはずみで、ちょんさんは井戸いどちました。
長い名 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「フーム、さう申上げたら、殿にはさぞ御落膽ごらくたんあそばすことであらうが、餘儀ないことだ。——あんまり力を落すではないぞ、お樂」
けれども自分じぶんでそれをやったおぼえはございませぬ。きょうとはちがって東国とうごく大体だいたい武張ぶばったあそごと流行はやったものでございますから……。
とうさんもたこあげたり、たこはなしいたりして、面白おもしろあそびました。自分じぶんつくつたたこがそんなによくあがつたのをるのもたのしみでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それあそんでゐるのは勿体ない。あの何とか云つたね、そら御前おまへの所へく話しにた男があるだらう。おれも一二度逢つたことがある」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
監督者の方でもあそぶと云ふので無く、皆斯道を勉強すると云ふ精神を認めますから、留めるわけても行かず、やらして置きます。
裸体美に就て (旧字旧仮名) / 小倉右一郎(著)
あそびごとにしても、盗人ぬすびとごっことはよくないあそびだ。いまどきの子供こどもはろくなことをしなくなった。あれじゃ、さきがおもいやられる。」
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
甚兵衛じんべえは、もうだれたのんでも人形を使いませんでした。そして山からときどきあそびにくるさる相手あいてに、たのしく一しょうおくりましたそうです。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
百姓ひやくしやうすべてはかれこゝろ推測すゐそくするほど鋭敏えいびんつてなかつた。かれ自棄やけわざ繃帶ほうたいいて數日間すうじつかんぶら/\とあそんでた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
どうかそうありたいものだ、勝敗しょうはいはいくさのつね、小太郎山が敵方てきがたの手に落ちたのもぜひないことと伊那丸いなまるさまもあきらめておいであそばす。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家族かぞくともあそびにつてたが、其時そのときに、いま故人こじん谷活東子たにくわつとうしが、はたけなかから土器どき破片はへん一箇ひとつひろして、しめした。
アーチの下には、ニシキもようの服装ふくそうをした番兵ばんぺいたちが、えの長いやりをかたわらにおいて、すわりこんで、サイコロあそびをしていました。
僧二 卑しいあそなどの言葉をまに受けてたまるものですか。おめでたいといっても限りがある。たいていわかったことではありませんか。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
ぼくは四五日まへから小田原をだはら友人いうじんうちあそびにいつたのだが、あめばかりで閉口へいかうしたから、これから歸京かへらうとおもふんだ。』
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
これを知識ちしきうへあそびといひます。それとゝもに、氣分きぶんすこしもともなはないのですから、散文的さんぶんてきうたといはねばなりません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
されどるにも位列ゐれつをなしてみだりならず。求食あさる時はみなあさり、あそぶ時はみなあそぶ。雁中がんちゆうに一雁ありて所為なすところみなこれにしたがふ、大将たいしやう士卒しそつとのごとし。
この日は沢山御馳走を拵えてそうして昼のうちはみなあそび戯れて踊りを踊る、歌をうたう、それはそれは誠に陽気な日です。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
定め分殘わけのこりの八十兩は當座たうざの祝ひにつかふべしとて三人一同に江戸表へ出立なし先吉原を始め品川或ひは深川と所々にてあそびけるがやがて彼八十兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けれども、先生せんせいのように親切しんせつをしへてくださるひとはなく、やすみの時間じかんにお友達ともだち面白おもしろあそぶことが出來できないから、ときには退屈たいくつすることもありませう。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
にはとり神様かみさま夜明よあけらせること仰付おほせつかつたのがうれしさに、最初さいしよよる、まだお月様つきさまがゆつくりとそらあそびまはつてゐるのに、ときつくつてきました。
ふるいもあたらしいも、愚老ぐらう洒落しやれなんぞをまをすことはきらひでございます。江戸えどのよくやります、洒落しやれとかいふ言葉ことばあそびは、いやでございます。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
それは最近さいきんS、H小説せうせつきなIが、一あそびにつれてつてくれとつてゐたので、わたしもこの機会きかいにS
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
毎日々々まいにち/\面白おもしろ可笑をかしあそんでうちあることその老爺をやぢさんこしらへてれた菱形ひしがた紙鳶たこ甲板かんぱんばさんとて、しきりさはいでつたが、丁度ちやうど其時そのとき船橋せんけううへ
当時とうじ夏目先生なつめせんせい面会日めんかいび木曜もくようだったので、私達わたしたちひるあそびにきましたが、滝田たきたさんはよるって玉版箋ぎょくばんせんなどに色々いろいろのものをいてもらわれたらしいんです。
夏目先生と滝田さん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
けれども子供達こどもたちがそれと一緒いっしょあそぼうとしかけると、子家鴨こあひるは、みんながまたなに自分じぶんにいたずらをするのだとおもんで、びっくりしてって
せめてそれ丈けが俺の意識の上での生活の望みであり慰安でもあるあの女の誠は畢竟『あその誠』にすぎなくて
ロレ 諸天善神しょてんぜんじんねがはくはこの神聖しんせいなるしきませられませい、ゆめ後日ごじつ悲哀かなしみくださしまして御譴責ごけんせきあそばされますな。
毎夜まいよ吾妻橋あづまばしはしだもとに佇立たゝずみ、徃来ゆきゝひとそでいてあそびをすゝめるやみをんなは、梅雨つゆもあけて、あたりがいよ/\なつらしくなるにつれて、次第しだいおほくなり
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
よくお芝居なんかで「御意ぎょいあそばしませ」というのがありますが、私の子供の頃ききなれた御意遊ばせはあまり口達者に発音するせいかゲエときこえるのです。
私の思い出 (新字新仮名) / 柳原白蓮(著)
我輩わがはいかつてトルコにあそんだとき、その宮廷きうてい常用語ぜうようご自國語じこくごでなくして佛語ふつごであつたのをておどろいた。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
その自分も注意ちゅういし家のものの話にも注意してみると、花前はかならず一度ぐらいずつ民子をだいてみる。民子たみこもますます花前はなまえ、花前といってへやへあそびにゆく。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
たいへんきまりがわるくなって、ぴたりとあそびをめてしまった。そして窓のところへ走っていき、ガラスに顔をしあてて、何かを夢中むちゅうながめてるようなふうをした。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
きちちゃんと、おせんちゃんとは夫婦ふうふだと、ままごとあそびにからかわれた、あのはるわすれられず、まくららしてかしたよるも、一や二ではござんせんし。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
月より流るゝかぜこずえをわたるごとに、一庭の月光げつくわう樹影じゆえい相抱あひいだいておどり、はくらぎこくさゞめきて、其中そのなかするのは、無熱池むねつちあそぶのうをにあらざるかをうたがふ。
良夜 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
競技者プレーヤーみん自分じぶんばんるのをたずして同時どうじあそたはむれ、えずあらそつて、針鼠はりねずみらうとしてたゝかつてゐますと、やが女王樣ぢよわうさまいたくお腹立はらだちになり、地鞴踏ぢだんだふみながら
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
また平仄ひやうそくひませんければなりません、どうも斯様かやうなものを詩だといつてお持ちあそばすと、かみ御恥辱ごちじよく相成あひなります事ゆゑに、これはおとゞまりあそばしたはうよろしうございませう。
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それが今、のこらずここに集まって、みんな天使てんしのように、エスさまのところであそんでいる。
今年は菊もよく出來たけれど御客も遊ばさぬ位、御茶おちやの會御道具の會、隨分忙敷時せはしいときなれどまるで、火が消たやう、私らも樂すぎて勿體無早く全快おなをりあそばすやうにと祈つてはをるけれ共
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
其筋の手入れが届くせいもあるが、第一あそんで居られぬ程生活難が攻め寄せたのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
天照らす大神のお言葉で、「葦原あしはら水穗みずほくに御子みこのマサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミの命のお治めあそばすべき國である」と仰せられて、天からおくだしになりました。
それで時々とき/″\自然しぜん森林しんりんあそんで、すがすがしい空氣くうきひ、精神せいしん保養ほようする必要ひつようがあります。都會とかいには大小だいしよう公園こうえんまうけられてゐますが、そんなものは完全かんぜん安靜場所あんせいばしよといへません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ひとゆえつまを逐はれて、心悲しくあそびに來た友達と、あかつきふかく湖上にうかんだ時である。
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)