やく)” の例文
しかるに、不思議ふしぎなことには、むらに二つ時計とけいがありましたが、どうしたことか、二つの時計とけいやく三十ぷんばかり時間じかんちがっていました。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
能く一行を輔助ほじよせしことをしやし、年々新発見にかかる文珠菩薩もんじゆぼさつの祭日には相会してきうかたらんことをやくし、たもとわかつこととはなりぬ。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
出して渡し何れ妻を尋ね出して後其方へまゐらんにより其節はよきに頼むとやくしつゝ安五郎は又々後の方へ引返ひきかへしける九助は彼の手紙を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぼく、このあそびをおぼえてから足掛あしかけ五ねんになるが、食事しよくじ時間じかんだけはべつとしてたゝかひつづけたレコオドはやく三十時間じかんといふのが最長さいちやうだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
てう恵王けいわうが夜光の玉を、しんせう王がしろ十五を以てかへんといひしは、加嶋屋が北国の明玉めいぎよく身上しんしやうつくしてかはんとやくせしにるゐせり。
やく〇、〇〇〇〇〇五ミリ くらいまでのものならばぼんやり光る点になって視野しやにあらわれその存在そんざいだけをしめします。これを超絶顕微鏡ちょうぜつけんびきょういます。
手紙 三 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
今日こんにちですら日本全土にほんぜんどの七十パーセントは樹木じゆもくもつおほはれてをり、やく四十五パーセントは森林しんりんづくべきものである。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
したがつ不景氣ふけいきるのである。いま日本にほんにはやく十一億圓おくゑん金貨きんくわ日本銀行にほんぎんかうにあつて、日本銀行にほんぎんかうこれたいして平均へいきん十三おく五千萬圓位まんゑんぐらゐ兌換劵だくわんけん發行はつかうしてる。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
すべてをいて手元てもとのこつた有金ありがねは、やく二千ゑんほどのものであつたが、宗助そうすけ其内そのうち幾分いくぶんを、小六ころく學資がくしとして、使つかはなければならないといた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
またわたくしがこれまで漫遊中まんゆうちう失策談しつさくばなしなどをかたつてかせて、相變あひかはらずかしたので、夫人ふじん少年せうねんをばその船室ケビンおくみ、明朝めうてうやくして其處そこつた。
しかし、そこでやく半刻はんときほどの時間を費やしてしまったのは、事情まったくやむを得ないと言わなければなりません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つぎの停車駅ていしゃえきまでは、やく一時間もかかる。全線ぜんせんで一ばん長い丁場ちょうばだった。日記をつけてしまうと、することもなくなったので、まどから暗い外をすかして見た。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
穰苴じやうしよすでに((君ヲ))し、莊賈さうかやくしていはく、『(六)旦日たんじつ(七)日中につちう軍門ぐんもんくわいせよ』と。穰苴じやうしよせてぐんいたり、(八)へう(九)ろうくだしてつ。
しかし、おかみさんは、一週間しゅうかんのけいやくをむすんでしまったんだ。いまさら、あいつがどんな悪者わるものだったとしても、一週間のあいだは追いだすことはできないんだ。
ちぎりはふか祖先そせんえんかれてかし一人子同志ひとりこどうし、いひなづけのやく成立なりたちしはおたかがみどりの振分髮ふりわけがみをお煙草盆たばこぼんにゆひむるころなりしとか、さりとてはながかりし年月としつき
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……地震ぢしんとともに燒出やけだした中六番町なかろくばんちやうが……いまつた、三日みつか眞夜中まよなかおよんで、やく二十六時間にじふろくじかん
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
直径ちょっけいやく七十センチだから周囲しゅういは70cm×3.14=219.8cmというわけだ。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
わたくしは——じつ相州そうしゅう荒井あらい城主じょうしゅ三浦道寸みうらどうすんそく荒次郎あらじろう義光よしみつもうものつまだったものにございます。現世げんせ呼名よびな小櫻姫こざくらひめ——時代じだい足利時代あしかがじだい末期まっき——いまからやく四百余年よねんむかしでございます。
緯度いど一度いちどすゝむごとに攝氏せつしやく一度いちどづゝ温度おんどくだりますが、高山こうざんではおよそ百五十ひやくごじゆうめーとるから二百にひやくめーとるのぼるたびに攝氏せつし一度いちどぐらゐ、温度おんどひくくなり、のぼればのぼるほどさむさをくはへます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
左門いふ。さあらば兄長このかみいつの時にか帰り給ふべき。赤穴いふ。月日はきやすし。おそくとも此の秋は過さじ。左門云ふ。秋はいつの日を定めて待つべきや。ねがふはやくし給へ。赤穴云ふ。
一昼夜に五千七百六十回転、一年には勿驚おどろくなかれやく二百十万○三千八百四十回転をやるんだ。なんと、眼が廻るだろう。君は吾輩が唯道楽に回転して居ると思うか。戯談じゃない、全く骨が折れるぜ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
てう恵王けいわうが夜光の玉を、しんせう王がしろ十五を以てかへんといひしは、加嶋屋が北国の明玉めいぎよく身上しんしやうつくしてかはんとやくせしにるゐせり。
兎角とかくするほどあやしふねはます/\接近せつきんきたつて、しろあかみどり燈光とうくわう闇夜やみきらめく魔神まじん巨眼まなこのごとく、本船ほんせん左舷さげん後方こうほうやく四五百米突メートルところかゞやいてる。
兩家族りやうかぞくはこの状態じやうたいやくねんばかりをおくつた。すると宗助そうすけよりも氣分きぶんわかいとゆるされた叔父をぢ突然とつぜんんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やくして各々妻にも其趣そのおもむきを云聞いひきかせ是より兩家べつしてむつましく交際つきあひけり然るに兩人の子供こども丈夫ぢやうぶ成長せいちやうなすうちはや吉三郎十三歳と成し時ちゝの茂兵衞大病たいびやうわづら種々しゆ/″\療養れうやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのぜんあくたるをわず、さきに神文のやくをやぶれば天下の武芸者ぶげいしゃにそのしんうしなわなければならない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あひだやく十分間じつぷんかんうまで大切たいせつにするとふのが、恩人おんじん遺兒わすれがたみでもなんでもない、なのである。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
川をわたってからやく二マイルのところがれい難所なんしょなのだ。機関士きかんしも、十分じゅうぶん速度そくどおとしはするが、後部こうぶのブレーキは、どうしてもまかなければならないことになっている。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
爲替相場かはせさうばが六箇月かげつあひだやくわり回復くわいふくした割合わりあひかられば物價低落ぶつかていらく割合わりあいすくないのであるが、輸入品ゆにふひん爲替相場かはせさうば騰落とうらく影響えいきやうけそれ價格かかく騰落とうらくするわけであるけれど
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
(二九)くわいおいて、(三〇)桓公くわんこう曹沫さうばつやくそむかんとほつす、管仲くわんちうつてこれしんにす。諸矦しよこうこれつてせいせり。ゆゑいはく、(三一)あたふるのるたるをるはまつりごとたからなり
不図ふとがついてると、むかうのがけすこけずったところ白木造しらきづくりのおみや木葉隠このはがくれにえました。おおきさはやくけんほう屋根やねあつ杉皮葺すぎかわぶき前面ぜんめんいし階段かいだん周囲ぐるり濡椽ぬれえんになってりました。
からすがってから、やく十日とおかめにふくろうがかえってきました。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
本艦ほんかんことやく一千米突いつせんメートル——忽然こつぜん波間はかんしづんだとおもしやおそしや、たゞ本艦ほんかん前方ぜんぽう海上かいじやうたちまおこ大叫喚だいけうくわん
宗助そうすけ樂々らく/\火鉢ひばちそば胡坐あぐらいて、大根だいこんこうものみながら湯漬ゆづけを四はいほどつゞけざまんだ。それからやく三十ぷんほどしたら御米およねがひとりでにめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あれほどの大鷲おおわしが、一ぱつたまでおちてくるはずはない。さすれば、女はたにへふりおとされ、二ツの生命いのちきずつけることになる。これも、御岳みたけ三日みっか神文しんもんやくまもればこそ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
げふとして暫く此山中に住居しが次第々々に同氣どうき相求あひもとむる手下の出來いできしかば今は三十一人の山賊さんぞく張本ちやうほんとなり浮雲ふうんとみに其日を送りける然るに一年ひととせ上方に住し折柄をりから兄弟のやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さうしてると昨年さくねんの一ぐわつからの一ぐわつ十一にちまでやく箇年かねんあひだ外國ぐわいこくから直接ちよくせつ輸入ゆにふするもの値段ねだんは、六箇月かげつあひだに四りんあがつて、さうしてつぎの六箇月かげつあひだに一わりさがつたわけである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
はは枕辺まくらべには人間にんげんやくにんあまり、いずれもきはらして、ながわかれをおしんでいましたが、それ人達ひとたちなかわたくし生前せいぜんぞんじてりましたのはたった二人ふたりほどで、見覚みおぼえのない人達ひとたちばかりでした。
どもをやしな主人あるじもこゝにきたて、したがへたる料理人にしたる魚菜ぎよさい調味ていみさせてさらにえんひらく。是主人このあるじ俗中ぞくちゆうさしはさんつね文人ぶんじん推慕したふゆゑに、この日もこゝにきたりて面識めんしきするを岩居がんきよやくせしとぞ。
三千代は此暑このあつさおかして前日ぜんじつやくんだ。代助は女のこえを聞き付けた時、自分で玄関迄飛びした。三千代はかさをつぼめて、風呂敷づゝみを抱へて、格子のそとつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
このれがましい、大講会だいこうえ広前ひろまえで、かたく、やくをむすんだ試合しあいながら、さまざまに難癖なんくせをつけたあげく、そのうらをかいて、咲耶子さくやこのすがたをかくしてしまうという言語道断ごんごどうだんおこないを
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どもをやしな主人あるじもこゝにきたて、したがへたる料理人にしたる魚菜ぎよさい調味ていみさせてさらにえんひらく。是主人このあるじ俗中ぞくちゆうさしはさんつね文人ぶんじん推慕したふゆゑに、この日もこゝにきたりて面識めんしきするを岩居がんきよやくせしとぞ。
先生はやくの如く横浜総領事を通じてケリー・エンド・ウォルシから自著の『日本歴史』を余に送るべく取りはからわれたと見えて、約七百頁の重い書物がその後ならずして余の手に落ちた。
禁酒きんしゅ砕杯さいはいやく
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やく三十分ののち彼は食卓に就いた。あつい紅茶をすゝりながら焼麺麭やきぱん牛酪バタを付けてゐると、門野かどのと云ふ書生が座敷から新聞を畳んで持つて来た。四つ折りにしたのを座布団のわきへ置きながら
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)