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ものがたり
ふりがな文庫
“
物語
(
ものがたり
)” の例文
平家の人びとの
霊
(
れい
)
は、まだじゅうぶんには、なぐさめられなかったとみえます。つぎの
物語
(
ものがたり
)
はこのふしぎなことのひとつであります。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
私
(
わたくし
)
が
伺
(
うかが
)
った
橘姫
(
たちばなひめ
)
のお
物語
(
ものがたり
)
の
中
(
なか
)
には、まだいろいろお
伝
(
つた
)
えしたいことがございますが、とても一
度
(
ど
)
に
語
(
かた
)
りつくすことはできませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「はい」
是々云々
(
これ/\しか/″\
)
でしたと、
灣内
(
わんない
)
であつた
鰯
(
いわし
)
やひらめ の
優待
(
いうたい
)
から、
沖
(
をき
)
でうけた
大
(
おほ
)
きな
魚類
(
ぎよるゐ
)
からの
侮蔑
(
ぶべつ
)
まで、こまごまとなみだも
交
(
まぢ
)
る
物語
(
ものがたり
)
。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
僕
(
ぼく
)
は
先生
(
せんせい
)
と
對座
(
たいざ
)
して
四方山
(
よもやま
)
の
物語
(
ものがたり
)
をして
居
(
ゐ
)
ながら、
熟々
(
つく/″\
)
思
(
おも
)
ひました、
世
(
よ
)
に
美
(
うる
)
はしき
生活
(
せいくわつ
)
があるならば、
先生
(
せんせい
)
の
生活
(
せいくわつ
)
の
如
(
ごと
)
きは
實
(
じつ
)
にそれであると
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
この
子家鴨
(
こあひる
)
が
苦
(
くる
)
しい
冬
(
ふゆ
)
の
間
(
あいだ
)
に
出遭
(
であ
)
った
様々
(
さまざま
)
な
難儀
(
なんぎ
)
をすっかりお
話
(
はな
)
しした
日
(
ひ
)
には、それはずいぶん
悲
(
かな
)
しい
物語
(
ものがたり
)
になるでしょう。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
此
(
こ
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
聞
(
き
)
き、
此像
(
このざう
)
を
拝
(
はい
)
するにそゞろに
落涙
(
らくるゐ
)
せり。(
略
(
りやく
)
)かく
荒
(
あ
)
れ
果
(
は
)
てたる
小堂
(
せうだう
)
の
雨風
(
あめかぜ
)
をだに
防
(
ふせ
)
ぎかねて、
彩色
(
さいしき
)
も
云々
(
うん/\
)
。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一 若き時は夫の親類友達
下部
(
しもべ
)
等の
若男
(
わかきおとこ
)
には打解けて
物語
(
ものがたり
)
近付
(
ちかづく
)
べからず。男女の
隔
(
へだて
)
を
固
(
かたく
)
すべし。如何なる用あり共、若男に文など
通
(
かよわ
)
すべからず。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
其
(
その
)
擧動
(
ふるまひ
)
のあまりに
奇怪
(
きくわい
)
なので
私
(
わたくし
)
は
思
(
おも
)
はず
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かたむ
)
けたが、
此時
(
このとき
)
何故
(
なにゆゑ
)
とも
知
(
し
)
れず
偶然
(
ぐうぜん
)
にも
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た
一
(
ひと
)
つの
物語
(
ものがたり
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
幸ひに早々
立歸
(
たちかへ
)
りしが靱負は主に對ひ白水翁の方へ參り
斯樣々々
(
かやう/\
)
云々也
(
しか/\なり
)
と有し事共
物語
(
ものがたり
)
しかば主は驚き白水翁が斯申時はと思ひながら靱負の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
廿四日、
天気
(
てんき
)
好
(
よ
)
し。
隣
(
となり
)
の
客
(
きゃく
)
つとめて
声高
(
こわだか
)
に
物語
(
ものがたり
)
するに
打驚
(
うちおどろ
)
きて
覚
(
さ
)
めぬ。
何事
(
なにごと
)
かと聞けば、
衛生
(
えいせい
)
と
虎列拉
(
これら
)
との事なり。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
これが、おばあさんのお
話
(
はなし
)
であります。そのときのお
母
(
かあ
)
さんは、もうとっくに
死
(
し
)
んでしまい、そのときの
娘
(
むすめ
)
さんは、この
物語
(
ものがたり
)
をしたおばあさんなのでした。
青いランプ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼はいかにして
砂地
(
すなじ
)
を田園に化せしか、いかにして沼地の水を
排
(
はら
)
いしか、いかにして
磽地
(
いしじ
)
を
拓
(
ひら
)
いて果園を作りしか、これ植林に劣らぬ面白き
物語
(
ものがたり
)
であります。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
ことに、こどもの
道徳教育
(
どうとくきょういく
)
が、
真剣
(
しんけん
)
に
考
(
かんが
)
えられている
今日
(
こんにち
)
、こういう、
道徳的教訓
(
どうとくてききょうくん
)
のふくんだ
物語
(
ものがたり
)
は、お
子
(
こ
)
さんのために、ぜひおすすめしたいものと
思
(
おも
)
います。
先生と父兄の皆さまへ
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
安井
(
やすゐ
)
は
笑
(
わら
)
ひながら、
比較
(
ひかく
)
のため、
自分
(
じぶん
)
の
知
(
し
)
つてゐる
或
(
ある
)
友達
(
ともだち
)
の
故郷
(
こきやう
)
の
物語
(
ものがたり
)
をして
宗助
(
そうすけ
)
に
聞
(
き
)
かした。それは
淨瑠璃
(
じやうるり
)
の
間
(
あひ
)
の
土山
(
つちやま
)
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
るとある
有名
(
いうめい
)
な
宿
(
しゆく
)
の
事
(
こと
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
聲
(
こゑ
)
きくよすがも
有
(
あ
)
らざりければ、
別亭
(
はなれ
)
に
澁茶
(
しぶちや
)
すゝりながら
夫
(
それ
)
となき
物語
(
ものがたり
)
、この
四隣
(
あたり
)
はいづれも
閑靜
(
かんせい
)
にて、
手廣
(
てびろ
)
き
園生
(
そのふ
)
浦山
(
うらやま
)
しきものなり、
此隣
(
このとな
)
りは
誰樣
(
たれさま
)
の
御別莊
(
ごべつさう
)
ぞ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
總
(
そう
)
じて
内
(
うち
)
の
美
(
び
)
を
韜
(
つゝ
)
むは
外
(
ほか
)
の
美
(
び
)
の
身
(
み
)
の
譽
(
ほま
)
れ、
金玉
(
きんぎょく
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
金
(
きん
)
の
鈎子
(
はさみがね
)
に
抱
(
だ
)
かすれば、
誰
(
た
)
が
目
(
め
)
にも
立派
(
りっぱ
)
な
寶物
(
たからもの
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
今度
(
こんど
)
のお
話
(
はなし
)
では、
短歌
(
たんか
)
と
竝
(
なら
)
べ
稱
(
しよう
)
せられてゐる
長歌
(
ちようか
)
のことは、
省
(
はぶ
)
きたいとおもひます。がこれは、
大體
(
だいたい
)
第一章
(
だいいつしよう
)
のところで
述
(
の
)
べてある
物語
(
ものがたり
)
の
歌
(
うた
)
から、
變化
(
へんか
)
して
來
(
き
)
たものと
見
(
み
)
てさし
支
(
つか
)
へありません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
あはれなる
物語
(
ものがたり
)
さへありけむを人は過ぎつつよすがだになし
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
尊
(
とうと
)
いお
物語
(
ものがたり
)
をありがとうございました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
さてお
約束
(
やくそく
)
の
懺悔
(
ざんげ
)
でございますが、
私
(
わたくし
)
にとりて、
何
(
なに
)
より
身
(
み
)
にしみているのを
一
(
ひと
)
つお
話
(
はな
)
し
致
(
いた
)
しましょう。それは
私
(
わたくし
)
の
守刀
(
まもりがたな
)
の
物語
(
ものがたり
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
先
(
ま
)
づ
講釈筆記
(
かうしやくひつき
)
の
武勇談
(
ぶゆうだん
)
の
方
(
はう
)
から
一寸
(
ちよいと
)
抜
(
ぬ
)
き
取
(
と
)
る。——
最
(
もつと
)
も
略筋
(
りやくすぢ
)
、あとで
物語
(
ものがたり
)
の
主題
(
しゆだい
)
とも
言
(
い
)
ふべき
処
(
ところ
)
を、
較
(
くら
)
べて
見
(
み
)
ませう。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二十一日、あるじ来て
物語
(
ものがたり
)
す。
父
(
ちち
)
は東京にいでしことあれど、おのれは高田より北、吹上より南を
知
(
し
)
らずという。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「じゃ、その
話
(
はなし
)
をきかしてあげよう。」と、おばあさんは、
青
(
あお
)
い
光
(
ひかり
)
にいろどられたへやの
中
(
なか
)
で、みんなに
向
(
む
)
かって、つぎのような
物語
(
ものがたり
)
をされたのであります。
青いランプ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大げんかんの前、
召使
(
めしつか
)
いの
案内
(
あんない
)
、長いろうか、大広間、そして、しんといならぶ人びとの前、そこで法師は昨夜とおなじように、
壇
(
だん
)
ノ
浦
(
うら
)
の
物語
(
ものがたり
)
をひきました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
取此所にも
半年餘
(
はんとしあま
)
りも居て友次郎樣夫婦の
所在
(
ありか
)
を尋ねしかども一向に知ず然るに或日
雨
(
あめ
)
降
(
ふり
)
て外へも出られねば
空
(
むな
)
しく宿屋に在し所宿の亭主の
物語
(
ものがたり
)
にて此印籠を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
斯
(
かゝ
)
る
物語
(
ものがたり
)
に
不知不測
(
しらずしらず
)
夜
(
よ
)
を
更
(
ふか
)
し、
頓
(
やが
)
て
私
(
わたくし
)
の
遭難
(
さうなん
)
實談
(
じつだん
)
も
終
(
をは
)
ると、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は、
此時
(
このとき
)
稍
(
や
)
や
面
(
おもて
)
を
改
(
あらた
)
めて
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
例
(
れい
)
になき
子細
(
しさい
)
らしきお
客
(
きやく
)
を
呼入
(
よびい
)
れて二
階
(
かい
)
の六
疊
(
ぢよう
)
に
三味線
(
さみせん
)
なしのしめやかなる
物語
(
ものがたり
)
、
年
(
とし
)
を
問
(
と
)
はれて
名
(
な
)
を
問
(
と
)
はれて
其次
(
そのつぎ
)
は
親
(
おや
)
もとの
調
(
しら
)
べ、
士族
(
しぞく
)
かといへば
夫
(
そ
)
れは
言
(
い
)
はれませぬといふ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
哀
(
あは
)
れなる
物語
(
ものがたり
)
は
多
(
おほ
)
けれども、
此
(
この
)
ロミオとヂュリエットの
戀物語
(
こひものがたり
)
に
優
(
まさ
)
るはないわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
顏
(
かほ
)
を
上
(
あげ
)
て
二人
(
ふたり
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
聞
(
きい
)
て
居
(
ゐ
)
ました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
その
一
(
ひと
)
つは
私
(
わたくし
)
がまだ
実家
(
さと
)
に
居
(
い
)
た
頃
(
ころ
)
、
腰元
(
こしもと
)
のようにして
可愛
(
かわい
)
がって
居
(
い
)
た、
香織
(
かおり
)
という
一人
(
ひとり
)
の
女性
(
じょせい
)
との
会合
(
かいごう
)
の
物語
(
ものがたり
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
却
(
かへ
)
つて、
日
(
ひ
)
を
經
(
ふ
)
るに
從
(
したが
)
つて、
物語
(
ものがたり
)
を
聞
(
き
)
きさした
如
(
ごと
)
く、
床
(
ゆか
)
しく、
可懷
(
なつか
)
しく、
身
(
み
)
に
染
(
し
)
みるやうに
成
(
な
)
つたのである。……
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
實
(
じつ
)
に、
君
(
きみ
)
の
經歴
(
けいれき
)
は
小説
(
せうせつ
)
のやうです。』と
言
(
い
)
つた
儘
(
まゝ
)
、
暫時
(
しばし
)
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
瞻
(
なが
)
めて
居
(
を
)
つたが、
物語
(
ものがたり
)
の
中
(
うち
)
でも、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
の
殊勝
(
けなげ
)
なる
振舞
(
ふるまひ
)
には、
少
(
すく
)
なからず
心
(
こゝろ
)
を
動
(
うご
)
かした
樣子
(
やうす
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
元気
(
げんき
)
よく
鳴
(
な
)
いているせみの
声
(
こえ
)
は
細
(
ほそ
)
っていきました。この
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
急
(
きゅう
)
にこんなに
変
(
か
)
わりましたので、ふたりは、もう、たがいに
出
(
で
)
あって
物語
(
ものがたり
)
をするようなこともなかったのです。
二つの運命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
如何
(
いか
)
に
聞
(
きゝ
)
て
如何
(
いか
)
ばかり
案
(
あん
)
じやしけん、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
のことしてけるよ、いで
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
も
暮
(
くれ
)
なんとするを、
例
(
れい
)
の
足
(
あし
)
おとする
頃
(
ころ
)
なり、
日頃
(
ひごろ
)
くもりし
胸
(
むね
)
の
鏡
(
かゞみ
)
すゞしき
物語
(
ものがたり
)
に
晴
(
はら
)
さばやとばかり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
送りながら江戸見物に
行
(
ゆか
)
うと思ふゆゑ
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶり
)
にて又貴樣の處の世話にならうかと
兄弟
(
きやうだい
)
誠
(
まこと
)
を明し
合
(
あひ
)
久々
(
ひさ/″\
)
にての
對面
(
たいめん
)
に餘念もなき
物語
(
ものがたり
)
にぞ及びける
斯
(
かゝ
)
りし程に長兵衞は先兄の無事なるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
平家
(
へいけ
)
の
物語
(
ものがたり
)
——
壇
(
だん
)
ノ
浦
(
うら
)
を
弾
(
だん
)
じてください。」
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
昔
(
むかし
)
から
物語
(
ものがたり
)
の
本
(
ほん
)
にもある、
屋
(
や
)
の
棟
(
むね
)
へ
白羽
(
しらは
)
の
征矢
(
そや
)
が
立
(
た
)
つか、
然
(
さ
)
もなければ
狩倉
(
かりくら
)
の
時
(
とき
)
貴人
(
あてびと
)
のお
目
(
め
)
に
留
(
と
)
まつて
御殿
(
ごてん
)
に
召出
(
めしだ
)
されるのは、
那麼
(
あんな
)
のぢやと
噂
(
うはさ
)
が
高
(
たか
)
かつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いやなお
人
(
ひと
)
にはお
酌
(
しやく
)
をせぬといふが
大詰
(
おほづ
)
めの
極
(
きま
)
りでござんすとて
臆
(
おく
)
したるさまもなきに、
客
(
きやく
)
はいよ/\
面白
(
おもしろ
)
がりて
履歴
(
りれき
)
をはなして
聞
(
き
)
かせよ
定
(
さだ
)
めて
凄
(
すさ
)
ましい
物語
(
ものがたり
)
があるに
相違
(
さうい
)
なし
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
二人
(
ふたり
)
の
兄弟
(
きょうだい
)
は、
海
(
うみ
)
ぼたるについて、こんな
物語
(
ものがたり
)
があることを
知
(
し
)
りませんでした。
海ぼたる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
莞爾
(
くわんじ
)
として
聞
(
き
)
きながら、よし/\
其
(
それ
)
もよし、
蒲鉾
(
かまぼこ
)
は
旅店
(
はたごや
)
の
口取
(
くちとり
)
でお
知己
(
ちかづき
)
、
烏賊
(
いか
)
の
鹽辛
(
しほから
)
は
節季
(
せつき
)
をかけて
漬物屋
(
つけものや
)
のびらで
知
(
し
)
る
通
(
とほり
)
、
外郎
(
うゐらう
)
は
小本
(
こほん
)
、
物語
(
ものがたり
)
で
懇意
(
こんい
)
なるべし。
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この
大將
(
たいしやう
)
の
若樣
(
わかさま
)
難
(
なん
)
なく
敏
(
さとし
)
が
擒
(
とりこ
)
になりけり、
令孃
(
ひめ
)
との
中
(
なか
)
の
睦
(
むつ
)
ましきを
見
(
み
)
るより、
奇貨
(
きくわ
)
おくべしと
竹馬
(
たけうま
)
の
製造
(
せいざう
)
を
手
(
て
)
はじめに、
植木
(
うゑき
)
の
講譯
(
かうしやく
)
、いくさ
物語
(
ものがたり
)
、
田舍
(
ゐなか
)
の
爺
(
ぢい
)
婆
(
ばあ
)
は
如何
(
いか
)
にをかしき
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おじいさんは、
若
(
わか
)
い
時代
(
じだい
)
から、この
英雄
(
えいゆう
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
聞
(
き
)
いて、
深
(
ふか
)
く
崇拝
(
すうはい
)
していました。そして、
上野
(
うえの
)
の
公園
(
こうえん
)
へいったら、かならず、この
銅像
(
どうぞう
)
を
見
(
み
)
てこなければならぬということも
知
(
し
)
っていました。
銅像と老人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其處
(
そこ
)
を
以
(
も
)
ちまして、
手前
(
てまへ
)
の
了簡
(
れうけん
)
で、
何
(
なん
)
と、
今年
(
ことし
)
は
一
(
ひと
)
つ、
趣
(
おもむき
)
をかへて、お
酒
(
さけ
)
を
頂戴
(
ちやうだい
)
しながら、
各々
(
めい/\
)
國々
(
くに/″\
)
の
話
(
はなし
)
、
土地
(
とち
)
所
(
ところ
)
の
物語
(
ものがたり
)
と
云
(
い
)
ふのをしめやかにしようではあるまいか。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
令孃
(
ひめ
)
が
鎌倉
(
かまくら
)
ごもりの
噂
(
うはさ
)
、
聞
(
き
)
く
胸
(
むね
)
とヾろきて
敏
(
さとし
)
しばしは
呆
(
あき
)
れしが、
猶
(
なほ
)
甚之助
(
じんのすけ
)
に
委
(
くは
)
しく
問
(
と
)
へば、
相違
(
さうゐ
)
なき
物語
(
ものがたり
)
半
(
なかば
)
は
泣
(
な
)
きながらにて、
何卒
(
なにとぞ
)
お
廢
(
や
)
めに
成
(
な
)
る
樣
(
やう
)
な
工風
(
くふう
)
は
無
(
な
)
きかと
頼
(
たの
)
まれて、
扨
(
さて
)
も
何
(
なに
)
とせん
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は、
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
戸口
(
とぐち
)
に
出
(
で
)
ると、
青
(
あお
)
ざめた
星晴
(
ほしば
)
れのした
空
(
そら
)
は、
忘
(
わす
)
れていた、なつかしい
幼
(
おさな
)
い
日
(
ひ
)
の
物語
(
ものがたり
)
をしてくれますので、しばらくその
昔語
(
むかしがた
)
りにききとれて、じっと
目
(
め
)
をみはっていると、
遠
(
とお
)
くで
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
われら
此
(
こ
)
の
烈
(
はげ
)
しき
大都会
(
だいとくわい
)
の
色彩
(
しきさい
)
を
視
(
なが
)
むるもの、
奥州辺
(
おうしうへん
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
読
(
よ
)
み、
其
(
そ
)
の
地
(
ち
)
の
婦人
(
ふじん
)
を
想像
(
さうざう
)
するに、
大方
(
おほかた
)
は
安達
(
あだち
)
ヶ
原
(
はら
)
の
婆々
(
ばゞ
)
を
想
(
おも
)
ひ、もつぺ
穿
(
は
)
きたる
姉
(
あねえ
)
をおもひ、
紺
(
こん
)
の
褌
(
ふんどし
)
の
媽々
(
かゝあ
)
をおもふ。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そして、その
不思議
(
ふしぎ
)
な
話
(
はなし
)
というのはつぎのような
物語
(
ものがたり
)
です。
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
互
(
たが
)
ひぞとて
御優
(
おやさ
)
しき
御詞
(
おことば
)
我
(
われ
)
もしきりに
嬉
(
うれ
)
しくて
尋
(
たづ
)
ぬる
人
(
ひと
)
ありとこそ
明
(
あか
)
さゞりしが
種々
(
いろ/\
)
との
物語
(
ものがたり
)
に
和女
(
そなた
)
の
母御
(
はゝご
)
は
斯々
(
かく/\
)
の
人
(
ひと
)
ならずやと
思
(
おも
)
ひ
寄
(
よ
)
らぬ
御問
(
おと
)
ひ
誠
(
まこと
)
に
若
(
し
)
かぞ
何
(
なん
)
として
御存
(
ごぞん
)
じと
云
(
い
)
へば
忘
(
わす
)
れて
成
(
な
)
るべきか
和女
(
そなた
)
と
我
(
わ
)
れとは
兄弟
(
きやうだい
)
ぞかし
我
(
わ
)
れは
梨本
(
なしもと
)
の
優
(
いう
)
なるを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
こ
)
のほか
色々
(
いろ/\
)
の
歌
(
うた
)
も
侍
(
はべ
)
るよし
承
(
うけたまは
)
り
候
(
さふらふ
)
と
言
(
い
)
ふ。——
此
(
こ
)
の
物語
(
ものがたり
)
、
優美
(
いうび
)
の
中
(
うち
)
に
幻怪
(
げんくわい
)
あり。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其處
(
そこ
)
を
以
(
も
)
ちまして、
手前
(
てまへ
)
の
了簡
(
れうけん
)
で、
何
(
なん
)
と、
今年
(
ことし
)
は
一
(
ひと
)
つ
趣
(
おもむき
)
をかへてお
酒
(
さけ
)
を
頂戴
(
ちやうだい
)
しながら、
各々
(
めい/\
)
國々
(
くに/″\
)
の
話
(
はなし
)
、
土地
(
とち
)
處
(
ところ
)
の
物語
(
ものがたり
)
と
云
(
い
)
ふのを、しめやかにしようではあるまいかと
申出
(
まをしで
)
ました
處
(
ところ
)
部屋頭
(
へやがしら
)
が
第
(
だい
)
一
番
(
ばん
)
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“物語”の解説
物語(ものがたり)とは、主に人や事件などの一部始終について散文あるいは韻文で語られたものや書かれたもののことを指す。
また現在「物語」という語は英語の「:en:narrative ナラティブ」の訳語として用いられることもある。また「:en:story ストーリー」という語の訳語として用いられることもある。訳語として用いられることによってそれらの概念の混交も起きている。
人間の脳は物語に対応するように生物学的に配線されているため、物語を無視することは困難である。
(出典:Wikipedia)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
語
常用漢字
小2
部首:⾔
14画
“物語”で始まる語句
物語人
物語風
物語作者酋長