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知
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し
ふりがな文庫
“
知
(
し
)” の例文
南洋
(
なんよう
)
のあまり
世界
(
せかい
)
の
人
(
ひと
)
たちには
知
(
し
)
られていない
島
(
しま
)
に
住
(
す
)
んでいる
二人
(
ふたり
)
の
土人
(
どじん
)
が、
難船
(
なんせん
)
から
救
(
すく
)
われて、ある
港
(
みなと
)
に
着
(
つ
)
いたときでありました。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なんでも
夜中
(
よなか
)
すぎになると、
天子
(
てんし
)
さまのおやすみになる
紫宸殿
(
ししいでん
)
のお
屋根
(
やね
)
の上になんとも
知
(
し
)
れない
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
い
声
(
こえ
)
で
鳴
(
な
)
くものがあります。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
私
(
わたし
)
は
其時分
(
そのじぶん
)
は
何
(
なん
)
にも
知
(
し
)
らないで
居
(
ゐ
)
たけれども、
母様
(
おつかさん
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらしは、この
橋銭
(
はしせん
)
で
立
(
た
)
つて
行
(
い
)
つたので、
一人前
(
ひとりまへ
)
幾于宛
(
いくらかづゝ
)
取
(
と
)
つて
渡
(
わた
)
しました。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
したか
知
(
し
)
らないが、かわいそうに……。だけど、ほうたいだらけのまっ
白
(
しろ
)
なあの
顔
(
かお
)
には、ぞっとするわ。まるで
化
(
ば
)
けものみたいだもの
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
内山君
(
うちやまくん
)
足下
(
そくか
)
、
先
(
ま
)
づ
此位
(
このくらゐ
)
にして
置
(
お
)
かう。さて
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くに
僕
(
ぼく
)
は
戀
(
こひ
)
其物
(
そのもの
)
に
隨喜
(
ずゐき
)
した。これは
失戀
(
しつれん
)
の
賜
(
たまもの
)
かも
知
(
し
)
れない。
明後日
(
みやうごにち
)
は
僕
(
ぼく
)
は
歸京
(
きゝやう
)
する。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
一撃に敵を打ち倒すことには何の
痛痒
(
つうよう
)
も感じない代りに、
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らず友人を傷つけることには児女に似た恐怖を感ずるものである。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
直
(
たゞ
)
ちに
此
(
こ
)
れが
扇子
(
せんす
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た
所爲
(
せい
)
だと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つて
急
(
いそ
)
いで
其扇子
(
そのせんす
)
を
捨
(
す
)
てました、
恰
(
あだか
)
も
縮
(
ちゞ
)
むのを
全
(
まつた
)
く
恐
(
おそ
)
れるものゝ
如
(
ごと
)
く。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そも/\
熊
(
くま
)
は
和獣
(
わじう
)
の王、
猛
(
たけ
)
くして
義
(
ぎ
)
を
知
(
し
)
る。
菓木
(
このみ
)
の
皮虫
(
かはむし
)
のるゐを
食
(
しよく
)
として
同類
(
どうるゐ
)
の
獣
(
けもの
)
を
喰
(
くらは
)
ず、
田圃
(
たはた
)
を
荒
(
あらさ
)
ず、
稀
(
まれ
)
に
荒
(
あら
)
すは
食
(
しよく
)
の
尽
(
つき
)
たる時也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
で、
貴方
(
あなた
)
は
好
(
よ
)
い
時代
(
じだい
)
が
來
(
こ
)
やうと
濟
(
すま
)
してもゐられるでせうが、いや、
私
(
わたくし
)
の
言
(
い
)
ふことは
卑
(
いやし
)
いかも
知
(
し
)
れません、
笑止
(
をか
)
しければお
笑
(
わら
)
ひ
下
(
くだ
)
さい。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ある
學者
(
がくしや
)
のごときは、
土器
(
どき
)
を
知
(
し
)
らない
人間生活
(
にんげんせいかつ
)
を
野蠻的生活
(
やばんてきせいかつ
)
、
土器
(
どき
)
をもつ
人間
(
にんげん
)
の
生活
(
せいかつ
)
を
半開生活
(
はんかいせいかつ
)
と
稱
(
しよう
)
して
區別
(
くべつ
)
するくらゐであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「
知
(
し
)
らねえでどうするもんか。
重
(
しげ
)
さん、おめえの
夜
(
よ
)
あかしの
仕事
(
しごと
)
は、
銭
(
ぜに
)
のたまる
稼
(
かせ
)
ぎじゃなくッて、
色気
(
いろけ
)
のたまる
楽
(
たの
)
しみじゃねえか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しかしそれなら
尚更
(
なおさら
)
私
(
わたくし
)
の
申上
(
もうしあ
)
げる
事
(
こと
)
がよくお
判
(
わか
)
りの
筈
(
はず
)
で、
神社
(
じんじゃ
)
の
装置
(
そうち
)
もラジオとやらの
装置
(
そうち
)
も、
理窟
(
りくつ
)
は
大体
(
だいたい
)
似
(
に
)
たものかも
知
(
し
)
れぬ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「
文庫
(
ぶんこ
)
は
御宅
(
おたく
)
のでせうね。
可
(
い
)
いんでせうね」と
念
(
ねん
)
を
押
(
お
)
して、
何
(
な
)
にも
知
(
し
)
らない
下女
(
げぢよ
)
を
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
がらしてゐる
所
(
ところ
)
へ、
最前
(
さいぜん
)
の
仲働
(
なかばたらき
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
品
(
ひん
)
よしと
喜
(
よろ
)
こぶ
人
(
ひと
)
ありけり十九といへど
深窓
(
しんそう
)
の
育
(
そだ
)
ちは
室咲
(
むろざ
)
きも
同
(
おな
)
じこと
世
(
よ
)
の
風
(
かぜ
)
知
(
し
)
らねど
松風
(
まつ ぜ
)
の
響
(
ひゞ
)
きは
通
(
かよ
)
ふ
瓜琴
(
つまごと
)
のしらべに
長
(
なが
)
き
春日
(
はるび
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
十一文づゝ二年
半餘
(
はんあま
)
りも
滯
(
とゞこふ
)
らば
大抵
(
たいてい
)
三十文
計
(
ばか
)
りの
引負
(
ひきおひ
)
となるべし。
閏月
(
しゆんげつ
)
は
即
(
すなは
)
ちこの三十文の
引負
(
ひきおひ
)
を一月にまとめて
拂
(
はら
)
ふことゝ
知
(
し
)
るべし。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ナーニ美男子じゃァありませんでした。薄っ穢ない存在でした。何か取柄がありましたか
知
(
し
)
ら? あッ、そうそう一つありました。
奥さんの家出
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
おとうさんとおかあさんとは、そんなことがあったのは少しも
知
(
し
)
らないように相変らず本棚と箪笥とをいじくっていらっしゃいました。
僕の帽子のお話
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
無論
(
むろん
)
です、けれど
本船
(
ほんせん
)
の
當番
(
たうばん
)
水夫
(
すゐふ
)
は
眼
(
め
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
に、
情
(
こゝろ
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
です、
一人
(
ひとり
)
は
茫然
(
ぼんやり
)
して
居
(
ゐ
)
ます、
一人
(
ひとり
)
は
知
(
し
)
つて
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
ます。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ぢゃによって、お
恕
(
ゆる
)
しなされ、
斯
(
か
)
う
速
(
はや
)
う
靡
(
なび
)
いたをば
浮氣
(
うはき
)
ゆゑと
思
(
おも
)
うて
下
(
くだ
)
さるな、
夜
(
よる
)
の
暗
(
やみ
)
に
油斷
(
ゆだん
)
して、つい
下心
(
したごゝろ
)
を
知
(
し
)
られたゝめぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
殊
(
こと
)
にわれながらといふのは、いかにも
常識的
(
じようしきてき
)
で、
自分
(
じぶん
)
で
知
(
し
)
つてゐて、わざとそんなことをいつたゞけだといふことを
見
(
み
)
せてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
そこで
父
(
とう
)
さんはお
墓參
(
はかまゐ
)
りに
行
(
ゆ
)
く
道
(
みち
)
の
方
(
はう
)
から、
成
(
な
)
るべく
知
(
し
)
つた
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
はない
田圃
(
たんぼ
)
の
側
(
わき
)
を
通
(
とほ
)
りまして、こつそりと
出掛
(
でか
)
けて
行
(
ゆ
)
きました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
實
(
じつ
)
は
博士
(
はかせ
)
をわざ/\
勞
(
ろう
)
するまでも
無
(
な
)
かつたので、これは
古代
(
こだい
)
の
葬坑
(
さうかう
)
で、
横穴
(
よこあな
)
と
通稱
(
つうしよう
)
するもの。
能
(
よ
)
く
調
(
しら
)
べたら
全國
(
ぜんこく
)
到
(
いた
)
る
處
(
ところ
)
に
有
(
あ
)
るかも
知
(
し
)
れぬ。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「まあまあ、こんどだけはかにしてやっとくんやす。
利助
(
りすけ
)
さも、まさか
牛
(
うし
)
が
椿
(
つばき
)
を
喰
(
く
)
ってしまうとは
知
(
し
)
らずにつないだことだで。」
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
龐涓
(
はうけん
)
行
(
ゆ
)
くこと
三日
(
みつか
)
、
大
(
おほひ
)
に
喜
(
よろこ
)
んで
曰
(
いは
)
く、『
我
(
われ
)
固
(
もと
)
より
齊
(
せい
)
の
軍
(
ぐん
)
の
怯
(
けふ
)
なるを
知
(
し
)
る。
吾
(
わ
)
が
地
(
ち
)
に
入
(
い
)
りて
三日
(
みつか
)
、
士卒
(
しそつ
)
亡
(
に
)
ぐる
者
(
もの
)
、
半
(
なか
)
ばに
過
(
す
)
ぎたり』
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
三十分ばかり夜風に吹かれて、
漸
(
ようや
)
く常の心を
取戻
(
とりもど
)
した金三郎は、何んか
知
(
し
)
ら英雄的な心持になって、元の自分の部屋に帰って行きました。
奇談クラブ〔戦後版〕:17 白髪の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
などと
年甲斐
(
としがひ
)
もなく
男
(
をとこ
)
一
匹
(
ぴき
)
がそんな
下
(
くだ
)
らないことを
考
(
かんが
)
へたりするのも、
麻雀
(
マアジヤン
)
に
苦勞
(
くらう
)
した
人間
(
にんげん
)
でなければ
分
(
わか
)
らない
味
(
あぢ
)
かも
知
(
し
)
れない。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
それは、お
日様
(
ひさま
)
が
温
(
あたたか
)
く
照
(
て
)
っているのを
見
(
み
)
たり、
雲雀
(
ひばり
)
の
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
いたりして、もうあたりがすっかりきれいな
春
(
はる
)
になっているのを
知
(
し
)
りました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「こんなに
年老
(
としよ
)
るまで、
自分
(
じぶん
)
は
此
(
こ
)
の
梢
(
こづゑ
)
で、どんなにお前のために
雨
(
あめ
)
や
風
(
かぜ
)
をふせぎ、それと
戰
(
たゝか
)
つたか
知
(
し
)
れない。そしてお
前
(
まへ
)
は
成長
(
せいちやう
)
したんだ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
例令
(
たとひ
)
品物
(
しなもの
)
が
有
(
あ
)
つた
處
(
ところ
)
で、
自分
(
じぶん
)
の
現在
(
いま
)
の
力
(
ちから
)
では
到底
(
たうてい
)
それは
求
(
もと
)
められなかつたかも
知
(
し
)
れぬと
今更
(
いまさら
)
のやうに
喫驚
(
びつくり
)
して
懷
(
ふところ
)
へ
手
(
て
)
を
入
(
い
)
れて
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
人
(
ひと
)
を
知
(
し
)
るは
難
(
かた
)
くして
易
(
やす
)
く、
自
(
みずか
)
ら
知
(
し
)
るは
易
(
やす
)
くして
難
(
かた
)
し、
但
(
ただ
)
し
当
(
まさ
)
にこれを
夢寐
(
むび
)
に
徴
(
ちょう
)
し
以
(
もっ
)
て
自
(
みずか
)
ら
知
(
し
)
るべし、
夢寐
(
むび
)
自
(
みずか
)
ら
欺
(
あざむ
)
く
能
(
あた
)
わず」と。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「あなたは、なんでも
知
(
し
)
つておいでなされるといふことであるから、これをお
彈
(
ひ
)
きになるでせう。一つ
彈
(
ひ
)
いて
聞
(
き
)
かせて
下
(
くだ
)
さい」
今昔物語:21 大江匡衡が歌をよむ話
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
多分
(
たぶん
)
廣告
(
くわうこく
)
に、
修養
(
しうやう
)
のために
讀
(
よ
)
むべき
書
(
しよ
)
だと
云
(
い
)
ふやうな
事
(
こと
)
が
書
(
か
)
いてあつたので、
子供
(
こども
)
が
熱心
(
ねつしん
)
に
内容
(
ないよう
)
を
知
(
し
)
りたく
思
(
おも
)
つたのであらう。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
不運
(
ふうん
)
にも
彼
(
かれ
)
に
誘惑
(
いうわく
)
された
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
女
(
をんな
)
だとも
思
(
おも
)
へるのであつたが、しかし
恋愛
(
れんあい
)
の
成立
(
せいりつ
)
については、
彼
(
かれ
)
も
詳
(
くは
)
しい
事
(
こと
)
は
知
(
し
)
らなかつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
日本書紀
(
にほんしよき
)
に七年夏四月乙未朔辛酉、地動、舍屋悉破、則令四方俾祭地震神とあるが、
地震神
(
ぢしんかみ
)
といふ
特殊
(
とくしゆ
)
の
神
(
かみ
)
は
知
(
し
)
られてゐない。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
「
曩
(
さき
)
の勞働者の唄ね、
君
(
きみ
)
は何う
思
(
おも
)
ふか
知
(
し
)
らないけれど、あれを聽いてゐて、僕は
身
(
み
)
につまされて何んだか
泣
(
な
)
きたくなるやうな氣がしたよ。」
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
名を
食糧
(
しよくれう
)
の不足に
託
(
たく
)
して又衆と
分
(
わか
)
る、明日は天我一行をして
文珠岩
(
もんじゆいわ
)
を発見せしむるあるを
知
(
し
)
らざるなり、其
矇眛
(
もうまい
)
なる心中や
憐
(
あは
)
むに
堪
(
た
)
へたり
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
それとも私が
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずに自分の記憶でもってそれを補い出していたのか、いつの間にか一つ一つの線や形を
徐
(
おもむ
)
ろに浮き上がらせていた。
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
岩代
(
いはしろ
)
猪苗代湖のなかに
翁島
(
おきなじま
)
といふ小さな島がある。樹木のこんもり繁つた静かな島だが、これが先年三千円か
知
(
し
)
らで売りに出た事があつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
事
(
こと
)
に
依
(
よ
)
つたら、
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
たちの
有
(
も
)
つてゐる
主
(
しゆ
)
の
御血汐
(
おんちしほ
)
で、この
身
(
み
)
が
癒
(
なほ
)
るかも
知
(
し
)
れぬ。
血
(
ち
)
を
思
(
おも
)
ふことも
度々
(
たびたび
)
だ。この
歯
(
は
)
なら
咬付
(
かみつ
)
ける。
真白
(
まつしろ
)
の
歯
(
は
)
だ。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
此方
(
こなた
)
には
具足櫃
(
ぐそくびつ
)
があつたり、
弓
(
ゆみ
)
鉄砲抔
(
てつぱうなど
)
が
立掛
(
たてかけ
)
てあつて、
最
(
い
)
とも
厳
(
いか
)
めしき
体裁
(
ていさい
)
で
何所
(
どこ
)
で
喫
(
たべ
)
させるのか、お
長家
(
ながや
)
か
知
(
し
)
ら、
斯
(
か
)
う思ひまして
玄関
(
げんくわん
)
へ
掛
(
かゝ
)
り
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
実は、われら両名は、斎藤山城守様に随身の者だったが、義龍との一戦に敗れ、これより越前の
穴馬
(
あなうま
)
まで、
知
(
し
)
る
辺
(
べ
)
を頼って落ちてゆくところ。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その結果は
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らず恐ろしき罪をも犯すに至るのである。ヨブは二十七節において、三友のオルソドクシーの恐ろしさを説いたのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
妻は勝手口から逃出して、二、三軒先の
知
(
し
)
り
人
(
びと
)
の家へ身を隠した。知り人は小学校の先生で、女の再縁する折には仲人役をつとめたものである。
噂ばなし
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この
山
(
やま
)
が
活火山
(
かつかざん
)
であることは
明治二十六年
(
めいじにじゆうろくねん
)
に
至
(
いた
)
るまで
知
(
し
)
られなかつたが、この
年
(
とし
)
突然
(
とつぜん
)
噴火
(
ふんか
)
を
始
(
はじ
)
めたゝめ
死火山
(
しかざん
)
でなかつたことが
證據立
(
しようこだ
)
てられた。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
その
知
(
し
)
らせがあったとき、
家族
(
かぞく
)
をはじめ、
慶応義塾
(
けいおうぎじゅく
)
の
人々
(
ひとびと
)
は、
諭吉
(
ゆきち
)
の
考
(
かんが
)
えをよくしっていましたので、そうだんのうえ、それをことわりました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
張旅人の
懷中
(
くわいちう
)
胴亂
(
どうらん
)
に目を掛けて
追剥
(
おひはぎ
)
強盜
(
がうたう
)
を爲んとする
命
(
いのち
)
知
(
し
)
らずめ己を
誰
(
たれ
)
とか思ふ東海道五十三次
音
(
おと
)
に聞えて隱れのない
題目講
(
だいもくかう
)
の
講頭
(
かうかしら
)
水田屋藤八を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何を探すのかも
知
(
し
)
らずにたゞ探しました。今になつて思つてみれば、それは
生
(
い
)
きようとする要求に
外
(
ほか
)
なりませんでした。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
鶏
(
にはとり
)
は
神様
(
かみさま
)
に
夜明
(
よあけ
)
を
知
(
し
)
らせる
事
(
こと
)
を
仰付
(
おほせつ
)
かつたのが
嬉
(
うれ
)
しさに、
最初
(
さいしよ
)
の
夜
(
よる
)
、まだお
月様
(
つきさま
)
がゆつくりと
空
(
そら
)
を
遊
(
あそ
)
びまはつてゐるのに、
時
(
とき
)
を
作
(
つく
)
つて
啼
(
な
)
きました。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
なんといふ
病
(
やまひ
)
やらも
知
(
し
)
らない、
度々
(
たび/″\
)
病院
(
びやうゐん
)
に
通
(
かよ
)
つたけれども、いつも、おなじやうな
漠然
(
ばくぜん
)
としたことばかり
云
(
い
)
はれて
居
(
ゐ
)
る。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
土器の中には此
石錐
(
いしきり
)
にて
揉
(
も
)
み
開
(
あ
)
けたるに相違無き圓錐形の
孔
(
あな
)
有る物有り。
既
(
すで
)
に錐の用を知る、焉ぞ
錐揉
(
きりも
)
みの如き
運動
(
うんどう
)
の
熱
(
ねつ
)
を用ゆる事を
知
(
し
)
らざらん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
知
常用漢字
小2
部首:⽮
8画
“知”を含む語句
承知
知人
知己
不知
報知
知合
知悉
下知
知行
見知
知音
御承知
行方知
情知
知識
見知越
御存知
窺知
知慧
知恩院
...