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眞似
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まね
ふりがな文庫
“
眞似
(
まね
)” の例文
新字:
真似
呼寄
(
よびよせ
)
相談に及びしは其方は
幼年
(
えうねん
)
なれども感應院の
手許
(
てもと
)
にて
教導
(
けうだう
)
を受し事なれば可なりに
修驗
(
しゆけん
)
の
眞似
(
まね
)
は出來べし我々始め村中より
世話
(
せわ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ロミオ (炬火持に對ひ)
俺
(
おれ
)
に
炬火
(
たいまつ
)
を
與
(
く
)
れい。
俺
(
おれ
)
には
迚
(
とて
)
も
浮
(
う
)
かれた
眞似
(
まね
)
は
出來
(
でき
)
ぬ。
餘
(
あんま
)
り
氣
(
き
)
が
重
(
おも
)
いによって、
寧
(
いっ
)
そ
明
(
あかる
)
いものを
持
(
も
)
たう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
然
(
さ
)
うして、
何
(
な
)
んだツて
馬鹿
(
ばか
)
な、
土方
(
どかた
)
の
眞似
(
まね
)
見
(
み
)
たいな
事
(
こと
)
を
爲
(
す
)
るんだらうと
言
(
い
)
ふ
侮辱的
(
ぶぢよくてき
)
の
顏
(
かほ
)
が、あり/\と
焚火
(
たきび
)
の
煙
(
けむり
)
の
間
(
あひだ
)
から
見
(
み
)
えるのである。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
『ボズさん!』と
僕
(
ぼく
)
は
思
(
おも
)
はず
涙聲
(
なみだごゑ
)
で
呼
(
よ
)
んだ。
君
(
きみ
)
、
狂氣
(
きちがひ
)
の
眞似
(
まね
)
をすると
言
(
い
)
ひ
玉
(
たま
)
ふか。
僕
(
ぼく
)
は
實
(
じつ
)
に
滿眼
(
まんがん
)
の
涙
(
なんだ
)
を
落
(
お
)
つるに
任
(
ま
)
かした。(畧)
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
娘も
矢張
(
やつぱり
)
東京風に作るんだね……近くに大阪があるのに、それを飛び越して、遠い東京の
眞似
(
まね
)
をするのは
隨分
(
ずゐぶん
)
骨が折れるだらう。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
鷹
(
たか
)
の
羽音
(
はおと
)
でもあるやうに
唸
(
うな
)
つて
來
(
き
)
た
音
(
おと
)
は、その
竹竿
(
たけざを
)
を
手
(
て
)
にした
人
(
ひと
)
が
口端
(
くちばた
)
を
尖
(
とが
)
らせてプウ/\
何
(
なに
)
か
吹
(
ふ
)
く
眞似
(
まね
)
をして
見
(
み
)
せた
聲
(
こゑ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
主人
(
しゆじん
)
はことさらに
刀
(
かたな
)
と
箸
(
はし
)
を
兩手
(
りやうて
)
に
持
(
も
)
つて、
切
(
き
)
つたり
食
(
く
)
つたりする
眞似
(
まね
)
をして
見
(
み
)
せた。
宗助
(
そうすけ
)
はひたすらに
其
(
その
)
精巧
(
せいかう
)
な
作
(
つく
)
りを
眺
(
なが
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なに
)
が
樂
(
たの
)
しみに
轅棒
(
かぢぼう
)
をにぎつて、
何
(
なに
)
が
望
(
のぞ
)
みに
牛馬
(
うしうま
)
の
眞似
(
まね
)
をする、
錢
(
ぜに
)
を
貰
(
もら
)
へたら
嬉
(
うれ
)
しいか、
酒
(
さけ
)
が
呑
(
の
)
まれたら
愉快
(
ゆくわい
)
なか、
考
(
かんが
)
へれば
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
悉皆
(
しつかい
)
厭
(
い
)
やで
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
東京驛
(
とうきやうえき
)
を
一番
(
いちばん
)
で
立
(
た
)
てば、
無理
(
むり
)
にも
右樣
(
みぎやう
)
の
計略
(
けいりやく
)
の
行
(
おこな
)
はれない
事
(
こと
)
もなささうだが、
籠城
(
ろうじやう
)
難儀
(
なんぎ
)
に
及
(
およ
)
んだ
處
(
ところ
)
で、
夜討
(
ようち
)
は
眞似
(
まね
)
ても、
朝
(
あさ
)
がけの
出來
(
でき
)
ない
愚將
(
ぐしやう
)
である。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
村落
(
むら
)
の
子供等
(
こどもら
)
は「三
平
(
ぺい
)
ぴいつく/\」と
雲雀
(
ひばり
)
の
鳴聲
(
なきごゑ
)
を
眞似
(
まね
)
しながら、
小笊
(
こざる
)
を
持
(
も
)
つたり
叉手
(
さで
)
を
持
(
も
)
つたりしてぢやぶ/\と
快
(
こゝろ
)
よい
田圃
(
たんぼ
)
の
水
(
みづ
)
を
渉
(
わた
)
つて
歩
(
ある
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ベタベタ
膏藥
(
かうやく
)
を貼つたり、
躄
(
ゐざり
)
の
眞似
(
まね
)
までして、佐原屋の樣子を
見窮
(
みきは
)
め、娘お筆の身を見守つて居たのです。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『さあ、
何卒
(
どうぞ
)
。』と
内儀
(
おかみ
)
さんも言つて、不思議相に二人を見た。二人は人形の樣に其處に坐つた。お八重が
叩頭
(
おじぎ
)
をしたので、お定も遲れじと
眞似
(
まね
)
をした。源助は
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
而
(
さう
)
して
自分
(
じぶん
)
は
暖
(
あたゝか
)
い
靜
(
しづか
)
な
處
(
ところ
)
に
坐
(
ざ
)
して、
金
(
かね
)
を
溜
(
た
)
め、
書物
(
しよもつ
)
を
讀
(
よ
)
み、
種々
(
しゆ/″\
)
な
屁理窟
(
へりくつ
)
を
考
(
かんが
)
へ、
又
(
また
)
酒
(
さけ
)
を(
彼
(
かれ
)
は
院長
(
ゐんちやう
)
の
赤
(
あか
)
い
鼻
(
はな
)
を
見
(
み
)
て)
呑
(
の
)
んだりして、
樂隱居
(
らくいんきよ
)
のやうな
眞似
(
まね
)
をしてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
むかし、
支那
(
しな
)
の
莊周
(
さうしう
)
といふ
人
(
ひと
)
は、
夢
(
ゆめ
)
に
胡蝶
(
こてふ
)
と
化
(
な
)
つたと
云
(
い
)
ふ
話
(
はな
)
しがありますが、
夢
(
ゆめ
)
なればこそ、
漫々
(
まん/\
)
たる
大海原
(
おほうなばら
)
を
徒渉
(
かちわた
)
りすることも
出來
(
でき
)
ます、
空飛
(
そらと
)
ぶ
鳥
(
とり
)
の
眞似
(
まね
)
も
出來
(
でき
)
ます。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
救助
(
きうじよ
)
を
求
(
もと
)
むる
難破船
(
なんぱせん
)
の
眞似
(
まね
)
をしたのは、あの
邊
(
へん
)
の
海底
(
かいてい
)
は
何
(
なに
)
かの
理由
(
りいう
)
で
水深
(
すいしん
)
左程
(
さまで
)
深
(
ふか
)
からず、
我
(
わ
)
が
弦月丸
(
げんげつまる
)
を
撃沈
(
げきちん
)
して
後
(
のち
)
に
潜水器
(
せんすいき
)
を
沈
(
しづ
)
めるに
便利
(
べんり
)
の
宜
(
よ
)
かつた
爲
(
ため
)
ではあるまいか
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ジエンナロは「ベルラ、ヂヰナ」(神々しきまで美しき子よとなり)と呼びて、手もて接吻の
眞似
(
まね
)
したり。車は動き出しぬ。さては彼子の名をばララといふとこそ覺ゆれ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
たゞ、あの方を見ることさへ出來たら!——一目だけでも! そのときには、私はあの方に駈け寄るなどゝ云ふ
狂氣
(
きちがひ
)
じみた
眞似
(
まね
)
をしないだらうか? 私には云へない——わからない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
そんな
夫
(
をつと
)
に
連
(
つ
)
れ
添
(
そ
)
つてゐるより、
自分
(
じぶん
)
の
妻
(
つま
)
になる
氣
(
き
)
はないか?
自分
(
じぶん
)
はいとしいと
思
(
おも
)
へばこそ、
大
(
だい
)
それた
眞似
(
まね
)
も
働
(
はたら
)
いたのだ、——
盜人
(
ぬすびと
)
はとうとう
大膽
(
だいたん
)
にも、さう
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
さへ
持
(
も
)
ち
出
(
だ
)
した。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『相手の拔き身を
素手
(
すで
)
で受けるぐらゐ、馬鹿な
眞似
(
まね
)
はありませんからねえ。』
「鱧の皮 他五篇」解説
(旧字旧仮名)
/
宇野浩二
(著)
『チヨツ
莫迦
(
ばか
)
にしてるよ。松公はもと/\
此方
(
こつち
)
の弟子ぢやないか。其をお前が引張込んで、
散々
(
さんざ
)
ツぱら
巫山戯
(
ふざけ
)
た
眞似
(
まね
)
をして置いて……』と
未
(
ま
)
だ何か毒づかうとしたが、急に
周圍
(
あたり
)
に氣がつくと
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
此
(
これ
)
の
船中
(
せんちう
)
に
話
(
はな
)
したがね、
船頭
(
せんどう
)
はじめ——
白癡
(
たはけ
)
め、
婦
(
をんな
)
に
誘
(
さそ
)
はれて、
駈落
(
かけおち
)
の
眞似
(
まね
)
がしたいのか——で、
船
(
ふね
)
は
人
(
ひと
)
ぐるみ、
然
(
さ
)
うして
奈落
(
ならく
)
へ
逆
(
さかさま
)
に
落込
(
おちこ
)
んだんです。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そんな
眞似
(
まね
)
をして、もう
我儘
(
わたまゝ
)
一
(
いつ
)
ぱいに
振舞
(
ふるま
)
つて
居
(
を
)
りますうちに、だん/″\
私
(
わたし
)
は
獨
(
ひと
)
りぼつちに
成
(
な
)
つてしまひました。
誰
(
たれ
)
も
私
(
わたし
)
とは
交際
(
つきあ
)
はなくなりました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
大船
(
おほふな
)
に
着
(
つ
)
くや
老夫婦
(
としよりふうふ
)
が
逸早
(
いちはや
)
く
押
(
おし
)
ずしと
辨當
(
べんたう
)
を
買
(
か
)
ひこんだのを
見
(
み
)
て
自分
(
じぶん
)
も
其
(
その
)
眞似
(
まね
)
をして
同
(
おな
)
じものを
求
(
もと
)
めた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
太吉
(
たきち
)
と
小僧
(
こぞう
)
の
脊
(
せ
)
を
人
(
ひと
)
さし
指
(
ゆび
)
の
先
(
さき
)
に
突
(
つ
)
いて、お
舟
(
ふね
)
こぐ
眞似
(
まね
)
に
精
(
せい
)
の
出
(
で
)
て
店
(
みせ
)
の
品
(
しな
)
をばちよろまかされぬやうにしてお
呉
(
く
)
れ、
私
(
わたし
)
の
歸
(
かへ
)
りが
遲
(
おそ
)
いやうなら
構
(
かま
)
はずと
戸
(
と
)
をば
下
(
おろ
)
して
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其處
(
そこ
)
で、
貴方
(
あなた
)
に
勸
(
すゝ
)
めるのです
貴方
(
あなた
)
は
石炭焚
(
せきたんた
)
きだの、
料理方
(
れうりかた
)
だのつて、
其樣
(
そん
)
な
馬鹿
(
ばか
)
な
眞似
(
まね
)
が
出來
(
でき
)
るもので
無
(
な
)
いから、それよりは、
此
(
この
)
鐵檻車
(
てつおりぐるま
)
の
製造
(
せいぞう
)
にお
着手
(
かゝり
)
なすつては
如何
(
いかゞ
)
です
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
は
考
(
かんが
)
へた。けれども
考
(
かんが
)
へる
方向
(
はうかう
)
も、
考
(
かんが
)
へる
問題
(
もんだい
)
の
實質
(
じつしつ
)
も、
殆
(
ほと
)
んど
捕
(
つら
)
まえ
樣
(
やう
)
のない
空漠
(
くうばく
)
なものであつた。
彼
(
かれ
)
は
考
(
かんが
)
へながら、
自分
(
じぶん
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
迂濶
(
うくわつ
)
な
眞似
(
まね
)
をしてゐるのではなからうかと
疑
(
うたが
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小池の
拵
(
こしら
)
へる麥笛を奪ひ取つたことや、秋の頃二人で
田圃道
(
たんぼみち
)
を歩いて、小池が稻の穗の重さうに
垂
(
た
)
れて
實
(
みの
)
つたのを拔き取り、
籾
(
もみ
)
を噛んでは白い汁を吐き出すのを
眞似
(
まね
)
して、お光も稻の穗を拔き
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ジエンナロは猶
訝
(
いぶか
)
しげに我顏を見て一語をも出さゞりき。われ
微笑
(
ほゝゑ
)
みつゝジエンナロが前夜の口吻を
眞似
(
まね
)
て、おん身のけふ我に惜みて彼馬鹿者に與へ給ひし接吻を取返さでは歸らずといひたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
其時
(
そのとき
)
愛
(
あい
)
ちやんは
犬
(
いぬ
)
ころが、
馬車馬
(
ばしやうま
)
の
眞似
(
まね
)
をして
遊
(
あそ
)
ぶのが
大好
(
だいす
)
きだと
云
(
い
)
ふことを
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したので、
踏
(
ふ
)
みつけられては
大變
(
たいへん
)
だと
再
(
ふたゝ
)
び
薊
(
あざみ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
廻
(
まは
)
りました、
犬
(
いぬ
)
ころは
其枝
(
そのえだ
)
へ
跳
(
と
)
びうつるばかりになつて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「お前の父親の筆跡をよく
眞似
(
まね
)
た人間があつた筈だ。知つてるかい」
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
汲
(
くみ
)
て與へたり寶澤は
押戴
(
おしいたゞ
)
き
懷中
(
くわいちう
)
より何やらん取出して
飮
(
のむ
)
眞似
(
まね
)
せり此時以前の
男
(
をとこ
)
寶澤に向ひ尋けるは其方は年も
行
(
ゆか
)
ぬに
伊勢參宮
(
いせまゐり
)
と見受たり
奇特
(
きどく
)
の事なり
何
(
いづれ
)
の國の
生
(
うまれ
)
なるやと問ふ
思慮
(
しりよ
)
深
(
ふか
)
き寶澤は紀州と名乘ば
後々
(
のち/\
)
の
障
(
さはり
)
なるべしと早くも心付
態
(
わざ
)
と
僞
(
いつは
)
りて私しは信州の
生
(
うま
)
れにて候と云
亭主
(
ていしゆ
)
此を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
八千八谷
(
はつせんやたに
)
を
流
(
なが
)
るゝ、
圓山川
(
まるやまがは
)
とともに、
八千八聲
(
はつせんやこゑ
)
と
稱
(
とな
)
ふる
杜鵑
(
ほとゝぎす
)
は、ともに
此地
(
このち
)
の
名物
(
めいぶつ
)
である。それも
昨夜
(
さくや
)
の
按摩
(
あんま
)
が
話
(
はな
)
した。
其時
(
そのとき
)
、
口
(
くち
)
で
眞似
(
まね
)
たのが
此
(
これ
)
である。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
明
(
あ
)
くれは
日曜
(
にちえう
)
、
終日
(
ひねもす
)
寢
(
ね
)
て
居
(
い
)
ても
咎
(
とが
)
むる
人
(
ひと
)
は
無
(
な
)
し、
枕
(
まくら
)
を
相手
(
あひて
)
に
芋虫
(
いもむし
)
を
眞似
(
まね
)
びて、
表
(
おもて
)
の
格子
(
こうし
)
には
錠
(
でう
)
をおろしたまゝ、
人訪
(
ひとゝ
)
へとも
音
(
おと
)
もせず、いたづらに
午後
(
ごゝ
)
四
時
(
じ
)
といふ
頃
(
ころ
)
に
成
(
なり
)
ぬれば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
本船
(
ほんせん
)
の
愚昧
(
おろか
)
なる
船長
(
せんちやう
)
は『
船幽靈
(
ふないうれい
)
めが、
難破船
(
なんぱせん
)
の
眞似
(
まね
)
なんかして、
此
(
この
)
船
(
ふね
)
を
暗礁
(
あんせう
)
へでも
誘引
(
おび
)
き
寄
(
よ
)
せやうとかゝつて
居
(
を
)
るのだな。』と
延氣
(
のんき
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
つて
居
(
を
)
つたが、
其實
(
そのじつ
)
船幽靈
(
ふないうれい
)
ならぬ
海賊船
(
かいぞくせん
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
……
最
(
も
)
う
恁
(
か
)
う
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
がせゝつこましく、
物價
(
ぶつか
)
が
騰貴
(
とうき
)
したのでは、そんな
馬鹿
(
ばか
)
な
眞似
(
まね
)
はして
居
(
ゐ
)
られない。しかし
此
(
こ
)
の
時節
(
じせつ
)
のあの
聲
(
こゑ
)
は、
私
(
わたし
)
は
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
れず
好
(
す
)
きである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ねへ
正太
(
しようた
)
さん
左樣
(
さう
)
であらう、と
口
(
くち
)
を
極
(
きわ
)
めて
信如
(
しんによ
)
の
事
(
こと
)
を
惡
(
わる
)
く
言
(
い
)
へば、夫れでも
龍華寺
(
りうげじ
)
はまだ
物
(
もの
)
が
解
(
わか
)
つて
居
(
ゐ
)
るよ、
長吉
(
ちようきち
)
と
來
(
き
)
たら
彼
(
あ
)
れははやと、
生意氣
(
なまいき
)
に
大人
(
おとな
)
の
口
(
くち
)
を
眞似
(
まね
)
れば、お
廢
(
よ
)
しよ
正太
(
しようた
)
さん
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
喟然
(
きぜん
)
として
私
(
わたし
)
は
歎
(
たん
)
じた。
人間
(
にんげん
)
は
斯
(
そ
)
の
徳
(
とく
)
による。むかし、
路次裏
(
ろじうら
)
のいかさま
宗匠
(
そうしやう
)
が、
芭蕉
(
ばせを
)
の
奧
(
おく
)
の
細道
(
ほそみち
)
の
眞似
(
まね
)
をして、
南部
(
なんぶ
)
のおそれ
山
(
やま
)
で、おほかみにおどされた
話
(
はなし
)
がある。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
桂川
(
かつらがは
)
の
幕
(
まく
)
が
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
はお
半
(
はん
)
の
脊
(
せな
)
に
長右衞門
(
ちやううゑもん
)
と
唱
(
うた
)
はせて
彼
(
あ
)
の
帶
(
おび
)
の
上
(
うへ
)
へちよこなんと
乘
(
の
)
つて
出
(
で
)
るか、
此奴
(
こいつ
)
は
好
(
い
)
いお
茶番
(
ちやばん
)
だと
笑
(
わら
)
はれるに、
男
(
をとこ
)
なら
眞似
(
まね
)
て
見
(
み
)
ろ、
仕事
(
しごと
)
やの
家
(
うち
)
へ
行
(
い
)
つて
茶棚
(
ちやだな
)
の
奧
(
おく
)
の
菓子鉢
(
くわしばち
)
の
中
(
なか
)
に
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
分別
(
ふんべつ
)
をするから、
礫
(
つぶて
)
を
打
(
う
)
つたり、
煙管
(
きせる
)
の
雁首
(
がんくび
)
で
引拂
(
ひつぱら
)
ふなど、
今
(
いま
)
然
(
さ
)
やうな
陣笠
(
ぢんがさ
)
の
勢子
(
せこ
)
の
業
(
わざ
)
は
振舞
(
ふるま
)
はぬ、
大將
(
たいしやう
)
は
專
(
もつぱ
)
ら
寛仁大度
(
くわんにんたいど
)
の
事
(
こと
)
と、
即
(
すなは
)
ち
黒猫
(
くろねこ
)
を、ト
御新造
(
ごしんぞ
)
の
聲
(
こゑ
)
を
内證
(
ないしよう
)
で
眞似
(
まね
)
て
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
誰
(
だれ
)
だと
思
(
おも
)
ふ
長吉
(
ちようきち
)
だ
生
(
なま
)
ふざけた
眞似
(
まね
)
をして
後悔
(
こうくわい
)
するなと
頬骨
(
ほうぼね
)
一
撃
(
うち
)
、あつと
魂消
(
たまげ
)
て
逃入
(
にげい
)
る
襟
(
ゑり
)
がみを、つかんで
引出
(
ひきだ
)
す
横町
(
よこてう
)
の一むれ、それ三五
郎
(
らう
)
をたゝき
殺
(
ころ
)
せ、
正太
(
しようた
)
を
引出
(
ひきだ
)
してやつて
仕舞
(
しま
)
へ、
弱虫
(
よはむし
)
にげるな
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
の
臨終
(
りんじう
)
の
知
(
し
)
らせなんでせうから、すぐに
心掛
(
こゝろがか
)
りのないやうに、
遺言
(
ゆゐごん
)
の
眞似
(
まね
)
ごとだけもしませうと、
果敢
(
はかな
)
いんですわねえ……
唯
(
たゞ
)
そればかりを
的
(
まと
)
のやうにして
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つて
居
(
ゐ
)
たんですよ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おなじ
半帕
(
ハンケチ
)
でも、
金澤
(
かなざは
)
の
貸本屋
(
かしほんや
)
の
若妻
(
わかづま
)
と
云
(
い
)
ふのが、
店口
(
みせぐち
)
の
暖簾
(
のれん
)
を
肩
(
かた
)
で
分
(
わ
)
けた
半身
(
はんしん
)
で、でれりと
坐
(
すわ
)
つて、いつも
半帕
(
ハンケチ
)
を
口
(
くち
)
に
啣
(
くは
)
へて、うつむいて
見
(
み
)
せた
圖
(
づ
)
は、
永洗
(
えいせん
)
の
口繪
(
くちゑ
)
の
艷冶
(
えんや
)
の
態
(
てい
)
を
眞似
(
まね
)
て
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
考
(
かんが
)
へると、(をかしてならん。)と
一寸
(
ちよつと
)
京阪
(
かみがた
)
の
言葉
(
ことば
)
を
眞似
(
まね
)
る。
串戲
(
じようだん
)
ではない。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
車麩
(
くるまぶ
)
だつてさ……
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
たよ。あの、
坊
(
ばう
)
のお
庭
(
には
)
へ。——
山
(
やま
)
のね、
山
(
やま
)
のまはりを
引張
(
ひつぱ
)
るの。……
車
(
くるま
)
の
眞似
(
まね
)
だか、あの、オートバイだか、
電車
(
でんしや
)
の
眞似
(
まね
)
だか、ガツタン、ガツタン、がう……
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
何
(
なん
)
の
眞似
(
まね
)
だい。」
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
眞
部首:⽬
10画
似
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
“眞似”で始まる語句
眞似事
眞似言