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口繪
一二
册手に
取つて
見ると、いづれも
婦人用のものであつた。
宗助は
其口繪に
出てゐる
女の
寫眞を、
何枚も
繰り
返して
眺めた。
夫から「
成効」と
云ふ
雜誌を
取り
上げた。
おなじ
半帕でも、
金澤の
貸本屋の
若妻と
云ふのが、
店口の
暖簾を
肩で
分けた
半身で、でれりと
坐つて、いつも
半帕を
口に
啣へて、うつむいて
見せた
圖は、
永洗の
口繪の
艷冶の
態を
眞似て
(この
本の
口繪を
御覽なさい)この
冠はまったく
純金作りでありまして、その
五本の
前立てには
小さな
圓いぴら/\や、
美しい
緑色の
翡翆の
小さい
勾玉が
七十ばかりもぶら
下つてをりまして